地上満歌 (1997)

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[090]これまた必見、笑えて悲しきイ・ビョンホン……!


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舞台の場合もそうだけど、
冒頭のシーンを5~6分観るだけで、
面白い映画か、面白くない映画か、まあ、およそ見当がつく。

その基準は映像の良し悪しと、カットをつなぐリズムというか、呼吸。
絵(映像)がよくてつなぎの呼吸が生き生きしていると、
間違いなく面白いというか、あとが期待できるよね……。

この「地上満歌」も、もう最初の2~3分で、
「あ、いい……!」と思ったもんね。
ほんと、絵(映像)はいいし、リズム(呼吸)がすごくいいから……。
実際、最後まで一気に観たってかんじ……。

それに
イ・ビョンホン 、シン・ヒョンジュン 、チョン・ソンギュン……、
この3人の組み合わせも抜群にいいしね。

先に言っておくと、
私が観たのは「インターナショナル」版なんだけど、
後半のほうが物語的にちょっと省略しすぎてわかりにくいかな、
という感じがしないでもない……。

といっても2度観ると、
「あ、そうか」って前半と後半がつながってよくわかる……、
その程度なんだけどね。

この映画の主役は音楽家のクァンス(シン・ヒョンジュン)。

かれ、「アウトライブ」にも出ててけっこういいなあと思ったけど、
この映画のほうが全然いいわ……、救いようもなく暗くて……(笑)。

で、チョンマン(イ・ビョンホン)は脇役、狂言役、三枚目。

メグ・ライアンと競演してアカデミー賞とりたい
と1人で力(りき)んでる俳優の卵の役なんだけど、
これがもう情熱は人一倍あるんだけど、底抜けの楽天家で、
バカばっかりやって(?)クァンスをどん底から這い上がらせるの。

「おまえはすごい!  すごい作曲家だ。天才だ。
おれの脚本がいまにハリウッドで映画になるから、
おれが使ってやる。おまえが音楽やれ」
みたいなこと本気で言っちゃったりして……。

それがもうおかしくておかしくてさ。

イ・ビョンホンが最初に出てきたシーンなんか、
「あ、レインマンやってる!」ってすぐわかって、ひとりで大笑いだもんね。

クァンスが暗~い自分の過去を話すと、
「走ろう! 走って吐き出しちゃえ。吐き出せ~い!」
なんて勝手にひとりで走りだしちゃってさ。
バカで言葉が出てこないもんだから……(笑)。

でも、いいんだよねえ。
そのあとをクァンスが追っかけて二人で木立の中を走るんだけど、
おれ、もう涙とまんなくてさ……、恥ずかしいけど……(笑)。

まあ、とにかくイ・ビョンホンがすごいのは、
そういう狂言回しをみごとにやってみせるところだよねえ。
「誰が俺を狂わせるか」なんかでもそうだったけどさ……。

自分をカッコいい、二枚目だなんて思ってる俳優は、
普通、そんな役やらないでしょう? 事務所もやらせないし……。

そのあたりが吐いて腐るほどいるスターと、
イ・ビョンホンとの決定的な違いなんじゃないかなあ。

ひとを笑わせる、3枚目をちゃんとやるってのが、
ほんとは演技で一番むつかしいんだよね。
自分を徹底的にひとより低く置かないとできないし……。

そしてそういう経験を積むと、
人間の底にある悲しみや悲哀もよくわかってきて、
年齢を重ねるに従って、ほんと芯からかっこいい俳優になるんだよね。

イ・ビョンホンはちゃんとその道を歩んできた。
だから「甘い人生」やれちゃうんだよね……。

ただ、1個、いいかなあ。
イ・ビョンホンのファンの立場から……?
いや、演出家の立場から言わせてもらうとですね、

チョンマン、スタントに失敗して病院に担ぎ込まれるんだけど、
あの廊下のシーンの絵(映像)もっとかっこよく、
そして長~く撮ってほしいよねえ……(笑)。

そのかわり、ラストの空港改札口は不要。

クァンスとセヒの二人がチョンマンの部屋訪れて、
メグ・ライアンやハリウッド俳優のポスターのそばに、
カッコつけてるチョンマンの大きな写真が貼ってあるのを
見つけるくらいでいいんじゃないかなあ……。

なにも最後ああいうかたちでイ・ビョンホン登場させることないよ。
最後まで脇役でいいよ……。

これも観てない方には超おすすめです。

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●スクリーンさん
え~っ、白紙にコメントしないでくださ~い。
また間違って「公開」しちゃったみたいなんですから……(笑)。
ビョンホン・ファンは気が早すぎます(笑)。
「この2人の絡み、う~ん、ちょこっと???」……。
たしかに最初は「?」と思いますけど、そのアンバランスが
かえって絶妙なコンビを作り出してるんじゃないでしょうか……?
私が観たのはインターナショナル版でした。

●ゆうさん
かれは子どものころジャッキーチェンが大好きだったそうですけど、
ジャッキーチェンの影響が甚大なのかもしれませんね。
かく言う私もジャッキーチェンが大好きなんですが……(笑)。

●youkoさん
私の好みがもうすっかりばれてますよね(笑)。
韓国の俳優さんたちは、ほんとみんな凄いです。
エネルギーに満ちてて、演技もしっかりしてます。
ほんと、韓国行って芝居やりたくなりました……(笑)。
エネルギーはまだ負けない自信があります、
足腰は負けるでしょうけど……(笑)。
「後半のカットシーンは無かった」……、
そうなんですか。本国版があったら観たいです。
あ、ホン、「シュリ」のカン・ジェギュだって思ってました。
かれ、演出もシナリオもじつにシャープですよね。

●うすゆき草さん
「私の感じたことですが、
韓国の映画、ドラマはラストに蛇足があるということです」
そこが「若い」ってことじゃないでしょうか。
思いを捨てきれないんです、まだ……。

●lee_milkyさん
すいません、本を注文していただいたそうで……。
「猛ダッシュ」……、ステキな渾名ですねえ(笑)。
「勘違い」も大事な?観かただと思いますよ。
私の演劇の師匠は唐十郎というひとなのですが、
本読んだり映画みたりしても、いつも勘違いというか、
「誤読」ばかりしているひとです。
で、その誤読や勘違いからいつもすごい考え方をしたり、
物語を作ったりするんですよねえ。
それで私は「誤読の天才」と呼んでいるんですが……(笑)。

●つばきさん
そうですね。注意しないと最後のほう、モヤッとするかとおもいます。
でも、いい映画だなあと思いました。
「魚と寝る女」は、観たひとから聞いた話だと
つばきさんがおっしゃってる映画で間違いないとおもいます。
どうやらビデオテープのほうだとあるらしいので探してみます……。

●スクリーンさん
ほんと面白かったです。
ハリウッドスターを目指す俳優の卵の物語だけでも
じゅうぶん映画になるとおもいますけどね……。
でも、ライターと監督がこうしたかったんでしょうから、
それはまあそれでしょうがない……? ってとこでしょうかね。
しかしイ・ビョンホンのひょうきんさ、いやあ、いいですよねえ……。

●スクリーンさん
はい、ビョンホンは死んだのです、スタントに失敗して……。
それでラストに空港改札口へ幽霊のように消えてしまうのです。
それに主役は誰が見たって音楽家のクァンスです。
でも超ビョンホン・ファンからすると、チョンマン(イ・ビョンホン)が主役で、
最後まで死んでないんだ……、と観ちゃうんでしょうねえ(笑)。
そういう観かたもあっていいし、それはそれでとても楽しいと思います。
いやあ、私なんか負けちゃいます……(笑)。

●ライラックさん
韓国映画はいまの日本映画よりはるかに面白いですから、
日本映画を観なくなるのはしょうがないんじゃないでしょうか(笑)。
もう映画にたいする想いが違うんですよね。
韓国の映画人たちは、
自分や自分たちの想いを伝える表現手段として
「映画」を再発見したんじゃないでしょうかねえ。
と、当然、創る情熱も違ってくるわけで……。
そのあたりのことをとても強くかんじさせられますね。

●マリリン
どっちかを死なせたほうが劇的になりやすい(笑)
というのはあるんじゃないかと思います。
その場合、クァンスを死なせてしまうと、
それこそ救いのない暗~い物語になってしまうので、
チョンマンに死んでもらうことにしたんじゃないでしょうか(笑)。
あるいはチョンマンの死を共有することで
クァンスとセヒの絆をより強くしようとした……、
チョンマンの「死」はそういう役割を担わされているんじゃないでしょうか。
ビョンホン・ファンの不満はじゅうぶんわかりますが……(笑)。

●ソヌッチさん
「クァンスがちょっと汚すぎた」……、
そうですね、あそこまで汚くしなくても……、と思いますが、
たぶん、クァンスの状態をわかりやすくしようとして
ああしたんじゃないかと思いますね。
韓国映画は、けっこうああいうストレートさで表現しようとする
傾向があるような気がします。
ラストの空港のシーンもそうです。
もうちょっと「お洒落」に気を使うと、
ああいうシーンはいらないような気がするんですが……(笑)。
でも、とてもいい映画でよね。

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■87分 韓国 青春/ロマンス

監督: キム・ヒチョル
脚本: カン・ジェギュ
撮影: パク・ヒジュ イ・ドンジュン

出演
イ・ビョンホン
シン・ヒョンジュン
チョン・ソンギュン
キム・セユン
キム・イル
ハン・ソンシク

殺人の濡れ衣を着せられた音楽家のクァンス(シン・ヒョンジュン)は、取り調べの途中に逃亡。ハリウッドスターを夢見る俳優の卵チョンマン(イ・ビョンホン)は、クァンスの楽譜を拾いその音楽に惚れ込み、彼を匿う。一方、逃亡中のクァンスを助けた音大生セヒ(チョン・ソンギョン)もまた、その面影が忘れられない。

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