西瓜 (2005)

[345]ツァイ・ミンリャンの映像が歪み、物語が意味不明なのはなぜ…?


画像     われらが
     ツァイ・ミンリャン、

     いやあ、なに考えてんだか、
     相変わらず
     さっぱりわかんないよねえ…!(笑)

     若い薄着の女が
     ベッドに仰向きに寝ている。

彼女の股間には半分に切った西瓜が挟まれている。
真っ赤な、大きな西瓜で、黒いタネもじつに豊かだ(笑)。

画面の外からその西瓜に手が伸びてくる。

ん…? と笑いを必死に抑えながら観ていると、
手と一緒に若い男(チェン・シャンチー)が現れ、
ベッドに乗り、西瓜を舌でゆっくり舐めはじめる。

と、女が声をあげはじめる(笑)。

男が顔をあげ、指を立て、西瓜の中心をいじる。
女の声がすこし荒くなる(笑)。

やがて男は指をグイと中へ突っ込み、
西瓜の中心部をグチュグチュっとはげしくいじる。
女はたまらず喘ぎ声をあげ、からだをくねらせる…(笑)。

ドヒャーッ!
な、なんなのよ、これ~…!
って、もう吹きだすしかないんだよねえ、冒頭から…(笑)。

テレビからは西瓜のニュースが流れている。

台湾は全土、異常気象で水不足の深刻な状況にあり、
水より安い西瓜ジュースがバカ売れだ、と…。

え、うそ~。そんなんあり…?(笑)

と思いきや、
主人公らしき若い女が川のそばを歩いていると、
川になぜか大きな西瓜がいくつもいくつも
ドンブラコ、ドンブラコ…(笑)。

おいおい、と思っていると、
次のカットではその女が大きな西瓜を抱えて
男の前に…。

うそ~、あの川へどうやって降りたのよ。
降りれるはずないじゃ~ん…?(笑)

またある日、
この女、なぜか服の下に西瓜を抱えて、
自分の住んでるマンションと思しき階段を
フーフーハーハー言いながら上ってる。

おいおい、妊婦のつもりかよ、と思ったら、
途中ついに階段にへたり込み、
ウンコラショ、ウンコラショと、
ひとりで赤ちゃん(=西瓜)を産みはじめちゃう…(笑)。

まあ、そんな場面の連続で、
この女がいったい何者で、なにしてんだかさっぱり不明。
ただいつもあちこち
フラフラ~と幽霊みたくさまよってるだけでさ…(笑)。

この女の前にしばしば現れる男もいったい何者だべ…?

撮影カメラとディレクターらしき男が現れて、
この男がセックスするとこ撮ってるから、
AV男優かなってことわかるんだけどさ…、

この男と女、いったい全体どういう関係なのよ…?

ラスト…、
この男、生きてるのか死んでるのかよくわかんない女を
姦る場面を撮らされる。

必死に突きまくるんだけど、イケそうにない…(笑)。
ピストン繰り返して、全身汗水だらけで、顔面蒼白。
つらいよねえ、かわいそうだよねえ、AV男優も…(笑)。

し、しっかし、西瓜女、
なんでその撮影現場を格子越に覗いてるわけ…?(笑)

あんたが目の前で姦られてる女を助けて、
ここに連れてきたのは間違いないけどさ…。

おまけにAV撮影現場覗きこんで、喘いじゃって…(笑)。

と思いきや、AV男、ようやくイキそうになると、
突然立ち上がって、この西瓜女のところへ行き、
あろうことか格子越に女の目の前に自分のアレを突き出す(笑)。

と、西瓜女、ソレにむしゃぶりついて、必死に…?

それをカメラが女の背後からちょっと引きで撮って、
はい、おしまい…?

な、な、なんなのよ~、これ?
なんだったのよ~、あの女と男っ……!(笑)

というしかない映画なんだよねえ。
私ゃ、さっぱり意味わからん…(笑)。

で、しょうがなくて
この作品を紹介してるホームページ探したら…、

 「ふたつの時、ふたりの時間」に登場した
 主人公2人のその後の再会を綴った異色ラブストーリー。

 久々にパリから帰国したシャンチーは、
 偶然にも昔路上で腕時計を買ったことがある
 シャオカンと遭遇する。
 スーツケースの鍵をなくし途方に暮れていたシャンチーは、
 シャオカンに開けてもらおうと彼を部屋に招待する。
 次第に惹かれ合っていく2人。
 しかし、シャオカンには彼女に知られたくない秘密があった。
 彼は腕時計売りからAV男優に転職、
 過酷な撮影現場で働いていたのだ。
 しかも運の悪いことに、彼女の部屋は
 AVの撮影スタジオと同じマンションだった。
 シャンチーにバレないようにと
 悪戦苦闘するシャオカンだったが…。

だって…。

うそ~、そういう映画…?
「ふたつの時、ふたりの時間」観てないからわかんないよ~。

いや、ストーリーはなんとなくそんなんだろうなって思ったけど、
わかりたいことはそういうんじゃなくて~……(駄々笑)。


ツァイ・ミンリャンのつくる物語は
なぜいつもこうやって意味不明なのか…?

いっさい説明しようとしないからだよ、
って言えばそうなんだけどさ。

人間関係や物語が
意味として立ち上がろうとするその寸前で止めて、
いつもそこを、寸前を描こうとしてるからなんだよね。

だから、わかりにくい…。

わかりやすさという落とし穴を憎んでるから
わざとひじょうにわかりにくくする?
つうても同じことなんだけどね…(笑)

いや、自信ないんだけど、
私にはどうにもそうとしか思えんのだあっ…!(笑)

そのことは映像にものすごくよく現れてる?

だってさ、
視覚的に安定した映像なんてひとつもないでしょう。
歪んだ映像ばっかりでしょう。

いや映像だけじゃなくて、
道も、橋も、建物も、廊下も、四角くて、
あるいは丸くて安定してるものは撮らないでしょう。

かりに安定してても安定してるふうには絶対撮らない、
歪んでるかのようにしか撮らないでしょう…?

それって人間や空間や世界が屹立する
それ以前の状態を撮ろうとしてるからなんだと思うのよ。

西瓜のことで言うと、
冒頭の半分に切った西瓜と、その西瓜の中心をいじる指は、
明らかに女性器と男性器を表してるんだけど、

それは喩的イメージとかいうんじゃなくて、
女性器と西瓜がまったく同じものとして、
等価なものとして見える…?

言ってみれば、
この世界がまだ言葉で仕切られて立ち上がってこない…?
そういう段階を表現しようとしてるんだと思うのよ。

人間関係も同じで、
見ててよくわからんのは、関係が結ばれる前の、
まだ溶解しあってる段階を描こうとしてるからなんだよね。

まだそれぞれが関係をちゃんと結べなくて、
関係の像を描けなくて、
ポツン、ポツンと勝手にいる状態…?

それがいちばんよく表れてるのは、
魚眼レンズでビルの廊下を撮って、

その廊下を女二人が
ひとりはこっちからあっちへ、
もうひとりがあっちからこっちへと歩くシーン。

二人はただ歩いてるだけで、
お互いなんの関係もないし、
こんな場面が挿入されなければいけない理由なんて
なんにもない。

つまりはすべて無意味…。

無意味なんだけど、いや、無意味であるがゆえに
ツァイ・ミンリャンにとっては挿入しなくちゃいけない…?

いや、みんなそういう絵なんだけどさ(笑)、
まあ、そこがツァイ・ミンリャンの
ツァイ・ミンリャンたる所以というかなんというか…(笑)。

で、いったいぜんたい
世界にたいするそういう視線ってなにかっていうと、

この世界が意味をもって立ち上がってくる前の、
そう言ってよければ幼児的段階の視線…?

そういう段階へこの現実をいったん引き戻して、
そこから改めてこの世界を構築しようとしていく…?

観るたびに、
ツァイ・ミンリャン、そういうことやろうとしてんじゃないかなあ
って思っちやうんだよねえ…。

まあ、理屈なんてどうでもいいから、
荒唐無稽で、ばかばかしいこの映画を
みんなで思い切り楽しもうぜい…!

しかし、好きだなあ、ツァイ・ミンリャン。
私ゃ、ほんと、たまらんのよねえ…(笑)。


●てっせんさん
この映画、セックスが過激すぎると大騒ぎになり、
結果、この年の興行成績NO1に輝いたんだそうです。
私は西瓜の描写のほうが過激すぎると思うのですが…(笑)。
てっせんさんには間違いなくお薦め120%なのでどうぞ…(笑)。
「アギーレ・神の怒り」ですか、面白そうですね。
探して観ます。あるといいのですが…。

ありがとうございました。
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■112分 台湾 ドラマ/ロマンス/ミュージカル

監督: ツァイ・ミンリャン
製作: ブリュノ・ペズリー
製作総指揮: ヴィンセント・ワン
脚本: ツァイ・ミンリャン
撮影: リャオ・ペンロン

出演
チェン・シャンチー
リー・カンション
ルー・イーチン
ヤン・クイメイ
夜桜すもも

台湾の鬼才ツァイ・ミンリャン監督が、「ふたつの時、ふたりの時間」に登場した主人公2人のその後の再会を綴った異色ラブストーリー。主人公の一人がAV男優との設定で随所に過激な性描写が登場することから、本国の台湾では審査の基準を巡って社会的な論議が巻き起こり、結果的に年間興行収入第1位を記録する大ヒットとなった。2005年のベルリン映画祭銀熊賞(芸術貢献賞)受賞作。
極限の水不足が続く台湾。人々は節水対策として西瓜ジュースでのどの渇きを癒していた。そんな中、久々にパリから帰国したシャンチーは、偶然にも昔路上で腕時計を買ったことがあるシャオカンと遭遇する。スーツケースの鍵をなくし途方に暮れていたシャンチーは、シャオカンに開けてもらおうと彼を部屋に招待する。次第に惹かれ合っていく2人。しかし、シャオカンには彼女に知られたくない秘密があった。彼は腕時計売りからAV男優に転職、過酷な撮影現場で働いていたのだ。しかも運の悪いことに、彼女の部屋はAVの撮影スタジオと同じマンションだった。シャンチーにバレないようにと悪戦苦闘するシャオカンだったが…。


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この記事へのコメント

てっせん
2009年08月23日 00:25
今晩は
この映画は観ていないのですが、面白そうですねえ。
最近なかなかレンタル屋に行けないんですが、いつか観てみたいです。

「この世界がまだ言葉で仕切られて立ち上がってこない…?」
この言葉で思い出した映画が、何十年も前に観た「アギーレ・神の怒り」という、ナスターシャ・キンスキーのおとっちゃんクラウス・キンスキーが主演した作品です。なんでこの映画を思い出したか、われながら不思議なんですが、当時のかすかにおぼえている感想は・・・人間が言葉で名づける以前の風景や世界が映像化されているんじゃないだろうか・・・というものでした。この映画に関して、的外れの感想なのかもしれませんが・・・(笑)。

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