ネオンの中へ陽が沈む (1995)

[410]突然サマリアへ飛ぶことで物語が格段に広がりと深さを獲得した…?


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「イルマーレ」を撮った
イ・ヒョンスン監督の作品なんだけど、

「イルマーレ」より全然面白かったし、
いい映画だよなあ…。

この監督さん、
自分が「映画を作る理由はフェミニズム」と
公言して憚らないひとらしいんだけど、

うん、韓国映画としては私が初めて出会った
社会的な主義主張をもった作品と言っていいかもね。
それも明確な…。

その主義主張にも私はとても共感できる…?

ただフェミニズムというと、
日本ではちょっと誤解されてしまいかねないので、

女性や子どもなどの
社会的弱者の視点から人間や社会を捉えようとした作品、
と言っておきたい気持ちだけどね…。

お話は、
広告会社の女性コピーライターのイ・サンミン(チェ・シラ)が、
男たちの女性にたいする偏見や差別と闘いながら、
よりよいCMを作っていこうとするお話…。

CM自体が資本主義社会の産物なので、
よりよいCM作品造りは同時に、
資本主義との闘いにもなっているんだけどね。

圧巻はなんといっても、
アフリカの難民をCMに登場させたいと、
イ・サンミンが現地サマリアへ撮影に行くシーン…?

そこで、
男性化粧品のCMのバックに
サマリア難民の映像を流したいとおもっているサンミンと、
他人の苦しみを利用したくない、売りたくない、
と思っているCM監督のギュファンが対立する。

といってもサンミンは…、

韓国の市民も世界市民であるべきだ、
神からも見捨てられた
アフリカ難民の現実から目をそらすべきではない。
愛に包まれた人間的なCMを作りたい。

って思ってのことなんだけどね。

でも、サマリア難民を化粧品のCMに登場させることは、
ギュファンが言うように、難民の苦しみを
CM(企業利益)に利用する側面をいやおうなく持ってる…。

そしてギュファンが頑なにそう主張するのは、
じつは彼がカメラマン時代の疵を抱えてるから…。

光州事件なんだとおもうけど、
ある女性が政府への抗議のため
からだに灯油をかぶり、火をつけ、ビルの屋上から飛び降りる。

ギュファンは止めようとするんだけど、
女性のからだから炎があがると、
職業病のようにカメラのシャッターを切りつづけてしまう…。

たぶんギュファンは
その写真でカメラマンとして認められたんだろうけど、
その自分がどうしようもない心の疵になってるんだよね。

二人の葛藤はある意味、
心あるひとたちの間で繰り返されてきたことだけど、
観てるとやっぱり痛切に胸に迫ってくるよね…。

ところで、出来上がったそのCM観てたら、
「あれ? ビョンホン?」ってドキッとしちゃったよ、
難民の子どもを抱いてたんだけどさ…(笑)。

あとで調べたらやっぱりビョンホンだった。
どころか、この作品、ビョンホンがちょっと出てるというんで
けっこう話題になったんだとか…。

そんなこと全然知らなかったんだけど、
知らないで観るのも楽しいよね…?(笑)

サンミンやってるチェ・シラも
韓国では大スターらしいんだけど、けっこうよかったなあ…。

作品的にはいろんな問題を詰め込みすぎて、
完成度が高いとはいえないけど、
こういう映画、韓国も日本も、
もっともっと作らないとまずいんじゃないの?

その意味でも、
私はイ・ヒョンスン監督を断然応援するぜっ…!

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●ひまわりの種さん
そうですね。この映画観てると、
韓国も日本の社会と同じだなあと思いました。
あの会社の男連中を見てると、
同じ男としてほんとに嫌あな気持ちになります。
女性部長をやってる女優さん、ドラマで活躍を…?
名前がわからないんですが、いい女優さんですよねえ。
ビョンホン、「現地での悲惨さに直面し
その後しばらくは食事も喉を通らなかった」と…?
ですよねえ…。この映画の中では、
難民を撮ったあの一連の映像がいちばんいい映像で、
監督の意図が強烈に伝わってきますよね…。

●スクリーンさん
ドラマ「海神」ですか。面白そうですねえ。
韓国のテレビ、ドラマの放送時間は
全体の時間の何割くらい占めてるんでしょう?
えらく活発な印象があるのですが…。

●ちょごりさん
お久しぶりです。
ブログ、ちょっと拝見させていただきました。
目の手術をなさったそうですね。
私もドンドンだめになっていきますねえ…。
くれぐれもお大事になさってくださいね…。

ありがとうございました。

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■107分 韓国 ドラマ

監督: イ・ヒョンスン
脚本: イ・ヒョンスン イ・サンウ キム・ソンス ハン・ジスン

出演
チェ・シラ
ムン・ソングン
ヤン・グムソク
キム・ウィソン
イ・ビョンホン
キム・ナミル
ユ・テホ
イ・ジョンギル
イ・ビョンジュン
パン・ヨン
イ・ビョンホン
(特別出演)

『君の中のブルー』(1992)のイ・ヒョンスン監督第2作。能力主義とはいえ、依然として女性蔑視の意識がなくならない韓国社会の中で、コピーライターとして仕事に情熱を注ぎ、最後には未婚の母として働く決意をした女性の生きざまを描く。マスコミの虚飾や、報道倫理とプライバシー、社会正義といった問題も取り扱った意欲作でもある。
勤めていた出版社が倒産し、広告会社のコピーライターとして再就職するイ・サンミン(チェ・シラ)。そこで、女性部長ソ・ジフォンに目をかけられたサンミンは、男性社員たちの反発をかいながらも、頭角を現していく。そしてCM監督キム・ギュファン(ムン・ソングン)にも気に入られ、やがて二人の間柄は仕事以上の関係となっていく。しかし、彼には報道カメラマンとして人が死んでいくのを見ながらどうすることもできなかったという暗い過去があった。

イ・ヒョンスン
自ら「映画を作る理由はフェミニズム」と公言し、1992年に「韓国初のフェミニスト映画」と評される『君の中のブルー』で監督デビュー。この映画は、それまでの韓国映画には見られなかった美しい映像と美術セットも話題となった。また、第二作の『ネオンの中へ陽が沈む』もキャリア・ウーマンを主役にしており、これまた女性問題を扱ったフェミニズム映画として注目された。

この記事へのコメント

ひまわりの種
2009年10月30日 10:29
お早うございます。
以前ネット視聴しました。
ビョンホンさんのCFが使われているというので。
映画の時代韓国でも自分も同じようだった
なあと、自分等何も特別な能力もない平凡な
者として、社会のただの歯車の一部に甘んじて
いましたので。
女性編集長役の方も結構ドラマでもお見かけ
します。

ビョンホンさんがソマリア(多分隣国ケニア)の
難民キャンプへCFで出かけた”紀行”は
読みました。 ドラマ撮影の合間のほんの
旅行気分での仕事が現地での悲惨さに直面し
その後しばらくは食事も喉を通らなかった
とか、でも日々の忙しさに次第にその記憶
も薄れて行ったようですが。

しかしこのCFが男性用化粧品と言うのが
何とも・・。
若い頃に経験したものが現在の彼の深みに
繋がっているのだとは思います。
スクリーン
2009年11月07日 00:25
山崎様 こんばんは

お久しぶりです。
本作品かなり古いものですが、さすが 映画好きな山崎様の目に止まりましたか。

私はビョンホン作品追って 本作品を知りましたが、結構、内容に惹かれ 真剣に拝見。女性が働く環境の難しさは日本も韓国も同じ。。今は大分改善され、日本も韓国も働き続ける女性多いし、女性役職者も多いですよね。

主役のチェ・シラさん ドラマが多いですね。プロフィールでは映画は本作品だけしか記載なし。
ドラマ『海神』(04/KBS)、これは圧巻でした。スエさんも出てますよ。では また。。覗かせて頂きますね。
2009年11月08日 11:40
お久しぶりです、ご無沙汰していましたが、やっと、体調も何とかやっていけそうです。

この映画(DVD)まさしく、私も、ビョンホンさんの名前に釣られて買いました!そして観ましたです!
私は凡人ですから、ビョンホンさん映像ばかりさがして観ていたので、映画製作者には申し訳なかったけれど、何の感情も動かされず・・・

そうなんですか、もう一度、ちゃんと観ないといけませんですね、反省です!
今、7作品ほど、つたない小説を書きましたです!
その内のひとつをこのアドレスのブログで連載していますが、もし、お暇も無いでしょうが、気が向きましたら御読み頂ければ、嬉しいのですが・・・
又お邪魔させて下さい、どうぞよろしくお願いします。

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