勝手にしやがれ (1959)

[434]わたしはいまだに痺れるのですが、いまの若い世代は…?


画像


私のやってる演劇学校で
生徒たちに時どき映画を観せてるのよね。
いまのひとたち、あんまりいい映画観てないもんだからさ。

これもその生徒たちと一緒に観た作品…。

なんだけど、
いやあ、ものすごくショックだったの。

誰が…?
うん、わたしが…。

だって、観る前にだけどさ、
「ジャン・リュック・ゴダールって知ってる?」って聞いたら、
みんな「知らなあい」って言うだもん。

「じゃあ、ジャン・ポール・ベルモンドは?」
「知らなあい」
「………」

まあねえ…。
知らなくてもしょうがないのかもねえ…。
なんてひとりで自分を慰めるしかなかったぜい(笑)。

「じゃあ、アラン・ドロンは…?」
「知ってるぅ」
「イ・ビョンホンは?」
「知ってるぅ」
「………」

アラン・ドロンは知ってるけど、
ベルモンドは知らない、
ゴダールは知らないっていってえどういうこつ…?

フランス人が聞いたら
「おまえら最低だ」って殺されちゃうかもね…(笑)。

で、観終わったあと感想を聞いたら、
「面白かったけど、ミシェルとパトリシアが喋るとこ長すぎ」
「それに理屈ばっかり…」だって…。

なんつうこつ…?

で、「おまえらなあ、勝手にしろ…!」
なんて言いたかったけど…、やめました…。

わたしも久しぶりに観たんだけど、
たしかにまあミシェルとパトリシアが室内で喋るシーン、
ちょっと長すぎだし、理屈もあんまり面白くないし…(笑)。

「でもさ、なんか斬新だろ、めちゃくちゃ?」と聞いたら、
「まあ、当時としては斬新だったんでしょね」だって…。

う~ん、それもたしかになあ…。

ミシェル(ベルモンド)がカメラ見て喋ったり、
全編ほとんど手持ちカメラで撮ったり…、
そういうの、いまの子たちには珍しくもなんともないだろうしなあ。

でもさ、そういうの、
ゴダールら、ヌーヴェルヴァーグの連中がはじめたんだぜ。

神聖視されてた映画を壊したの、この連中なのよ。

それまではカメラ(=目)は、神の目だと思われてたの。
なにもかもお見通しの神様の目。

でもベルモンド、カメラ見て喋ったじゃない?
隣の友だち見るみたいな感じでさ…。

カメラだって手持ちだとブレちゃうから、
あ、人間が撮ってんだ、
なあんだ、カメラって人間の目なんだあ…、
なんて、わかっちゃうでしょう!

「そんなん当たり前ですよね?」
「当たり前だけど当たり前じゃなかったのよ、昔は。
それを当たり前にしたのがヌーヴェルヴァーグの…」
「あの、なんですか、そのヌーべルバーグって…?」
「あのなあ…」
「ヌグボク…?」
「僕は脱ぐ…?」
「こら、ヌーヴェルヴァーグ…!」
「僕たちはカメラから神の衣を脱がした…?」
「おっ、うまい…」
「教えてください」
「………」

カイエ派、アンドレ・バザン、
ロケ撮影中心、同時録音、即興演出、
ジャン・リュック・ゴダール、フランソワ・トリュフォー、
クロード・シャブロル、おれの大好きなアラン・レネ、ほか…!

あのね、自分で調べなさい。
なんでも教えてもらえると思ったら大間違いなのよ。
わかりましたかあ…?

あ~、
この子たちと喋ってるとほんと隔世の感あるよなあ…(笑)。

この映画の醸し出すジャズ的な退廃感、反骨心、
もう全然ないもんねえ…。

うん。この映画、
もう一回ひとりでこそっと観て痺れようっと…(笑)。


●minmiさん
哲学や思想がアイデンティティーになってる
お国ガラのせいでしょうか、
ヌーヴェルヴァーグの連中、たしかに理屈っぽいですよね。
それが大島渚さんらにもうつっちゃって、困ったもんですけど(笑)、
そのせいか連中の映画、私にも
面白いのとつまんないのがいろいろと混ざっちゃってます…(笑)。

●てっせんさん
タバコの吸い方、女との付きあい方、理屈のつけ方、
ほんと、この映画にはいろいろとお世話になりました。
あまり役に立った気はしませんでしたが…(笑)。
若い連中の素直で、な~んにもない生き方は、
もしかしたらこの映画のベモンドを超えてるのではないかと、
時々空恐ろしくなるというか、なんというか…(笑)。
たしかに昭和も遠くなったと痛感するこの頃です…。

●ひらいさん
「去年マリエンバートで」、私にもさっぱりわかりませんが、
映像をひっくるめてなぜかいかれちゃいましたねえ…(笑)。
「死刑台のエレベーター」をイ・ミスクとビョンホンで…?
いいですねえ!
イ・ミスク、東洋のジャンヌモローといった風情ありますもの。
ちょっとトシ食ったかもしれませんが…(笑)。
その前に私も「死刑台のエレベーター」また観たくなりました。
音楽、好きで、若い頃芝居でもよく使ってました…。

●ジーパン&村石太マンさん
そうですか、ぜひ観てほしいですねえ。

ありがとうございました。

クリッとしていただけると嬉しいですスキンケア

オリジナルゴルフグッズならmy caddie WEB SHOP!


にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村

ブログん家


■95分 フランス 青春/アート

監督: ジャン=リュック・ゴダール
監修: クロード・シャブロル
製作: ジョルジュ・ドゥ・ボールガール
原案: フランソワ・トリュフォー
脚本: ジャン=リュック・ゴダール
台詞: ジャン=リュック・ゴダール
撮影: ラウール・クタール
音楽: マルシャル・ソラル

出演
ジャン=ポール・ベルモンド ミシェル・ポワカール(別名ラズロ・コヴァクス)
ジーン・セバーグ パトリシア・フランキーニ
ダニエル・ブーランジェ ヴィダル刑事
ジャン=ピエール・メルヴィル 作家パルヴュレスコ
ジャン=リュック・ゴダール 密告する男

フランス、ヌーヴェル・ヴァーグの決定打と言わしめたジャン=リュック・ゴダール監督の最高傑作。警官を殺してパリに逃げて来た自転車泥棒のミシェルは、アメリカ人の恋人パトリシアとお互い自由で束縛のない関係を楽しんでいた。そんなある日、彼の元に警察の手が及んでくる。パトリシアはミシェルの愛を確かめる為、彼の居場所を警察に密告、そして彼にも同様に警察が追ってきた事を伝えるが……。まさに商業的娯楽映画という概念をひっ繰り返し、これまでの映画文法や常識といったものまでもことごとくブチ壊した、映画史の分岐点とも言える記念碑的作品。映画公開時には、驚きと困惑を持って日本でもセンセーショナルを呼び、それはアメリカのニュー・シネマにまで様々な影響を及ぼした。本作品でゴダール監督はヌーヴェル・ヴァーグの旗手として、不動の地位を築くに至る。またこの作品でのジャン=ポール・ベルモンドの演技は、ヌーヴェル・ヴァーグ作品の持つ頽廃的な雰囲気と非常にマッチし、それは同じくゴダールの傑作「気狂いピエロ」へと引き継がれる事となる。


映画ポスター『男と女のいる舗道』/ジャン・リュック・ゴダール監督作品
シネマコレクション

ユーザレビュー:

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by ウェブリブログ商品ポータルで情報を見る

この記事へのコメント

minmi
2009年12月23日 18:10
フランス映画って確かに理屈っぽいですよねー。
なんでだろ。
昔のフランス映画(マルセル・カルネがジャック・プレベールと組んで作っていた頃)はもっと理屈ぬきに面白かったと思うんですけどね。
私はけっして若くはない世代ですけど、実はヌーベルバーグはちょっと苦手です。
でもベルモンドはドロンよりかっこいいと思ってましたよ(^^♪
てっせん
2009年12月23日 23:26
いやあ、思いっきり笑わせていただきました。
若い人たちの反応と感想、率直で楽しいです・・・(笑)
言われてみれば確かに、理屈多かったし、喋りが長かったかも。でも、この映画およびベルモンドに「痺れた」世代としては、その理屈も喋りもそれこそ「理屈抜きで」アリガタがってたんではないでしょうか。
ベルモンドのタバコの吸い方、カッコよかったですしねえ・・・(笑)。世界中の若者がマネしたんじゃないでしょうか。
しかし、考えてみれば、半世紀も前の映画なんですねえ・・・。明治のみならず、昭和も遠くなりにけり・・・ですか・・・(笑)
ひらい
2009年12月24日 12:26
around40なのでヌーヴェルヴァーグもATGも同時代ではないのですが、ゴダール、『勝手にしやがれ』は映画ファンとして洗礼は受けてまいりました。
ベルモンドが煙草を持って唇をなぞるシーンは好きな女の子の前で真似しちゃいました(笑)
ゴダールもトリフォーもロメールもたくさん観ました。山崎さんの大好きなA・レネの『去年マリエンバートで』は当時も私にはさっぱり理解できず、今見ても禅問答のような映画ですが映像は好きです。
『死刑台のエレベーター』が好きなんでジャンヌ・モローの役をイ・ミスクに、モーリス・ロネの役をイ・・・・・・・・・ビョンホンに!(本当はイ・ジョンジェでと言いたいところですが『情事』とかぶるんで・・・残念)
夜のパリを歩くジャンヌモローの美しさに20数年前のひらい青年はうっとりしたのでした。
ジーパン&村石太マン
2011年03月26日 16:00
ジェームス・ディーンは 有名ですが
ゴダール監督も 知らない僕です
勝ってにしやがれ は 名作ということで ポスターは見たことあります。 沢田研二さんの 歌で知っています。私は 45歳です。映画同好会(名前検討中

この記事へのトラックバック

  • アレクサンドル・ソクーロフ『静かなる一頁』

    Excerpt: ■アレクサンドル・ソクーロフ監督『静かなる一頁』(1993年ロシア)、ジャン・リュック・ゴダール監督『男性・女性』(1966年フランス)を観た。前者は19世紀ロシア散文をモチーフにとあるがロシア文学の.. Weblog: 愛と苦悩の日記 racked: 2010-01-22 01:01