思い出の夏 (2001)

[300]ロングショットの使い方がほんとうまいんだよね…。


画像     村に映画の
     撮影隊がやってくる。

     小学4年生のショーシェンが
     出演することになる。

     でも撮影隊は
     撮影を中止して
     よその村へ行ってしまう…。

     村人が撮影に
                      協力的でなかったこともあるが、

ショーシェンが
どうしてもあるセリフを言えなかったからだ。

「町には行かない。姉ちゃんと一緒に(この村に)いたい」
というセリフである。

かれには現実的な強い思いがある。
都会に行ったものが、
貧しい村に帰りたいと言うはずがないという思いが…。

だからどうしても
そのセリフを口にすることができないのだ。

映画の中では一切説明されることはないが、
たぶん中国の都市部と農村部の
経済格差のはげしさが背景にあるのだろう…。

撮影隊は村を去るとき、露出計を忘れる。

それに気づいたショーシェンが届けようと自転車に乗り、
撮影隊のロケ先ホウプー村へ向かう。

途中で自転車が壊れ、トラックの荷台に乗り込む。

ホウプー村に向かうと思っていたトラックは
反対方向に向かい、
土と一緒にショーシェンを廃棄場に捨てる。

すでに夜である。
ショーシェンは土に埋もれた露出計を探そうとする、
両手で土を掘り返しながら…。

その姿をただ延々と映しだす演出がとてもいい。

ようやく露出計を探し当て、
ショーシェンはただ40キロ先のホウプー村に向かい
歩きはじめる…。

ショーシェンの行動を知った撮影隊のひとりが、
雨の中を車で探しに向かう。

ようやくショーシェンを発見し、
ショーシェンが露出計を差し出すのだが、

この場面、
ようやくそれと知れるほどのロング・ショットである。

このロング・ショットによる物語の処理が
これまた演出的にとてもいい…。

途方もなく広大な大地・中国での
ひじょうにささやかな…、まるでけし粒のような出来事。
けれどひじょうに大切な心の出来事…。

そのことがとても目と心に沁みる…。

このシーンに限らず、
この映画、ロングショットが多用されている。

中国にいると、
ひとも村も道も、途方もなく広大な大地を抜きには
「見る」ことができないのかもしれない。

こういう映画を観ると、時々そう思ってしまいますね…。

とてもいい映画なので時間があればぜひ…!

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●Kさん
欧米や韓国の映画を見てもそういうことはあまり起こらないんですが、
中国映画を観ると、時々、世界観が引っくり返ることがあります。
といっても北京系の映画なんですが…。
想像を絶する広大な大陸の中で人間が虫に見えてくる…?(笑)
お父さん、大同市で終戦を迎えたんですか。
大同市は映画の中によく出てきますよ。
たしか「長江哀歌」でも…。
すごくいい映画なので時間があればぜひ…。

ありがとうございました。

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■87分 中国 ドラマ

監督: リー・チーシアン
脚本: シャオ・チアン リー・ホンフー
撮影: リウ・チエ

出演
ウェイ・チーリン
チョン・タイション
シャオ・リューツ
リー・ワンチュワン

現代中国の抱える社会問題を、田舎に暮らす少年の目を通して描いた物語。急激な高度成長によって生み出された都市部と農村部の経済格差を背景に、小さな村にやって来た映画の撮影隊と地元の落ちこぼれ少年との交流を丁寧な筆致で綴る。監督は本作で劇場映画監督デビューのリー・チーシアン。
ある夏の日、映画の撮影隊が中国西北部の寒村にやってくる。そして、主人公の弟役がこの村の小学生の中からオーディションで選ばれることに。映画が大好きで勉強が苦手な小学4年生のショーシェンもなんとかオーディションに受かろうと張り切るが、結局その役は級長のリーウェイに決まってしまう。ところが、ひょんなことからリーウェイが行方不明になったため、ショーシェンに代役が回ってくる。助監督のリウさんの指導を受けながら懸命に演技を学ぶショーシェンだったが、どうしてもあるセリフだけは言いたがらず撮影隊を困らせてしまう。

この記事へのコメント

k
2009年07月23日 13:02
今までちょっとだけ躊躇していた中国映画に、山崎さんをガイドにこの際手を出してみようと、まずはコレから。
あー、広いなあ、中国。ココからアソコまで、一体どうやって移動するんだっ!って怒っちゃうくらい途方もなく広くて、だから子供達はいつも駆けてる、走ってる。駆けないと一日の勉強も仕事も遊びも、終わりそうにないもの・・・。あの子達のように足腰が強くないと、とても生きてゆけないでしょうね。
こんなことを思うのも、ロングショットのせいかな。
エンドロールを見ていたら、大同市の文字が。撮影地なのでしょうね。炭鉱の測量技師だった父が、十代の終わりを過ごし、終戦を迎えた場所です。子供の頃に聞かされた色々なエピソードが、ショーシェンに重なります・・・。まだ足腰が大丈夫なうちに、行っておこうかと、思い始めています。

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