乱れ雲 (1967)

[424]十和田湖を舞台にした名作に改めてしびれちゃったよ…?

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知られているように成瀬巳喜男の遺作。

なんでいま頃、この映画をって?
芝居終わったんでどこか行きたいなあ。
あ、十和田湖がいいな。 

でも寒そうだな。
しょうがない、映画だけで我慢するかな、と思って(笑)。

知る人ぞ知る、十和田湖が舞台の名作。
30年近く前に観て以来、2度目。

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由美子(司葉子)は、
ある日突然、交通事故で愛する夫を失う。

事故を起こしたのは、
三島(加山雄三)という商事会社の社員である。

裁判では不可避の事故だとして無罪になるが、
十和田湖にある支社へ左遷させられる。

由美子は
遺族年金と仕事の給料で暮らしはじめるが、
ある日、夫の両親に籍をぬかれ、
十和田湖の実家(旅館)へ帰らざるをえなくなる。

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で、三島は十和田湖で由美子に再会、
事故を起こした責任をまっとうしようと接するうちに、
由美子を愛するようになる。

三島を憎み拒んでいた由美子も、
次第にその誠実さにうたれて心を許すようになるのだが…、
みたいな物語なんだよね…。


ところで十和田湖…(笑)。

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由美子の実家の旅館は、十和田湖の湖畔にあるんだけど、
「え~っ、もしかしてあの旅館…?」って仰天したよ(笑)。

物語の後半に十和田湖で心中事件が起きて、
警察が湖を捜索する。

由美子や従業員が
旅館の庭に出てその様子を見るシーンがあるんだけどね、

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そこから見える十和田湖の風景は、
私が去年見たときの風景とまったく同じだったのよ!(笑)

だけじゃなくて、
湖に突き出た小さな堤防、あれも知ってる!

去年はじめて十和田湖を訪れたときに、
私はあの堤防へ出て、休憩した…!(笑)

あの堤防のすぐ近くに、
たしかに木造二階建て?の旅館があった。
もしかしてあれがこの映画で使われた旅館…?(笑)

ま、それはどうかなと思うけどさ、
もう40年以上前の映画だし…(笑)。

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でも遊覧船の発着所、その前の観光街、奥入瀬渓流…、
この映画に出てくる十和田湖の風景は、
去年私が見てきた風景とほとんど重なってて
いやあ、ほんと、めちゃびっくりしたよ…。

まあ、狭い町だから、
重なって当然といえば当然なんだろうけどね…。

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しかし、相変わらずきれいだねえ、十和田湖。
感動しちゃうよねえ。
十和田湖神社も使ってほしかったなあ…(笑)。

あ、映画の話だった。

この作品、成瀬巳喜男の作品のなかで
私が2番目に好きな作品なんだよね。

1番目はって…?
教えない。こんどまた観て書く…(笑)。

無国籍風の海の若大将を、
潤いのある典型的な日本美女の司葉子が
なんで好きになったりするわけ…?

という違和感はどうしても拭いきれないんだけどね(笑)。

こんどは外国へ左遷されることになった三島が、
出発前、由美子に愛を告白する。
由美子は断る。

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が、先にあげた心中事件を目撃して心が変わり、
三島を訪ねる。
そして二人でタクシーで人目のつかない旅館へ向かう。

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途中、踏切で列車が通り過ぎるのを待つ。
運転手がバックミラー越にチラッと由美子に目をやる。
踏切の警報が鳴りつづける…。

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発芽峠…、じゃないかと思うんだけど、
あたりを下ったところで交通事故を起こした車を目撃する。
ぺちゃんこである。

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旅館へ着くと、救急車がやって来て、
さきの交通事故で負傷したと思われる男を運び去る。
二人は二階の窓からそれを見下ろしている。

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食事が運ばれてくる。

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酒を交わしながら三島は、由美子のために、
「この歌を聴いたものは幸せになれる」という伝えのある
南部地方の歌をうたいはじめる…。

このラストの
一連の流れが私はめちゃめちゃ好きなんだよねえ。

自分が交通事故で死なせてしまった男の
妻を愛するようになる。
自分の夫を交通事故死させた男を愛するようになる…。

しかし結ばれることはけしてない。
二人のあいだにはどうしようもなく
死んだ由美子の夫が重くのしかかって来るから…。

そのあたりの複雑で微妙な男と女の心が
ラストシーンでほんとによく描かれてるのよ。

女の心を描かせると、
いやあ、成瀬巳喜男を超える作家はなかなかいないかも?
なんて感動しちゃうのよねえ…。

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俳優陣も
さすが邦画の全盛期だけあってすごいよなあ。

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草笛光子、森光子、浜美枝、藤木悠、中丸忠雄、
加東大介、浦辺粂子、中村伸郎、十朱久雄…。

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左卜全なんかさ、
バスの乗客で、それも1シーンのためにだけ出てるんだよ。

いまこんな贅沢をしたらきっと殺されちゃうぜ(^^♪


●ちょごりさん
とてもいい作品です。
なによりもおとなの鑑賞に耐えられるのがいいですね…?(笑)
「母の旅路」ですか。ぜひ探して観てみます。
DVD化されているといいんですけどね…。

ありがとうございました。

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■108分 日本 ドラマ

監督: 成瀬巳喜男
製作: 藤本真澄 金子正且
脚本: 山田信夫
撮影: 逢沢譲
美術: 中古智
編集: 大井英史
音楽: 武満徹

出演
加山雄三 三島史郎
司葉子 江田由美子
草笛光子 由美子の姉・文子
森光子 由美子の義姉・四戸勝子
浜美枝 常務の娘・淳子
加東大介 林田勇三
土屋嘉男 由美子の夫・宏
藤木悠 文子の夫・石川
中丸忠雄 藤原部長
中村伸郎 武内常務
村上冬樹 通産省局長
清水元 史郎の客
十朱久雄 史郎の客
浦辺粂子 史郎の母・三島ぬい
伊藤久哉 輸出振興部部長
竜岡晋 宏の父
左卜全 バスの老人
小栗一也 葛西所長
草川直也 井上
佐田豊 源さん

由美子は幸福の絶頂にいた。通商産業省勤務の夫・宏のアメリカ赴任が決まり、自身は妊娠していたのだ。しかし、その直後、宏は交通事故で死んでしまう。宏を轢いた商事会社の社員・三島史郎は裁判で無罪となった。宏の葬式に史郎は現れるが、由美子は史郎を憎んで追い返した。三島は無罪になったものの、監督官庁の役人を死なせてしまったため、青森に左遷された。由美子は夫の両親に籍を抜かれて、遺族年金も打ち切られて生活に困り、十和田湖の実家に帰らざるをえなくなる…。

この記事へのコメント

2009年12月14日 12:54
この映画はまだ見ていませんが、あの時代の映画やドラマは日本の良き時代だったのでしょうか、考えてみれば、ストーリーが特別変わっているわけでもなく、今でも本筋でのラブストリーは何処か同じような気がしますが・・・
やはり、作り手が、いかに時代に合わせられるという事なのでしょうか、ちょっと生意気な事を言ってしまいましたですね・・・
昔の映画を見て感動して今も、泣いてしまうのが「母の旅路」です、たぶんアメリカの映画だと思うのですが、ビデオがもうよれよれなのですが泣きたい時に観ます・・・

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