光州5・18 (2007) 韓国
[174]韓国の民主化運動の源を描いた傑作……。
観たい! と、ずっと思っていた作品。
レンタル屋の新作コーナーにようやく発見。
うれしいねえ。
そして……、うん、待った甲斐があった。
ほんとに面白かったあ。(^^♪
事実に基づいた悲劇的な事件を扱った作品を
面白かったと言うのもなんだけどね。
言っておくと、観ても
光州事件の全体像がわかるわけじゃない。
高校生の弟ジヌが反軍部民主化要求のデモに参加、
諌めた兄ミヌの前で銃弾に斃れる。
嘆き悲しむミヌ(キム・サンギョン)は闘争派に参加し、
元軍人でいまは小さなタクシー会社をやっている
フンス(アン・ソンギ)のもと全羅南道庁を占拠し、
全斗煥の新軍部と壮絶な銃撃戦を闘う……、
という市井の青年の行動を描いたもの。
フンスはミヌの上司(社長)であり、
恋するシネ(イ・ヨウォン)の父親でもあるんだけどね。
そういう意味で言うと、
光州事件が起きたいきさつが描かれているわけじゃないし、
地元の有力者などで構成された市民収拾対策委員会が、
闘争派と協商派とに分裂して
闘争派が孤立していった様子も描かれてないから、
すでに事件をよく知っている韓国民にはわかるんだろうけど、
知らない日本人にはちょっとわかりにくいところがあるかもね。
でも市井の青年ミヌの愛と闘争(?)のドラマとしては
とてもよくできていて、思わずポロポロ泣いちゃったよ。
相変わらずアン・ソンギがいいねえ。
まさに韓国民主化運動の「父」の顔。
そう言っちゃなんだけどさ、このひと見ていると
平凡な俳優の偉大さがとてもよくわかるんだよね。そこが凄い。
キム・サンギョン(左)もいいし、
シネやってるイ・ヨウォン(右)なんか絶品。
凛としてて、女性としての慎みを感じさせて(私も古いなあ)。(^^♪
「男の香り」や「子猫をお願い」のころに比べると、
もうすっかり大人。当たり前か(笑)。
ラスト…、
彼女が夜明け前の霧の中、街宣車に乗って、
「市民の皆さん、私たちのことを忘れないでください」って
マイクで訴えていくんだけど、私には忘れがたい名シーンです。
余談だけど、
「ペパーミントキャンデー」でソルギョングが兵役に行き、
出動命令が出て、誤って女子大生を射殺、
そのあと恋人のところに戻らないんだけど、
この映画を観ると、そうかあ、これじゃあとても帰れないよなあって
凄く納得できるよね。
あ、ついでにほかの出演者もちょっと紹介しておくね。
韓国映画ルネサンス期を支えたそうそうたるおらが俳優さんたちが出てるんだよ。
それだけで私にはたまんない映画なんだけどね。(^^♪
右、カン・ミヌの弟ジヌ…、「王の男」でスターの仲間入りをしたイ・ジュンギ。
左、危険だからデモに行くなと怒るチョン先生…、ソン・ビョンホ。
兄ミヌ、弟ジヌの母親を演じてるのは私の大好きなナ・ムニ。
左、全羅南道庁に立てこもり銃撃死したタクシー運転手インボン…、
わが友のパク・チョルミン。
右、市民兵と行動を共にするキム神父…、わが愛するソン・ジェホ。
同じく銃を取ったつばめ族(笑)のヨンデ…、パク・ウォンサン。
負傷者を手当てする医師してぐわんばるおらがチョン・インギ。(^^♪
韓国の民主化運動を知る上でもとても勉強になるので、
これはもう絶対観てほしい作品だなあ。(^^♪
●ちょごりさん
お元気ですか。
光州事件は韓国の中でもっとも悲劇的な事件といわれています。
歴史劇としてみても、とても面白いです。
寒いのでどうぞおからだご自愛ください……。
●チェブさん
そうですか。韓国の方でも詳細を知らないひといるんですね。
もう30年近くも前の事件ですもんねえ……。
おっしゃるように、この映画の怖さは、
青年や市民が正体もよくわからない「敵」と戦っている
ということなんでしょうね。
兵士たちもよくわからずに学生や市民を殺害している……。
たまらない気持ちになります。
それに忘れちゃいけないことは、この事件を経たから
いまの韓国があり、韓国映画があるんだってことでしょうね……。
ビョンホンとイ・ヨウォンの競演ですか。いやあ、いいですねえ!
私が撮りたいっ! なんて思っちゃいます……(笑)。
●ひまわりの種さん
原題は「華麗な休暇」ですか。そのほうが
この物語のイメージをちゃんと伝えてるような気がします。
しかし女性は見てるところが細かいですねえ。
身体感覚の違い? ほんと、脱帽です……(笑)。
●りぼんさん
はじめまして。お読みいただいてるそうでありがとうございます。
白竜が歌にしていたんですか。知りませんでした。
探して、あったら聞いてみたいですね。
「砂時計」持っているのですが、まだ時間がなくて観ていないのです。
今年中にはぜひ観なくちゃ……。
アン・ソンギ、ほんとに「なにを演じても何の違和感もなく、
自然と役にピタリとはまる俳優」ですよね。
私のとても好きな俳優さんのひとりなんですよ……。
●てっせんさん
お正月早々いい映画をごらんになれてとてもうらやましいです(笑)。
タクシー運転手と相棒の長髪の風来坊、
こういう映画を創るときの常道といえば常道なんでしょうけど、
いいですよね。笑かして、救ってくれます。
本文には書きませんでしたが、ミヌがトンネルの中でシネと別れて
戦場の道庁へ引き返すシーンもいいですよねえ、
トンネルの向こうの光が、未来や希望を象徴しているみたいで……。
●kiraさん
そうですか、私もアン・ソンギ大好きなんですよね。
いい意味で、韓国映画界の「良識」だと思っています…。
この映画、おっしゃるように、
事件を「きれい」に描きすぎてるような気もしますが、
事件や人間をリアルに描くことだけがすべてじゃないので、
私はまあ、けっこういい映画だなあと思って観てました…(笑)。
ありがとうございました。
クリッとしていただけると嬉しいです!
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■121分 韓国 ドラマ
監督: キム・ジフン
製作: イ・スナム パク・チャンヒョン
脚本: ナ・ヒョン
撮影: イ・ドゥマン
出演
アン・ソンギ パク・フンス
キム・サンギョン カン・ミヌ
イ・ヨウォン パク・シネ
イ・ジュンギ カン・ジヌ
ソン・ジェホ 神父
ナ・ムニ
パク・チョルミン
パク・ウォンサン
ソン・ビョンホ
チョン・インギ
イ・オル
1980年の5月に韓国の光州で実際に起こった悲劇をテーマにしたヒューマン・ドラマ。民主化を求める学生と戒厳軍が10日間にわたって激しく衝突し、一般の市民にも多くの犠牲者を出した“光州事件”をリアルに再現しつつ、その中でごく普通の若者たちを襲った悲劇の顛末を綴る。監督は「木浦は港だ」のキム・ジフン。
タクシー運転手の青年ミヌは両親を早くに亡くし、高校生の弟ジヌを親代わりとなって一所懸命に面倒見てきた。そんなミヌは、ジヌと同じ教会に通う看護師のシネに秘かな想いを寄せていた。告白することもできずにいたミヌだったが、ジヌを交えた3人で映画を観るチャンスをものにする。しかし、シネとの楽しいひとときを満喫していたその時、映画館の外では学生の民主化デモ隊と戒厳軍の衝突が始まり、やがてミヌたち3人もこの騒乱に巻き込まれてしまう。
観たい! と、ずっと思っていた作品。
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諌めた兄ミヌの前で銃弾に斃れる。
嘆き悲しむミヌ(キム・サンギョン)は闘争派に参加し、
元軍人でいまは小さなタクシー会社をやっている
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全斗煥の新軍部と壮絶な銃撃戦を闘う……、
という市井の青年の行動を描いたもの。
フンスはミヌの上司(社長)であり、
恋するシネ(イ・ヨウォン)の父親でもあるんだけどね。
そういう意味で言うと、
光州事件が起きたいきさつが描かれているわけじゃないし、
地元の有力者などで構成された市民収拾対策委員会が、
闘争派と協商派とに分裂して
闘争派が孤立していった様子も描かれてないから、
すでに事件をよく知っている韓国民にはわかるんだろうけど、
知らない日本人にはちょっとわかりにくいところがあるかもね。
でも市井の青年ミヌの愛と闘争(?)のドラマとしては
とてもよくできていて、思わずポロポロ泣いちゃったよ。
相変わらずアン・ソンギがいいねえ。
まさに韓国民主化運動の「父」の顔。
そう言っちゃなんだけどさ、このひと見ていると
平凡な俳優の偉大さがとてもよくわかるんだよね。そこが凄い。
キム・サンギョン(左)もいいし、
シネやってるイ・ヨウォン(右)なんか絶品。
凛としてて、女性としての慎みを感じさせて(私も古いなあ)。(^^♪
「男の香り」や「子猫をお願い」のころに比べると、
もうすっかり大人。当たり前か(笑)。
ラスト…、
彼女が夜明け前の霧の中、街宣車に乗って、
「市民の皆さん、私たちのことを忘れないでください」って
マイクで訴えていくんだけど、私には忘れがたい名シーンです。
余談だけど、
「ペパーミントキャンデー」でソルギョングが兵役に行き、
出動命令が出て、誤って女子大生を射殺、
そのあと恋人のところに戻らないんだけど、
この映画を観ると、そうかあ、これじゃあとても帰れないよなあって
凄く納得できるよね。
あ、ついでにほかの出演者もちょっと紹介しておくね。
韓国映画ルネサンス期を支えたそうそうたるおらが俳優さんたちが出てるんだよ。
それだけで私にはたまんない映画なんだけどね。(^^♪
右、カン・ミヌの弟ジヌ…、「王の男」でスターの仲間入りをしたイ・ジュンギ。
左、危険だからデモに行くなと怒るチョン先生…、ソン・ビョンホ。
兄ミヌ、弟ジヌの母親を演じてるのは私の大好きなナ・ムニ。
左、全羅南道庁に立てこもり銃撃死したタクシー運転手インボン…、
わが友のパク・チョルミン。
右、市民兵と行動を共にするキム神父…、わが愛するソン・ジェホ。
同じく銃を取ったつばめ族(笑)のヨンデ…、パク・ウォンサン。
負傷者を手当てする医師してぐわんばるおらがチョン・インギ。(^^♪
韓国の民主化運動を知る上でもとても勉強になるので、
これはもう絶対観てほしい作品だなあ。(^^♪
●ちょごりさん
お元気ですか。
光州事件は韓国の中でもっとも悲劇的な事件といわれています。
歴史劇としてみても、とても面白いです。
寒いのでどうぞおからだご自愛ください……。
●チェブさん
そうですか。韓国の方でも詳細を知らないひといるんですね。
もう30年近くも前の事件ですもんねえ……。
おっしゃるように、この映画の怖さは、
青年や市民が正体もよくわからない「敵」と戦っている
ということなんでしょうね。
兵士たちもよくわからずに学生や市民を殺害している……。
たまらない気持ちになります。
それに忘れちゃいけないことは、この事件を経たから
いまの韓国があり、韓国映画があるんだってことでしょうね……。
ビョンホンとイ・ヨウォンの競演ですか。いやあ、いいですねえ!
私が撮りたいっ! なんて思っちゃいます……(笑)。
●ひまわりの種さん
原題は「華麗な休暇」ですか。そのほうが
この物語のイメージをちゃんと伝えてるような気がします。
しかし女性は見てるところが細かいですねえ。
身体感覚の違い? ほんと、脱帽です……(笑)。
●りぼんさん
はじめまして。お読みいただいてるそうでありがとうございます。
白竜が歌にしていたんですか。知りませんでした。
探して、あったら聞いてみたいですね。
「砂時計」持っているのですが、まだ時間がなくて観ていないのです。
今年中にはぜひ観なくちゃ……。
アン・ソンギ、ほんとに「なにを演じても何の違和感もなく、
自然と役にピタリとはまる俳優」ですよね。
私のとても好きな俳優さんのひとりなんですよ……。
●てっせんさん
お正月早々いい映画をごらんになれてとてもうらやましいです(笑)。
タクシー運転手と相棒の長髪の風来坊、
こういう映画を創るときの常道といえば常道なんでしょうけど、
いいですよね。笑かして、救ってくれます。
本文には書きませんでしたが、ミヌがトンネルの中でシネと別れて
戦場の道庁へ引き返すシーンもいいですよねえ、
トンネルの向こうの光が、未来や希望を象徴しているみたいで……。
●kiraさん
そうですか、私もアン・ソンギ大好きなんですよね。
いい意味で、韓国映画界の「良識」だと思っています…。
この映画、おっしゃるように、
事件を「きれい」に描きすぎてるような気もしますが、
事件や人間をリアルに描くことだけがすべてじゃないので、
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ありがとうございました。

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■121分 韓国 ドラマ
監督: キム・ジフン
製作: イ・スナム パク・チャンヒョン
脚本: ナ・ヒョン
撮影: イ・ドゥマン
出演
アン・ソンギ パク・フンス
キム・サンギョン カン・ミヌ
イ・ヨウォン パク・シネ
イ・ジュンギ カン・ジヌ
ソン・ジェホ 神父
ナ・ムニ
パク・チョルミン
パク・ウォンサン
ソン・ビョンホ
チョン・インギ
イ・オル
1980年の5月に韓国の光州で実際に起こった悲劇をテーマにしたヒューマン・ドラマ。民主化を求める学生と戒厳軍が10日間にわたって激しく衝突し、一般の市民にも多くの犠牲者を出した“光州事件”をリアルに再現しつつ、その中でごく普通の若者たちを襲った悲劇の顛末を綴る。監督は「木浦は港だ」のキム・ジフン。
タクシー運転手の青年ミヌは両親を早くに亡くし、高校生の弟ジヌを親代わりとなって一所懸命に面倒見てきた。そんなミヌは、ジヌと同じ教会に通う看護師のシネに秘かな想いを寄せていた。告白することもできずにいたミヌだったが、ジヌを交えた3人で映画を観るチャンスをものにする。しかし、シネとの楽しいひとときを満喫していたその時、映画館の外では学生の民主化デモ隊と戒厳軍の衝突が始まり、やがてミヌたち3人もこの騒乱に巻き込まれてしまう。
この記事へのコメント
この映画を観たいと思っていましたが、面白かったですか・・・
私は今、韓国の歴史ドラマ(時代劇?)にとても惹かれています。
先ず、現代のドラマは、自分でもわかりませんが、どうしても、飽きてしまうのです。
確かに、歴史ドラマでも、何でもいいわけではありませんが、日本でも多くの韓国(朝鮮)歴史ドラマを放送してくれているので、とても楽しんでます。
中々、いつの時代なのかが分からない事が多いけれど、日本との関わりがとても古い時代からあったのだと、改めて思いました。
光州事件の事で気になって、コメントさせて頂きましたのに、横道にそれてしまいましたですね。
韓国の映画やドラマを観るようになって、『歴史』が凄く気になります。
私は64歳ですが、日本は本当に平和で良い国なのだとつくづく思います。
(今の時代は不安になってきていますが・・・)
長くなりました、私も、「アン・ソンギ」さんは「黒水仙」と言う映画で、はじめて見てから、いい俳優さんだと思って、密かに?ファンです。
光州事件のこと、もしかしたら韓国の人もよくわからないのかもしれません。(あちらの友人に聞いてもあまり事件のことを知らないと云うので)まして私たち日本人には・・・。そんなに昔のことでもないと思うのですが、たまに訪れる韓国からはこんな事件は想像できなくて、日本もですが、韓国も急激に発展したということなのでしょうか
正体のわからない事件に団結して立ち向かって、事態はどんどん悪くなって、どの人も魅力的でできればみんなに助かってほしかったです
アン・ソンギ、イ・ヨウォンいいですよね
イ・ヨウォンさん、ほんとに凛とした役どころにぴったりです
この作品を見終わった後、ああこんな女性になりたいものだと思いました→(無理?)
そしてまた彼女のような女優さんとビョンホンさんが共演してくれたら・・・とも思いました
最後の集合写真微笑ましくもあり、胸が熱くなります
公開時にスクリーンで観ました。
今だから映画化出来た作品だとか。
イ・ヨウォンさん、アン・ソンギさん
キム・サンギョンさん、とても良かったです。
ただ、イ・シュンギさんの耳のポアスホールが
はっきり見えて折角のクライマックスシーンが
役柄に見えなくてそこだけしらけてしまいました。
原題の”華麗な休暇”の持つ意味に震撼としました。
山崎さんの映画解説が読みたくて時々お邪魔しています。 光州事件の事は、当時、日本の新聞の、小さな
かこみ記事で知りました。そして、(今は、俳優として
活躍されている、)ロックシンガーの白竜さんが
その事件に心を痛められて(光州SITY)という
曲を作られた事も同じ記事で知りました。 その曲が
聞きたくてテープだったか、レコードだったか忘れましたが(確か未だ、CDは出来てなかったはず、、、。)
手に入れて聞いた覚えがあります。
何か大変な事が起きたのだと言う程度の認識しか
なく、情報が一切入ってこない事もあって、
光州事件のことは、忘れていましたが、韓国のドラマ
(砂時計)や 映画(光州518)を観て、想像して
いた以上に大きくて、韓国の人達にとっては血の涙を
流すような悲惨な事件だった事を始めて知りました。
アン・ソンギさんとてもよかったです。
なにを演じても何の違和感もなく、自然と役にピタリ
とはまる俳優さんですね。
五月の爽やかな風が吹く並木道を、ミヌのタクシーがゆっくりと走り、その周りには、青々とした稲穂が広がって・・・悲劇の予兆を孕むだけにさらに美しく、迫ってくる光景でした。
そして、結婚式のラストシーンでは、唯一人笑顔を見せぬシネの視線が、異様な迫力で観るものを突き刺します。
この映画を観た韓国人は、あの視線を決して忘れることはないでしょう。そして、なんとか自らの手によってかち得た民主主義を、さらに成熟させたものへと発展させてゆくに違いないと・・・そんな希望さえ抱かせる、秀逸なラストシーンだった、と思いました。
正月に観るには重いとボヤキましたが、むしろ、気持ちを引き締めるためには格好の映画だったかもしれません。
あ、あと、脇役について・・・ミヌの同僚の、小沢昭一にちょっと似たタクシー運転手とその相棒の長髪の風来坊が、笑わせかつ泣かせてくれ、いい味を出していました。
そして風来坊と言えば、以前にも書きましたが、「気まぐれな唇」のキム・サンギョンの風来坊ぶりも、とてもいいです(笑)