悲夢 (2008)

[425]ギドクさん、蝶に変身させるなんて美しすぎない…?


画像


キム・ギドクの最新作…!

といっても、
じつはあまり期待してなかったんだよね。

韓国でいちはやく観てきたKさんが、
「オダギリジョーがちょっと…」なんて言ってたもんだからさ。

で、じっさい観てみると、
ほんと、オダギリジョーがねえ、ちょっとねえ…(笑)。

お話もギドクらしいと言えばギドクらしいんだけど、
いまいちだよなあ。
「ブレス」ほど乗れない。

ラスト、ランが
蝶に変身するのを見て「ああ…」だったんだけど、
荘子の「胡蝶の夢」そのまんまだもんね…(笑)。

 荘周が夢を見て蝶になり、
 蝶として大いに楽しんだ所、夢が覚める。
 果たして荘周が夢を見て蝶になったのか、
 あるいは蝶が夢を見て荘周になっているのか…。
 (フリー百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)」より)

ジン(オダギリジョー)は最後死ぬんだろうなってのも、
途中で見当がついちゃうよね。
だって眠らないように、夢をみないようにするには、
死ぬしかないんだもん。

ただ、橋のうえから漢江に身を投げるというのが救いだった…?
漢江はギドクの原郷だからさ…。

でも、河には氷が張りついていて、水の底には帰れない。
魚には還れない…?

そのあたりに、陸にあがってみたはいいものの、
目指すべき地平の手がかりを失ったギドクの苦闘を
垣間見る思いだった…?

だいたいさ、
ジンがなんでそんなに
ラン(イ・ナヨン)のことを気にするのかよくわかんない。

彼女がジンの夢に呼応して行動するから、
と言えばそうなんだろうけどさ、

でも観てるとジンがひどくヒューマニストに見えてきて
困るんだよねえ(笑)。
ぜんぜんギドクらしくないんだよねえ…。

そのあたりにもめちゃくちゃ異和感あり…。

それにギドク映画にしては人物がえらく喋りまくるので、
これもちょっと気持ち悪かった…?(笑)

しかもオダギリジューのあの喋り方でしょう、
日本語での…。

韓国語と日本語で喋ることには全然異和感ない、
「夢」が、無意識が、悠久の時が主題だからさ…。

夢の中ではなんでもあり。
そういう意味では韓国語と日本語での会話は成功してる…?

でもオダギリのあの
いかにもナチュラルといった喋りかたや感情表現は、
ギドク映画のもってる抽象性と合わないというか、
ぶっ壊してるというか…。

ギドクにすりゃあ、
チンプンカンプンの日本語自体が抽象的に聞こえてきて
よかったのかもしんないけどさ、
すこしは日本人の私の身にもなってえな、まったく…(笑)。

絵(映像)もねえ…。

いや、いいんだけどね、
ギドクらしい絵の連続ですごくいいんだけど、
なんで韓国の伝統的な民家やお寺の壁に頼ったりするのよ…?

「夢」を途方もない
時間の流れとして捉えたいからってのはわかるけど、
間違うと映像が保守的なだけになりかねないんだよね。

そういう意味で
私がいちばんギドクらしいって感動したのは、

ジンとラン、ジンの恋人(パク・チア)、
そしてランの元恋人の四人があいまみえた
あのなにもない広野の絵(映像)だったかな…?

書いてると愚痴ばっかり出てきそうなので、
今回はこれでおしまい…。

しかし………、
オダギリジョーがなあ…………(泣)。

画像

画像

画像



●てっせんさん
ギドク、どうしちゃったんでしょうかねえ。
エネルギーが衰弱したのか、
国内での評価が得られず参ってるのか、
かなり窮地に追いこまれちゃってるかんじですね…。
韓国映画の1980年中頃~2000年初頭は
アングラ的な?映画が主流だったからよかったものの、
いまや地上映画?が主流なので、
ギドクも苦しくなったのかなあという気もしています。
好きなのでがんばってほしいんですけどね…。

●ひらいさん
「韓国社会から逸脱せざるえなかった状況」…。
なるほどなあ。ギドクは揺れてるように…?
私はギドクの生い立ち、経歴はあまり知らないんですが、
映画を見ているとなにかそういうものを感じますねえ。
オダギリジョーはひらいさんと同郷ですか。
すいません。お気持ちお察しします…(笑)。

ありがとうございました。

クリッとしていただけると嬉しいです
TVショッピング大人気商品!立花みどり開発!姿勢ウォーカー
着けるとベルトのサイズが小さくなるかも?!おなかスリマー


にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村

ブログん家


■93分 韓国 ドラマ

監督 キム・ギドク
プロデューサー ソン・ミンチョル
脚本 キム・ギドク
撮影 キム・ギテ
音楽 ジ・バーク
美術 イ・ヒョンジュ
衣装 マ・ヨンヒ、タケダ・トシオ
録音 キム・ギテ
照明 カン・ヨンチャン

出演
オダギリジョー ジン
イ・ナヨン ラン
パク・チア ジンの恋人
キム・テヒョン
特別出演 チャン・ミヒ

深夜、ジン(オダギリジョー)は車を運転し、別れた恋人を追っていた。そのとき別の車に追突し、運転手に重傷を負わせる。それでもジンは恋人を追い続けるが、今度は酔っ払いが路上に飛び出してきて、慌ててハンドルを切る。するとジンは夢から覚める。
現実に戻ったジンは、サイレンの音を追って車を走らせ、夢と同じような事故が起きていたことを確認する。監視カメラの画像によって身柄を拘束されたのは、夢遊病の女・ラン(イ・ナヨン)だった。彼女はジンの夢に呼応して行動しているのだ。ジンは事故の責任は自分にあるとランに詫びるが、彼女は理解できない。
再び、別れた恋人の夢を見て、夢の中で何者かに顔を殴打されたジンはランの元へ向かう。すると、ランも顔を殴打されていた。彼女は夢遊病の中で、彼女が捨てた男と会っていた。
精神科医は、2人が愛し合えばジンの夢もランの夢遊病もなくなるだろうと告げる。
2人は眠らないように互いに監視し合うが、夢はエスカレートしていく。ジンが夢で恋人の体を求めると、ランは嫌悪するかつての恋人に抱かれる。ランは、どうしてそんな夢を見るのかとジンを叱責するが、彼の恋人に対する切実な思いを知り、2人は愛情で結ばれていく。
ある日ジンは、別れた恋人の情事の相手を撲殺する夢を見る。目覚めたジンが現場に駆けつけると、血まみれになったかつての恋人の隣で、ランがぐったりと横たわっていた。ランは逮捕され、精神病棟に収監される。ジンは面会室を訪れ、死んだら夢もなくなるとランに決意を伝える。ランは鉄格子越しにジンの顔を手で覆い、愛を口にする。こうして2人が心から結ばれた瞬間、奇跡が訪れる。


受取人不明 [DVD]
エスピーオー

ユーザレビュー:
スーパーリアリズム世 ...
最高の映画としか言い ...
期待を裏切らない内容 ...

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by ウェブリブログ商品ポータルで情報を見る

この記事へのコメント

てっせん
2009年12月15日 23:02
今晩は
この映画、山崎さんのご批評が出るまで観るのを控えていました・・・(笑)
で、先ほど観終わりましたが、かったるかったです・・・(笑)。人の夢の話を聞かされるのは、実にツマラナイものなんですけど、それと同じようなシンドさでした。

疑問点も、殆ど山崎さんと同じでしたねえ。
①主人公の男がなんであそこまで罪障感をもたなくちゃいけないの?とか、②セリフ、多すぎるよとか、③伝統的家屋やらなんやらがウザイなあとか、さらには、④ああ、帰るべき漢江が凍っちゃってたねえとか・・・(笑)。

①について強いて忖度すれば、日本人の韓国人に対する歴史的罪悪感みたいなものを寓意しているのかなあとか、ギドクが過去、女によっぽどヒドイ仕打ちをしたことの反省?とか・・・(笑)。どっちにしてもツマラナイには違いないんですけど。
④は、ギドクの韓国に対する愚痴とも受け取れました。この国は河でさえオレを歓迎していないって・・・(笑)。

ギドクらしくてやっと興味を惹かれたのは最後のほう、男が眠るまいとして自分を酷く痛めつけるところとか、女が羽化の前兆として両肩を同時にすくめる動作を繰り返すあたりからですね。

それにしても、露骨に蝶に変身だなんて、ここに至ってギドクもとうとう種明かしをしてしまいましたが、そんなことをしていいのかなあと思います。映画の重層的読みの楽しみができなくなってしまいますから・・・。厳しいことを言えば、衰弱しているなあと。ギドクの主人公は、自死しちゃいけないはずですし・・・。

そして、あの蝶、ポスターとは違って、しょぼかったですね(笑)。シジミ蝶でしょうか、蛾のようにも見えましたけど。

あっ、最後に、「オダギリがねえ・・・」なんですが、私に言わせれば「イ・ナヨンもなあ・・・」でした・・・(笑)
ひらい
2009年12月18日 10:33
山崎さんやてっせんさんのギドクをめぐる評を拝見しております。
ギドクにとって漢江の漢は恨(ハン)ではないかと感じています。聖なる存在、母なる存在の漢江に自身の韓国社会から逸脱せざるえなかった状況に恨という感情も持っているのではないかと。
『グエムル』に噛みついたのは母である漢江が生んだ怪物が母を汚したという思いと同時にギドク自身とシンクロされたという怒りがあったのではないかと。

あるユダヤ系の映画監督が徹底的に虐げられた人間は相手に対してそれ以上に攻撃的になるか相手に認めてもらうためにへらへらと笑うかの2つに分かれるという記事を読んだことがあります。さしづめギドクはぐらぐらと揺れているように見えますが・・・・・。

『悲夢』はちょっと・・・・・残念でした。オダギリジョーさんは同郷なのでコメントは差し控えたいと思います。

韓国社会が目を伏せて口を閉ざしてしまう映画作りをギドクには期待してます。ぐらぐらせずに頑張ってほしいです。

この記事へのトラックバック

  • ■悲夢

    Excerpt: ギドク監督の暴走がとまらない・・・ ストーリーが斬新で、最初は凄く良かったんですけど。 中盤が始まる少し前から、キム・ギドク節が炸裂してしまいました。 そして、この炸裂した少し後から破綻に向かって.. Weblog: 映画レビュー (MOVIE STYLE) racked: 2010-08-15 13:29