力道山 (2004)

[316]ソル・ギョングの演じる渾身の力道山にたましいが震えたよ…!


画像     日本の
     戦後復興の最大の功労者は
     まちがいなく力道山だよね。

     リキさんが外人レスラーを
     マットに沈めると、

     「うわっ~、日本が勝ったあ!」って、
     いつも国中大騒ぎだったもんなあ。

アメリカに負けた日本人の心的外傷を
払拭してくれたんだよねえ…。

そういえば、
私んち当時テレビ買ったばかりだったんだけど、
力道山の試合中継があると、村のひとたちがよく来て、
神棚にあるテレビ、みんなで正座して観てたなあ…(笑)。

その力道山の伝記もの。

う~ん、伝記ものね…。
伝記ものってむつかしいんだよなあ、制約が多すぎて。

韓国映画でもよかったの「将軍の息子」くらい…?
まだ書いてないけど、あれはすごかったなあ。

でもソル・ギョング大好きだしなあ。
でも力道山の体形じゃないしなあ。

なんて観はじめたら、まったくの杞憂だった。
もうめちゃくちゃいい映画だった。
ただの伝記ものじゃなかったよ。
大傑作…!

なんたってソル・ギョングがすごい。

出てきた途端、
「えっ、これ、ソルギョング…?」と、一瞬わが目を疑う?

力士時代から始まるんだけど、
(正確にはリキさんが刺されたときから)
あのスリムな面影はなく、もう立派なお相撲さん。
あの懐かしき力道山の体形そのもの…。

あとで調べたら、
この映画のために5ヶ月で95キロにしたんだって。
30キロ太ったんだって…………。

スタニフラフスキーの俳優術が徹底してる欧米の俳優は、
そのあたりが徹底してるんだけど、
韓国の俳優たちは改めてすごいと思っちゃた。

それだけで私なんかもうジワーッときちゃって…(笑)。

だけじゃないの。
でもプロレスはちょっと無理だよなあ。
「私たち生涯最高の瞬間」みたいなんだろうな…。

と思っていたら、これがまた大間違い。

えっ、いまリングで
レスリングの試合してんのソルギョング?
技かけてんのも? あの空手チョップも………?
と、またまたわが目を疑っちゃったよ。

これもあとで調べたら、
3ヶ月間ほんもののプロレスラーと暮らしながら、
トレーニング積んだんだって………。

いやいや、まだあるの。

いまはもう誰もが知ってるけど、力道山は在日朝鮮人。
日本人でもなければ、朝鮮人でもない。
その間で宙吊りになっていたひとだよね…。

この映画はそういってよければ、
ヒーローとしての力道山ではなく、
ひとりの人間としての生き様を描いているんだけど、

どこの国にも、誰にも着地することのできない
力道山の隠された苦悩と狂気を
ソル・ギョングは仮借なく、みごとに演じてみせてるの…。

「たった一度の自分の人生だ。善人ぶってる暇はない」
みたいな、座右の銘にでもしたいようなセリフがあるんだけど、
そういう人間のたましいの狂気と彷徨を表現してる…?

いやあ、人間の狂気を演じさせたら、
韓国の俳優のなかでもソル・ギョングの右に出るものはいない、
と改めて思っちゃった…。

韓国俳優は数人で、大半が日本の俳優なんだけど、
力道山とともに生きた日本人を演じてる
藤竜也、中谷美紀、萩原聖人の好演も光っててうれしいね。

あのソル・ギョングの体当たりの演技と目付きを前にしたら、
とても呑気にやってられないだろうけどね…。

故・橋本真也や秋山準ら、
プロレス・ファンにはお馴染みのひとたちも出てるよ。

実況中継する梶原しげるさんは
ん? ちょっと違うかな? でも、ま、いいか…、
って感じだったけど…(笑)。

私が子どものころ、憧れの的だった力道山。
「朝鮮人のくせに笑うな」と言われ、
笑いたいために世界の頂点をめざした力道山…。
日本人になろうとして、日本人になれなかった力道山…。

よくぞこんなすばらしい映画にしてくれたと、
ほんとに感謝の気持ちでいっぱいになっちゃったよ…。

ぜひ観てください…!

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●てっせんさん
はいはい、私も最初はそう思いました。
当時は、え~っ、なんでいまの技食らっちゃうの?
おれだって避けられるじゃんみたいな…(笑)。
でも、しょうがないかなあ。この映画のリズムを優先させようとすると、
プロレスのテンポもこうならざるをえないかなあ…、
と我慢して観てました…(笑)。
私もそうなんですが、てっせんさんも生では力道山のプロレス
観てないってことですか…? もったいない…(笑)。

●てっせんさん
ありましたねえ、「力道山物語」。百田少年、懐かしいですねえ。
それに本人も出てましたよね? 私の錯覚…?
ソル・ギョング、ソン・ユナと結婚したんですかっ…!?
いや、全然知りませんでした。
芸能ネタが主流のワイドショーを20年近くやってたくせに、
芸能ネタにはからっきし弱くて…(笑)。
しかし、ヤロウ、うまくやっちゃって、許せないというか…(笑)。
「ジェイル・ブレーカー」で共演させたのがまずかったですねえ…(笑)。

●ひらいさん
男闘呼たちの映画でしょう(笑)。
韓国の連中、ほんとにすごいです。
真剣勝負で格闘家たちの映画作りますものねえ。
しかし船木がひらいさんのヒーローだったんですか。
わたしはせいぜい猪木まででした…(笑)。
大山倍達の映画もありますよ(笑)。
「風のファイター」 (2004) です。
このブログでも取り上げてますのでもしよろしかったら…。

●てっせんさん
朝青龍の引退事件、おっしゃる通り、
力道山の場合を彷彿されますよねえ。
わたしはもうなにも言う気がしなくて…。
許容力を失くした組織は衰弱するしかないし、
許容力を失くした社会は滅びるしかないと思ってるんですけどね…。
貴乃花も…、旧態依然とした協会に異議を唱えたはずなのに、
朝青龍にたいしてはあんまり年寄りと変わんなかったですねえ。
う~ん、たいして期待できそうもありませんね…(笑)。

ありがとうございました。

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■149分 韓国/日本 ドラマ/格闘技/伝記

監督: ソン・ヘソン
製作: チャ・スンジェ ノ・ジョンユン 河井信哉
プロデューサー: キム・ソナ 梅川治男
脚本: ソン・ヘソン
撮影: キム・ヒョング
美術: 稲垣尚夫

出演
ソル・ギョング 力道山
中谷美紀 綾
藤竜也 菅野武雄
萩原聖人 吉町譲
鈴木砂羽 沖浜子
山本太郎 葛西紘一
船木誠勝 井村昌彦
パク・チョルミン キム・ミョンギル
ノ・ジュノ キム・イル(大木金太郎)
秋山準 遠藤幸吉
モハメド・ヨネ 豊登
武藤敬司 ハロルド坂田
橋本真也 東浪
マイク・バートン ベン・シャープ
ジム・スティール マイク・シャープ
リック・スタイナー アトミック
仙波和之 二所ノ山親方
岩本宗規 田村健一
マギー ニューハバナクラブの司会者
岡本麗 中年女性
梶原しげる 実況アナウンサー

戦後日本最大のヒーロー“力道山”の生涯を映画化した韓国・日本合作映画。日本では長らく公然の秘密となっていた朝鮮半島出身という事実を踏まえ、差別や偏見に苦しみながらもそれをバネにのし上がっていった一人の男の壮絶な生き様を描く。主演は「シルミド」のソル・ギョング、共演に中谷美紀。
1944年、第二次大戦下の東京。“朝鮮人”という理由で先輩力士の執拗ないじめに苦しむ日々だった力道山は、ある日、一人の芸子・綾と運命の出会いを果たす。やがて、彼女の後見人で相撲界にも影響力を持つ実力者・菅野武雄から綾をもらい受け、2人は晴れて夫婦となる。相撲でも着実に結果を残し、大関確定と思われた力道山だったが、朝鮮人であることが大きな障害として立ちはだかる。力道山はそんな相撲界に見切りをつけ、国籍や人種に囚われることなく、自分の力を試せる場として西洋のスポーツ“プロレス”に活路を見出すのだった。


この記事へのコメント

てっせん
2009年07月24日 23:57
今晩は
力道山、懐かしいですねえ。
子供の頃、プロレス好きの父親に力道山の試合に連れてってくれってせがんだら、「う~む、子供がいくところじゃないしなあ・・」と、たぶん自分も行きたい気持ちを抑えつつ、断られた覚えがあります(笑)。

この映画、ひとつだけ敢えてケチをつけるとすれば、プロレス技が、現代の派手派手しいもので、力道山の時代の、古拙の味わいのある技が見られなかったことですねえ。ニースタンプだとか延々と続くヘッドロックだとか・・・観たかったなあ(笑)
てっせん
2009年07月26日 00:42
今晩は
昨日、書き忘れたことがありました。
たしか、「力道山物語」というタイトルの映画を、小学生の低学年の頃観たんですよねえ。内容はまるで覚えていませんが、ひとつだけ、リングでの力道山の頭上を、外国人レスラーが軽々と飛び越えて力道山を翻弄するシーンがあったと思うんですけど・・・あのシーンは映画の中での力道山の悪夢だったのか、それとも子供だった私が夢で見たものだったのか・・・往時茫々、霞の彼方でございます(笑)。

それともう一つ、ご存知かもしれませんがソル・ギョング、最近われらがソン・ユナと結婚しちまいやがってくれたんでございます(嫉)。でもまあ、なかなかいいカップルだと思っております(笑)。
ひらい
2010年01月20日 21:44
こんばんは
感動して震えました。男闘呼(あえて男闘呼と書かせてください)の映画ですね!
いい男闘呼たち、ソル・ギョング、藤竜也、萩原聖人そして私のヒーロー船木誠勝!
自分の信念を曲げずに愚直に進む姿の力道山と2000年5月26日、ヒクソン・グレイシーにタップせず失神負けした船木と重ねて見ずにはいられませんでした。

在日であった格闘家に大山倍達もいます。一緒に観た在日の友人が大山倍達で映画を撮ってほしいと言ってました。
山崎さん、てっせんさん、誰かに頼んでもらえませんかねえ(笑)
骨っぽい感じの作品で(笑)
てっせん
2010年02月06日 22:09
引退に追い込まれた朝青龍、力道山とイメージがかぶさるところがあるんですねえ。
気性の激しさだとか、横紙破りなところとか、ついに相撲界とか日本的伝統とやらに溶けこめず・・・というか溶けこめない奴と烙印を押され追放されてしまったところなど・・・。
こういう、稀有の才能とキャラを持った人物を、この国は排除するばかりで、結局受け入れるような包容力はないということなんでしょうか。智恵を尽くせば、引退させないで済ませる方法はいくらでもあったと思うんですがねえ。たとえば、罰則として三ヶ月間、ボランティアで介護の現場で働いてもらうとか・・・。

ひらいさん、はじめまして。
この場をお借りして、ご挨拶させていただきます。
イ・ジョンジェのファンでいらっしゃるんですね。同好の士に出合えて、タイヘン嬉しいです・・(笑)。
「白夜」のご感想、楽しみにさせていただきますが、映画でのジョンジェの代表作は、これまでのところでは、「太陽はない」じゃないかと思っております。
山崎さんも仰っておられましたが、韓国の監督連中はなぜか、まだまだ彼の美質を十分に捉えきれないでいるようです。

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