台風太陽__君がいた夏 (2005)

[360]この青春の輝きと哀しみはどこからやってくるのか…?


画像     インラインスケートが
     大好きな
     若者たちの物語。

     青春ものだけど、
     うん、すごくよかった。

     なんでかって…?
     そうだなあ…。

青春のただ中にいる若者たちの等身大の心を、
さりげなく、的確に描いてみせてて、
遠い日の自分の心を思い出させてくれたから…(笑)。

主な人物は4人。

はじめて世界大会に出場したのに、
リングを見下ろした瞬間、
急に怖くなって滑るのを中止してしまったモギ…。

そのあと、かれは
「自分が滑りたいときだけ滑る」と言って
チームを離れるんだけど、

はじめて滑るのが「怖い」と思ったとき、
じつはかれは
自分の青春が終わったことを知ったんだよね。

青春とともにあったスケートが終わり、
いまはただその名残りでスケートを楽しんでいるだけ…?

で、心はもうおとなとして生きていく準備でいっぱい。
別にこれといってやることがあるわけじゃないんだけどさ…。

かれが俳優の代わりに滑るCM撮影のシーンがあるんだけど、
見下すスタッフに切れて、わざとカメラを壊す。

後日、テレビ局に行って謝ろうとすると、
ディレクターに土下座して謝れって言われる。

と、素直に土下座して謝るんだけど、
そうするのは、自分が「おとな」になってしまったことを
自分で受容した、引き受けたってことだよね…。

そのモギの恋人ハンジュ。

「約束-国境の南側」でヒロインを演じていた
チョ・イジンが演っているんだけど、
ハンジュがモギを大好きだったのは、
スケートをするかれの姿=命が光り輝いていたからだよね。

自分の青春=命をモギの青春=命で確かめることができたから…。
モギの命に自分の命を寄り添わせることができたから…。

土下座事件のあと、
モギはハンジュの前から姿を消すんだけど、
彼女は追おうとしないで、自分もソヨ(後述)の前から姿を消す。

モギとともに、
自分の青春が終わったことを知ったからだよね…。
だから「おとな」として生きる場所を探しに行く…。

でも、青春ってなに…?

この物語に即して言うと、
死の陰がすこしも差していない、命。
まばゆい光だけに満ちた生命。
その生命の躍動…?

モギが滑るのが怖いと思ったのは、
かれがはじめて死の陰を自分の命に見たから…。

けして永遠ではない命。
限界的でしかない自分の命。存在。

いいかえると、
人間の命は社会に通路をつけることでしか
永らえることができないということ…。

「おとな」にならざるをえない、人間…。

まあ、そういうところに青春の栄光(まばゆさ)と、
青春が終わることの哀しみが生まれるんだろうけどね…。

モギと無二の親友で、
チームリーダーでもあるカッパは、
そのことを徴兵召集令状を受け取ることで知る。

避けられない社会への扉の前に立たされたとき、
自分の青春が終わったことを痛感するんだよね。
誰にもそれを見せようとはしないんだけど…。

そして本編の主人公のソヨ。

この物語は
かれのひと夏の体験として描かれているんだけどね。

スケートが大好きなんだけど、うまく滑れない。
スケート仲間に入ることもできない。

そんなソヨの前に
前記の3人が現れ、チームの一員として迎えられ、
技術を習得し、スケートの楽しさを味わう…。

そう。
滑っているときはなにも考えない。
滑る。滑っている。それがすべて。その一瞬が…。
最高の充実感。最高の幸せ…!

死の陰などまだどこにも見当たらない…。

でも…。

敬愛するモギやハンジュ、カッパの後姿は
とてもまぶしいんだけど、
自分には理解できない心を感じるようになる。

三人が青春の終わりを生きているのに対して、
ソヨが青春の始まりを
生きはじめたばかりだからなんだけどね…。

青春は終わるものだということをまだ知らない…。

3人が自分の前からいなくなったとき、
青春という「台風」のただ中にひとり放り出される…?

最後はその台風が過ぎた太陽のもと、
モギやカッパが青春の盛りに立った
世界大会のスタート台に立つんだけどさ…。

そういう青春時代の特有な…、
と言ってもいいんだけど、
若者の微妙な心を描いた、ほんと、とてもいい作品。

この記事読んでるだけでそう思うよね。
思わない…?
思っちゃってよ…(笑)。

この映画でも時々で出てくるんだけど、
公園の歌壇の縁や、階段の手すりを滑ったりしている、
いっけん我が物然とした若者たち…?

ああいう子たちの心ってこういうんだよねえ、
って、みごとに描いてみせてる…?

地味といえば地味な作品かもしんないけど、
等身大の青春の心を描いてみせたっていう点では、
韓国映画のこれまで見た青春映画では、
意外と一番かも…(笑)。

わたしは大好き。
もうとてもこういう青春ものは書く自信がない…(笑)。

あ、1個だけ。

ソヨの両親たちは、
借金取りに追われて外国に(?)一時姿を隠す。
ソヨだけ残されたその家にモギとハンジュが転がり込む…。

という設定はいいんだけど、
あの両親と借金問題はどこ行ったの?

そのあと両親全然出てこないし、
まるで話題にもならないんだけど…(笑)。

ああいう大きな忘れ物はいくらなんでもだめ。
ご都合だけでシナリオ書かないように…。

あれさえなかったら
「これぞ映画」にしてもよかったのに…(笑)。

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■107分 韓国  ロマンス/ドラマ

監督: チョン・ジェウン
脚本: チョン・ジェウン

出演
チョン・ジョンミョン
キム・ガンウ
チョ・イジン
オン・ジュワン
イ・チュンヒ

アグレッシブ・インライン・スケーティングの速度と危険に魅惑された少年の成長譚を描いた青春物。
見かけは平凡で内省的な高校生ソヨは,学校生活になじめないけれど,格別な事故もなく日々を過ごしていたが,偶然にインラインスケートを始めるようになる。まだ,下手なソヨは,公園の隅で一人で練習をしていたが,公園のまん中でスケートをするグループに会って,格別に華麗な妙技を見せるモギのスケーティングに魅了される。そして,ソヨは,親しく話しかけてきたハンジュの紹介でインラインチームに合流する。
家を出てしまった両親の席は,彼らで埋められ,ソヨは,インラインの世界に完全に陥いる。あこがれの対象であるモギとモギの恋人ハンジュに対する感情,チームのリーダーであるカッパに対する信頼など,ソヨは,彼らとの同居で新しい人生と新しい愛,変わる自分を感じる。
世界大会に行く飛行機チケットを得るために,望まないCFに出演しようとしていたモギは,CFスタッフの卑下発言のせいで故意に事故を起こす。その事故で耐えがたい負債を負うようになったインラインチームは,お金を返すために東奔西走するけれど,モギは無力になったままスケーティングに疑問を感じる。
理解できないモギの行動にハンジュとカッパまで動揺し,スケートチームを離れようとする。ソヨは,自分の生活すべてを一緒にしてきた彼らの行動に信頼を失ってさまよい始める。一度の台風,その台風を勝ち抜いて,彼らは,以前よりさらに熱い太陽をむかえることができるだろうか。

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