箪笥<タンス> (2003年)

[105]ひとは架空の物語を作り出して生きる……?


画像


「甘い人生」を撮ったキム・ジウン監督の作品。
ホラーなんだけど、うん、面白かった……。

撮影期間5ケ月だっていうんだけど、
いやあ、時間かけただけあって、
細部にわたってとても緻密に作ってあるんだよね。
うん、そこがいちばんいい……。

それと、静謐な映像の作りかた……。

ホラーだからそういう映像の作り方になったというより、
キム・ジウン監督の映像的な資質のような気がするんだけどね、
「甘い人生」も似たような感じだったし……。

で、ほんと、とても落ち着いて観れるわけ。
モダンっていうか、大人っていうか、器が大きいっていうか……。

そのあたりがたぶん
私がこの監督のいちばん好きなところかな……?

ただ物語的には、
好きな物語だけに「?」って思うところがあるんだよな。

主人公のスミっていう女の子が、
妄想ともいえる物語を作り出して生きる
という設定はものすごく面白いんだけど……、
でも、こういう壊れ方をするのは基本的には胎乳児期の問題でしょう、
胎乳児期になにか決定的な問題があったからでしょうって、
どうしても思っちゃうんだよねえ……。

実母が自殺したとか、継母とうまくいかないとか、
妹の死にショックを受けたりとか……、
まあ、そういうのが発病する契機にはなるんだろうけど……。

そういう意味で言うと、
産みの母親や、父親との関係を……、
スミの胎乳児期の物語を作って
物語の核の中に突っ込んでほしかったなあっておもう。

韓国の古典怪談(『薔花紅蓮伝』)を下敷きにしてるらしいんだけど、
そっちのほうに気が行きすぎちゃったのかな……?

しかし驚いたのは
スミをやってるイム・スジョン。
中学生くらいの役なんだけど、このとき24、5歳……?

まあ、でなきゃこんないい演技できねえだろう
とは思ったけどさ……。

リメイク権獲得したスピルバーグが
どんなふうに撮るのかとても楽しみだよね……。


●チェブさん
じつは私はこの映画2度目なんです~(笑)。
「反則王」も借りてるので近々観ます。
コメディという触れ込みなんですけど、
キム・ジウン、とても多彩な監督なんですねえ……。

●ちょごりさん
「甘い人生」を観て三島由紀夫とは意外でした。
端正なところがでしょうか……?
いずれにしろ「甘い人生」いい映画ですよねえ……。

●スクリーンさん
スリラーものというよりホラーものです。
けっこう怖いシーンがあるので苦手だったら
無理をしないほうが……(笑)。
「ノム ノム ノム 約7ヶ月です」
すごく贅沢ですね。うらやましいです。

●ソルロンタンさん
「パロ キム・ジウン タウム(正にキム・ジウンらしさ)」
いやあ、いい響きですねえ……。
イム・スジョン、撮影時22歳くらいですか。いいですよね。
みんなどういうところで演技の勉強してるんでしょう……?

ありがとうございました。
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■115分 韓国 ホラー/サスペンス/ミステリー

監督: キム・ジウン
製作: オ・ギミン オ・ジョンワン
脚本: キム・ジウン
撮影: イ・モゲ
美術: チョン・グンヒョン
音楽: イ・ビョンウ

出演
イム・スジョン スミ
ムン・グニョン スヨン
ヨム・ジョンア ウンジュ
キム・ガプス ムヒョン

韓国の古典怪談『薔花紅蓮伝』を下敷きに、怨霊に取り憑かれた家に住む4人家族を巧みな心理描写とスタイリッシュな映像で描いたミステリー・ホラー。奇怪な現象が続発する家に奇妙で不気味な父、継母と暮らす2人の姉妹が絶え間なく襲いかかる悪夢と恐怖に晒されていく。監督は「クワイエット・ファミリー」「反則王」のキム・ジウン。スティーヴン・スピルバーグが史上最高額でリメイク権を獲得したことでも話題に。
韓国ソウル郊外。ある日、スミとスヨンの姉妹は長い入院生活を終え、静かに佇む一軒家に帰って来た。2人を笑顔で迎える継母のウンジュ。だが、そこには同時に冷たい表情も浮かんでいた。新しい母親に対し、姉妹は嫌悪と警戒心を抱く。その夜、部屋で何者かの気配を感じて怯えるスヨンを優しく抱きしめ落ち着かせるスミ。しかしスミのほうもその晩悪夢にうなされてしまう。以来家の中では怪奇現象が頻発、情緒不安定になったウンジュと姉妹の対立も深まるばかり。ところが父ムヒョンはそんな彼女たちをただ傍観するのみだった…。




この記事へのコメント

チェブ
2008年06月24日 02:13
山崎さん またまたお邪魔します

実は私も二三日前に箪笥を観ました(笑)
甘い人生~を語るのに(笑)もうひとつジウン作品を観たいと思って。
ジウン監督の映像の資質…さすが山崎さんだと 思いました。甘い人生もこの箪笥もやはり
映像の美しさ、監督のこだわりというのを感じます。モダン…そう、オシャレなんですよね。映像がクリアーでスタイリッシュ、私はとくに色使いが好きです。
ジウン監督の作品、映像の素晴らしさに比べると、ストーリー(脚本)がちょっと惜しいかな(笑)とは思うのですが。

箪笥や甘い人生ほどではないですが、反則王も色が綺麗です。こちらはコメディですが…ジウン監督はスタイリッシュな中にもコメディを挟むのが好きみたい。

新作「いい奴・悪い奴・変な奴」の映像も予告をみた限りではやはりジウン監督らしい色、モダンな感じです。楽しみですね
ちょごり
2008年06月24日 12:21
私が言いたい事を、言って頂いて、とても嬉しいです。
山崎さんの言葉で、そうなんです!、そうなんです!とうなずいてました。
私には表現出来なかった言葉です。
ジウン監督の作品は「甘い人生」を何度も、何度も、観ています。
映像の美しさが、すばらしいです、もちろん、ビョンホンシの演技が素晴らしい事もですが・・・
なぜか、「甘い人生」を観ると、不思議と、三島由紀夫が浮かぶんです、それほど、読んでいませんです、三島文学は、難しくて・・・
スクリーン
2008年06月25日 01:07
山崎様 こんばんは

【箪笥】ご覧になったのですね。
ジウン監督作品と 言う事で甘い人生のあと一度レンタルしたのですが、スリラー物とわかり中断。
もう一度 借りてみようかな。
ジウン監督の多彩の才能、多彩のジャンル、この先も楽しみです。時間かけるのですよね。甘い人生もそうだけど まもなく韓国で公開のノム ノム ノム 約7ヶ月です。ジウン監督作品 早く日本の映画会社買い付けて。箪笥 観ましたらまたコメ入れさせて頂きますね。
ソルロンタン
2008年07月04日 22:19
山崎さん こんばんは またやって来ました。
「箪笥」は地元シネコンで観ました。(観客数人)
私はよほど無意味なスプラッターもの以外はジャンル問わず何でも観る方(特に韓国映画)なので、少々血が出ても平気で思わずその映像に引き込まれました。
パロ キム・ジウンタウム(正にキム・ジウンらしさ)
映像・音楽・照明・美術・家具調度品すべてとても緻密ですよね。
ただ、やはりスミと父母(特に死んだ母親)との関係をもう少し描いてほしかったけど。
イム・スジョン(80年7月生れ)なので多分撮影時は22歳位です。

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