深い哀しみ (1997)

[418]共生関係から抜け出せなかった三人の男女の悲劇…?


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「プライベートレッスン 青い体験」を撮った
カク・チギュン監督の作品…。

「プライベートレッスン」観たとき、
この監督、けっこう一筋縄じゃいかないなあ
と思ったけど、

これも、まあ、なんつうか…、
…すごい作品なんだわさ…(笑)。

イスロジという村に
異常なほど(?)仲のよい3人の子がいる。
女の子のウンソ、男の子のワン、ヒョンセである。

3人はいつも一緒で、
その仲のよさは高校生(?)になっても変わらない。

が、ある日、ワンの父親が何者かに殺され、
ワンは逃げるように村を出ていく。

物語の後半でヒョンセが、
犯人は自分の父親だったと告白するシーンがあるが、
なぜ殺したのか、もう一度観ないとようわからん…(笑)。

ウンソの父も死ぬ。
と、母親はスナック店を始めて男たちに狂い、
ウンソと弟イスに構わなくなる…?

ウンソとヒョンセはソウルの同じ大学に合格、
ウンソは哀れな弟を残し、ヒョンセとともに故郷イスロジを離れる。
二度とこの村には帰らないと心に誓って…。

なぜそう誓ったのか、これもじつはようわからん…(笑)。

ワンの父親が殺された日、
村人たちが大騒ぎしてワンを村から追い出したから…?
自堕落な母親がいるから…?

ただ、3人が
イスロジに異常なほど愛着をもつのはわかる。
生まれ育った村というだけじゃなくて、
3人の心が固く結ばれた土地だからだ。

そのことがこの物語の核になっている…。

ウンソは大学でバイオリンを、ヒョンセは美術を学ぶ。
子どものころからウソンが好きだったヒョンセには、
幸福な時間が流れる。

が、ある日、
バイオリンの演奏会場に突然ワンが現れ、
ウンソは想いを寄せていたワンに再会する…。

さあ、これからが大変である(笑)。

ウンソとワンは相思相愛なのだが、
住む世界がすっかり違ってしまってるからだ。

ワンはあるヤクザ組織の組員だったのである。
しかもその組織の女組長ヒョソンのお気に入りで、
ぞっこん可愛がられていたのだ…。

おまけにある時、
敵対するヤクザ組織に襲撃されウンソを巻き込んでしまう。
除隊してきたヒョンセからは
ウンソを不幸にしたら許さないと脅される…?

そこでワンはウンソを諦め、女組長ヒョソンと結婚する。
一方、ウンソもいつも自分のそばにいてくれる
ヒョンセと結婚するのだが、

しばらくするとそのヒョンセが豹変し、
ウンソにすさまじい暴力をふるいはじめる。
ウンソの心がまだワンにあると疑っているからだ。

このあたりの嫉妬の描写がちょっと凄まじい…。

ワンはワンで、組長と結婚したものの、
ウンソのことが諦めきれず、
いまで言えばウンソの立派なストーカーと化す…?

ウンソはもっと可愛そうで、
自分でも自分の心がよくわからない。

幼馴染みの二人の男のためによかれと思ってすることが、
いつもかえって二人を傷つけてしまう…。

いずれにしろ
ヒョンセと一緒に住めなくなり、家を出る。
女組長に脅されてワンを尋ねることもできない…。

最後に、ひとり疲れた心を引きずって
故郷のイスロジへ帰り?
愛する弟イスに遺書を書き残して自死する…。

みたいなストーリーなんだけど、

この作品のすさまじさは、
韓国ニューウェーブを思わせるような
その斬新な(?)映像と音楽の使いかたなんだわさ。

すごいよお…(笑)。

物語の仔細な流れなんかもう強引にすっ飛ばしてさ、

ひたすらドラマチックなところだけ絵(映像)にして、
しかも全編、クラシック音楽を流して、
これでもかこれでもかって感じで、
最初から最後までめちゃくちゃ劇的に構成してみせてんの。

日本の監督で言うと、
ちょっと一時期の篠田正浩とか吉田喜重やを
思わせるところがあるんだけど、

その腕力たるや、
「すっげえ!」って完全に脱帽したくなっちゃうんだわさ。
強引なところもひっくるめてね…(笑)。


しかし、まあ、いったい何なんだろうね、
訳がわかったようでわかんないこのお話…(笑)。

幼馴染み3人が成人して三角関係に陥った話…?
う~ん、それだけだとちょっとわかりにくいかも…。

たぶん、幼いころからいつも一緒に遊んでた3人は
知らず知らず「共生関係」に陥っちゃったんだよね。

本人たちはそのことに気づいてないんだけど、
その共生関係の中に、成人後、恋愛感情を持ち込んだ。
そのため、めちゃくちゃ話がややこしくなった、
というふうに考えるといちばんわかりやすいんじゃないかなあ…。

3人がそれぞれ相手を、
「おまえは故郷イスロジそのものだ」って感じるのはその表れ。
共生関係の表れ…。

ワンがウンソを求めてストーカーと化してしまうのも、

ヒョンセがウンソの心からワンを追い出そうとして、
あるいは自分がウンソから離れようとして
ウンソにすさまじい暴力をふるうのも、

そしてウンソが
結局この二人の男から離れられないのも、
すべて3人の「共生関係」の表れ。

本人たちはそれを
「愛」の表れだって信じてるんだけどさ…。

描かれているのはいっけん
幼馴染みの三角関係のはげしさのように見えるけど、
ほんとうは共生関係にある男女三人の
愛の「異常」さを描こうとしてる…?

監督カク・チギュンが
3人の愛をひじょうにドメスティックに描いてみせてるのも、
その愛の異常さを描くためだったんだとおもうよ…。

ラスト、
成人したワンとヒョンセが、
成人したウンソを挟んで寝そべり、空を見上げている。
それも真っ白な衣装をつけて…。

異常だけど?
美しくて、哀しくて、さすがに涙が出ちゃったよ…。


もうひとつ驚いたのは、
ワンをやってるキム・スンウなんだよね。

この俳優、いままで、
二枚目なのか三枚目なのかどうも中途半端で
私の中でもうひとつだったんだけど、
いやあ、めちゃくちゃカッコよかったわ…(笑)。

アクションはいけるし、立ち姿がほんとにいい…?

ごめんなさい。
やっと出自がわかりましたって感じだったよ…(笑)。

監督と俳優陣のエネルギーに敬意を表して、これが映画だ!

違った(笑)。これぞ名画だっ…!

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■100分 韓国 ドラマ

監督 カク・チギュン
原作 シン・ギョンスク
脚本 カク・チギュン,ユ・サンオク
撮影 パク・ヒジュ

出演
カン・スヨン
キム・スンウ
ファン・インソン
ペ・ジョンオク
キム・ヘゴン
イム・ユジン
イ・イルチェ
キム・ジュンギュ
コ・ドンヒョン
ユ・ヒョンギョン

故郷イスロジで、幼なじみでいつも一緒に遊んでいたウンソ(カン・スヨン)、ワン(キム・スンウ)、ヒョンセ(ファン・インソン)であった。幼い子供ながら、ウンソはワンのことが好きであり、ヒョンセはウンソのことが好きであった。ある日、ワンの父親が殺害されたことでワンは逃げるようにして故郷イスロジを去ることになった。時間は流れ、同じ大学に合格したウンソとヒョンセはソウルに上京し、ウンソはバイオリン、ヒョンセは美術を専攻した。二人の幼なじみウンソとヒョンセは幸せな時間を過ごしていたが、ある日突然、彼らの大学にワンが現れた。久々の再会に喜ぶウンソと困惑するヒョンセであった。ワンは故郷イスロジを離れてヤクザの世界に飛び込み、女親分ヒョソンのヤクザ組織で周囲から認められる存在に成長していった。ウンソは突然現れたワンに今までの想いが破裂してワンを愛するようになっていたが、ウンソを愛するヒョンセは彼女の気持ちを留めようとする。幼なじみのウンソ、ワン、ヒョンセの三角関係はどんな展開になるのか…。

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