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zoom RSS 赤い風船 (1956) フランス

<<   作成日時 : 2016/01/29 01:24   >>

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[1196]「パリの田舎」メニルモンタンを舞台にした少年と赤い風船の珠玉の物語

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アルベール・ラモリス監督が
1956年に発表した珠玉の短編。
カンヌ国際映画祭において短編パルム・ドールを受賞した
作品なのだが、私が初めて観たのは何とつい数年前、
DVD化されてからである(泣)。

もちろんトーキーなのだが、
今回は意図的に音声を消して鑑賞。
科白もほとんどない映画だし、そっちの方がこの映画に
合ってるかなあと思ったもんだからさ(^^♪

うん。私の勘、当たりだったかもな💛

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舞台は「パリの田舎」と言われるメニルモンタン。
少年パスカルが学校へ向かったある朝の事である。

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路地の階段の途中で彼は上空に何か発見したらしく、
いきなり街燈の支柱を上り始めた。
高所恐怖症の私は「き、君、危ないよ。止しなさい」と
思わず声をかけずにはいられなかった(^^♪

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街燈に赤い風船が引っかかっていたのだ。
少年はそれを手にしまた学校へ向かった。
「落ちなくて良かった」と私は安心した。
しかしこんな小さな子がよくスルスルと上れるもんだなあ、
それもまるで怖がる様子もなく。私とは出来が違う、
と感心した(^^♪

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赤い風船を手にいつものようにバスに乗ろうとすると、
「non non」と車掌が乗車拒否をした。
少年も私も「何で?」と思った(^^♪

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学校に遅れると思い、少年は赤い風船を手に走った。
すれ違う大人たちは何事かと皆少年を振り返った。
学校に着くと少年は門番に風船を預けた、
「手を放しちゃだめだよ」と言って。

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放課後、学校を出ると街は雨だった。
彼は赤い風船が濡れて風邪を引かないように、
傘をさしてる人を見つけながら下校した。

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少年の母親は、風船を見ると
何ですかこんなものをと窓から空に放り出してしまった。

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不思議な事に風船はどこにも飛んで行かず、
少年の部屋の前をふわふわしていた。彼は母親に
見つからないようにその赤い風船に手を伸ばし、
素早く部屋に入れた。そうしてその夜、二人で一緒に寝た(^^♪

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翌朝、少年は風船を窓から外に出すと、
急いで通りへ下りて風船に「降りて来い!」と声を掛けた。
赤い風船はフワフワと少年の頭上へ降りた(^^♪

しかし少年が紐を手にしようとすると、
風船は好きに自由にいたいと思ったのか、
あるいは自分の意志を伝えるためなのか分からないが、
少年の手に断固紐を渡さなかった(笑)。

急いで学校へ行かなくちゃと少年が歩き始めると、
風船もノコノコと、もとい、フワフワと彼の後をついて歩いた(^^♪

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少年は途中、ビルの角にサッと身を隠し、
やってきた風船をヒョイと捕まえてこんこんと言い聞かせた。
「いいか、僕は電車に乗る。
おまえと一緒だと車掌さんが乗せてくれないんだ。
逸れないようにしっかりとついて来るんだぞ」(^^♪

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少年の乗った電車が走り始めると、
赤い風船はお茶の子さいさいとついて行った(^^♪

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少年と赤い風船の事はすでに子供たちの間で噂になっていた。
子供たちは学校の前で少年と風船を待ち、
風船がやって来るとやんややんやと奪いあった。
むろん風船は紐を誰の手にも渡さなかった。

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教師が現れ子供たちを学校の中へ入れた。
赤い風船は少年を追いかけて塀を乗り越え、
窓を開け、教室へ入った。
子供たちがはしゃいで授業にならない(^^♪

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校長は怒り心頭に達し、風船を持ってきたお前が悪いと
少年を倉庫に監禁した。
赤い風船は校長に抗議したが相手にされなかった。

放課後、校長は
赤い風船に抗議されて少年の事を思い出し、
「もういいぞ。出て来い。さっさと帰れ。いいな!」と
少年を解放した。

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少年と赤い風船はさっさと帰らず、
路地でやっていた古道具市を見て回った。
少年は描かれた少女が気に入って眺めた。
私は一緒に眺めながら「可愛いね」と声を掛けたのだが、
どうやら聞こえなかったようだ(^^♪

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赤い風船は鏡の前で自己を確認した(^^♪
私が傍に立って「素敵だね。
君はほんとに赤い色が似合うよ。断然パリ一番だ」と言うと、
風船は確かに「ありがとう」と言った(笑)。

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途中、青い風船を手にした少女と擦れ違うと、

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赤い風船は青い風船にフラフラっとなって
青い風船について行ってしまった。
少年は「あ、何処行くんだ。家はこっちだぞ。待て」と
慌てて赤い風船を追いかけ、捕まえて引き返した♪

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と、今度は青い風船が赤い風船を追いかけて来た(^^♪
「あ、だめ。あんたはこっち」と少女が追いかけて来て
青い風船を掴み、戻って行った。
赤い風船と青い風船の束の間の恋は終わった(笑)。

少女役の女の子は、少年役の男の子の実の妹で、
二人は何を隠そう、この映画の監督
アルベール・ラモリスの実の子供なのだった💛

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少年は知らなかったが、赤い風船を奪おうと
腕白坊主どもが路地階段で待ち伏せしていた。
少年が風船を手にやって来ると腕白坊主どもは挟み打ちをした。
少年は風船を手放すと素早く階段を駆け上がり、
追って舞い降りて来た風船を掴み、わが家へ走った。

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そうして部屋の前で待ってろと風船を手放し、
アパートを駆け上がり、窓から風船へ部屋の中へ招き入れた。

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追っかけて来た腕白坊主どもは、少年と
風船の連携プレーを仰ぎ見て「すげえなあ」と目を丸くした(^^♪

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翌日、日曜日。少年は母親に連れられて教会へ行った。
が、赤い風船が追いかけて教会に入り込んで来たので
少年と風船は追い出されてしまった。
母親にも風船の事が知られてしまった。

少年と赤い風船は散歩した。

おゝ、我がノートルダム・ドゥ・ラ・クロワ教会よ(^^♪
この頃のパリはさすがに詩情に満ちてるねえ、
と私をパリ案内してくれる二人に礼を言った。
いまのパリを知っている訳ではないが(笑)。

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お腹が空いたので少年は風船を入り口に待たせ、
パンを買った。ところが
お店を出ると赤い風船の姿が見当たらなかった。
少年は慌てて風船を探し歩いた。

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風船を盗んだのは実は腕白坊主どもだった。
たまたまパン屋の前を通りかかったら
例の赤い風船がいたので隙を盗んだのだ。

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少年は塀に囲まれた空き地内に幽閉され、
腕白坊主どもにいじめられている赤い風船を発見した。
中へ入ろうとしても入れないので「こっちにおいで」と
塀の外へ呼び出し、坊主どもから何とか奪い返すと
赤い風船を連れて逃げた。

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腕白坊主どもは塀を乗り越えて少年を追いかけた。

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少年は一生懸命走って逃げた。
路地から路地へとパリ中の路地を逃げ回った。
助けてと家の中に飛び込んでもすぐに追い出された。

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丘の上へ逃げた。
と、向こうから大勢の腕白坊主どもが現れ、
少年はついに捕まった。

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赤い風船に上空に逃げられないよう、
腕白坊主どもは皆して石をぶつけた。
風船は悲鳴を上げた。

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一人の子がゴム銃で赤い風船を思い切り強く撃った。

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赤い風船は
気絶したかのようにフラリフラリと地面に落下した。
一人の子が地面に横たわった赤い風船を右足で踏んだ。
赤い風船は萎むと腕白坊主どもは丘を下りた。

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少年もその赤い風船を前にヘナヘナと萎んだ。
体が地面に落ちて動けなかった。
ああ、死ぬってこういう事なのかなとぼんやり思った。

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不思議な事が起きた。

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パリ中の風船が人間の手を離れて外へ飛び出したのだ。

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赤い風船、青い風船、白い風船、黄色い風船、緑の風船…。

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色とりどりのパリ中の風船が大空へ舞い上がり、

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丘の上の少年のもとに集まったのだ(^^♪
少年は元気な笑顔を取り戻し、風船たちの紐を手繰り寄せた。

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と、風船たちは少年を手に舞い上がり、

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青空の遥か彼方へ飛び去ったのだった(^^♪


かのジャン・コクトーはこの映画について
「妖精の出てこない妖精の話」と言ったのだそうだ。
またこれはゴルゴダの丘のイエスの話だと
穿った見方をしている人もいるらしい。
が、そんな事はどうでもよろしい!
というのが私の見方である(^^♪

アルベール・ラモリスは、映画
というかたちでしか表現できないから映画にしたのであり、
この映画はこの映画がその全てだと思うからだ。

言葉にした瞬間、何か大事なものが見えなくなったり、
消えてしまったりする事がある。辛いんだよ、物書きは(笑)。
なので私はこの映画について何も言わない事にする!
と言うと、あなたはこれを観るしかなくなる。
いい事だ。ほんと素敵だから観ようね(^^♪

あ、エディット・ピアフが生まれたヴィル通り72番地も
映ってるらしんだよね。私には何処か分からなかったので、
分かる人がいたらぜひ私にだけこっそり教えて下さい(^^♪

余談ながら
タルコフスキーの「ローラーとバイオリン」(1960)は
この映画の翻案なのだそうだ。

ついでにもう一つ。
この映画を観るたびに私は山瀬まみちゃんの話を思い出す。
子供の頃、まみちゃんが学校へ行こうと玄関を出ると、
上空にUFOが待っていて、まみちゃんは毎朝
そのUFOと一緒に学校へ行ったのだそうである(^^♪

そして放課後、学校の門の処でそのUFOが待っていて、
今度はそのUFOと一緒に下校した(^^♪
不思議な不思議な、本当のお話である。

ホントだってばあ! 83、4年頃の一時、
私は三枝成彰さん司会の番組に出演していた。
三枝さんに呼んで頂いたのだが、
山瀬まみちゃんもレギュラーで、
打合せ室でまみちゃんにしっかりと聞かされたのだ!
私は感動の余り泣いたね(^^♪

え、三枝さん? 三枝さんはまみちゃんの話も聞かず、
「ビタミンCがあれば人間は食わずとも生きていける。
ビタミンCは万能薬である、神である!」
と言ってビタミンCばかり飲んでたよ、飯も食わず(^^♪

番組名も番組の内容も全く覚えてないが、
二人の話はいまだでも私の脳裏を不死鳥の如く飛んでいる(爆)。


■36分 フランス ドラマ/ファンタジー
監督: アルベール・ラモリス
脚本: アルベール・ラモリス
撮影: エドモン・セシャン
音楽: モーリス・ルルー
出演
パスカル・ラモリス
シュザンヌ・クルーティエ
サビーヌ・ラモリス

モンマルトルの町並みを舞台に、少年と赤い風船の交流をポエティックに描きあげた傑作ファンタジー。生命を持ったかのようにたゆたう風船の描写と少年の自然な反応、その赤い色を基調に据えた画面の美しさとそれを支えた撮影の見事さ。ほとんど台詞を排して映像だけで物語るその様は“珠玉の短編”と呼ぶに相応しい。カンヌ映画祭短編グランプリ受賞。

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