散策 (2000)

[462]人生っていいねと素直に思わせてくれる映画だね…?


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「手紙」を撮ったイ・ジョングク監督の作品。

「手紙」はあまり感心しなかったけど、
いやあ、これはめちゃくちゃ面白かったよ…。

面白いというより、
「よかったあ」といったほうが伝わるかな…?

ただラストがねえ、
あまりにもハッピーすぎるというか、甘すぎるよ。
もったいない…。

小っちゃいレコード・ショップをやってる
ヨンフン(キム・サンジュン)という男がいる。
独身で、父親との2人暮らし…。

かれにはこの10年、
一緒にアマチュア・バンドをやってきた3人の友人がいる。

ひとりは公務員のハン・セジン(ヤン・ジンソク)。
結婚していて、まだ生後1年足らずの子どもがいる…。

もうひとりは大学講師のソ・ジニョン(イ・ミョンホ)。
おなじように大学講師をしていた妻がいたが、
離婚して、幼稚園に通う娘をひとりで育てている…。

そして3人目は、女子高(?)で科学を教えている
教師のキム・ホンチョル(チョン・ホグン)。
ぽっちゃり型の男で生徒には人気あるのだけど、まだ未婚…。

この4人が時々集まって、
今年のコンサートに向けてバンドの練習をするんだけど、
その間に(?)、
4人の日常生活が淡々とした感じで描かれていくの。

といっても、
なにも出来事が起こらないわけじゃないんだよね。
そのあたりが「手紙」とは全然違うところ…。

本人たちにしてみればけっこう大きな出来事が起こる。
でも、それを極力抑えたタッチで描いていく。
それで淡々とみたいな印象を受けるっていうのかな…?

で、そのあたりの筆の進み具合(?)がもう絶妙なの。
もろ手をあげて絶賛したいくらい…!

ちょっとだけ紹介しようかな…?(笑)

公務員セジンの上司が収賄で解雇される。
かれも危うく巻き込まれそうなるんだけど、
妻に貸したお金を返してもらってと言われて、
引っ越した家を尋ねていく。

と、その上司、アバラ屋に住んでて、
妻には逃げられ、ひとりで病気の息子を看病してるの。

それが賄賂に手を染めてしまった事情だったんだけど、
セジンは全然知らなかったんだよね。
もちろんお金を返してくれとも言えず、家を後にする…。

ジニョンが娘と二人で暮らしているのは、
教授を目指す妻に離婚を申し出られたから…。

その妻、アメリカに1年留学することになって、
娘も一緒に連れて行きたいと言い出す。

ジニョンはかたくなに拒否するんだけど、
時々、内密で母親と会っている娘を見てると、
やっぱり子どもは母親と一緒にいるのがいいのかなあと思い、
最後は承諾する…。

でも、いざとなると、
母親と一緒に行きたがっていた娘が行けないと言いはじめる。
おかあさんはひとりでいられるけど、
おとうさんはそうじゃないの、
あたしと一緒にいないと寂しさに耐えられないひとだからって…。

女子高の教師ホンチョルは
はやく結婚したいんだけど、ガールフレンドもいない。
で、セジンが同僚の女の子を紹介する。

でも彼女、背は小さいし、美人じゃないし、
断ろうと思うんだけど、
病気の父親の面倒を見ながら働いてるのを知って
かわいそうにと思い、もう1回だけ会うことにする…。

で、次は絶対断ろうと思うんだけど、
彼女のやさしさに免じて(?)もう1度だけ会うことにする…。
で、会うんだけど、やっぱり言い出せない…。

そういう付き合いを重ねてるうちに、
いつのまにか彼女に惹かれはじめて、
結局、結婚することになるの…(笑)。

友人たちへの釈明がいいのよね。
欲張りさえしなければ、
幸せはけっこう簡単に手に入るもんだね、だって…(笑)。

わたしゃ嬉しくて泣いちゃったよ…(笑)。

で、レコード屋さんやってる肝心のヨンフンはって言うと…、

貼紙を見て、
ソ・ヨナァ(パク・チニ)という女がバイトに入ってくる。

ヨンフンがモーツァルトの静かな曲を店内に流してると、
これじゃお客が入らないので明るいのをと、
勝手にギンギンの曲を流してしまうような女である。

じつは流していたモーツァルトは、
好きだった女の子が忘れられなくて流してたんだけどさ(笑)。

ある日、その女の子が偶然店内に流れてるモーツァルトを聞いて、
店に入ってくる。

で、喫茶店に入って話してみると、
この近くに住んでるんだけど、じつは結婚して子どももいると…。
ヨンフン、顔には出さないけど、ガックシ…(笑)。

おまけに店に帰ると、CDが床に散乱してて、
留守番をしていたヨナァに聞くと、
わたしのせいです、ごめんなさいと言って彼女が店をやめてしまう。

根はいい女で、けっこう気に入っていただけに、
ガックシと止めを刺された…?
ポーカーフェースを装ってあくまで顔には出さないけど…(笑)。

じつはヨナァ、訳ありの女だったのね。
ヤクザまがいの男がやってるカラオケ・ボックスの歌手だったの。
逃げてきたんだけど、手下みたいな店の連中に踏み込まれて、
結局、また店に連れ戻されてしまったわけ…。

で、しばらくするとまた事件が…。
父親が足を骨折して入院しちゃうの。

で、CDを万引きしたんだけど、
それあげたら、あとでお金を払いに来た女の子にバイト頼んで
病院通い。

でも、なんか変…?
このおやじさん、
ヨナァがバイトしてるころからよく店に顔出してたんだけど、
全然口きかないんだよね。
ヨンフンも会ってもなんだか憮然としてる感じ…?

そんなある日、突然、ヨナァが見舞いにやってくる。
聞くと、
お店はやめた、あたしが付き添ってるから
ヨンフンさんはお店に出て、と言う。

数日後、とつぜん、そのおやじさんがヨナァに口を開く。
じつはヨナァとおやじさん、妙にウマが合ってたからなんだけど…、

あとは観てのお楽しみ…?(笑)

ちょっとだけ言っとくと、
「散策」というタイトルはこのおやじさんが鍵握ってるんだよ(笑)。

どう? なんか面白そうな話満載でしょう…?
いや、実際面白いのよ、保障する…(笑)。

ただ最初に言ったようにラストがねえ。
まあ、いろいろあった末に4人のコンサートで終わるんだけどさ、

それまで関わり合ったひとたちが
ゾロゾロゾロゾロ楽しそうにやってくるんだよねえ。

おいおい、このコンサート、カーテンコールかい?
って感じになっちゃってさ…(笑)。

それまでの流れからすると、
そんなに急にニコニコできねえだろうって思うのよ(笑)。
それやられちゃうと、気持ち冷めちゃうよみたいな…?

しかし、そこまではほんと抜群に面白かったわ。
登場人物たちの人生を見つめるカメラの距離感がいいのよお…!

「八月のクリスマス」をもっと軽くしたような作品かな…?

2000年前後の韓国映画界は名作ラッシュの時代だけど、
これも間違いなくその中の1本だとおもうよ…。

●Kさん
よかったでしょう…!
内容なんか全然知らなくて、たまたま借りて観たんですけど、
そういうのにこんなにいい作品が隠れてると、
いやあ、めちゃくちゃ感動しますよねえ…。
舞台になったあたり、再開発された…?
予定してた会場のあたり、小劇場街だった…?
流れてるフォークソングはあの伝説のキム・グァンソク…?
そしていまを時めくグループ「BIG BANG」も…?
そうだったんですか。
いやあ、そういう韓国の背景を知ってるひとだったら、
なおさらこの映画は心に沁みるでしょうねえ…。
ラストさえ間違わなかったら、ほんと
「八月のクリスマス」に匹敵する作品になったと思います…。
「アイリス」のTOP君、めちゃくちゃいいです。
演技の未熟さなんて、かれの持っているものからしたら、
もう屁みたいなもんだと思いますよ…(笑)。

ありがとうございました。

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■100分 韓国 ロマン

監督: イ・ジョングク
脚本: イ・ジョングク

出演
キム・サンジュン
パク・チニ
ヤン・ジンソク
イ・ミョンホ
チョン・ホグン
パク・クニョン
ユ・ホジョン
チン・ヨンミ
チャ・シウン
イ・ソンホ
キム・ミリョン
チャン・ミナ
キム・ビョンギ

『手紙』のイ・ジョングク監督第5作。レコードショップを舞台に、現代都市に住む人々の日常と愛を穏やかな感動で描き出したナチュラル・ラブ・ストーリー。脚本は監督のイ・ジョングクとパク・チョンウが担当。
小さなレコード店のオーナー、イ・ヨンフン(キム・サンジュン)は、初恋の人ユン・セヒ(ユ・ホジョン)が忘れられず、大学時代に彼女に捧げたモーツァルトの曲ばかり聴いている。彼は、父(パク・クニョン)と2人暮らしをしているのだが、母の死が父親のせいだと思っており、父親に冷たい態度をとっている。ヨンフンには、10年間一緒にアマチュア・コンサートを開いてきた男友達がいる。家庭を持っている公務員のハン・セジン(ヤン・ジンソク)、離婚した後、1人で娘を育てている大学講師のソ・ジニョン(イ・ミョンホ)、いまだに未婚の科学教師キム・ホンチョル(チョン・ホグン)の3人だ。ヨンフンは、コンサートが近づいたためレコード店のアルバイトを募集したところ、ソ・ヨナァ(パク・チニ)という女性が現れる。自分とは違った雰囲気を持つヨナァにひかれるヨンフン。彼と仲間達には様々な事件が起こるが、お互いを励ましあいながら問題を解決していく。ところが、コンサート会場に予定していた小劇場が、急に工事を始めることになってしまう。


この記事へのコメント

2010年02月17日 01:50
世は正に(?)アイリス祭りな訳ですが、私もアイリス、結構面白かったし若き日のピーターことTOP君にはかなりの思い入れが有るのですが、山崎さんに紹介していただいたコレが、良かったので・・・。
この映画の中のソウルの画は、大好きな韓国ヤクザ映画とは対極の映像ですが、反面、ああ、私はこういうソウルを求めてもいたんだなぁ…と、しみじみとそう思いました。
でも、この映画が作られてから十年。
町のレコード(CD)屋さんはほとんど無くなり、屋上部屋も再開発で随分姿を消したと聞きます。
コンサートの予約を取消された大学路の小劇場街も、映画の中で小屋主さんが言ってたみたいに、レストランと併設とか随分オシャレになりました。
映画の中で流れるフォークソングはキム・グァンソク。『JSA』で南北の兵士たちが一瞬の休息の中でともに聴いた「二等兵の手紙」を唄った歌手。
カレノコエを聴いただけで何故か私は、懐かしい気持ちになって涙が出る…生前の彼に会ったことが有るわけでもなんでもないのに。
この映像もそんな感じなんですよね、体験したわけでもないのに、何故だか懐かしい…。(次へ」)

2010年02月17日 02:05
町に流れる音楽も随分と変りました。
ここ数年のポップス界を席巻しているのが、TOP君のいるBIG BANGです。サブタイトル(?)のバックに「ハレル・ヤ」と流れる歌声が彼らです。
低音の方のラップがTOP君。
ずっと前にてっせんさんが、アイリスにTOPが出るようなので楽しみだと書かれていましたが、てっせんさん、ご覧になれてるかなぁ。
山崎さんはもう5回までご覧になったようなので、TOPの未熟さは露呈しちゃってるとは思いますが、他の若手とはちょっと違う個性を持ってると思うので、将来性を買ってあげて下さい。
と結局アイリス話になっちゃいましたが、私もこの映画、ラストが決まってれば『八月のクリスマス』に肩を並べたのに…と思います。(ちょっと言い過ぎ?)

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