嘆きの天使 (1930)

[014]旅芸人の勝利……?

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デートリッヒの伝説の脚線美が拝める、
なんて甘い期待をしてると裏切られる。

「私には恋しかない」なんて
男どもに脚見せびらかしながら歌ってるが、
彼女、ほんとうは色気なんて寸分もない。

あるのはただ色気があるふりして、脚で誘って、
最後に男を、権力者を地獄に突き落とす、
その情熱だけ……。

まったく女なのかどうかも怪しいほどなのだが、
じつはそれがデートリッヒのとてつもない魅力なんだよなあ。

教室の教壇にしがみついて
命果てる教師の末路には同情のカケラも沸かないが、
まあ、それはそれとして、
ヤニングスのマイム的な演技は、懐かしくて、いい。

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[014] 107分 ドイツ ドラマ/ロマンス

監督: ジョセフ・フォン・スタンバーグ
製作: エリッヒ・ポマー
原作: ハインリッヒ・マン
脚本: ロベルト・リーブマン
撮影: ギュンター・リター
音楽: フリードリッヒ・ホレンダー

出演
エミール・ヤニングス
マレーネ・ディートリッヒ
クルト・ゲロン
ハンス・アルベルス

邦題の勝利。ディートリッヒの脚線美が男どもに永遠のため息をつかせるとき、青い天使は“嘆き”へと変わる。ハインリッヒ・マンの『ウィンラート教授』が原作。
学生に嫌われる横暴な高校教師(ヤニングス)が、教室で見つけたブロマイドの踊り子に意見しにキャバレーに行ったのが運の尽き。彼女、ローラの“脚”に魅了された彼は、通いつめた挙げ句、彼女と結婚。道化師となって一座と共に旅回りを続け、再び、元のハンブルグの町に戻って皆の嘲笑を買う。残酷な話である。しかし、それは真実不幸なのか。堕天使の美しさに耽溺した、当然の報いではないのか。
ディートリヒの歌う主題歌“Falling In Love Again”の歌詞がまさにそれを言い当てている。パラマウントとウーファーの提携作。オーストリア移民のアメリカ監督(スタンバーグ)が、ドイツ美の真髄と巡り合い、それを世界に君臨する宝石にまで磨き上げた。以後、30年代の前半を通じて、この黄金コンビはハリウッドで大輪の幻花を咲かせることになる。


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