至福のとき (2002)

[176]わっ。中国にもわれらが「寅さん」がいたっ……!


画像     中年失業者チャオはいまだ独身。
     なんども見合いしたがうまくいかない。

     そこで太っちょの子持ち女に
     狙いを定める。

     ふくよかな女は
     絶対、心もふくよかなはずだ、と……。


いやあ、いいよねえ、この純情可憐な思い込み……!(笑)

しかしその女の部屋には
前夫が残していった盲目の少女ウー・インが同居していて、
厄介者扱いされていた。

至福旅館という旅館を経営していると大ボラ吹いてたチャオは、
その太っちょ女に、ウーインを
マッサージ師として旅館で雇ってくれと頼まれる。

困ったチャォは、廃工場に按摩室を急造し、
工場の同僚たちにお客のフリをしてもらい、ウー・インを働かせる。

ウー・インはすぐにチャオや仲間が
自分のために芝居をやってくれているのだと気づくんだけど、
かれらの人情に触れるうちに……。

みたいな話なんだけどさ、

もしかしたら、これ、チャン・イーモウが
山田洋次&渥美清の「寅さん」シリーズを観て創ったんじゃないの?
と思っちゃうほど、寅さん映画に似てるんだよねえ。

いや、もう完全に「中国の寅さん」だよお~。

もちろん貶してるんじゃなくて、
そうだと嬉しいなあみたいな気分なんだよね。

寅さんと同じで、
チャオとその仲間たち見てるとものすごくホッとするし、
盲目の少女ウー・インみたいに
「あ~、こういうひとがいると生きていけるよなあ~」って
観てるこっちまで思えちゃうもんねえ……(泣)。

チャオとその仲間たちが見せる心って、
チャン・イーモウの映画の底にいつも流れてるよね。

そういう意味じゃ、この作品、
いちばんチャン・イーモウらしい作品かなって思っちゃった……。

少女ウー・インをやっているドン・ジェ、めちゃくちゃいいよ。

オーディションで5万人の中から選ばれて、
これが映画初出演らしいんだけど、ものすごくきれい!
まだ全然汚れてないんだよね、俳優として……。

チャン・ツィイーの場合も同じだったんだけど、
チャン・イーモウ、こういう女の子探してくるの、天才的だよね。

「中国の寅さん」、ぜひ観てください……。

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●てっせんさん
はい、もうてっせんさんのおっしゃる通りですねえ。
巨匠と世間に言われドンドンだめになっていくひとっていますよねえ、
映画の世界に限らず……。
なにか勘違いしはじめるんでしょうねえ。
人間って哀しいですねえ……(笑)。
近日中に「HERO」について書こうと思ってたんですけどね……(笑)。

ありがとうございました。

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97分 中国 ドラマ

監督: チャン・イーモウ
製作総指揮: エドワード・R・プレスマン テレンス・マリック
原作: モー・イェン (『至福のとき』平凡社刊)
脚本: グイ・ズ
撮影: ホウ・ヨン
美術: ツァオ・ジュウピン
編集: チャイ・ルー
音楽: サン・バオ
サウンド: ウー・ララ

出演
チャオ・ベンシャン チャオ
ドン・ジェ ウー・イン
フー・ピアオ
リー・シュエチェン
ニウ・ベン

中年失業者と盲目少女の、親子のような絆を描いた心温まる人間ドラマ。監督は「あの子を探して」「初恋のきた道」のチャン・イーモウ。原作は、イーモウ監督の代表作の1つ「紅いコーリャン」の原作者でもあるモー・イェンの同名短編。ヒロインを演じたドン・ジェはオーディションで5万人の中から選ばれ、本作で女優デビュー。
中国の近代都市・大連。ある日、盲目の少女ウー・インの継母は、“至福旅館”の経営者を名乗る男チャオと見合いをした。実は彼は工場をリストラされた失業者。何とか見合いを成功させようと大見栄を張ってしまった。継母はウー・インを按摩師として働かせるよう願い出た。チャオは継母に冷遇されている彼女に同情し、廃工場に按摩室を急造する。彼は仲間に、旅館の客のフリをするなどの芝居を打ってもらい、ウー・インを稼がせる。そして、彼女も次第に生きる希望を取り戻していき、チャオとも親子のような間柄になっていくのだが…。


この記事へのコメント

てっせん
2009年01月06日 00:00
今晩は
チャン・イーモーって、この映画あたりまでは面白く観ることができたんですが、「HERO」からはどうもこちらの気持ちが熱心でなくなりました(笑)。優れたところが多い映画だったと思いますし、主演のジェット・リーには好感を持ったのですが・・・

そもそもチャン・イーモーって妖しいところがあるのが魅力だったんですね。その妖しさは川端康成の妖しさに通じるところがあると、独断で思ったりしていました。つまり、日本のかなしさを愛して描いた康成と、中国のかなしさを撮っていたイーモー・・・「伊豆の踊り子」と「初恋の来た道」は同じ美しさ、同じかなしさ、そして同じ妖しさを秘めていると・・・(笑)。この妖しさは極私的なエロチシズムと言ってもいいです。

で、最近のチャン・イーモーは妖しさから怪しさに変質してしまったんじゃないかなって・・・(笑)

失礼しました

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