あの子を探して (1999)

[169]人間の低き世界を描くチャン・イーモウ……。


画像     びっくりしたあ……。

     主人公は
     13歳の少女ウェイなんだけどさ、
     彼女、田舎の小学校の
     代用教員なんだよねえ……。

     しかも文字は……、
     めちゃ難しい漢字?は書けるんだけど、

算数……、
足し算、掛け算等は10歳前後の子どもたちのほうができるの。
中国では、こういう子の代用教員もほんとにありなの?
なんて驚いちゃうんだよね……(笑)。

とはいっても、教員ウェイが
そんな子どもたちと一緒に勉強していく光景のほうが、
教育ほんらいの光景だよなって感動させられちゃうんだけどさ。
そこがこの映画のミソ……?

ところで物語はいたって単純。
少年チャンが家庭の事情で都会へ出稼ぎに行ってしまう。
ウェイが追っかけて行きチャンを探すが見つからない。

最後、テレビの人気番組に出演してチャンに呼びかけ、
ようやく再会して2人で小さな山村に帰る……、
というだけのお話。

チャン・イーモウ監督はそれをまるで
ドキュメンタリーでも撮るかのようにして撮ってるんだよね。

実際、ウェイもチャンも素人で、
ウェイがチャンを探す都会の場面はそれが特に際立ってるの。
ドキュメント手法に徹してて、俳優のウソが入る余地がない。
そのためひじょうにリアルっていうのかなあ……。

だから観ててひじょうに気持ちいいよねえ。

ただ作品的には「初恋のきた道」には及ばないかなあ……。

ドキュメント手法に徹するってことは、
言いかえると、フィクションの度合いを低くするってことだよね。

そのぶんリアル(現実的)なんだけど、
フィクションの度合いがひじょうに高い「初恋のきた道」みたいには、
人間の心の深さ、世界の広さ・深さを
なかなか表現できないってことになっちゃうんだよね……。

しかし、ほんとすごくいい映画だよ。

社会の底辺で生きるひとたち、
まだおとな社会に組み込まれない子どもたちを描くと、

人間ってなにか……?
社会ってなにか……?
ほんとによくわかる。

私が犯罪者・被害者を描くのもそのためなんだけど、
チャン・イーモウ監督もそのことをとてもよくわかってるよね。

そこがすごくうれしい監督なんだよねえ……。

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106分 中国 ドラマ

監督: チャン・イーモウ
製作: ツァオ・ユー
脚本: シー・シャンシェン
撮影: ホウ・ヨン
美術: ツァオ・ジュウピン
音楽: サン・バオ

出演
ウェイ・ミンジ 本人
チャン・ホエクー 本人
チャン・ジェンダ チャン村長
カオ・エンマン カオ先生

「紅いコーリャン」「菊豆」のチャン・イーモウ監督作品。舞台は中国の小学校。1ヵ月間学校を離れることになったカオ先生の代わりに、村長から代用教員に指名された少女ウェイ。可愛いけれど、やんちゃで生意気な28人の生徒たち。“生徒が一人もやめなかったら褒賞金をあげる”というカオ先生の言葉を信じて、子供たちを懸命に見張り続けるが、ある日、いつもウェイを困らせていた少年チャンが都会へ出稼ぎに出てしまった……。ヴェネチア映画祭で監督自身2度目のグランプリを受賞。

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