コースト・ガード (2001)

※この記事は「テーマ」設定の事情により重複しています。

[089]雷にでもうたれるかのような、衝撃的な絵の連続……。


画像


キム・ギドクは自ら志願して海兵隊へ入り5年間過ごしたという。
なぜ自ら志願したのか知りたいよね。
傑作「受取人不明」も米軍基地のある町を舞台にした映画だったし……。

それはともかくこの作品は、その海兵隊経験をもとに創られた作品。
コースト・ガードというのは沿岸警備隊のことで、
北朝鮮のスパイ侵入を防ぐべく、日夜、湾岸を警備している兵士たちと、
そばにある村人たちとにまつわる物語……。

といっても、その警備隊本部と村との距離、
位置関係がちょっとつかみにくいのが難点なんだけど……。
あ、いや、それを無視して強引に創りあげるのが
キム・キドクらしくて、好き好き……、と言うべきか……?

なにがすごいかって、とにかくこれも絵(写真)がすごい。
雷にでもうたれるかのような、衝撃的な絵の連続……。
その絵観てるだけで、私は、なんだか知らないけど
ものすごく敬虔な気持ちになっちゃうんだよねえ……。

野外のシーンが圧倒的に多くて、
普通、野外を撮るとどうしても映像が散漫になりがちなんだけど、
キム・ギドクは映画全体の焦点と構図をキチッと決めてて、
ものすごく引き締まった絵を撮りつづけてるんだよね。

この映像感覚はもう
学べばなんとかなるという類のものじゃなくて、
天性のものと言うしかないような気がするんだけど……。

とくに狂った(?)ミヨン(パク・チア)が海に入って歩きまわるシーン。

「狂った」に「?」をつけてるのは、
ほんとうに狂ってしまったわけじゃなくて、
目の前で恋人を海兵隊に射殺され、
復讐するために狂ったフリをしてるだけなんじゃないの?
と取れなくもないからなんだけどさ……、

ミヨンが海に打ち込まれた杭の間を
笑いながら歩きまわるシーシンがあるんだけど、
間違いなく映画史上に残る絵だとおもうよ。

物語については観てほしいので書かないけど、
38度線を描いた韓国映画の中では、
「JSA」と双璧をなす傑作だよね……。

ところでチャン・ドンゴンは
この映画に自分で出たいってキム・ギドクに申し出たらしいんだけど、
いいなあ……。

「アナーキスト」「ブラザーフッド」「友へ」なんかもいいんだけど、
これが一番いい。
どうしようもない人間、壊れやすい人間、立派にやってみせてるもん。

そもそもキム・ギドクの映画に出たいっていうのがいいよね。
わかってんだよ、ダテでやってんじゃないんだよ……。

ユ・ヘジンも私の大のお気に入りで、名脇役なんだけど、
この映画でデビューしたみたいなんだよねえ。
いい! 拍手……!

それとミヨンやってるパク・チア、
これ観てもうすっかりファンになっちゃったんだけど、
「allcinema」で調べてもほとんど映画に出てないじゃない?
去年の「ブレス」以外には……。
どういうわけ……? 
もっと使ってよお……。

最後にちょっと……。

キム・ギドク、群集の演出、ちょっと苦手なのかなあ?
ラストシーンのとこなんだけどさ、
あの群集、エキストラじゃなくて、
通りすがりの人たちに頼んで出てもらってるだけ……?
なにしろいつも低予算らしいから……?

それにしても下手、ものすごく素人っぽい。

なんて言ってるけど、
そこがまたキム・ギドクらしくていいんだよなあ。
ほんと、好き……。

しかし……、困ったなあ……。
これでキム・ギドクもイ・ビョンホンも
とりあえず手に入った作品だいたい観終わっちゃったんだけど、
どうしよう……。

この二人の作品、もっと観たいんだけどなあ……。

サロン専売品が最大40%OFF♪
メタボ対策ハラマキ登場!おなかスリマー

にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村

ブログん家



●ヤグディンさん
はじめまして。
はい、「遠い道」みなさんお薦めなので観てみます……。

●チェブさん
「ワイルドアニマル」と「絶対の愛」、まだ観てないんですよねえ。
私の行ったところにはどこも置いてなくて……。ツタヤで探してみます。
この作品もほんといいです。
キム・ギドクには失敗作がない、すごいです。
まあ、本人にとってはどうなのかわかりませんが……。
しかし本まで購入されて、私より本格的ですねえ(笑)。

●アマポーラさん
えっ……! ガクッ……! です。
私んちWOWOW加入してないんですよねえ。
前は入ってたんですけどあんまりいい作品やんないなあって
止めちゃったもんですから……。
テレビで映画をみようという根性がだめなんじゃないでしょうか(笑)。
NHKはまだいいんですけど民放の、しかもゴルデン・タイムは最悪……。
抗議しても無駄だと思いま……(沈黙)。
余談ですが、40年近く前上京したとき、
テレビ東京は、午後と深夜に毎日映画放送してましたよねえ。
うわあっ、東京ってすごい……! って感動して、
あのころ私は毎日が映画祭りの「美しき日々」でした。
結果、いまでもテレ東のファンです……(笑)。

●チェブさん
う~ん、いまものすごくチェブさんに絶対の嫉妬をしております。
キム・ギドクはやっぱり映画で絵を描いてるんだと思いますねえ。
物語なんかその付けたしだったりして……。
この「コースト・ガード」にも彫刻が出てきます。
ひょっとして、使いまわし……?(笑)
やっぱり……、本なんか後回しにしたほうがいいですよぉ(笑)。

●チェブさん
「大スターが出てしまうと何だか映画とバラバラに感じてしまいます。
キム・ギドクの世界が壊れてしまうような。」
チャン・ドンゴンをよく知っているひとが観ると、
チェブさんのおっしゃる通りだとおもいますね。
私はチャン・ドンゴンをあまり大スターだと思っていないので(笑)、
そこまでバラバラには感じなかったんですが、
それでも正直言うと「?」という感じはちょっとありましたから……。
キム・ギドクの作品の創りかたは俳優を見せる、スターを見せる
というふうにはなっていません。ですからスターが出ると、
見る側の意識がそのスターにやはりすちょっと取られてしまうので、
そのスターはどうしても浮いてしまうとおもいます。
たけしが俳優にスターを使いたがらないのもそのせいです。
いいかえると、あまり有名な俳優を使わないほうが、
監督の創りたい世界がよく見えてくるんですよね……。
ただチャン・ドンゴンの意気込みは買ってあげたほうがいいかなあと……(笑)。

●チェブさん
オダギリジョー使って、キム・キドクが
日本でももっとよく知られるようになるとひじょうにうれしいです(笑)。
監督の絞り出すような声がちょっと聞こえてこないのは、
ギドクが得意とする(?)「性」が直接的な主題ではないからだと思います。
ギドクの私小説的な世界ではないから、というか……。

●チェブさん
じつは私はもっと穿った見方をしています。
この映画、じつはギドクが「JSA」が気に食わなくて
撮ったんじゃないかなあと……(笑)。

ありがとうございました。

--------------------------------------------------------

■94分 韓国 サスペンス

監督: キム・ギドク
製作: イ・スンジェ
脚本: キム・ギドク
撮影: ペク・ドンヒョン
音楽: チャン・ヨンギュ

出演
チャン・ドンゴン カン上等兵
キム・ジョンハク キム上等兵
パク・チア ミヨン
ユ・ヘジン チョルグ
キム・テウ

南北軍事境界線の海岸を警備し、民間人を北のスパイと誤認して射殺してしまうことから始まる、ある兵士の悲しみを緊迫感と狂気と満ちたタッチで描いた心理サスペンス。『ロスト・メモリーズ』の次回作として、チャン・ドンゴンが選択したのは低予算映画ながらも海外映画祭では高い評価を得てきたキム・ギドク監督作品。独特な映像感覚で<韓国映画界の異端児>と言われてきたキム監督の作品に俳優としてトップスターの地位を確立したチャン・ドンゴンが自ら出演を志願し、破格の安いギャラで出演し大きな話題を呼んだ。本作はキム監督自身が5年間海兵隊で過ごした経験をもとに、朝鮮半島の現在を生きる人々の現実と葛藤を生々しく描いた<戦闘シーンのない戦争映画>である。キム監督は本作のインタビューでは「チャン・ドンゴンはスターとは思えないほど、謙虚で知れば知るほど素晴らしい人物」と賞賛の声を惜しまなかった。撮影は全羅北道扶安郡ウェドの海岸で行われた。



ハピネット キム・ギドク 初期作品集BOX
オタクの電脳街 楽天市場店
発売日2007年11月22日仕様●監督:キム・ギドク●出演:チョ・ジェヒョン/ウ・ユンギョン/チャン

楽天市場 by ウェブリブログ

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック