ノーカントリー (2007)

[190]この作品はなぜ数々の賞に輝いたのか……?


画像     ものすごく賞を
     たくさんもらってる
     コーエン兄弟の作品だったので
     観たんだけどさあ、

     う~ん、そんなに
     絶賛されるべき映画かなあ、
     つまんないとは言わないけど、
     なんて思っちゃったよ……。

ちなみにみんなどう観てるんだろうと思って
Yahoo!映画の作品ユーザーレビューを見てみたんだけどね、
そしたらコーエン兄弟のファンはともかく
おもしろいってひと、そんなに多いわけでもなかったなあ。

で、どんな賞獲ったんだろうと思って調べたら、
これがほとんど国内での賞なので、
「あ、やっぱり」って思っちゃったよ。

これ、アメリカ人の免罪符にしようとしてんじゃないのって……。(笑)

舞台は1980年代のテキサスなのね。

老保安官ベル(トミー・リー・ジョーンズ)の犯罪昔語りから始まって、
最後、ベル保安官の見た夢の語りで終わるのね。

その夢は、
やっぱり保安官だった父が松明をもって現れて、
自分の目の前を通って森の中に入っていったっていう夢……?

原題は「NO COUNTRY FOR OLD MEN」なのね。

すると、たぶん
先に逝った父親がやがて死にいく自分を森の中で待っている、
どんな時代であれ人生は、あるいは時代は、
たいまつの火で灯さないと見えないほど暗いものだと父は言ってる
みたいなことなんだろうけど……?

独断的な解釈なので当てにしないでほしいんだけどね……。(笑)

で、そのベル保安官の語りの間は、

人里離れたテキサスの荒野で偶然
大金を拾ったモス(ジョシュ・ブローリン)を、
冷血非情な殺人者シガー(ハビエル・バルデム)が執拗に追跡し、
最後は殺して姿を消すという、
いわばそれだけの単純な物語なんだよね。

追跡と逃亡のバイオレンス映画……?

まあ、たしかにこの
人間としての心のカケラもなくしたシガーが、
高圧ボンベ付きの家畜用スタンガンで家の鍵をぶっ壊したり、
ひとの頭をぶち抜いたりするシーンはド迫力あるし、
怖いんだけど……。

いや、恐怖映画大好きの私にすれば
あんまり怖くもないかなあ……。(笑)

それに、犯罪者のこういう執拗な冷酷さ、残虐さは、
なんどもこれまでのアメリカ映画でも描かれてきたじゃない……?

シガーはたぶんアメリカという国家の、
あるいは社会の「喩」として描いてあるんだろうけど、
それだって、これまでにいろんな作品がやってきたわけで、
べつにこの作品が初めてなわけでもないと思うんだけどね。

そういう意味で言うと、この作品がなにか
とりたてて新しいことやってるわけじゃないでしょうって思っちゃう。

まあ、コーエン兄弟だから
新しいもの作ってよと言うわけでもないんだけど……、

アメリカはインディアンを虐殺した時代からずっとこうでしょう。
良識ある映画人たちはずっとそれを撮りつづけてきたでしょう。
でもアメリカって国はって……。

で、アメリカのひとたちはどうしてやたら
この作品に賞あげちゃったんだろうって考えてたら、
どうしてもアメリカの良識を表わしておく必要があるからなんじゃないのって
勘ぐりたくなっちゃってさ……。(笑)

ほかにいいハリウッド映画がなかったってこともある……?

それは冗談としてもさ、

この映画が国内で激賞されたのは、
いま現在アメリカのひとたちが生きている場所を
それなりにリアルに感じさせるからだろうとは思うけどね。

そしてこの映画をあんまり面白いって思わない日本人がいるとしたら、
実際、多いみたいなんだけど、
アメリカ人と生きてる場所が違ってるからだって考えるしかないよね。

そして、
ああ、まだアメリカでなくてよかったって……。(笑)

えっ、日本も日本人も似たようなもん……?

でもコーエン兄弟が魅力的な監督だってことは変わらないし、
俳優もやっぱりいいよ。

とくにシガーを演じてる
スペイン俳優のハビエル・バルデムは最高ですねえ。
わたし好み。
怖いっ……。(笑)


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122分 アメリカ ドラマ/犯罪/サスペンス

監督: ジョエル・コーエン イーサン・コーエン
製作: ジョエル・コーエン イーサン・コーエン スコット・ルーディン
製作総指揮: ロバート・グラフ マーク・ロイバル
原作: コーマック・マッカーシー 『血と暴力の国』(扶桑社刊)
脚本: ジョエル・コーエン イーサン・コーエン
撮影: ロジャー・ディーキンス
音楽: カーター・バーウェル

出演
トミー・リー・ジョーンズ エド・トム・ベル保安官
ハビエル・バルデム アントン・シガー
ジョシュ・ブローリン ルウェリン・モス
ウディ・ハレルソン カーソン・ウェルズ
ケリー・マクドナルド カーラ・ジーン
ギャレット・ディラハント ウェンデル
テス・ハーパー ロレッタ・ベル
バリー・コービン エリス
スティーヴン・ルート ウェルズを雇う男
ロジャー・ボイス エル・パソの保安官
ベス・グラント カーラ・ジーンの母
アナ・リーダー プールサイドの女

「すべての美しい馬」の原作者、コーマック・マッカーシーの戦慄の犯罪小説『血と暴力の国』を「ファーゴ」のコーエン兄弟が映画化した衝撃のバイオレンス・ドラマ。80年代、メキシコ国境沿いのテキサスを舞台に、麻薬取引がらみの大金を持ち逃げしたばかりに、理不尽なまでに容赦のない宿命を背負わされてしまう男の運命を、原作の持つ神話的スケールそのままに描き出す。主演にジョシュ・ブローリン、共演にトミー・リー・ジョーンズとハビエル・バルデム。
人里離れたテキサスの荒野でハンティング中に、銃撃戦が行われたと思しき麻薬取引現場に出くわしたベトナム帰還兵モス。複数の死体が横たわる現場の近くで、200万ドルの大金を発見した彼は、危険と知りつつ持ち帰ってしまう。その後、魔が差したのか不用意な行動を取ってしまったばかりに、冷血非情な殺人者シガーに追われる身となるが、愛する若い妻カーラ・ジーンを守るため、死力を尽くしてシガーの追跡を躱していく。一方、老保安官エド・トム・ベルもまた、モスが最悪の事件に巻き込まれたことを知り彼の行方を追い始めるが、モスを保護できないまま、死体ばかりが増えていく事態に直面し、苦悩と悲嘆を深めていく…。


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