シルミド/SILMIDO (2003)

[124]韓国映画史上に残るカン・ウソク監督の大傑作

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(2008/07/30にUPした記事に加筆、修正)


初めて観たのは3年くらい前だったのかなあ。
ほかの韓国映画観はじめて
俳優の顔がすこしずつわかってきたせいか、
なんだか以前と違って一段と味わい深さが増してきたという感じ(^^♪

よく知られているように、
金日成首相の暗殺計画をもとに作られた特殊部隊と、
それにかかわった韓国の「北派工作員」の実話を下敷きにした、
カン・ウソク監督の韓国映画史に残る大傑作。

封印されていた事件を暴き出したことにまず大拍手だよね。
中には事実を厳密に調べていないと
鬼の首でも獲ったかのように批判するひともいるが、
そのあたりはしょうがないんじゃないかな。
まだ詳細がわからなかった段階なんだし、
こういう事件が隠されていたんだと明らかにしてみせただけでも
物凄いことだと思うよ。

ちなみに2003年の観客動員は11,081,000人で第1位。
映画の素晴らしさもさることながら、
韓国の人々の関心がいかに高かったかわかるよね。

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1968年1月、北朝鮮特殊工作部隊による
青瓦台(韓国大統領府)襲撃未遂事件が発生した。

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1968年4月、インチョン沖に浮かぶ無人島シルミドに、
死刑囚など重罪を犯した31人の男たちが極秘に集められる。

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韓国政府により684部隊の訓練兵という身分を与えられ、
北朝鮮の金日成暗殺のための特殊部隊に仕立て上げらたのだ。

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隊長チェ・ジェヒョンとチョ中士の下で壮絶な特訓を課せられる。

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第3班班長になったインチャンは第1班班長のサンピルと
ボクシングの試合をし、壮絶な打ち合いの末に勝つ。

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負けを認めたくないサンピルは
インチャンに喧嘩を吹っかけるのだが、これを機に
二人の間に、そして31人の間に信頼関係が生まれていく。

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訓練は日ごとに厳しさを増し、
インチャンの班員がひとり転落死する。

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こうして3年以上が経過、いよいよ金日成暗殺の命令が下され、
北朝鮮へ向かい出発するのだが、

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直前になって、南北融和の気運が高まり

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外交路線を急遽変更、

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韓国政府は隊に直前になって中止命令を下す。

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そしていまや国家にとって邪魔になった
シルミド部隊(684部隊)の存在を隠蔽しようと、
政府はジェヒョンに訓練兵の抹殺を命じる。

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悩んだジェヒョンはインチャン政府の命令を秘密理に明かす。

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部下のパク中士とチョ中士にも。
政府命令に納得できないパクは、
命令を実行しないと自分たちも待抹殺されると案じるチョに
銃を向ける。

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ジェヒョンは、チョを政府説得の出張へ向かわせ、
その間に粛正を行なおうと進言するチョ中士の意見を受け入れる。

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パク中士は命令を受け出張する。

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事態を察知したインチャンはサンピルたちと相談し、
訓練兵たちは一致団結して銃を手に取り蜂起、

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指揮官たちと激しい銃撃戦を繰り広げる。

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ジェヒョン隊長はすべての責任をとり、インチャンの前で自殺する。

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激戦の末に19人が島を脱出。

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バスを乗っ取り、ソウルの中心の青瓦台へと向かう。

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そして待ち受ける政府軍とソウルで戦闘の末、

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手榴弾で全員、バスごと自爆したのだった…。

物語の展開、映像ともにまったく緩みがなく、
まれにみる完成度の高い作品。
冒頭の北の特殊部隊の侵入からラストのバス内自爆まで、
135分間、息を詰めてじっと見入ってしまうよねえ。

それに俳優陣がほんとうに素晴らしい。
ものすごくバラエティに富んでてほんと凄い!

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部隊長の空軍准尉チェ・ジェヒョンをやっている
「国民俳優」のアン・ソンギ。
キャリア、人格ともにほんと31人のおとうさんって感じだよね(^^♪

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北の「工作員」上がりのインチャンはおらがソル・ギョング。
韓国の歴史ものを背負わせたものをやらせたら
彼の右に出るものはなかなかいないよな。
「寡黙」もじつによく似合ってる。

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やたら挑戦的でケンカ好きのサンピルはチョン・ジェヨン。
でもなんか軽くて人情満載なやつ(^^♪
「血も涙もなく」でやってたボクサー上がりのチンピラ役と
ほとんど同じなんだけど、笑っちゃって憎めない野郎。

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「てっせん」さんも大好きだという
元ヤクザ組長の役をやっているわれらがカン・シニル。
彼がいるだけでならずもの部隊になんか落ち着きが出ちゃうわな(^^♪
ちなみに「公共の敵」でもソル・ギョングと名コンビを組んでるよ。

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チョ中士をやっているホ・ジュノ💛
顔いいよねえ、ほんと、いつもちょっと憎たらしくて。

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これも私の超お気に入りの名優にしてわかが友のイム・ウォニ。
「おれは女とついに一発やったぞお」
なんて言いながら死んでくんだけどさ(笑)。
アホがものすごく似合うやつ、いつも最高に笑えるやつ(^^♪

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性格俳優が多い韓国俳優陣の中では、
特徴がないのが特徴とも言える同じくアホの
おらがカン・ソンジン(^^♪

みんな、日本にはいそうでいない俳優だよなあ。
なにが違うかって「生活感」。
みんな日本人が失った「生活感」をからだ中が発してる。
からだ中に生き生きした血が通ってる。
人間の血と心が通ってる。

観てたら愛しくてこの連中の名鑑作りたくなっちゃったよ。


●ろみさん
こういう映画を堂々と作るところが韓国映画のすごさですよね。
いやなやつだけど気になるやつ、
いやなやつだけどすごくいいやつ、
そういう役をやらせたらホ・ジュノは天下一品じゃないでしょうか(笑)。

ありがとうございました。


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■135分 韓国 サスペンス/アクション
監督: カン・ウソク
プロデューサー: イ・ミンホ
原作: ペク・ドンホ
脚本: キム・ヒジェ
撮影: キム・ソンボク
音楽: チョ・ヨンソク ハン・ジェグオン
出演
アン・ソンギ チェ・ジェヒョン
ソル・ギョング カン・インチャン
ホ・ジュノ チョ
チョン・ジェヨン ハン・サンピル
イム・ウォニ
カン・ソンジン
カン・シニル
イ・ジョンホン
オム・テウン

長年に渡って隠蔽されてきた韓国政府による金日成暗殺計画とそれを巡る工作部隊の反乱事件を描いたアクション・サスペンス。1971年に勃発した“シルミド事件”をその発端となった事件から辿り、3年間に及ぶ南北朝鮮の緊張状態の過程を克明に描く。出演は「オアシス」のソル・ギョング、「黒水仙」のアン・ソンギ。自国の暗部に光を当てた衝撃的なテーマと壮絶なアクションが話題となり、母国韓国では記録的な大ヒットとなった。
1968年1月、北朝鮮特殊工作部隊による青瓦台(韓国大統領府)襲撃未遂事件が発生。同年4月、韓国政府はその報復として仁川沖のシルミド(実尾島)に死刑囚ら31人の男たちを集め、極秘に金日成暗殺指令を下した。こうして31人は、その時の年月から名付けられた684部隊の特殊工作員としてジェヒョン隊長の下、過酷な訓練を開始する。3年後、優秀な工作員に仕立て上げられた彼らに、いよいよ実行命令が下される。しかし、政府の対北政策は決行目前になって大きく転換、北潜入へ向け行動を開始した部隊に急遽命令の撤回が告げられるのだったが…。

この記事へのコメント

ろみ
2008年09月13日 12:29
山崎さん こんにちは。

シルミド、取り上げていただき
ありがとうございます。
日本公開当時、監督、俳優達も来日して
会見等 あったようですね。
その頃はまだ 韓国映画について
何も知らず・・・。
http://www.furai.co.jp/movie/saki/0406032.html

韓国でこのような映画が製作されて、ヒットした、と
いうことに 大きな意味があると思います。
社会情勢や 戦略が変ると 急に不要になったり
都合が悪くなることで 悲惨な状況に
追い込まれた部隊。 それを 様々なタイプの
役者達が演じていて 韓国映画界の深さを
感じました。

ホ・ジュノを初めて見たのは TVドラマの
「ホテリアー」でしたが そこでも
ちょっとイヤな役を演じていて
気になる存在でした(笑)。

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