韓国幼性伝 いちぢく (1989)

[390]この作品は物語のチカラ、物語の面白さを教えてくれる…?


画像     1989年製作の
     セミ・ポルノ映画。

     はじまってしばらくは
     すごく退屈で、

     おいおい、大丈夫かよって
     心配したんだけどさ(笑)、


中盤をすぎたあたりから、俄然、物語が動きはじめて、
後半はめちゃ面白かったわ…(笑)。

あ、セミ・ポルノって言ったけど、
ポルノを期待して観ても、間違いなく外れだよ。
わたしに文句言わないでね…(笑)。

「桑の葉」は日本の占領下時代、
「膝と膝の間」は現代だったけど、
この「いちぢく」の舞台は李氏朝鮮の末期。

わたしはDVDをレンタルするときは、
内容も調べないで、しかも無作為に借りてるのね。
といっても韓国映画の場合だけなんだけど、
並べてみると、偶然とは言え、うん、いい選択してるぜ…(笑)。

人里離れた山の中に、
母親、兄、妹の三人が暮らしている。

兄と妹は10代半ばくらい。
とても仲が良くて、遊ぶのはいつも一緒。
母親はまだ30代半ばくらいの美人。
なのに、なんでそんなところに住んでるのか不明…。

尋ねてくるのは「山守」の男くらい。
男やもめで、母親に気があるからなんだけど、
彼女は寄せつけようとしない…。

ある日、母親がはじめて兄妹を村に連れて行く。

母親が村長の家に呼ばれている間に、
妹が村の若い衆に水車小屋に連れ込まれ、犯されそうになる。

駆けつけた兄が、怒って男を殴ると、運悪く死んでしまう。

二人を探しにきた母親と、
途中で一緒になった牛飼いの男がその現場を目撃する。

母親が兄妹を先に家へ帰すと、牛飼いが…、
死体を埋めよう、
目撃したことは黙っててやるのでおれの言うことを聞け、
と、脅迫して母親を手篭めにする。

母親はいったん家へ帰るが、
故郷の母が死んだので帰ってくる、と言い残して家を出る。

この間、兄と妹は「お見合い」を重ねてしまう。
兄妹なのにセックスしてしまうわけ…。
村の女にセックスを男女のお見合いって教えられたんで、
二人ともそれをお見合いって信じてるんだけどさ…(笑)。

もちろん近親姦は禁止なんだけど、
この兄妹は母親に、世の中のことは一切教育されてないわけ。

ところで母親だけど、母が死んだというのはウソで、
じつは牛飼いの男に脅迫されて一緒に暮らしてるというか、
軟禁状態…?

ある日、牛飼いが大怪我をする。
逃げるチャンスが生まれたのに、逃げないで看病する。

と、男は感謝して告白する。
ほんとはおまえが好きなんだけど、
脅迫でもしなきゃ一緒にいてくれないと思ったので…、
みたいなことを。
 
母親のほうも、
根は悪い男でもないので、それなりにもう牛飼いに情が移ってる。
で、自分の身の上話をはじめる…。

私は娘のとき、ある貴族の屋敷へ嫁に行った。
しかし行ってみると、相手の男は死んでいた。
騙されて、死んだ男と結婚させられたのだ…。

村祭りの行われたある日、芸人たちの芸を見に行ったが、
その帰りに仮面を被った芸人に手篭めにされた。

事が終わると芸人は面をとって言った…、
おまえのうわさを聞いたのでわざと手篭めにした、
いまのまま一生操を守らねばならないなんて間違いだ、
貴族も平民もない、
ひとはみな平等で自由であるべきだ、と…。

この芸人、じつは李王朝を倒そうとしてる集団の一員だったのね。
で、彼女に、自分の被ってた仮面を渡して姿を消すの。

彼女、自分の初めてのその男が忘れられなくて、
いまもずっとその仮面を大事に持ってるわけ。
で、からだが火照るときはその仮面を抱いて寝てる…?

月日が経ち、姑に妊娠がばれる。
姑は、誰の子かと殴って吐かせようとするんだけど、
彼女は「わかりません」の一点張り…。

小屋に閉じ込められるんだけど、
屋敷に同じ身の上の義兄嫁がいて、同情して彼女を逃がすの…。

先に言っておくと、
彼女がこのとき妊娠して産んだ子がいまの娘なわけね…。

話は現在に戻るけど、
母親が久しぶりに家に戻ると、娘のお腹が大きくなってるの。

驚いて誰の子かと問い詰めるんだけど、
娘は知らないひとに犯されたの一点張り。
昔の母親と同じね…(笑)。

母親は娘を村の広場に連れて行き、
その男が現れたら捉まえて放すんじゃないよと言って、
まだ回復してない牛飼いの男のところへ行く…。

男を捕まえて放すなというのは、
先に言ったように、
母親が父親なしに娘を産み、苦労して育てたからなんだけどね。

ある夜、娘が陣痛を起こす。
兄が村の医者を強引に連れてきて、子どもが産まれる。

そこへたまたまやってきた例の「山守」が、
生まれた子は、兄の子だと知って、村長に密告する。

村長の命を受けた村人たちが、
兄と妹を捉まえてきて、広場で処罰しようとする。

それを知った母親が慌てて村長の家に行き、事の次第を話す…。

自分はもともと貴族の未亡人だった。
ある日、犯されて子供を産んだ。
それがいまの娘だ。

生まれた娘と一緒に家を出た。
行き倒れたところを、ある男に助けられ、その家で暮らしていた。
その男は病で死んだが、死の間際、
自分のひとり息子を頼むと言われ、一緒に育てた。

それがいまの息子(兄)で、二人はほんとうは血が繋がっていない…。

山に住み、
世間のことをなにも教えなかったのは、
自分が異和を抱いてきた
いま世の中の考え方に染まってほしくなかったからだ、
と…。

村長は事情を理解して、村人たちにリンチを中止させる。

生まれたばかりの赤ん坊がいないことに気づいて、
母親は一足先に家へ走る。

と、家の中に例の「山守」がいて、
子どもは始末したみたいなことを言って、チカラづくで母親を犯す。

事が終わると、母親の怒りは頂点に達し、
鎌で山守を殺し、家に火を放ち、自分も死のうとする。

兄と妹が帰ってくると、家が炎に包まれている。
一足先に赤ん坊を連れ出していた牛飼いもそこへやってくる。

兄が火中に飛び込み、母親を外へ連れ出すが、
母親は兄妹に…、
おまえたちはほんとうの兄妹ではない、
これから三人で仲良く、幸せに暮らしなさい、
と言って息絶える…。


物語にさほど目新しさがあるわけではない。
むしろいつかどこかで聞いたことのあるような物語。

ということは、似たような話が
古今東西語られてきたということなんだろうけど、

古今東西こういう話が繰り返し語られるのは、
どこか真実をついた物語だからなんだよね…。
時は変わってもどこか私ら庶民が心に暖めているお話…?

で、このセミ・ポルノ映画が途中から俄然面白くなるのは、
母親の先の物語が展開されはじめるあたりから…。

まあ、物語自体の粗さは否めないんだけど、
でも前半が退屈なぶんだけ、

物語というものの、物語るということの面白さ、
物語というものが持っているチカラがとてもよくわかる…?
で、そこに魅入られ、感動しちゃうっていうのかなあ…。

時代は李氏王朝なんだけど、
軍事政権下の物語として読み替えることもできるしね…。

うん、ポルノ創ってる監督はこうひと多いよね。
金がないからポルノの看板を出して創るけど、
じつは一癖二癖もある、骨のある監督さん…?(笑)

いまの日本で言うと、
その筆頭が若松孝二監督だけどさ。

若松さん、いつだったか言ってたもんね。、
「おれの映画観たって、オチンチン勃たねえだろ」
だって…(笑)。

「で、それだけ…?」
「なに…?」
「物語ってやっぱ面白いよねって、それが言いたかっただけ…?」
「そうだよ」
「そのためにだけ長いあらすじ書いたわけ…?」
「そう」
「……」
「なに…?」
「いえ…、ご苦労様でした」
「いいえ…」(笑)

あ、この映画、
女性が観てもきっと面白い映画だと思うなあ…。

画像
兄と妹。「幼性伝」だってのがよくわかる?

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■115分 韓国 エロティック

監督: パク・ヨンジュン
製作: ピョン・ソクジョン
脚本: パク・スーイル
撮影: イ・ソンソプ
音楽: イ・ジョンシク

出演
キム・ヨンギョン
バンヒ
キム・ボムギ
パンヒイ・カンジョ

韓国の封建的な時代を背景に、母娘の性の遍歴を描く作品。監督は「コーリアン・スキャンダル2/人妻調教」のパク・ヨンジュン。
李氏朝鮮の末期、結婚後すぐに夫を亡くしたジョンファ(パン・ヒ)は、過去の男たちとのセックスを思い出しては自慰にふけっていた。彼女の娘ヨンジ(キム・ヨンギョン)は山奥で彼女を追いかけ回している中年男チルソンからいたずらされそうになるが、かろうじて心優しい兄のジンシク(キム・ボムギ)に助けられた。数日後、ヨンジは兄ジンシクと初体験してしまい、ジンシクの子を身ごもってしまう。ジョンファは村の役人の許へ行き、娘の行いを許してもらうよう懇願する。しばらくして、ヨンジとジンシクは実の兄妹ではないことが明らかになり、ヨンジは出産する。チルソンはいまだヨンジを追いかけており、さらにはジョンファにも迫ってくる。もみ合っているうち、チルソンを殺してしまうジョンファ。彼女は失意のなか家に戻るが、不注意から火事を起こしてしまい炎に包まれるのだった。

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