こんな日は映画を観よう

アクセスカウンタ

zoom RSS ソフテン! (2014) 日本

<<   作成日時 : 2016/02/09 00:06   >>

トラックバック 0 / コメント 0

[1199] 一見幼稚に見えるかも知れないがこのご当地アイドルたちは演技が上手(^^♪

画像


出馬康成さんはGee藤田監督の友人で、
昨年の暮れに私が道後温泉にGeeさんを尋ねた時、
Geeさんに紹介されてお会いした監督である。

作品が何本かDVD化されていると知り、探して、
「マブイの旅」 (2002)、「Next Phase 君からの贈り物」(2006)
「ソフテン!」 (2014)の3本を観る事が出来た。

その中から「ソフテン!」 を紹介したいと思う。
3作品の中で私には一番面白かったからである(^^♪
理由は後述する。

画像

虹ヶ丘高校、女子ソフトボール部のお話である。
原作は板羽皆の
へたれ女子の青春スポ根漫画「ソフテン!」で、
人気漫画らしいが、残念ながら私は読んでいない。

ある日、金華高校と練習試合をやる事になったが、
試合当日、部員の一人・山田が来ない。
成績が下がったのでお父さんの言いつけ通り退部します、
試合には行けませしぇんと連絡がある。
ゲッ、部員は9人しかいないのだから試合が出来ない!(^^♪

画像

と、この時、グラウンドの片隅でボーイフレンドを巡り、
女番長と決闘する一匹狼・羅々の姿があった(^^♪
ダチの人美は早速その羅々を捕まえて山田に変装させ
試合に臨むのだが、

画像

弱っちー虹ヶ丘は初回ですでに天文学的失点。直後、
ルールも情けも知らない羅々のお陰でたちまち乱闘騒ぎとなり、
金華部員に怪我を負わせ、試合は目出たく、はい、没収(^^♪
呆れた顧問は仮病を使って顧問を即刻引退。

画像

教頭に暴力なんて言語道断、1勝も出来ない、
顧問もいない、部員も数足らず、こうなったら廃部々々、
廃部にしたら良かんべがなと怒られる。
ド頭に来たヤンキー・羅々が「勝つぜ、勝ったろやないの」
と暴言を吐き、結局、次の試合に負けたら即刻廃部だあ〜!
と申し渡される始末と相成った(^^♪

画像

羅々一時入部で頭数はとりあえず揃ったが、
その頃ボールに触る事も恐ろしいクロちゃんは、
負けたのは私のせいだと妄想責任を背負い、
学校の屋上から飛び降り自殺を図ろうとする。
と、たまたま居合わせた野球好きの用務員に引き留められ、
ついでに可愛ゆい事を良い事に部の監督を依頼する。

え〜!そんな叔父さん止しなよ、清原に頼みなよ、清原。
野球しか出来ないのに現場拒否されてあんな事になっちゃってさ、
滅茶可哀想じゃん、と私は必死に頼むのだったが(^^♪

画像

そこは漫画とは言え日本人、安全にダンカン叔父さんを選び、
1勝に向けて練習が再開される。

画像

おいこら、ダンカン、おめえのノック様になり過ぎ。
それじゃ漫画映画にならんじゃないか、と
私はすかさずダメを出す(笑)。

しかし思い出すなあ。私が中1の時、
新任の椎先生が女子ソフトボール部を創って、
しごいてしごいて初出場で見事に県大会まで行って優勝。
それも漫画そこのけの30対0とか40対0のウルトラ進撃さね。

画像

で、以後3年間負け知らずのまま女子同級生らは卒業。
いまは皆お婆ちゃんだが、コレ、嘘のようなホントの話。
調べてみなよ、当時の宮崎日日新聞(笑)。
あの頃、椎先生に頼まれてよく練習手伝ったんだよなあ。
ほんとダンカン、俺さ、お前より野球上手かったんだぜ。
誰も一切信じてくれないけどさ。
と、私は暫し遥か彼方の遠い思い出に一人耽るのだった(^^♪

画像

思春期真っ盛りの女子だから皆悩みがある。
なのでダンカン叔父さんはこうやって用務員室で
色々とその悩みに付き合いながらやっていく。
ま、古き良き時代の昭和教育って感じかな(^^♪

画像

また時には友人が監督してる
社会人女子ソフトボールチームに混じって
眼慣らしをばさせて貰う。ヒェ〜、速え〜!(^^♪

画像

と、まあ色々やってるうちに、落ち零れ、だめ人間と
烙印を押されていた部員たちの間に、悔しさ、友情、団結
みたいにものが次第に芽生えて行って、
「よっしゃあ〜、やったろじゃないかあ〜」(^^♪
と怨敵・金華高校とまた再びの練習試合と相成る。

画像

この頃は、あいつらもやるじゃねえか、と
女番長グループが応援に現れたり、
ボーイフレンドが出来て励ましてくれたり(^^♪

画像

試合開始。お、お、お、強豪金華にゼロが並ぶぜ!

画像

エースはこの子、胡桃人美。
演ってるのはKANON(Lucky Color's)という女優? アイドル?
ごめん、私、全然知らないんだけどさ、
この子ほんとにソフトボールやってたのかもよ。
フォーム結構いいし、球速えし、いい面構えしてるし(^^♪

画像

が、気づくと虹ヶ丘、七回裏の最後の攻撃を残して「5-0」。
でも、ね、ちゃんと試合になってるじゃん(^^♪
あ、途中経過、私が勝手に省いてるんじゃないよ。
映画自体が省いてるんだよ。
て事は粗筋だけで映画作ってるって事だけどね。

画像

さて残るチャンスは1回。おい、もう遠慮するこたねえ。
お前たちの実力と本気度見せてこの試合貰ったぜ!「お〜!」
と円陣を組んだが、すでに2アウト、満塁である。
むろんその経過は観ててもよく分からないのだが(^^♪

画像

バッターは球恐ろしのあのクロちゃん。
バッターボックスでブルブル、簡単に2ストライク。
ダンカン監督が堪らずタイムと彼女に声を掛けようとすると、
「タイム取り消し。このまま逃げたら一生逃げ人生になります」と
青春真っ盛りの感動的な科白を吐いて振りに行った!
と思ったら顔面にデッドボールを喰らって
ついに待望の1点取ったぞお〜!(^^♪

画像

翌日、部室に教頭が現れ、1点は取ったかも知れんけど
負けたんでしょ? はい、廃部、と申し渡すと、
女子部員一同ワ〜ンと泣いて教頭の同情を引き出し、
目出度く存続が決まったんだってさ…、というお話(^^♪

画像

観ていて一番理解に苦しむのは、この映画
一体誰に向けられて創られたのだろうかという事だ。
小・中学生に向けてというのだったら分からなくはないが、
製作がプロダクション三社になっているので
たぶん出演している「ご当地アイドル」フアンに向けて
作られたのだろう。

て事は10代から30代(?)て事なんだろうが、
となると私は「?」と理解に苦しむ事になる訳だ。
むろん内容的にとてもそんな作品になってるとは思わないから
なんだけどね。

かのロシアの演出家アニシモフさんが観たら、
「幼稚」の一言で切り捨てるどころか怒り出すかもな。
そしたら私はアニシモフさんに何て説明すれば良いんだろう。
これが今の日本文化の水準なんです。
日本人の精神年齢なんですと謝るしかないのか?

私は世界各国の映画を結構沢山観てるつもりだが、
ほんとこれほど幼稚な映画は日本だけだと思う。
が、大人になっても小学生程度の精神年齢で生きて
行けるのが今の日本だし、一生子供で生きて行ければ
それはそれでとても幸福だとも思うので、正直私は
何て言えば良いのか途端に混乱してしまうしかないのである(笑)。

まあ、私個人の事で言えば、私は日本だけで生きている
つもりはないので評価外の映画と言う事になってしまうのだが、
皆さんはコレを観てどう思うんだろう?(^^♪

と言いながら一方でこの映画は
今の日本映画界にあってはかなり良質な作品だとも思っている。
理由はただ一つ、ソフトボール部員として出演している
アイドルたちの演技は今の日本俳優より全然優れているからだ。
その事は冒頭に上げた「マブイの旅」「君からの贈り物」と
較べてみると良く分かる。

画像

「君からの贈り物」の物語は……、
入院している余命幾ばくもない女がいる。
女には幼くして捨てた子供がいて、死ぬ前にもう一度会いたい
と思っている。その病院に入院していた若い女性がそれを知り、
いまや成長しているその子供を探し出して会わせてやろうとする
のだが、といったものである。

出演は華彩なな、小田有紗、かすみ果穂らで、
サイトで調べると元AV女優だった女性たちのようである。
出馬監督は、私はピンク映画出身ですと言っていたので、
その頃から一緒にやっていた女優たちと
オリジナルビデオという形で一般映画を撮り始めたのかな。
そこはもう滅茶苦茶応援したいよね(^^♪

画像

「マブイの旅」は……、リストラされ、妻子に逃げられた中年男が
あてもなく沖縄へ行き、娼婦の文海という女に出会う。
男は彼女に惹かれ始めるが、彼女にはボクサーの恋人がいる。
その恋人がマフィアと繋がっているため、男と文海は
彼の起こしたトラブルに巻き込まれてしまう、というお話である。

出演は山田辰夫、冨樫真、山本浩貴といった俳優たちなのだが、
この2本は私には滅茶苦茶きつい。
それこそ4トントラックが背中にのしかかってきて
ズブズブと地面の中へと押し潰される感じである。
物語がどうのこうの言う前に俳優の演技が酷くて
私にはとても観ていられないのだ。

演技について語る事は非常に難しい。
語り始めると本1冊分は語らないと分かって貰えないと思うが、
そこを敢えて一言で言えばこうなる。

演技は言うまでもなく「表現」である。
そして表現とは、作り手の人間が自らを「人間以外のモノ」として
自分の外に表す事である。

例えば絵描き(人間)は自らを「絵」として他人の前に差し出し、
映画作家は自らを「映画」として、つまり人間以外のモノとして
差し出す訳である。

演技もけして例外ではない。俳優は自らを
「人間以外のモノ」として観客の前に差し出さなければならない。
でないと表現にはならない、表現の域に達しない。
観客が金を払って観るに堪えるものにはならないのである(^^♪

その事を私にはっきり教えてくれたのが実は
私が師と仰いでいる唐十郎である。
唐十郎、李礼仙、麿赤児、大久保鷹、不破万作、そして
四谷シモンと、舞台に現れる俳優たちはみな人間には違いないのだが、
同時に人間以外のモノだったのである(笑)。例えば
真っ赤な包帯で体をグルグル巻きにした四ケ月の堕胎児であるとか(^^♪

画像

唐十郎は、演技という表現が何であるかを実は歌舞伎に見ていた。
何故なら歌舞伎俳優たちが演じているのは
確かに登場人物には違いないのだが、
その人物を人間として表現するのではなく
「人間以外のモノ」として表現しているからである。
だってそうでしょう? あんな成りカタチをした人間がいますか?(笑)
その事を言いたくて唐十郎は俳優は河原者だ、
歌舞伎の始りに戻れと「特権的肉体」を唱えたのである。

にも拘わらず「君からの贈り物」「マブイの旅」の俳優たちは、
演技とは人間を演じる事だと頑なに信じて
一生懸命物語の中の人間をやろうとしているのだ。

ごく普通に考えても分かる。
人間であるあなたは普段、人間をやろうとしますか?
んな訳ないでしょう(笑)。
むしろ人間はもう嫌だと言って「人間以外のモノ」になりたがる
んじゃないですか?(笑)
例えばセックスする時、あられもないケモノに戻るように(爆)。

画像

私がGee藤田監督を絶賛するのは、Gee監督ほど
俳優の演技とは何であるかを知っている監督はいないから
でもある。
ちなみに先に紹介した「Going there」に登場する少年は
人間を、少年をやっている訳ではない。自らをシマ蛇として
カメラの前に、私たちの前に差し出そうとしているのである。

画像

この女の子の場合も別にヤンキー少女をやろうとしている
訳ではない。

画像

彼女はこの赤い実なのである。
この赤い実を演じよう、表現しようとしているのだ、
自らの肉体でもって。
唐十郎の主人公がナリは人間に見えるかもしれないが、
実は彼女は海底の「海草」である、海草の化身である、
といった構造と同じなのである。

画像

ではこのお爺ちゃんの場合はどうなのか。
お爺ちゃんは日本の俳優たちと違って
お芝居をしようとしている訳ではない。
人間をやろうと演技している訳ではない。
おそらく自分の戦時中の体験を話しているだけである。
物語上はたぶんにシマ蛇である少年に向かって、
あるいは目の前で赤い実を実らせている花に向かって。

それは別の言い方をすれば、
自らを被写体として、ブツ(肉体)としてカメラの前に差し出して
いるだけなのである。

画像

例えば冒頭の赤錆びたこの鉄の鈎と同じように(^^♪
つまり三人とも人間である自分をいわばブツとして
カメラの前に差し出している。
自然の風景や、地面、道路、家屋、柱、鈎、煙突…、
つまりは人間に作られたモノと同じ地平に立って。
人間に表現されたモノ同様に、
自らを自らの手によって作られたモノとして。カメラの前に。

その余りもの見事さに、表現=演技の見事さに
観る私たちの目は彼らに釘付けにされてしまうのである。
むろんGee監督は無言のうちにそれを要求してる訳で、
既成の俳優にはその事が全くわからないから
演技などした事のない人たちを好んで使っているのだと言える。

「ソフテン!」のアイドルたちを私が誉めるのも、
実はそれに近い演技をしているからである(^^♪

彼女たちは「君からの贈り物」「マブイの旅」の俳優たちと違って、
別に人間を演じようとしている訳ではない。
実際すでに人間な訳だから人間を演じようとする必要など
全くない訳で(笑)、彼女たちは漫画のキャクターを、
あるいは漫画をやろうとしているのである。

こう言っても良い。彼女たちは
「君からの贈り物」「マブイの旅」の俳優たちと違って、
真面目くさってお芝居などしようとせずに、
私たちが普段良くやってる事と同じように、
「わざとお芝居をして」楽しんでいるのだ、と(^^♪

だから彼女たちは
「君からの贈り物」「マブイの旅」の俳優たちと違って、
どこにでもごく普通の人間に見えてくるのである。
一見下手なように見えるが、そう見える分だけ実は
彼女たちはいわゆる俳優より格段に上手いのだ。
「Going there」に登場する少年、少女、お爺ちゃん同様に。

ダンカンもたけし軍団だから当然
今私が言っている事がわかっていて
彼女たちと同じようにやろうとしているが、
残念ながら芝居などあまりやった事のない分だけ
彼女たちの方が遥かに上手い(^^♪

画像


少し違った角度から付け加えておこう。
世阿弥は演技の核は「離見の見」にあると言い、
近松門左衛門は演劇は「虚実の被肉」にあると言った。
それは今風に言えば演技をする時は、
「素」の状態で演技しろと言う事である。

で、「ソフテン!」のアイドルたちの場合は
自分がちゃんと素(普段の自分)の状態で演技をしているから、
演技をしている時、その向こうにその人の素が良く見え、
感じられるのである。

が、「君からの贈り物」「マブイの旅」の俳優たちは
素の自分を見せてはいけないものと信じ込んでやってて、
彼女たちのようにはその人の素が見えてこないのだ。
演技してますよ、という状態しか見えて来ない。

そして悲惨な事に日本の俳優の殆どは
映画にしろ舞台にしろ圧倒的にそれを演技だと
何も考えずに、素晴らしい演技をしている人が
どういう風に演技をしているのか考えもせずに
自分の演技を恰も宗教のように信じ込んでやってる者たちが
殆どである。

恐ろしい(^^♪ 
と同時にそれをこそ幼稚だと言うべきだろう。
疲れたべ(笑)。

適当に書いたのでもし分からなかったら
ここに紹介した「ソフテン!」「君からの贈り物」「マブイの旅」、
そして「Going there」を良く観較べて貰うと良く分かる
のではないかと思う。

観ても良く分からない人がいるとしたら、
「あっちの世界」へ行っている兆候がある
と思った方が良いかも知れない(^^♪


■日本 日本 青春/ドラマ
監督: 出馬康成
プロデューサー: なるせゆうせい 田中美知太郎
原作: 板羽皆
脚本: なるせゆうせい
音楽: Kazz遠藤
出演
KANON 胡桃人美
多田愛佳 黒地静
田中美麗 阿部羅々
MIINA 薩間真麻
山田あさこ 志賀きく子
安藤遥 築野生子
四島早紀 遠藤覚子
岡本真依 小門エリカ
小倉朋夏 海浜天子
金城成美 山田
ダンカン 監督
かりん(とちおとめ25)
小山七海
真崎結
ERINA(みちのく仙台  ☆ORI姫隊)
SEREN
八角瑛子
菅原梨央
ののこ
松尾琴菜
康永樹希
南部虎弾
原金太郎

『サムライカアサン』『3センチメンタル』などで知られる板羽皆の同名コミックを、沖縄のLucky Color'sはじめご当地アイドルを多数起用して映画化した青春ドラマ。監督は「六本木フェイク」「マブイの旅」出馬康成。部員が9人ギリギリの弱小女子ソフトボール部。監督のなり手もなく廃部寸前。用務員のおじさんに監督を引き受けてもらい、どうにか廃部を免れる彼女たちだったが…。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文
ソフテン! (2014) 日本 こんな日は映画を観よう/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる