美しい彼女 (1997) 最終話__結

[507]ソニョンはジュンホを看取った、手をとり、ともに横たわり…。


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ここはどこだろう…?
おれは光のなかにいた…、はずなのに…?

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ジュンホはぼんやりとそう思った。

そうして足元のほうを見下ろすと、
ソニョンが見えた。自分が見えた…。

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おれが寝ている…。
ソニョンのやつ、また手をつないでいる。
いや、おれがつないでいるのか…。

ジュンホは苦笑した。

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でもどうして泣いているのだろう、ソニョン…?
そうか…。

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ジュンホはぼんやりと思い出した。
ソニョンの涙を見ているうちに…。

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ソニョンは言った。
このまま帰るのは危険だから病院に行きましょう、と…。

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しかしジュンホは頑なだった。
「いいから帰ろう。休みたい…」

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「ジュンホさん…」
「大丈夫だよ…、死にはしない…」

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家に着いた…。

ソニョンに手を借りて、
あの手すりのついた階段を上り、家に入ると
みんなが出迎えてくれた…。

一足先に帰ったジュン、ウォン。義父さん。サンミン。
パクおばさん。そしてドンスに、ウニ…。

ひとりぼっちだったはずのおれに、
いつのまにかこんなにたくさんの家族がいた。

おれの家族…。
ソニュンがおれにくれた贈りもの…。

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ジュンホがテーブルにつくと、

目の前の世界が揺れはじめた。
黄色い光に包まれはじめた…。

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おれが揺れているのか…?

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世界が揺れているのか…?

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ソニョンはジュンホの頬を打ち、名を呼んだ…。

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気がつくと、おれの目の前に彼女がいた…。

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彼女が言った。
いや…、言ったような、気がする…。
「ねえ、故郷の春川(チュンチョン)に行きましょう」と…。

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チュンチョン…? 故郷…?

そうだ、パクおばさんのやっている食堂の名前だ。
春川食堂…。
それでチュンチョンがおれの故郷かもしれないと思ったんだ。
家はあるが、おれにはまだ故郷がない…。

ソニョン、おれはこっちだ。おまえのうしろ…。
見せてくれ。おれは、おまえの顔が見たい…。

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ジュンは隣の春川食堂に行き、
パクおばさんに一枚の古い写真を見せながら言った。

「この写真の人、おばさんだよね」
「これは…」
「パパが持っていたんだよ」

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パクおばさんが、
とうに失くしたと思っていた写真だった…。
おばさんは思い出した。
あの写真は産んだあの子のもとに残してきたことを…。

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ジュンは言った。

パパのところへ行ってあげて。
「おかあさん」って呼びたがってた…。

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パクおばさんはすぐにジュンの家に引き返した。
ジュンはベッドのパパに言った。

「おばあちゃんが来たよ」…。

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ジュンホはゆっくりと顔を動かし、
パクおばさんのほうに目をやった。

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そうして「ほんとうかい」と尋ねるおばさんに、
手を差し出した…。

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おばさんはジュンホの手を取り、頬ずりし、言った。

「そうだよ、あんたの母さんだ。
つらかっただろうね、私の息子…」

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ジュンホは呼んだ、
「オモニ(母さん)」と…、もう声にはならない声で…。

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そうだ…、思い出したよ…。
ソニョン…、そんなふうにして…、
最後まで…、おれのそばに…、いてくれるなんて…。

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涙は海だ…、小さな海…。
おれはその君の…、美しい海のなかへ帰るだけ…。

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ジュンホは一面のお花畑の中に立っていた。
黄色い…、お花畑の中に…。

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そうだ…。
ジュンホはまた思い出した。

あの日、おれはこのお花畑の中から
「美しい彼女」を…、ソニョンを見つめていたのだ…。

彼女の背中を…。
そして格子窓の向こうで彼女を見つめているおれを…。

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やがてお花畑は光に包まれていった。
一面の、まぶしい光に…。

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その光にジュンホは切ないほどの懐かしさを憶えた。

ああ…、と思った。

この光は…、
おれが母さんのお腹から、
この世に生まれでた時に浴びた光だ…。

世界は真っ白になった…。

ジュンホは…、
その真っ白な世界の中に…、消えた…。


後記)
ちょっと日にちを置いてから「美しい女」をあれこれ書く予定です。
書くのにちょっと疲れました…(笑)。
あ、コメントの返信、遅れててすいません…。


●rokugatunotikoさん
これが現実だったら…、そうですよね、堪えられないです。
でも、ながいスパンで考えると、
みんな多かれ少なかれ、こういうドラマを生きているような気もします。
しかしすばらしい作品でした。

●チュモニさん
略奪するのに燃え尽きた感じです(笑)。
なにが大変だったかって、写真を起こすのが大変で…(笑)。

●すみれさん
エンディングの曲いいですよねえ。
「出会い愛した」、この一言に集約できますよね。

●TAKATAKAさん
こちらこそお読みいただいてありがとうございました。
曲名教えていただいてほんと助かりました。
いちおう書き終わりましたので、お暇なときにでも…。

ありがとうございました。

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■韓国ドラマ 1997年

演出: イ・ジャンス
脚本: キム・ヒョソン クォン・ユンギョン
音楽: チェ・ギョンシク

出演
イ・ビョンホン ・・・ファン・ジュンホ
シム・ウナ・・・ ・・ユ・ソニョン
キム・ミンサン・・・キム・ジュン
ユ・ヒョンジ・・・・・キム・ウォン
ソン・スンホン・・・イ・ミニョク
オ・ジミョン ・・・・・ユ医院長
キム・スミ ・・・・・・パクおばさん
ソン・オクスク・・・・チャン・スンジャ
ソン・ジェホ・・・・・チョ

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ドンスをマネージャーに迎え、かつての教え子ミニョクとの世界タイトル防衛戦に臨む。
家族4人で写真を撮り、ジュンホはジュンを伴って減量合宿に入った。試合が終わったら実の母に打ち明けること、4人で故郷かもしれない春川に行くことと祖ノンに約束する。
試合当日、激しい打ち合いで進む中リング脇で泣きながら叫ぶジュンに奮い立たされジュンホはチャンピオンベルトを取り戻す。
家に戻って皆が祝福する中、ジュンホは床に倒れ込んだ。
試合前にジュンに渡した写真でパクは捨てた息子がジュンホであることを知る。
ついに自分の母にめぐり逢い居場所を見つけたジュンホはソニョンの傍で静かに息を引き取る。

この記事へのコメント

rokugatunotiko
2010年08月12日 21:52
こんばんは。

山崎さん、お疲れさまでした。

せつなくて、悲しくて、美しくて・・・・

何度みても、もしもハッピーエンドならどんなに気が楽かと思います。

悲しいから美しいのか?儚いから心惹かれてやまないのか?

現実世界でこれだったらきっと耐えられません。

後日のあれこれをジュンホの最後を思いながら待ってます。

夏休みのプレゼント最高でした。ありがとうございました。
チュモニ
2010年08月12日 23:00
入魂のレビュー、ありがとうございました。
楽しさも辛さも相半ばして、さぞお疲れのことと存じます。
とうぶん余韻に浸らせていただいておりますので、どうぞゆっくりお休みください。

すみれ
2010年08月13日 00:50
 お疲れ様でした。そして、ありがとうございました。
エンディングに流れる曲「モノローグ」を聴きながら
余韻にひたっています。。。

 「出会い、愛した」痺れます。すべてのことがこの言葉に凝縮されているようです。。。。。。。


TAKATAKA
2010年08月13日 11:55
丁寧で細やかな解説、ありがとうございました。

スピードが速くて追いつけていませんので、
これからじっくり味わわせてもらいます。

まだ終わりじゃないんですよね・・・。
ゆっくり休んで頂ければそれだけ楽しみも延びて
嬉しいです。

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