チュ・ジンモ__俳優

■チュ・ジンモ(韓国)


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1975年8月11日、生まれ。180cm、70kg。
仁川専門大学体育科中退。


映画
2008年 『霜花店』
2007年 『愛(原題サラン』
2006年 『カンナさん大成功です!』
2006年 『電脳遊戯プロジェクト、パズル』
2004年 『ライアー 』
2001年 『ワニとジュナ』
     『武士』
2000年 『リアル・フィクション』
1999年 『ハッピーエンド』
1999年 『ダンスダンス』

ドラマ
2003年 SBS 「殴れ!」
2000年 KBS [怒った顔で振り返れ]


チュ・ジンモは、一男三女の末っ子として育ち、高校時代にはヘビーメタル・グループのリーダーとして、音楽に熱中していた。1994年から1997年にかけて兵役につき、その後、俳優であり大学の演劇学科の教授を務めたこともあるユ・インチョンの主催する「劇団ユ インチョン レパートリー」の研究劇団員となり、練習室に寝泊まりして演劇やダンスの練習に励んだという。彼はまた有名デザイナーのハ・ヨンスに見出されて、韓国人として初めて「PRADA-プラダ」の紙面モデルとなった人物であり、コーヒーのCFと人気歌手のミュージック・ビデオへの出演により、一気にスターへの階段を駆けのぼった。映画の初主演作は「ダンスダンス」(1999年)である。チェ・ミンシク、チョン・ドヨンという世界的な名優と共演した映画「ハッピーエンド」(1999年)では、チョン・ドヨンとともに大胆なベッドシーンを演じて、大鐘賞映画祭助演男優賞を受賞した。この映画によって知名度をあげた彼はTVドラマにも進出し、常に主役級の配役を得ており、TV局の演技賞も受賞している。映画「リアル・フィクション」(2000年)は、韓国映画史上最短記録(3時間20分)で撮影された実験的な映画である。5ヶ月間に及ぶ中国ロケが行われ、中国大陸1万キロを横断したともいわれる大作時代劇「MUSA -武士-」(2001年)では、中国の人気女優チャン・ツィイーや韓国映画界の重鎮アン・ソンギ、その当時青春スターとして注目されていたチョン・ウソンとも共演している。その後数年間、質の高い映画に主演俳優として参加するものの、興行成績がふるわないという状況が続き,出演の決まった映画(「引き金」、2002年)が制作延期になったり、主演したTVドラマ(「飛天舞」、2004年)の放映が版権等の問題で2年7か月も遅れたりするという悲運にも見舞われた。後に彼は、あまりにも不運な状況が続くので拗ねたこともあると語っている。だが,苦しい状況下においても、彼は演劇的な研さんを怠らなかった。映画「ワニ&ジュナ」(2001年)は、その当時美男の代表格であったチュ・ジンモと韓国随一の美女と謳われたキム・ヒソンとの「美男・美女共演」が話題となったが,興行的には失敗した作品である。この映画にはチュ・ジンモの演ずる主人公が鉛筆を削りそこなって指先を切るシーンがある。制作スタッフは、代役を使う、CG処理をする、という二者択一を考えていたが、チュ・ジンモは,主人公の心境変化を明示する場面であることを重視して、自らの指先を切って血を流したという。「ライアー」(2004年)は、イギリスの喜劇作家レイ・クーニーの舞台劇「ラン・フォー・ユア・ワイフ(Run For Your Wife)」を下敷きにして、日本でも人気の高いクォン・サンウを世に出した映画「同い年の家庭教師」の監督キム・ギョンヒョンが脚本を書き、メガホンをとった作品である。チュ・ジンモは、コメディには定評があり、同じ劇団にも所属していたコン・ヒョンジンとコンビを組んで、これまでの映画出演作での「静」の演技から一転してコミカルな味わいを出し、二重結婚生活を送る男の悲喜こもごもを、巧みに、またいきいきと演じている。この映画は一見の価値がある。「電脳遊戯プロジェクト、パズル」(2006年)はミステリーホラー作品であり、韓国の重鎮俳優ムン・ソングン、チュ・ジンモをはじめとする5人が主演する形式で企画されたものである。キム・テギョン監督はチュ・ジンモと会ってから、脚本を書き換えてチュ・ジンモの台詞を大幅に削ったため、彼は演技力に問題があると思われたのではないか、と自分自身を責めたという。だが、監督は、チュ・ジンモに会ってその「目」の力に着目し、彼が表情による感情表現のできる役者であることを見抜き、そうした演技を望んだという。監督の意図を理解して、彼は目の動きと表情の変化によって、妻を失い人生に失望して犯罪に走った男の役割を演じ切った。

チュ・ジンモが、人気と実力を兼ね備えた韓国の、さらにはアジア圏のトップスターとして躍り出たのは、「カンナさん大成功です!(原題 美女はつらいの)」(2006年)のメガ・ヒット(韓国の歴代映画興行成績の第10位,2008年9月現在)と、「愛(原題 サラン)」(2007年)の確かな演技への評価(青龍映画賞 ・主演男優賞ノミネート、大韓民国映画大賞・主演男優賞ノミネート)によるところが大きい。「カンナさん大成功です!」の脚本がきた30代前半の頃、チュ・ジンモは自分の演技について正当な評価がなされず、A級の脚本が来ないことに傷つき、悩んでいたという。もちろんデビュー以来彼がスターでなかった時期は一度もないが、出演作で相手役の女優に光が当たることが多かったことも事実である。この映画でも一応は男性主役であったが、女性主役の慕う王子様的役割であり、物語の比重は、女性主役であり、演技経験のほとんどなかったキム・アジュンの方が、大きかった。そのため、彼は出演依頼を受けることをためらったようであるが、キム・ヨンファ監督は彼に、漫画的なキャラクターの女性主役とのバランスをとるために、男性主役には華があると同時にリアルな男性像を演じられる役者が必要であり、この映画をドタバタコメディで終わらせないためには、チュ・ジンモの存在が不可欠であることを力説した。そこでチュ・ジンモは監督の期待に応え、監督とともに撮影現場をまとめながら、安定感と現実感を備えたキャラクターを演じて、映画の完成度を高めることに貢献した。チュ・ジンモが「愛(原題 サラン)」の主役に抜擢された背景には、身近な先輩であり、アジア屈指のムービー・スターであるチャン・ドンゴンの理解と協力があった。チュ・ジンモがたまたまチャン・ドンゴンの家に遊びに行った際に、「愛」の脚本を見つけて一気に読み切り、それに惚れ込んでしまったため、チャン・ドンゴンがカク・キョンテク監督にチュ・ジンモを紹介したというエピソードがある。この映画でチュ・ジンモは、韓国の地方都市釜山(プサン)の元柔道選手のチンピラという役作りのために、カク・キョンテク監督が録音した釜山なまりのテープを昼夜なく聞いて猛練習し、体重も10Kg増やしたという。派手なアクションシーンも、スタントマンを使わず自らが演じている。演技賞の受賞は惜しくも逃したが、チュ・ジンモは、カク・キョンテク監督に、チャン・ドンゴンよりも演技が上手い、と言わしめる程の演技的な成功を収め、この映画は興行的にも成功している。多忙なチュ・ジンモのストレス解消法は釣りである。彼は心身の疲れを感じると、釣り道具を車に積み込んで、韓国内陸の江原道(カンウォンド)の人気のない湖まで行き、携帯電話も切って一人で夜釣りを楽しむという。TVドラマ「ゲームの女王」(SBS 2006年) では、ファンサービスを考えてか、彼が釣りをするシーンがたくさん出てくる。さらに映画「ライアー」を連想させるシーン、特技である水泳やスケートのシーンも盛り込まれており、完璧な演技を追求するあまり、近寄りがたく、ファンとは少し離れたところにいると思われがちであったチュ・ジンモの、成長ぶりが感じられる。

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