春香伝 (2000)

[357]イム・グォンテクが撮りたかったのはパンソリに流れる大衆の心なのだ…!


画像     「春香伝(チュニャンヂョン)」は
     李氏朝鮮時代の説話で、

     本国の韓国では
     いまも人気あって、

     日本で言えばさしずめ
     「忠臣蔵」ってとこらしいの…。


同じイム・グォンテクの名作、
「西便制__風の丘を越えて」の中でもすこし出てきたんで、
さっそく観たよ…。


物語は…、

南原の府使の息子・李夢龍(イ・モンニョン)が、
妓生娘・成春香(ソン・チュニャン)と恋に落ちる。

永久の愛を誓ったにもかかわらず、
父が都へ戻ることになり、夢龍も春香を残し、
南原を去る。

身分制度で結婚できないからだが、
科挙を卒業したら必ず迎えにくると約束して…。

新たに赴任してきたピョン府使が、
春香の美貌を聞きつけてそば仕えさせようとするが、

自分には結婚を約束したひとがいる。
二夫に仕えることはできない、と突っぱねる。

ピョン府使が怒って春香を投獄し、処刑しようとする。

と、そこへ科挙を卒業し、
暗行御史として南原に帰ってきた夢龍が現れ、
ピョン府使の悪政をあばき、春香を救い出す…、

という、まあ、単純な物語。

「忠臣蔵」というより「水戸黄門」みたいなもんで、
ちょっと複雑にしようがないんだよね(笑)。

で、イム・グォンテク監督、
映画の構成をちょっと複雑にせざるをえなかった…?

時は現代。
パンソリ芸能者が劇場の観客の前で「春香伝」を語り、
その歌い語りに合わせて、「春香伝」を映像化していく…、
というふうにやってるわけ。

最初と最後はその会場のシーンで、
中が李王朝の時代の夢龍と春香のお話…。

もともと「春香伝」は
パンソリで語り継がれてきたらしいから、
いかにも正攻法を得意とするイム・グォンテクって感じで、
わたしゃ、すごくうれしかったけどね。

おまけに映像も、
ほかの時代劇とはちょっと格が違うよって言いたいくらい、
しっかりしてて、きれいだし…。

でも目論みがうまく行ってるかっていうと、
ちょっと「…?」って感じ…?(笑)

スバリ一言(笑)。

パンソリ語りと映像の呼吸がちょっと合ってないんだよね。

バンソリの特徴は「強」の声で、
ドンドン物語を進めていくところなんだけど、

映像はねえ、
どうしてものんびりとした昔の、
前述したみたく複雑にしようがないお話なもんだから、
バンソリのように「強、強、強…」って攻めていけない…?

で、残念だけど、呼吸が、リズムが合わない…?

イム・グォンテクもそう思ったんじゃないかなあ。
「うん、これはちょっと失敗」って…(笑)。

で、バンソリに再挑戦しようと思って
3年後に大傑作「「西便制__風の丘を越えて」を
ものにしたんじゃないかって気がした…(笑)。

でも、これはこれで
イム・グォンテクの映画的野心がつよく現れてて、
わたしは大満足だったよ。

「春香伝」ってこんな話で、
あ、バンソリでこういうふうに語られてきたのかって
すごくよくわかったしね…。

で、わたしが一番好きなシーンをあげておくと、
ラスト…。

バンソリが「春香伝」を語り終えると、
観客が立ち上がってヤンヤと、芸能者と物語に
拍手するんだよね。

日本で言えば、大衆演劇のお客さんの雰囲気…?
いいよねえ、ああいう熱気。

よっ、イム・グォンテク…!
って私も掛け声かけたくなっちゃったよ…(笑)。


●てっせんさん
「欧米人の眼を意識して、裃を着ちゃってる」…?
あ、なるほどなあ。それでこういう結果に…。
どんな映画も、映画は娯楽だあ、くらいの気持ちで創ったほうが
うまくいきますよね。
「歌い手は、名人とされる女性の方にやってほしかった」
ドヒャー! 考えるともうまったくその通りです。
どうも私も何かが違うと思いました。
男じゃ「春」の味と香りは出せませんよねえ(笑)。
いやいや、なるほどなあ、さすがてっせんさん!
と、いたく感動しています…(笑)。

ありがとうございました。
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■120分 韓国 ドラマ/ロマンス

監督: イム・グォンテク
原案: チョ・サンヒョン
撮影: チェン・イルソン

出演
チョ・スンウ
イ・ヒョジョン
イ・ジョンホン
キム・ソンニョ
キム・ハギョン
イ・ヘウン

韓国の古典を、「太白山脈」のイム・グォンテク監督が韓国の伝統芸能であるパンソリの歌声をフィーチャーして映画化した作品。李朝時代の朝鮮。貴族の息子李夢龍は、芸妓の娘春香と恋に落ちる。二人は結婚の約束をするが、当時の身分制度では許されぬことだった。やがて、夢龍が都へ行っている間に、新長官が春香に言い寄るが、夢龍を信じる春香はそれを拒んだため投獄されてしまう……。


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やっぱり、春香伝はい ...
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この記事へのコメント

てっせん
2009年08月26日 23:54
今晩は。
尊敬する巨匠に向かってものすごく生意気なことを言わせていただきますと、この映画、欧米人の眼を意識して、裃を着ちゃってるんじゃないかという気がいたしました。そこが、仰るように、映像とパンソリのリズムがあわない原因となったのかもしれません。
イム監督、肩の力を抜いて作ったらしい「西便制」が思わぬ大傑作となってしまったもんだから、ちょっと力がはいっちゃたのかなあと・・・(笑)
あと、私にはパンソリの良し悪しなんぞはわかりませんが、それだけになお、歌い手は、名人とされる女性の方にやってほしかったですねえ・・・まるっきりの好みの問題ですけど・・・(笑)。

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