妻の恋人に会う (2006)

[322]ナンセンス喜劇から滲み出す男と人生の悲哀…?


画像     たまたま寄ったレンタル屋の
     棚に置いてあったので
     迷わず借りた。
     即、借りた…(笑)。

     てっせんさんとKさんが
     「変態映画」と
     絶賛されていたからだ。

     観たら、

そのすさまじき変態ぶりに、唖然、呆然、大爆笑。

後半やや失速してしまったのが悔しいが、
こ、これぞ新名画だ…! と、感激しちゃったよ。

洛山でハンコ屋を営むテハン(パク・クァンジョン)の妻は、
ソウルのタクシー運転手のジュンシク(チョン・ボソク)と
長年浮気をしている。

ハンコを彫りながらひたすら我慢をしてきたテハンは
その妻の恋人ジュンシクに談判を迫ろうと、
ようやく意を決してソウルへ向かう。

投宿先のホテルでは、
なんと切り出すべきか、秘策を練り、稽古までする?(笑)

だが翌朝、
自宅方面からタクシーを運転してきたジュンシクに会うと、
思わず(?)「洛山まで行ってくれ」と頼み、後部座席に乗ってしまう。
う~ん、まずは敵を知りたかったのかなあ…?(笑)

あ、ちなみにテハンはみごとに冴えないこんな男(左)。
これじゃあ浮気されてもしようがないかなあ、
と、私はテハンの耳に聞こえないようにボソッと思う…(笑)。

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二人のこの道中、じつはこの映画の半分くらい占めるのだけど、
これがもうめちゃくちゃナンセンスで抱腹絶倒…。

ジュンシク、口がもうこれ以上にないほど軽いやつで、
恋人の旦那とも知らず愛について高説を垂れまくる。
曰く、「この世に不倫などない。愛があるだけだ」…(笑)。
テハン、何も言い返せず、ひたすらじっと我慢…(笑)。

ソウルから洛山までは相当の距離。
いつしかテハンとジュンシク、交互に運転…。

う~ん、これってさ、
ひとりの女を二人で乗り回してるっていう喩だよねえ…(爆笑)。

そのうち高速上で車がエンコ。
降りて二人で思案しているところへ、
道路の坂上からなぜか大量のスイカがゴロゴロと転げ落ちてきて、
二人、走って逃げる…(笑)。

おいおい、そのスイカ、普通そんな転げかたするか…?(笑)

このときのテハンやってるパク・クァンジョンの姿が最高!
てっせんさんもおっしゃってたけど、
バスター・キートンももう真っ青って感じ…?

しかもそのあとスイカを食っちゃうんだよね、
二人してこうやってお並びになって…(笑)。

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レッカー車が来るまで二人で崖下の渓流でちょっと水浴。
旦那と間男の裸の交流ってやつ…?(笑)

レッカー車に乗って車を町外れの修理屋に出すと、
あしたまでかかると言われ、二人は仕方なく茶屋へ。
そして飲んでるうちに酔っ払い、地元のオンナを買い漁る…(笑)。

もっともテハンのは役立たず…?
気持ち、わかる…(笑)。

すでに夜、修理屋に借りたバイクで宿へ。

テハンがバイクの後部からジュンシクに抱きついて、
「おまえはクズだ。おまえはクズだ」と呪うと、
ジュンシク、「わかりました、兄貴」と慕っちゃったりして…(笑)。

朝、目を覚ますと、ホテルの一室で、裸で仲良く同衾。
おいおい、なにがあったのよ、旦那と間男に…?(笑)

翌日、洛山へ向かう途中、二人が崖で連れションしていると、
急に風が吹いてきて、ションベンが押し戻される。
え? と思っていると、なぜか崖の下から突然バリバリバリと
轟音とともにヘリコプターが目前に現れる…(笑)。

おいおい、「エイリアン」を意味もなくパクルなよ…(爆)。
いや、意味ないから面白いんだけどさ(笑)。

で、やっとこさ洛山に着いたと思ったら、
テハン、なぜか法外なタクシー料金をジュンシクに払う。
は…? なに…? 意味わからんぜ、テハンのやること…(暴)。

ただもう、そういうひとなのよ!って思うしかない…?(笑)

ジュンシクがソウルへ帰ったあと、
こんどは商売用のノミを懐にふたひびソウルへ向かう。

で、窓から忍び込み、
妻と一緒にいたジュンシクをノミでグサッと一突き。

画像

本懐を遂げたかと思いきや、これただの夢想(笑)。

じつは今度は、ジュンシクの車をかっぱらってジュンクの恋人に…、
妻の恋人の恋人に会いに行くんだよねえ(笑)。

なに考えてんのよ。
タイトルは「妻の恋人に会う」なんだよ?
それになんでジュンシクの家や恋人の店、知ってるの…?(笑)

ストーリーを追ってもしょうがないのでやめるけど、
いや、もうすこし続けるけど(笑)、

その恋人のやってる飲み屋で飲んでるうちに、
なんとなくその恋人が好きになっちゃて…、
気づいたら寝ちゃってた…?(笑)

で、車を探しに現れたジュンシクがそれを発見して、
「寝たのか」と真剣に問いただす…。

時は経ち、その年のクリスマス、
例のタクシーに乗ってジュンシクがテハンを尋ね、
喫茶店で会う。

しかし全身車カバーつけたままでよう走れるねえ(笑)。

テハンの妻はもう離婚して出ていってるんだけど、
なにしに?と思ったら、
「俺のオンナとほんとに寝たのか? やったのか?」だって。
命がけでまだこだわってるよ…(笑)。

いや、こんなもんだよね、男って…(笑)。

テハンがあまりのしつこさに困って「したと思う」と答えると、
「うそだ。その額にうそって書いてある」なんて
自分に都合のいいように解釈して帰っていく。

うん、そんなもんだよ、男って…(笑)。

テハンも、やったのかやらないのか自分でも酔って覚えてない?
あるいはテハンがほんとうのことを言っても
誰もなにも信じてくれない…?

淋しいねえ、テハン…。
でもそんなもんだよ、人生って。
そんなもんでいいんだよ…(笑)。

もう帰れよ、
あの海の見える山のてっぺんにあるわが家に。
人生って孤独できついねえ…(笑)。

そんなとこに家建てて、ハアハア言って上らなくてもさ、
そんなことわかってんじゃない…(笑)。

ともあれ、そのあと突然、ニワトリが大写しになって、
そのまま、はい、エンド…。

いやあ、ほんと、意味がなくていいよねえ…(笑)。

ちなみに
このクリスマスの日は、なぜか画面、シロクロになるんだよ…(笑)。

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あとで調べたら、監督のキム・テシク、
この作品が処女作なんだって…。

あ、やっぱり、と思ったよ。

でなきゃ、とてもじゃないがこんな奇想天外な映画、
こんなシュールな映画、怖くてなかなか創れないよ…?(笑)

でも2作目も絶対これで行ってほしいよね。

はじめに言ったけど、
後半ちょっと真面目になりすぎて、
というか、トーンがすこし変わってしまい勿体ないんだけど、
イロニーに満ちた人間をみごとに描いた絶品。

てっせんさんとKさんによると、
パク・クァンジョンはカン・シニルの友人で、
このあと亡くなったということだけど、
知性がないととてもじゃないがこういう演技は不可能…。

残念…。
もっと観たかったなあ…。

遅まきながら心からご冥福をお祈りします。
すばらしい演技と作品、ほんとにありがとうございました…。


●てっせんさん
いやあ、てっせんさんに全部まとめていただいて、
私はもう何も言うことはないですねえ(笑)。
つけ加えれば、韓国はおろか世界を見渡しても、
これだけナンセンスに徹した作品はザラにはないぞと…(笑)。
テハンの決めゼリフを借りれば、
「おまえら、口数が多すぎるんだよ」と言われるものばかりで…(笑)。
テハンがあの山のてっぺんにひとり住みたくなるのも
わかるというか…(笑)。

●ひらいさん
ご無沙汰です。
最近、お顔を見せていただいてなかったので、
奥さんと韓国旅行へ行ってらっしゃるものとばかり思ってたら、
そうですか、奥様は旦那様を置いておひとりで…(笑)。
代わりにDVDいろいろとおねだりなさったのでは…?(笑)
この映画、私の超お気に入りです!
オ・ダルス、私もじつは大好きなんですよ。
たしか「オールドボーイ」ではじめて彼を見たんですけど、
かれが脇にいると、映画がとても落ち着くんですよね。
それにいつもすごくいい映画に出てます。
たぶん、いい映画撮ってる監督連中に、
ものすごく気に入られてるんじゃないでしょうか…。

ありがとうございました。

クリッとしていただけると嬉しいです!
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■92分 韓国 コメディ/ドラマ

監督: キム・テシク
脚本: キム・テシク キム・ジョナン
撮影: チャン・ソンボン
音楽: チョン・ヨンジン

出演
パク・クァンジョン テハン
チョン・ボソク ジュンシク
チョ・ウンジ ソオク

妻と情を通じた男と一日ドライブをするという日常を描き,嫉妬に捕われた小心な男が,厚かましい妻の情夫と繰り広げる神経戦をコミカルながらも真剣に見せる映画。
今までの人生が小心であること,この上ない私。暇つぶしに印鑑を売りながら,一日一日を暮らしている。ある日,妻の不倫現場を襲う計画をたてる。タクシー運転手のそいつの家の近くを徘徊し,客を装ってそいつのタクシーを拾い,江原道ナクサン(洛山)までの長距離を提案する。快く,「行こう」と言うそいつ。タクシーに乗るや否や私の正体を知らないそいつは,世の中には愛があるだけで不倫はないというなど,あらゆる詭弁をならべてとても調子にのっている。妻の愛人とドライブをする途中,色々な状況とぶつかるようになる。時にはぎこちない寂寞感に包まれ,奇妙な神経戦を繰り広げるけれども,紆余曲折の末,目的地のナクサン(洛山)に到着する。そいつは,私と別れた後,予想通り妻が一人でいる家へ向かう。現場を目撃した私は,この二人を襲って台なしにしようとするが,小心なので意図を成し遂げられない。結局,そいつのタクシーに盗んで,そいつの妻がいるソウルへ向かう。


この記事へのコメント

てっせん
2009年07月27日 22:11
いやあ、なんだか嬉しいですねえ。また観たくなってきちゃいました・・・(笑)。
こういうナンセンスな笑いって、一瞬にしてこちらの関節をはずしてしまうようなところがありますねえ。パク・チャヌクの理知もホン・サンスの皮肉もホ・ジノの繊細さなんぞも軽々と野放図に飛び越えて、シレッとしてるような・・・。

韓国映画にはこのテの、関節はずし的なナンセンスが極めてすくないと思えるだけに、貴重な存在じゃないでしょうか。仰るとおり、二作目もぜひ、このセンで押していって欲しいものですね。

それにしても、パク・クァンジョン、惜しんで余りありますねえ・・・。
ひらい
2010年04月08日 22:06
こんばんは

ごぶさたしております。
妻がようやく韓国から帰国し家事から解放され、久しぶりに観た映画がこの作品。
絶句しました。あまりのナンセンスさに笑うタイミングを見失ってしまいました。観終わったあと、もしやと思い・・・・、やっぱり山崎さん、てっせんさん観ていましたね(笑)
オ・ダルス出てましたね(笑)本当に彼は好きな俳優です。
この作品、北野武作品に通じるものを感じたのですがどうでしょうか?
ヨーロッパで受けそうな映画だなあとも思いました。
あのヘリコプターのシーンはオシッコの飛沫が飛んでじゃないの!と笑わずにはいられませんでした。

失礼しました。

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