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zoom RSS ミツバチのささやき_2 (1973) スペイン

<<   作成日時 : 2016/03/13 08:51   >>

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[1205]映画の鑑。愛情の籠った美しい映像と少女の物語に涙が溢れるよ♪

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放課後、イサベルはアナを連れて村外れの小屋へ行く。
精霊が住んでいると言う小屋だ。

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イサベルは小屋の脇にある古井戸を覗く。
精霊は井戸の底からやって来るらしい(^^♪

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そして右の入り口から入りすぐに左の入り口から現れる。
どうやら今日は精霊はいないらしい(^^♪

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ある日、アナは一人でその小屋を訪ねてみる。
姉のイサベルがしたように脇の古井戸を覗いてみる。
「あ〜あ」と声を上げてみる。

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石を放ってみる。井戸の底では波紋が広がるばかりだ。

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小屋の中をそっと覗いてみる。

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中はガランと空っぽ、精霊はおろか人さえいない。
「失われた村」「なかにあったものはどこに消えたのか」
と言う母親テレサの声が一方で私に聴こえてくる。

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外で足跡を見つけた。そっと足を合わせてみる。巨大だ。

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怪物の足跡に違いない。どこに隠れているんだろう?

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と、アナは大地を見渡した(^^♪

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夜、イサベルがアンナに聞く。
「ママがあんたを探してた。どこにいるのって。
学校に残ってるって言っといたわ」

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「井戸に行った?」 アナが答える。「うん」
「あの人いた?」「いない」「やっぱりね」「パパが来た!」

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二人は慌ててベッドの枕元の明かりを消して寝た。
なんだかイチイチ滅茶苦茶可愛いのである。
二人のミツバチの囁きに私は文字通り悩殺されてしまう。
それがこの映画だ(笑)

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パパは二人をキノコ狩りへ連れて行く。
良いキノコと毒キノコの見分け方を教えるためだ。
パパがお祖父さんに教えられたように。
パパは伝える。
「毒かどうか分からない時は取らない事。
まちがって毒キノコを食べたら、キノコもお前の命も
何もかもおしまいだ」

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「山をごらん。お祖父さんはキノコの園と呼んでた。
何故だか分かる?」「なぜ?」「最高のキノコが採れる」
「行かないの?」「遠いんだ。お前たちは小さいから無理だ。いずれな」
アナは遠い山を見て妖精を思う(^^♪

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毒キノコを発見した。

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「これをごらん。本物の悪魔だ」「いい匂い」
「生えたては匂いにだまされるが育つと変わる。
カサの色をごらん。裏側は黒いだろ。
覚えておくんだよ。一番危険なキノコだ。
猛毒で、食べたら必ず死ぬ」

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そう言ってパパは毒キノコを足で踏み潰す。
そこにはフェルナンドのフランコ独裁に対する怒りが表れている
と考えて良いが、
アナの方は踏み潰されたその毒キノコを見て
殺されたフランケンシュタインを想う。犯罪者の脳を持つという。。。

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朝。宇宙遊泳(^^♪
ベッドはたちまちイサベルとアナの遊び場に変わる。
「何やってんの!早く学校に行く支度をなさい!」
と、お手伝いのおばさんに怒やしつけられる(笑)。

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二人は言われた通り支度を始める。
わ〜!おばさん怒って怒って、
イサベルがアナに髭の剃り方を教えてるよ〜ん!(笑)

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二人は線路へ立ち寄る。

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線路に耳をつける。振動が伝わって来る。

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遠くで汽笛が鳴り、やがて列車が姿を現す。

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列車はアナの知らない土地からやってくる。

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アナはその未知の国に惹かれていると言っても良い。

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列車はその未知の国からやってきた怪物だ。

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「アナー!」と叫んでイサベルが危険を知らせる。

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怪物がアナの目の前を通り過ぎる。

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そうしてまたアナとイサベルの知らない土地へと
立ち去っていく。

ここも本当に素晴らしいシーンである。
ある意味、誰もが一度や二度は思い描いた事のある
場面かも知れない。
では誰もがこうした映像を撮れるかと言うと相当難しいだろう。
余程気持ちの通じ合ったスタッフ、出演者がいない限り。
舞台もそうだが、映画はチームで作るものだ。
私がこの映画の美しさに惹かれるのは、
このチームの美しさに惹かれるのだと言っても良い。

余談だが日本の舞台や映画が壊れてしまった最大の要因は、
そのチーム(組・家族)が壊れてしまった事にある。
高度消費社会への移行によってチームは解体され、
人は徹底した個へと追いやられてしまったのだ。

演劇で言うとすでに劇団はない。
フリーを自称する者たちによるその時々の
寄せ集め集団があるだけだ。

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新劇からアングラ・小劇場時代の80年代頃まで
日本の劇団は「家族」的な形態のもとにあったが、
やがて次第にその形態は壊れた。
劇団に所属する事で先輩諸氏(=両親・兄弟等)から
演技の指導を受けたり学んだりしていた訳だが、
以降の俳優志望者たちはそれが全く出来なくなったのだ。

私は彼らフリーを自称する子たちを演劇界の「捨て子」と呼んだが、
劇団の解体は実は日本の家族の崩壊と軌を一にしていた。
家族が崩壊する事によって生まれて来る子供たちは
「家庭内捨て子」と化したが、自称フリーの俳優たちは
その家庭内捨て子と折り重なっているのである。

余談ついでに言っておくと、
芹沢俊介と私の共著「子供の犯罪と死」(1987年、春秋社)は、
その家族の崩壊を初めて論証した書だった事になる。

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「もはや怒りも軽蔑もない。変化の恐怖もない。
乾きがあるのみ。あまりの乾きで死にそうだ。
命の流れよ、どこに進む?」

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「清らかな大気がほしい。暗い深みには何がある? 
何を震え何を黙る?
私に見えるのは、盲者が陽の下でみるものだ。
二度と起きあがれぬ奈落に落ちる」

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子供たちの朗読を聞き、先生の心も沈む。
むろんフランコ軍事政権下に置かれた自分の心と
折り重なって来るからだ。

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アナは今日も一人で村外れの小屋へ行く。
が、妖精は現れない。

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実はイサベルが
そのアナをこっそり追いかけて盗み見していた(^^♪

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テレサはピアノに指を置いてみる。

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そのピアノを聞きながらアナは家族アルバムを開く。

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パパが知らない人たちと写っている。
右は実はスペインの著名な哲学者・ウナムーノという人物で、
フェルナンドは彼の弟子、つまり哲学者だった訳だ。
その彼がカスティーリャ高原の片田舎で養蜂暮らしをしているのは、
フランコ政権下で追放されてしまったからである。

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ママの写真の下に何か書かれている。
アナはその文字を指で辿って読む。
「私の、愛する、人間嫌いさん、へ」
ママがパパへ写真を贈った時に書いたのだろうか(^^♪
テレサのピアノの音が止む。弾く力など戻って来ないのだ。

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母親テレサが町へ出かける。

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アナは父親の部屋にあるミツバチの巣箱を覗く。

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父親を真似てミツバチの生態を観察する。

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そして父親の真似て思考し、父親のタイプライターで
ミツバチについての哲学的論文を書き始める(笑)
むろん思考も出来ないし、論文も書けない。
まだ自分の言葉を何一つ持っていないからである。
アナの持ってる言葉は姉イサベルの言葉なのだ。
彼女はイサベルの言葉に従って自分の関心を生きてきた訳だが、
次第に自分の言葉を持ちたがっている事がわかる(^^♪

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イサベルはベッドで飼い猫と遊んでいる。

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彼女は猫の首を両手で絞め始める。
猫が苦しみ始めると彼女は聞く、「どうしたの?」と。
猫はもがき暴れて彼女の手から逃れる。
猫に引っ掛かれたイサベルの指先から血が噴き出す。

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彼女はその小さく滴る血の紅を見ると、
手鏡を前にその紅を自分の唇に引き、
「女=おとな」になったその自分を眺める(^^♪
そして一計を思いつく。


※「ミツバチのささやき_1」
※「ミツバチのささやき_2」
※「ミツバチのささやき_3」
※「ミツバチのささやき_4」
※「ミツバチのささやき_5」


■99分 スペイン ドラマ
監督 ビクトル・エリセ
脚本 アンヘル・フェルナンデス・サントス 、 ビクトル・エリセ
原案 ビクトル・エリセ
製作 エリアス・ケレヘタ
撮影 ルイス・カドラード
美術 アドルフ・コンフィーノ
音楽 ルイス・デ・パブロ
出演
アナ・トレント
イサベル・テリェリア
フェルナンド・フェルナン・ゴメス
テレサ・ジンペラ
クエエティ・デ・ラ・カマラ

スペイン内戦がフランコの勝利に終結した直後、1940年の中部カスティーリャ高地の小さな村を舞台に6歳の少女アナと彼女の家族たちの日常を描く。製作はエリアス・ケレヘタ、監督・原案は「エル・スール」のビクトル・エリセでエリセのデビュー作にあたる。脚色・脚本はアンヘル・フェルナンデス・サントスとビクトル・エリセ、撮影はルイス・カドラード、音楽はルイス・デ・パブロ、編集はパブロ・G・デル・アモが担当。出演はアナ・トレント、イサベル・テリェリアなど。
一人の少女を主人公に、彼女が体験する現実と空想の交錯した世界を繊細に描き出した作品。スペインのとある小さな村に「フランケンシュタイン」の巡回映画がやってくる。6歳の少女アナは姉から怪物は村外れの一軒家に隠れていると聞き、それを信じ込む。そんなある日、彼女がその家を訪れた時、そこで一人のスペイン内戦で傷ついた負傷兵と出合い……。

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