恋の罠 淫乱書生 (2006)

[222]人間の性愛の滑稽さ、すばらしさ、もの悲しさ……?


画像     大人のメルヘン?(笑)
     それなりにいいんじゃないの?
     たまには面白いんじゃないの…?(笑)

     ハン・ソッキュ演じる貴族作家が
     町中のとある店でたまたま
     流行作家のエロ本(官能小説)を目にする。

     ん…?
     こういういやらしいの、
     おれにも書けるかな?って書いてみる。
     と、けっこう庶民の間で評判になる。

気分よくして続編を書くんだけど、
当代随一の人気作家のベストセラーには及ばない。
くやしいっ! という作家魂がひそかに首をもたげてくる。

そこで挿絵入りのエロ本(あっ、官能小説)を思いつき、
手慰みに絵を描いている知り合いの貴族に依頼する。

その貴族をわが友イ・ボムスが演ってるのよね(笑)。

最初は「汚らわしい」と断るんだけど、
根っこが男=スケベなもんだから描いちゃうのよねえ(笑)。

と、これが大当たり…!(笑)
二人とも読者の期待に応えなくちゃいかんと、
作家魂、絵師魂に火がつき、エスカレートする。

まあ、お医者さんや弁護士さんが…、
日ごろ下半身がないかのように振舞わなければいけない
とても偉いひとが、
こっそり隠れて下半身を爆発させるのと同じなんだけどさ…(笑)。

ある日、貴族作家は自分に懸想する王妃を小屋へ連れ込み、
抱き、ある奇抜な体位を試みる。
そしてそれを絵師に覗き穴から覗かせ、挿絵を描かせる…。

けっこういいよねえ、もうてんで我を忘れてるところが…(笑)。
そういうもんだもん、アレって…(笑)。

しかしそのエロ本が当たりに当たって、
庶民も描かれた女(王妃)のうわさをするようになり、
そのうわさがやがて王と王妃の耳に入る。

で、結局、二人は捕まって刑罰を受けて…、みたいな、
話としてはけっこう面白いの。

じつは貴族作家も王妃が好きなんだけど、
王妃を恋する心と、
ひたすら下半身をえげつなく想像してしまう自分の心と、
どこがどう違うのか自分でもよくわからなくなった、
みたいな告白もあったりして…。

秘密を分かち合ったこの作家と絵師と
貸本屋の三人がつらぬく「男の友情」も捨てがたいしね…(笑)。

ただ…、そう、ハン・ソッキュがちょっとねえ…。

いや、目はいいんだけどね、
いかにもムッツリ助平って感じがして…。

でも物語からしてもこれ滑稽本なわけでしょう。
この貴族作家、ひとに笑われなくちゃいけない人物でしょう。

こいつが笑われてはじめて、
人間の性愛の滑稽さ、すばらしさ、もの悲しさが
浮かび上がってくるわけでしょう…?

なのにどうしてももうひとつ笑えないんだよねえ。
困っちゃうよねえ…(笑)。

ハン・ソッキュがこれをやること自体、
ちょっと意外な感じがしたんだけど、

もし自分の演技の幅を広げようと思って出たんだとしたら、
自分のどうしようもないところまで見せる覚悟がないと、

ハン・ソッキュ、芝居下手だよね、
物語の世界に全然ついていけてないじゃん、
で話終わっちゃうと思うんだよねえ…。

ハン・ソッキュ、けして嫌いじゃないからさ。
最後は、がんばれ、ハン・ソッキュ…!
って気分だったよ…?

作家と監督も撮る前に、われらが野坂昭如さんを訪ねて、
エロ事師としてのちゃんとした心構えを聞いておくと
もっとよかったかもしれない…。(笑)

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●てっせんさん
なるほどなあ。韓国の銭湯は覗いたことがないのでわかりませんが(笑)、
私があの場面でちょいとなにかが引っかかった理由がわかりました。
もうひとつ、そのことと直接関係あるのかどうかわかりませんが、
トップシーンとラストシーン、どうも女性たちが好んで貸本屋で
エロ本を借りているかのようなイメージ作りがしてあるように見えて、
そこもちょっと「?」って感じだったのですが…、単なる私の妄想…?(笑)

●てっせんさん
おっ、官営の妓生制度が存在した……?
となると、男どもがどんなことをしてあげたら喜ぶのか、
女も自ずと研究に励むようになるということで…(笑)。
とても納得いたしました……。
そのあたり中国の影響も強いと考えていいんでしょうか?
しかし「その方の研究にウツツを抜かしてくれる数寄者が少ない」
のは大変悲しいです。大事なことなのに……。

●てっせんさん
ほんとうはいまこそプロの女性が必要なのかもしれません(笑)。
技芸と教養が衰退しはじめたとき、
この世から色香も消えはじめたようにおもいますので…。

●テプンさん
「ファン・ジニ」、ドラマになってるんですか。
映画のDVDは出てるんでしょうか…?
いかんせんドラマは観る時間がなくて…。

●チングさん
「一時、日本人男性がキーセン観光で非難されていた」…?
2004年に事実上廃止されたと聞いていますが、
実際には、いまもすこし残っているということでしょうか?
それとも昔の話…?

●チングさん
ありがとうございました。
私もちょっと調べて事情がすこしわかりました。
キーセンの歌舞音曲などは保存伝承されていくんじゃないでしょうか、
細々ながらも…。そうしてほしいですよね。
「恋の罠」はわかりませんが、「淫乱書生」は原題です。
本編タイトルにしっかりとそう書かれていました…(笑)。
性の受け取り方が日本と韓国ではだいぶ違うように感じますね、
映画を観ていますと。韓国の方のほうがあけすけというか…。

ありがとうございました。

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139分 韓国 ドラマ/歴史劇/エロティック

監督: キム・デウ
脚本: キム・デウ
撮影: キム・ジヨン
音楽監督: 岩代太郎

出演
ハン・ソッキュ ユンソ
キム・ミンジョン チョンビン
イ・ボムス グァンホン
オ・ダルス フォンガ
アン・ネサン
キム・ビョンオク
キム・レハ

秘かにベストセラー官能小説を手掛ける貴族作家の青年が、純真無垢な王妃の心を掴み、禁断の情事を小説として書き上げてしまったことから巻き起こる一大スキャンダルの顛末を、エロティックかつコミカルに綴る痛快エンタテインメント歴史劇。主演は「シュリ」のハン・ソッキュ、共演に「僕らのバレエ教室」のキム・ミンジョン。監督は「情事 an affair」「スキャンダル」の脚本家キム・デウ。これが監督デビューとなる。
李朝後期の韓国。気品溢れる貴族作家のユンソは、ふとした偶然から淫靡な官能小説の世界に魅せられ、正体を隠して官能小説を書き上げるやたちまちベストセラーとなってしまう。王の寵愛を一身に受ける美しい王妃チョンビンは、そんなユンソと出会い、彼の裏の顔を知らぬまま、次第に好意を持ち始める。やがてチョンビンはユンソの虜となり、禁断の恋に溺れていく。しかし、2人だけの秘密の逢瀬と思っていた情事の一部始終は、挿絵つきの官能小説として庶民の注目の的となっていた。やがて、それは王の知るところとなり、ユンソは王の激しい怒りを買ってしまう。



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この記事へのコメント

てっせん
2009年02月07日 21:21
今晩は
ラスト近く、王が浴場で臣下たちを前にして裸体を見せているシーンが、疑問でした。ご存知のように、朝鮮王朝は東方礼儀之国と称されたほど、本家の中国以上に儒教が徹底していたようです。そして儒教では、人前に裸をさらすことは、極めて忌み嫌われていたそうです。

誤解のなきよう付け加えれば、韓国人には裸そのもの対する恥の意識はないんだと思います。韓国の銭湯に行けばわかりますが、男どもは前を隠しません。実に堂々と風呂場を闊歩しています(笑)。人前で肌を見せることを卑しむのは、あくまで儒教の礼の精神に反するからなんでしょう。そのへん、厳格のようです。

従ってこの映画で、儒教精神の鑑かつ権化であるべき王が、浴場に臣下を集めて裸をさらすなんて事はあり得ないと思うんですね。このシーン、まるでローマかどこかの王さんみたいで、儒教の国の王には見えなかったんです。

映画ではどんな荒唐無稽も許されますが、こういう、それぞれの文化や習慣の基本となるところは、ユメユメはずしてくれるなヨと・・・(笑)。

追伸
女風呂での比較人類学的観察は、岩川藍さんのご報告をお待ちしたいですねえ(笑)。
てっせん
2009年02月08日 21:53
朝鮮時代のエロ事師たちは、どうだったのか、あるいはその時代の性意識は?・・・実はけっこう興味があるんですよね(笑)。
今の韓国には、その方の研究にウツツを抜かしてくれる数寄者が少ないようで、日本からでは殆ど窺い知れませんねえ。

春本や春画もあったようなんですが、この映画にもちらっと出てきてお分かりのように、技術的には日本と較べてかなり稚拙な感じがします。
性意識については、庶民の間ではけっこうおおらかだったような気もします。もちろん、上層の連中も下半身については甘かったんじゃないでしょうか。官営の妓生制度が存在したほどですし・・・。

従って、この映画で女性たちがエロ本を求めてうろうろしている様子は、かなり誇張してるんでしょうけれど、笑ってすませられるような気がします。

まあ、とにかく時代劇はいろいろタイヘンですね。観る方も、昨夜の私のように思わずウルサガタになっちゃったり(笑)。
てっせん
2009年02月10日 00:34
妓生の成り立ちに中国からの直接的影響があったかどうかは、わかりません。が、そもそも妓生を国の管理下に置き、養成する学校まで設けていたというのは、中国を始めとする重要な外交使節をもてなすために必要とされていたようです。普段は朝鮮の支配階級である両班と呼ばれる貴族連中の相手をしていたそうですが・・・。

そのため彼女らには高い技芸と教養とが要求され、歌舞音曲、琴棋書画詩などの諸芸をも身につけされられたそうです。もちろん、房事の方も、それ相応に修練?させられたものと想像されます。こうしてみると、いまどきの文科系の学生よりは、いろんな点でよほど教養があったのかもしれませんね(笑)。

なお、実在の妓生を扱った映画では、ソン・へギョ主演の「ファン・ジニ」という作品が、昨秋、日本でも公開されました。評判はあんまり芳しくなかったようですが・・・。
テプン
2009年02月10日 22:24
こんばんは。『ファン・ジニ』につられてお邪魔します。NHKで土曜深夜にドラマ『ファン・ジニ』にはまっています。

映画『ファン・ジニ』確かにドラマに比べて評判がよくなかったのは事実ですが、長時間のドラマと比べられて可哀想な気もします。

きーせんは昔の吉原の太夫のような存在(漢詩を詠めたり楽器を演奏できたり舞を上手に舞えるときーせんのなかでも高い地位を得、権力を持てたようです)ですが、身分は低く結婚は出来ず『妓夫』という身の回りの世話をする下男を選ぶことのみ許されていたようです。

普通の女の幸せは手に入れられないのがきーせんの宿命なんですね。
チング
2009年02月10日 22:49
こんばんは。

私もNHKの『ファン・ジニ』おすすめです。キーセンというと,一時、日本人男性がキーセン観光で非難されていた程度の知識でしたが,ドラマを見て実態がよく分かりました。
ドラマの主演は,映画「恋する神父」や「デュエリスト」に出演しているハ・ジウォンです。この役、当たり役かも…なかなか良いですよ。
テプン
2009年02月11日 09:44
おはようございます。『ファン・ジニ』映画版DVDは近日発売のようです。ヒロインをヘギョちゃんが演じてますこの点を山崎さんがどう取られるか少々心配です。しかし観られてのコメント、楽しみにしてます。

先日、ビョンホンの公式F.CのBBSにヘギョちゃんを中傷する書き込みが・・・ヘギョちゃんを絶対嫌い派(オールインも観ない!?)ビョンホンが読めば傷つくような書き込み、ビョンホンの愛した人をなぜ悪く言えるのか、落ち込みました。

それからビョンホンの新作ドラマのPDがやっと決まり来月中旬から秋田で撮影が始まります。秋田県知事の記者会見で発表されたのにはびっくりですが、経済効果を期待してるようです。行けるものなら行きたい、本音です(笑)
チング
2009年02月11日 21:16
山崎さん、キーセンという言葉を初めて聞いたのは,70~80年代?日本人男性の売春観光が問題になっていた頃の事です。韓国が貧しかった時代,外貨獲得のため国策としてキーセン観光が奨励されていたそうです.90年代までは,その為のツアーがあった様ですよ.もう韓国も豊かになったので,そんな事で,外貨を稼ぐ必要がなくなったので,廃止されたのでしょう.ただ,日本でも一流の芸者が,踊りや三味線を極めるのと同じで,伝統的な芸の継承者だったのですが,廃止になったとなると,それらも一緒に消えてしまうでしょうか?

『ファン・ジニ』を観ると、詩や書の素養も必要とされたようです.その辺は,てっせんさんがお詳しいようで….

NHK総合の『ファン・ジニ』は、毎週土曜日の夜11時過ぎから放映されていますが,そのうち,集中放送とかあると思いますので,その時にでも録画されたら如何でしょうか.話の筋は大した事は無いので(個人的な感想です)、さっと飛ばしながら見る事が出来ると思います.お薦めなのは,当時の衣装や,風俗、楽器、リャンバン(貴族)の生活など歴史的な背景です.

チング
2009年02月11日 21:18
<続き>
美しい日々のソンジェ(リュウ・シオン)は,この両班(リャンバン)の出身で,エリザベス女王訪韓の際は,実家に立ち寄られたというのが,自慢のようです。確かに,何となくおっとりした育ちの良さが感じられるかも…

しかし、『恋の罠 淫乱書生』とは,なんと創意工夫の無いタイトルか!原題からの直訳か,それとも日本の映画会社が得意とする,勝手なタイトル付けか?(笑)
いずれにしても,レンタルするには恥ずかしすぎる題名です.

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