緋牡丹博徒 (1968)

[442]お竜さん、ご無沙汰してました。会いたかったです…!
★★★★★★

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これぞ東映任侠映画が誇った大傑作ってやつだね。
シリーズ第一作。
もう40年以上も前になるのかあ。

鈴木則文、脚本。
山下耕作、監督。
藤純子、主演。

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お竜さんがいきなり画面に向かって仁義をきるところからはじまる。
まるでウラ浮世絵から出てきたような、これ以上にない端正な美しさ。
自ずと唇から漏れてしまうぜい。

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♫娘盛りを渡世にかけて
 張った体に緋牡丹燃える
 女の女の 女の意気地(いきじ)
 旅の夜空に恋も散る…

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いやいや、いけない。
お竜さんの歌を私の声で汚しちゃいけないよな。
いいんだよねえ、お竜さんの声。
ちょいと高めの「ムスメ~」で始まるんだけど、
その「ム」の音が出てきた瞬間にもう
俺はググッと胸を衝かれてしまうんだよなあ。

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藤純子は…、
いや、お竜さんは音痴か?っていうひとがいるけど、
いやいや何言ってるんだよって思うよね。
あの、ちょっと音を外しそうになる音程がいいんじゃないか。

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お竜さんは女なんだよ。
ヤクザの家に生まれたとはいえ、カタギの家に嫁ぐはずだったんだよ。
でもオヤジが辻斬りに会ったおかげで婚約した相手に縁を切られ、
それで仕方なくオヤジの仇を討つために渡世の道を歩くようになったんだよ。
まったく女だてらの駆けだしなんだよ。
それをあの危うい音程で表現しようとしてるんじゃないか。
あんた、まったくわかってないよねえ。ヤバイよ。(^^♪

あの片桐も言ってるだろ。
いくら頑張ったっておまえさんは女なんだって。

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♫鉄火意気地もしょせんは女
 濡れた黒髪 緋牡丹ゆれる
 女の女の 女の未練
 更けて夜空に星も散る…

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いいよねえ、鉄火場をあとにしたあの冒頭、
港での片桐との…、健さんとの出会い。
お空は真っ赤な夕焼けでさあ。
知ってる?あれ、セットなんだよねえ。(^^♪

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いや、全編ほとんどセットなんだけどさ。
ああいう絵(映像)の美しさはセットでないと作り出せないよねえ。
また、そのいかにも作りものって感じがいいんだよねえ。
韓国映画もその点になると残念ながら、
かつての日本映画の域にはまだ達してないよな。

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ヌーベルバーグ以降、ロケ撮影が映画の主流になって
たしかに映画が街(現実)に開かれたけどさ、

でもそのぶん作りものの感じがなくなっちゃって、
フィクションの度合いが低くなっちゃって、
なんだかつまんなくなっちゃったことも事実なんだよなあ。

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とくに街そのものがこれだけ作りものになっちゃうと、
フィクションの度合いを高くしちゃうとさ、
映画なんてもう行き場をなくしちゃった感じだよな。
現実を異化できなくなっちゃうって言うかさ。

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そういう時代の「いま」こそ、
こういうオール・セットみたいな映画を観るとほんと痺れるよな。
映画だ!映画は映画だ、作りものだ!
って感じがものすごくして感動しちゃうんだよねえ。(^^♪

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だよねえ。映画を作るには、
ものを作るにはもうこういうふうに引き篭もらなくちゃだめなんだと思うよ。
でないといまはいいもの作れない。
オタク、万歳!ひきこもり万歳!だよな。(^^♪

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♫男衣装に飾っていても
 さしたかんざし 緋牡丹化粧
 女の女の、女の運命(さだめ)
 捨てた夜空に一人行く

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いやあ、いいねえ。
藤純子、凛々しいよなあ。
いま観るとほんと改めて驚嘆しちゃうよなあ。
あんた、このとき御歳22なんだよ。22歳!
信じられる?いま観るとまったく奇跡としか言えないよ。

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脇がまたいいよねえ。
凄いとしか言えないよねえ。

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健さん、若富、待田京介、大木実、清川虹子、山城新伍、
山本麟一、金子信雄、疋田圀男、志賀勝。
そして愛しのわが若水ヤエ子(笑)。

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どうしたって笑ってしまうよなあ。
おらは名前聞いただけで笑ってしまうよ、若水ヤエ子はん(笑)。
あなたのアホ演技は正真正銘、俳優の鑑です。(^^♪

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しかしこの俳優さんたちが出てくるたびにもう随喜の涙だよなあ。

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それに比べて…、ああ、私らの世代はなにやってきたのよ、
と毎度の事ながら死にたくなるぜ。

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この作品、じつは演劇学校の新年会でみんなで観たのよ。
ゴダールの「勝手にしやがれ」コケたからさ。(^^♪
そしたら生徒たち、みんなほとんど初めてなんだって、この俳優さんたち。
おら、茫然唖然、開いた口が塞がらなかったよなあ。

でも許しまったよ。みんな呆然と見惚れてたからさ。(^^♪

ん?グダクダ喋ったら終わっちゃったよ、画像。
ストーリー?そんなもんあんた画像見てりゃわかるでしょうが(笑)。
ああ、楽しかった。ほなら、また。(^^♪


■98分 日本 任侠・ヤクザ
監督: 山下耕作
企画: 俊藤浩滋 日下部五朗 佐藤雅夫
脚本: 鈴木則文
撮影: 古谷伸
美術: 雨森義充
編集: 宮本信太郎
音楽: 渡辺岳夫
擬斗: 谷明憲
助監督: 本田達男
出演
藤純子  緋牡丹のお竜
高倉健  片桐直治
若山富三郎  熊坂虎吉
待田京介  不死身の富士松
大木実  加倉井剛蔵
山本麟一  フグ新
若水ヤエ子  熊坂清子
疋田圀男  滝沢
金子信雄  岩津源蔵
土橋勇  皆川
清川虹子  お神楽のおたか
山城新伍  吉太郎
鈴木金哉  木島
遠山金次郎  山西
江上正伍  宮崎
三島ゆり子  君香
志賀勝  ロクロの亀

鶴田浩二、高倉健と並ぶ女任侠スターである藤純子の代表的な任侠シリーズで、1968年の第1作「耕牡丹博徒」から1972年の「同・仁義通します」まで全8本が作られた。緋牡丹の刺青を背負った女ヤクザ“緋牡丹のお竜”が、女ながら義理と人情のしがらみの中に生き、不正には身を持って立ち向かっていく。
九州の矢野組の一人娘竜子(藤純子)は、結婚をひかえていた頃、父親は闇討ちに会い一命を落としてしまう。一家は解散し、父の死体のそばに落ちていた財布を手がかりに復讐の旅に出た竜子は“緋牡丹のお竜”という異名で渡世人となった。博奕にも優れた才覚を持つ竜子は全国の賭場を流れ歩いていた。それから5年の月日が過ぎたある日、竜子は岩国の賭場で胴師のイカサマを見破る。逆に胴師から因縁をつけられた竜子だが、渡世人片桐(高倉健)という男に助けられるのだが、その男の舎弟こそが彼女が探していた父殺しの犯人だった。一方、竜子の唯一の子分で父殺しの犯人を覚えているフグ新(山本麟一)が道後でいざこざを起し、岩津一家と熊虎一家の対決騒ぎにまで発展した。竜子は道後に向い事態を無事収拾させた。竜子の度量を見込んだ大阪堂万一家の女親分おたか(清川虹子)が仲裁に入り、竜子と熊虎(若山富三郎)は兄弟分の盃を交した。おたかの勧めで大阪に出た竜子は、片桐と再会する。片桐は賭場で竜子と対した加倉井(大木実)の兄貴分で、しかも竜子の父を殺した犯人が加倉井なのだ。そんな時、犯人の顔を知るフグ新は、真相を闇に葬ろうとする加倉井によって斬られ、竜子に真相を打ち明け死んでしまった。片桐は兄貴分として加倉井のやり方に怒りを感じ、竜子と供に千成一家に殴り込みをかけ、片桐は加倉井と刺し違え、竜子に抱かれながら静かに息を引き取っていった。

●てっせんさん
懐かしい面々です。
観てるだけでもう郷愁で胸がいっぱいになるというか…(笑)。
しかし、いま思うと、
ああ、人間って時代に合わせて?
けっこう変わって行くもんなんだとつくづく思い知らされますねえ…。

●shidarezakuraさん
shi、shidarezakuraさんに何かが起きてる…。
い、いったい何が起きてるんだろう…?
あ! すいません、独り言まで書いたりしちゃって…(笑)。
このシリーズ、産みの親は
鈴木則文・山下耕作(監督)コンビなんですが、
出来が抜群にいいのはじつは、第3作、第6作、第7作を撮った
加藤泰という監督の作品なんですよね。
時代劇、任侠ものを撮らせたら天下一品の監督ですから…。
言っときゃよかったなあ…(笑)。
shidarezakuraさんもそう思いますよね、藤純子の、
あの微妙な音の外し方が抜群にいいんだって…(笑)。
このころはまだレコードで、私は擦り切れるほど聞きました(笑)。
ご主人、浸ってますねえ(笑)。
あ、ひとつだけお伝えください。当時のスピーカーはまだ
低音がよく出なくて、それでいまより高く聞こえたのです、と…(笑)。
しかしshidarezakuraさん、カッコいい健さんにばかり
目が行っちゃってませんか?
ビョンホンに妬かれてもしりませんよ…(笑)。

●shidarezakuraさん
ついに「網走番外地」まで…!(笑)
あれは、石井輝男監督が、これで一本映画を撮れと、
雀の涙かと言いたくなるほどの低予算を渡され、
雪の北海道なら撮れるだろうと、
仕方なく北海道まで行って撮った映画なんですよね。
皮肉にも映画は大当たり…(笑)。
この映画だったかどうか忘れましたが、嵐寛さん、
「ひでえところまで連れてきやがって」、と
逃げ出そうとしたとか…(笑)。
なるほどなあ、ソヨンのビョンホンにたいする無償の愛を
自分に重ねて見ていた…!
人間、いろいろとやるもんですね…(笑)。
ご主人は中1のときの初恋のひと…!
フェーッ……、ごちそうさまでしたあ…(笑)。

●shidarezakuraさん
ご主人、安藤と文太が出てるから「新仁義なき-」を観ようと?
い、陰謀です、陰謀の匂いがします。
ビョンホンの作品がないのをいいことに、
ビョンホを忘れさせようという…!(笑)
でもshidarezakuraさん、最後までごらんになれなかった?
偉い…! と言っちゃだめか…(笑)。
「新仁義なき-」がだめだと、はい、間違いなく
「仁義の墓場」はだめなんじゃないでしょうか…(笑)。
深作さん、女性が大好きなお方なのに、どうして
女性が観るに堪えない映画ばっかり創っちゃったんでしょう?
ほんとに困ったお方ですよね…(笑)。
しょうがないので、とりあえず私の記事を読んで、
「観たあ!」という気になっていただけると嬉しいです(笑)。
あ、思い出しましたが、私が広島で学生をやっていたころ、
「仁義なき戦い」はまだ続いていて、夜、
流川(街の名前)で飲んでいると、
外で時々ピストルの音が聞こえて、
いつも慌ててカウンターの下に隠れたものです…(笑)。
常円寺、むかし一度行ったきりなんですが、
しだれ桜の名所とは知りませんでした。
もし石川力男のお墓に参られることがありましたら、
ぜひお花の代わりに赤い風船玉を…!

ありがとうございました。

  
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この記事へのコメント

てっせん
2010年01月18日 00:03
今晩は
懐かしいですねえ・・・(笑)
助演陣の顔ぶれを見ると・・・
 若山富三郎 待田京介 大木実 山本麟一 若水ヤエ子     金子信雄 清川虹子 山城新伍 三島ゆり子 沼田曜一
いやもう、アクの強いのばっかりで・・・(笑)。豪華ケンラン、チミモウリョウといいますか、すごいものです。
これが、映画ですよね。こういう連中がいてこそ・・・。


失礼しました。
shidarezakura
2010年10月30日 20:39
シリーズ第3作と第4作、「花札勝負」「二代目襲名」だけあったのでこれに。どちらが先かわからず4作から観ましたが…藤純子さんがもっと綺麗だったはず…とずっとおもいながら観ていました。でも良かった!3作では凄く綺麗でした。私は4作の脚本と撮り方が好きではなかったようです。3作は凄く美意識を感じて好きでした。健さんが馬にも乗るし(笑)。健さんの登場の仕方がいつもカッコよすぎ(笑)。3作は1作と同じように撮られていたのか、山崎さんが書かれていたことに頷きながら観ました。蒸気機関車の煙や夕焼けとか…。
3作に出ている俳優と比べても私にとっては役者が足りない感がありました。4作は待田京介さんだけ…(笑)。
お竜さんの歌についても山崎さんの書かれていたことが可笑しくて、聴きながらついつい笑ってしましました。
主人は「なんだかすごく声が低いなぁ~」と真面目に聴いていました。出だしには何も触れず…(笑)。順番を調べる為にネットを覗いたら「歌は失敗だった」ってあったんですけど…!?(笑)
健さんと番傘はよく似合いますね!何色のでも。いつもハッとさせられます。「仁義」の口上の時の腰の曲げ方の角度とか、座るときの着物の捌き方とかすごく好き…(笑)。
shidarezakura
2010年10月31日 21:15
ですよね…(笑)。
10月も終わりだし健さんの「網走番外地」で締めます。迫力ある映像、時折入る健さんの歌が胸に沁みました。ちがう魅力の健さんと魅力的な脇役たち。私が観た「緋牡丹博徒」ではいつも顔色がすごく悪くなって亡くなってしまっていた嵐寛寿郎さんが今回はお元気で良かったです(笑)。
ビョンホンさんに対する思いと他の方に対する思いの決定的な違い。それは冷静になれるか、そうでないかです…(笑)。私が応援しなくては…と思う人はただ一人…(笑)。「IRIS」でなぜ皆があんなにソンファが好きだったか?もちろんソヨンさんの好演によるものも大ですが「無償の愛」を自分に重ねたからではないでしょうか。山崎さんは男性だから違うでしょうけど…。
ビョンホンさんも子供っぽいところがあるようにお見受けするので、心配かけないようにしなければね(笑)。でも私執念深いからきっと一生応援すると思います…(笑)。主人は中1の時の初恋の人だから、執念深さは折り紙つき(笑)。ちょっと怖いですか~!?(笑)
shidarezakura
2010年11月01日 18:27
実は「網走番外地」の後「新・仁義なき戦い」を途中まで観ました。また「安藤と文太が出ているから」って…(笑)。これが全部観られなかったら「仁義の墓場」は多分無理ですよね。スミマセン。あまりに現実に近い感じがして私には怖かったです。もちろん主人は「面白かった」でしたが…。
でもひとつ分かったのは文太さんは「資質としての優しさがいやおうなく表れる」のところです。渡さんの事はよく知りませんでしたが、こんな表情が出来る俳優だったのですね?あの位牌を拝んでいる人がなぜあそこにいるか分からない画像はなにか凄いものを感じます。
「緋牡丹博徒」から8年後ぐらいでしょうか?どんどん日本が変わっていったころの凄まじさを、あの数枚の画像を見ただけで感じます。
山崎さん縁の中野や荒木町も出てきましたね。
常円寺のしだれ桜は見事なんですよ。ご存知ですか?新宿はたまに行くので、今度行ったときには山崎さんがお書きになったこと報告してきますよ…(笑)。

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