デイジー (2006)

[146]映画は自分たちの生命が届く範囲内で撮れ……?


画像     監督は「友は風の彼方に」や
     「インファナル・アフェア」を撮ってる
     私の大好きな
     香港映画界のアンドリュー・ラウ。

     えっ、韓国でも撮ったんだ?
     と思ってみたんだけど、さすがだねえ、
     面白かったよ……。



舞台は全編オランダ。

異国を舞台にするってのは新鮮な半面、
すごく勇気がいると思うんだよね、
その街の生活感をすぐに掴めるわけじゃないから……。

そのためどうしても異国の人間の物語は
その街から浮いてしまいがちになるんだけど、
この作品にはそれがちっとも感じられなかった。

舞台を、広場を中心にあまり広げなかった……、
言いかえると、
自分たちの生命が届く範囲内に収めて撮った、
それがよかったんじゃないかなあとおもう……。

物語の設定も面白い、
広場で似顔を描いている画家の卵ヘヨン(チョン・ジヒョン)と、
彼女を愛する刑事ジョンウ(イ・ソンジェ)、
そして暗殺者パクウィ(チョン・ウソン)っていう……。

ラブストーリーの基本は
「愛を成就させない」ってこと、
愛を「不可能」として描くってことだと思うんだけど、

その意味ではこの人物設定は
最初からもうちゃんと理に叶ってるからねえ(笑)。

まあ、クァク・ジェヨンがホン(脚本)だから外すわけないか……。

しかしこの映画が面白く仕上がってるのは、
なんたってヘヨンを演じてるチョン・ジヒョンのおかげ……?

最初、彼女は、
たまたまスケッチを頼んできた刑事ジョンウのことを
テイジーの花を贈ってくれる男だって思って好きになっちゃうのね。

そのころはかわいいとても純な女の子に見えるんだけど、
広場で銃撃戦に遭遇して、ノドを怪我して声を失うと、
とたんに表情がグッと変わってくるの、
ジョンウが怪我して帰国したこともあって……。

その表情の変化がものすごくいいのよ、
「イルマーレ」や「猟奇的な彼女」「僕の彼女を紹介します」
とはまた違って、とても現実感があって……。

その彼女にグッと引っぱられて観ちゃうんだよねえ。

ジョンウをやってるイ・ソンジェもいいねえ。
渋いねえ。好きだねえ、こういう男……(笑)。

チョン・ウソンも、相変わらず顔で芝居やりすぎだよ、
と思うけど、役がいいせいか、許せないほどじゃない……(笑)。

となると、文句の標的はわれらがアンドリュー・ラウ?(笑)

ジョンウがまたオランダに帰ってきて、
ヘヨンをアパートに訪ねてくるシーンがあるのよ。
自分のせいで君をケガさせてすまなかったって……。

そのときパクウィもたまたまヘヨンに会いに来てて
部屋の中にいるんだけどさ、
そのジョンウとヘヨンの再会シーンがもうめちゃくちゃいいのよ。

いいのに、アンドリュー・ラウのやつ、
突然、画面を3分割しちゃうんだぜ。
3分割して、部屋の中のパクウィ、
ドアの前のヘヨン、ジョンウを並べちゃうんだぜ。

しかもパクウィやってるチョン・ウソン、
またいかにも臭い例の「お芝居」してんだぜ。

なに考えてんだよ、アンドリュー・ラウ。
やめてくれよ、説明すんなよって、頭きちゃったわ……(笑)。

しかもまたラスト、ヘヨンが撃たれて死ぬと、
やたら得意のフラッシュバック、カットバック、
泣かせの音楽使っちゃって……(笑)。

たまには俳優信じなさい、
チョン・ジヒョン、めちゃいいんだからって、
本気で怒りたくなっちゃった……!

でも、まあ、この際だからみんな許しちゃおう。
面白かったもんね……(笑)。

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●minmiさん
チョン・ジヒョン、すばらしいですよね。
クァク・ジェヨンの作品が多いですけど、クァク・ジェヨン、
彼女のよさをほんとによく心得てるなあと思います。
アンドリュー・ラウ監督は、もうminmiさんのおっしゃる通りです。
でも好きなんですよねえ、風通しのいい監督なもんで……(笑)。
韓国映画ファンだと聞いてますます好きになりました(笑)。
「香港や台湾の映画って、2000年前後くらいから、韓国映画の影響を
モロに受けてて、韓国の女優さんが、ほとんど意味もなくゲスト出演する
作品もあるくらいです」
これも限りなくうれしいですね。とすると、韓国映画の影響を避けようと
してるの、日本だけってことですかね。ふぁ~、と力が抜けてしまいます。
観る力のない人間には撮る力もないと思うんですけど……。

●てっせんさん
じつを言うと私も脚本がいいだけにちょっと不満なんですよね(笑)。
チョン・ジヒョンとイ・ソンジェはハードに持っていこうとしてるのに、
チョン・ウソンと監督はソフトな方向でやろうとしてるので、
両者、呼吸が合っていないところがあるように思います。
私だったら断然ハードにして、敬愛するクァク・ジェヨンを
ぶっ飛ばしてやりたいと思います……(笑)。
てっせんさんの意外な弱点を告白していただいて喜んでいます。
なにを隠そう、私はホラーが大好きなんです。
「4人の食卓」、実はきょう借りてきたばかりでして、
もう楽しみでしょうがありません……(笑)。

●ひまわりの種さん
娘さんのお怒りにはまったく同感です(笑)。
傑作! と言い切れないのは、チョン・ジヒョンがラスト
なんであんなに嘘っぽい男のチョン・ウソンに心が移るのか、
台本上はわかるけど、画面上では観ててどうしても
納得がいかないからです!(笑)
え~っ、イ・ソンジェ のほうが全然いいじゃん。
チョン・ジヒョン、あんな男に惚れちゃうの?
そうすると……、なあんだ、チョン・ジヒョンってそういう女だったの、
と彼女自身にも失望しかねないからです……(笑)。
映画は画面なんだから、やっぱりそういうところに
万全の気を使ってほしいと思うのですが……(笑)。

●聡さん
そうなんですよねえ。
私がずっとこの映画を観ようかどうか迷っていたのは、
じつは「私の頭の中の消しゴム」がちょっと
生理的にだめだったからなんですよね。
はっきり言うとチョン・ウソンが……、臭くて……。
でも韓国では人気あるんですよね?
それが私には
韓国映画界の数少ない不可解さのひとつなんですが……(笑)。
私の中では、イ・ソンジェのほうが全然かっこいい男
ということになっているんですけど……。
みなさんのご意見伺ってると改めて勇気が湧いてきます(笑)。

●チェブさん
お元気そうでよかったです。
「イ・ソンジェに心奪われまして、しばらくはイ・ソンジェ ラブ(笑)でした」
そうですか、チェブさんも……。イ・ソンジェがあまりにもいいので、
頼むからチョン・ウソンもう出て来なくていいよと思っていたら、
やっぱり出てきてしまいまして……。
映画はお客の願い事を叶えてくれないと……(笑)。
しかしイ・ソンジェ、男にも女にも愛されてほんとに幸せですね。
だんだん妬きもち気分になってきました……(笑)。

ありがとうございました。

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125分 韓国 ロマンス/サスペンス/犯罪

監督: アンドリュー・ラウ
脚本: クァク・ジェヨン
撮影: ン・マンチン アンドリュー・ラウ
美術: ビル・ルイ
音楽: 梅林茂 チャン・クォンウィン

出演
チョン・ジヒョン ヘヨン
チョン・ウソン パクウィ
イ・ソンジェ ジョンウ
チョン・ホジン チャン刑事
デヴィッド・チャン 組織のボス・チョウ

「猟奇的な彼女」のチョン・ジヒョンと「私の頭の中の消しゴム」のチョン・ウソンの共演で贈るサスペンス・ラブストーリー。全編オランダを舞台に、一人の美しい女性と彼女を愛する刑事と暗殺者、皮肉な運命に翻弄される男女3人の愛の行方がスリリングに描かれる。監督は香港のヒットメイカー、「インファナル・アフェア」シリーズのアンドリュー・ラウ。
オランダ、アムステルダム。画家の卵、ヘヨンは、名前も顔も知らないある一人の男性を想い続けていた。それは彼女が絵を描くため山間の村に滞在していた時、困っていた彼女を秘かに助けてくれた人。以来彼女のもとには、その人からデイジーの花が贈られ続けていた。そんなある日、広場で肖像画を描くヘヨンの前に客として現われた一人の男ジョンウ。ヘヨンは一目見た瞬間に、彼こそ彼女が想い続けてきた運命の相手と確信する。しかしジョンウの正体はインターポールの刑事で、張り込みのために客に成りすましていただけだった。そして、そのジョンウと敵対することになるプロの暗殺者、パクウィこそ、本当のデイジーの送り主だったのだが…。




この記事へのコメント

minmi
2008年09月14日 15:07
この作品私的には「男性に見てほしい韓流ラプストーリーNo1」でした。
感想伺えて、うれしかったです。
アンドリュー・ラウ監督って、私は「無間道」(インファナル・アフェア)一作があまりによかったので過大評価されすぎてると思ってるんですけど、もともとは、かなりメチャクチャな演出家だと思うんです。
香港映画がメチャクチャだった時期の化石のような(と言っちゃうと、まるでけなしてるみたいですけど)そのメチャクチャさを廃して余りあるパワーを有していた頃のよさも残した監督だと思います。
チョンジヒョン、いいですよねー。
大好きな女優さんです。
まるでストーカーにしか思えないようなプレゼントにロマンチックな憧れを抱いちゃうなんて、彼女じゃなきゃ絶対ありえねーって思いました。

ラウ監督は、どうやら韓国映画のファンみたいですよ。
香港や台湾の映画って、2000年前後くらいから、韓国映画の影響をモロに受けてて、韓国の女優さんが、ほとんど意味もなくゲスト出演する作品もあるくらいです。
てっせん
2008年09月14日 20:25
今晩は
この映画、観終わったとき、スゴク不満が残ったんです。俳優がいけないのか、脚本か、あるいは監督なのかって・・・。
本日、山崎さんのご批評を読んでスッキリしました。
やっぱり、責任の大半は監督だったんだあ、って・・・
(笑)
ところで、チョン・ジヒョン、「四人の食卓」では化粧っ気のない、それこそ「現実的な」顔を見せていて、とても美しかったです。ですがこの作品、いちおうホラー映画でして、コワイのがコワクてしょうがない私としては、二度とは観たくないです(笑)
ひまわりの種
2008年09月15日 00:15
今晩は。
これチョン・ジヒョンファンの娘と観たのですが
彼女憤慨してました。ウソンシがメインキャラだから
ああなるのー?だってソンジェシから気持ちがそんなに
ウソンシに移れるのー?そうじゃない方がウソンシも
かっこよく思えるのにソンジェシのほうが韓国男性っぽくて断然すてき、自分もなるほどそうかも知れないと
娘の憤慨ぶりを楽しんだものでした。
2008年09月15日 00:49
こんばんは。この映画好きです。この作品の前に観た「私の頭の中の消しゴム」(韓国映画の中で二番目に興行収入が良かった)が私的にはいまいちだったので、どうかと思ったんですが良かったです、ウソン君のほうが人気があるので、宣伝ではウソン君が前面に出てたけど、私はイ・ソンジェさんの方が印象的でした。そんなに男前だと思わないのに、かっこよく見えました。
チェブ
2008年09月15日 04:43
こんばんわ
山崎さんお変わりございませんか?このところ、身辺慌ただしくバタバタしており、すっかりご無沙汰してしまいました。毎日覗いてはいたのですが、あーこれ観てない、これも・・これもとまだ 観ていない作品ばかりで(笑)
デイジーは観てました(笑)
チョン・ジヒョンが好きでこの作品を観たのですが、イ・ソンジェに心奪われまして、しばらくはイ・ソンジェ ラブ(笑)でした。登場する刑事役にすごく合っていて、いい味出していて…なのに!なんで死んじゃうのよぉ! と憤慨してました。映画館で観てDVDが出たら必ずもう一度観ようと思っていたのに未だ観てないのは、どこかしっくりこない感があったからなのかもしれません。
さてさて、こちらで紹介され気になってる作品、時間のある時に観てみまーす
今はDVDまで時間がまわらないので、ちょっとジレンマに陥ってます
では、またおじゃま致します
季節の変わり目、山崎さんも体調くずされませんように・・。

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