風のファイター (2004)

[252]大山倍達の等身大を観てるようでなかなか面白かった……?


画像     私の少年時代の
     三大ヒーローと言えば、

     赤バットの川上哲治、
     空手チョップの力道山、

     牛殺しのゴッド・ハンド、
     大山倍達だった。


本作は、
その大山倍達(崔倍達=チェ・ペダル)を描いたものなんだけど、
伝記ものとしてはけっこう面白かったなあ…。

太平洋戦争末期、倍達は
航空兵士を目指して韓国から日本の山梨へやってくる。

しかし、すぐに終戦。
混乱する東京・池袋あたりで在日朝鮮人として生活をしはじめ、
次第に空手に邁進する…。

といっても実は、
その動機は映画を見ててもちょっとわかりにくいんだけどね。
日本人ヤクザたちとのケンカに負けたから…?
日本で生きていくためには
自分で自分を守らないといけないと思ったから…?

まあ、たしかに
幼少期に自分に武術を教えてくれた男(チョン・ドゥホン)に
そう諭されるシーンはあったりするけど、もうひとつ「?」って感じ…?

後半は、
梶原一騎原作、つのだじろう画のマンガ
「カラ手バカ一代」ですっかりお馴染みなんだけど、
身延山でひとり修行し、
磨きに磨いた「ケンカ空手」で全国の道場を破り歩くの。

で、最後はとうとう
宿敵・加藤の側近の男を殺しちゃうだよね…。

まあ、正当防衛が認められて服役は免れるんだけど、
自分の人間としての至らなさにショックを受け、
殺した男の妻子を尋ねて土下座して謝るの、
「私はカラ手を捨てます」と言って…。

最初は受け入れられないんだけど、
やがて妻子ともその真摯な姿と人柄のやさしさに打たれて…、
みたいな物語なんだけど、

面白かったのはたぶん、

戦後の子どもたちのヒーローだった大山倍達が、
戦後日本の子どもたちの、
あるいは在日朝鮮人のヒーローとしてではなく、
等身大の人間として描かれていたからだとおもう…。

終戦直後の池袋あたりのシーンもけっこういいよ。
拙いセットなんだけど、
その拙さがかえって「戦後」をうまく表現してる…?

日本映画ではもう
こういう戦後シーンも見れなくなったしね…。

倍達の恋人・陽子をやってる平山あやも好演。

こういう純な韓国映画に出ると、
日本人俳優もきっと純に戻れるんだろうなあ…(笑)。

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■123分 韓国 ドラマ/格闘技/伝記

監督: ヤン・ユノ
原作: パン・ハッキ
脚本: ヤン・ユノ
撮影: シン・オクヒョン
音楽: チェ・マンシク

出演
ヤン・ドングン チェ・ペダル(崔倍達)
加藤雅也 加藤
平山あや 陽子
チョン・テウ
チョン・ドゥホン
パク・ソンミン
国分佐智子
真樹日佐夫

日本はもとより世界にその名を知られた極真空手の創始者・“神の手”大山倍達をモデルにした韓国製アクション映画。日本では梶原一騎原作マンガ『空手バカ一代』が有名だが、本作は、朝鮮半島出身という事実を前提に、日本で差別に苦しんだ反骨の若者としての大山倍達ことチェ・ペダル(崔倍達)の半生を描いた韓国のベストセラー・マンガ『風のファイター』が原作。日本では2005年11月にDVDが発売された後、2006年4月に劇場公開となった。

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