イ・ジェスの乱 (1999)

[508]これまで観てきた韓国の史劇の中では文句なしにNO1だよ
★★★★★☆

画像


日本ではDVD化されていないようなので、
観るのすっかり諦めていた
イ・ジョンジェ、シム・ウナ共演の「イ・ジェスの乱」。

日ごろの行いがよいせいか(笑)、
この夏、突然、天から私のもとへ舞い降りてきたんです。
ああ、神よ、感謝します…!

「美しい彼女」を書き終えたあとさっそく観たんだけどさ、
これがまあ期待に違わぬ傑作でした!

物語は…、と詳細を書きたいんだけど、書けない(笑)。
なんで…?
日本語字幕ついてるんだけど、
この神様、きっと日本語あまり知らなかったんだろうね。
ちゃんとした日本語になってなくて、
細かいところまではもうひとつ…(笑)。

でもだいたいはわかったよ。
え…?
いや、だいたいがわかればいいんだって、この作品。
済州島の島民が、
天主教の信者と、非信者(民党)の真っ二つに別れて、
ひたすら戦闘を繰り返す話なんだもん。

時は、1901年。

一部の腐敗した信徒と結託した悪辣な封税官たちの、
増税をはじめとした悪政で島民たちが飢えに苦しみ、
ついに反乱を起こす。

その反乱軍・民党のリーダーのひとりが、
元飛脚(笑)の平民イ・ジェス(イ・ジョンジェ)。

仲間が封税官たちに殺されたので怒りにもえ、
自から「おれの首を差し出す」って状頭(指揮官?)を志願する…。

「おれの首を差し出す」ってのは、
反乱の首謀者はのちに断首されるというお国の定めがあるから
らしいのね。

で、指揮官になって、
済州城に立てこもっている、フランス人宣教師に率いられた
信者たちとの戦闘に突入する。

この映画の大半はじつは、
その戦闘シーンの描写に費やされてるのね。
だからストーリーはこの作品の場合、だいたいでいいのよ。
もうそれくらいわかればもう十分なのよ(笑)。

で、次から次に繰り返される戦闘シーンが、
それこそ叙事詩的に描かれていて、ものすごくいいのよ。

戦闘たって、きのうまで漁民、農民だった島民たちが
武器を手にあい見えるわけだから想像つくでしょう、どんな様子か?

こんな様子…(笑)。

画像

画像


邦画で言えば、黒澤明の「七人の侍」に近いかな?
といっても、もちろんあの侍たちみたくカッコいいんじゃないの。
逃げ惑う農民たちがいたじゃない。
あの農民たちがさ、逃げないで、槍・鉄砲もって、
相手の農民たちと戦う?

そういういわば農民群集劇みたいな感じ…。

しかも、観客がわかろうがわかるまいが
そんなの知ったことかって感じでさ(笑)、
もうテンポよくドンドコ行っちゃうのよ。
男も女もドンドコドンドコ、悲鳴をあげながら…。

しかも音楽はほとんど使わない。
生音だけ。生音が音楽になってる感じ…。
ね? なんか話聞くだけですごい感じするでしょう。
え、しない…?(笑)

ホントなんだって、めちゃくちゃカッコいいんだって。
これまで私が観た韓国の史劇映画では文句なしにNO.1。
徹底して私好み…!(笑)

少ない音楽の使い方もうまい!
とくに、城から逃げ出してきた妾が韓国の民謡(?)を歌いはじめると、
シーンはそのまま夜の戦闘に突入するのよ。
その女の朝鮮民謡が流れる中で島民たちが闘い、傷つき、死んでいく…。

画像


一方、こっちは城に立てこもった信者たち…。

画像


こっちはこっちでさ、歌い始めるのよ、賛美歌を。聖歌を…!
劣勢に立たされたこの信者たちは、
フランス軍が応援に来るのを待ってるんだけどね、
いやあ、この音楽効果に私は一瞬鳥肌たったわ…。

シム・ウナ?
村の女たちと一緒に海に潜る海女の役で、
もちろんイ・ジョンジェ演じるイ・ジェスの恋人役。
ちゃんと相聞歌もあるのよ、この作品。
だからいいんだって…(笑)。

映画始まるときはイ・ジョンジェ、
もうシム・ウナに首ったけで、
例によって鼻の下伸ばしてるニヤケ男なの(笑)。

え、こいつが反乱起こすの? 
またあ。うそ~っ感じなんだけどさ(笑)。
状頭になって、指揮をとりはじめて、
闘いを重ねていくにしたがって、ドンドン格好よくなっていくのよ。
で、しまいには、これ…。

画像

画像


信者たちと付き合ってる男を捕縛する。
男は日本刀を隠しもっていて、
倭人(日本人)ともつきあっていることがわかる。

と、その日本刀で男の首を一瞬にして切り落とし、
すさまじい返り血を浴びる。
いつしかそういう非情さをもった男になってしまっている…?

このシーン、すごかったよお。

島民の描きかた、
戦闘シーンの撮り方、そしてこのシーンとラストシーン観てると、
ああ、この監督明らかに黒澤明やってるなと思うんだけどさ、
イジョンジェも「椿三十郎」の三船敏郎、完璧に超えてたなあ、
少なくともこのシーンだけはさあ…。

このあと、シム・ウナの演じるスクファと洞窟で会うシーン…。

画像


いやあ、また観れました、シム・ウナのチョゴリ姿!
いいよねえ…!

このときはスクファ、もう知ってるんだろうね、イ・ジェスの運命を。
で、もう会えないと思って、こうやって、正装してきた…?

もったいないけど、どんどん見せちゃうね(笑)。

画像

画像

画像

画像


たださあ、
シム・ウナの登場シーン、そんなにないのよねえ。
ま、しょうがないか、群集劇だもん。
でも彼女、やっぱりすごいわ。
「美しい彼女」で見せたあの涙、
ここでもジョンジェ相手に見せるんだよねえ…。

いつもならジョンジェばっかり観てる私も
さすがにここだけはシム・ウナだけ観てたわ。
ごめんな、ジョンジェ。おれも男だしさ…(笑)。

で、二人のラスト・シーン…。

画像


ジェスが海にやってくる。村の海女たちが海に潜ってる。
岩場に立ったスクファを遠くから眺める…。

画像


そしてジェスに気づいたスクファも…。

画像


いいねえ、二人とも…(泣)。
俳優はやっぱり佇まいだよね。ちゃんとまっすぐ立てるか。
きれいに立てるかなんだよね…。

いやあ、ジョンジェの映画、ひさしぶりに堪能したよ。

え、最後…?

最後は済州島が落ちて、ま、民党の勝利に終わるんだけどさ。

え、ジェスはどうなったか?
スチール見せて? 黒澤的映像を…?
ごめん。それだけはちょっと見せられない。

そうじゃなくてさ、
ジョンジェ・ファン、泣くに決まってるもん。
でも、すごい写真だよ。
あ、この監督、この写真撮りたくてこの映画撮ったのかも、
と思わせるくらい…。

あ…。

あとで調べたら、これ、
済州島で実際あった話らしいの。

そう言えば、
1948年には4・3事件が起きて、6万人が…、
島民の5人に1人が虐殺されるという事件もあったよな。

もともと文化圏的にも独自なものをもってた。
でもずっと他国に侵略されつづけてきた島…?

そういうことちょっと知ってたんで、
ほんと言うとすこし複雑な気持ちで観てたとこもあるかな…?

絶対観てほしい1本!
いまからでもいいんだからさ、どこかDVD発売してくださいな。
お願いします。
もったいないです、こんないい作品観れないなんて。

あ、そのときは
ぜひ私に日本語字幕やらせてくださいな。
ジョンジェとシム・ウナいっぱい観れるし…(笑)。


●tenchanさん
お元気なご様子、とてもうれしいです。
ほんと超難解な日本語でしたが(笑)、
なんとか日本の私たちにもわかってもらおうと、
慣れない日本語を一生懸命いじってる神様の姿が見えてきて、
ものすごく嬉しかったですね…(笑)。
シム・ウナの出番、私にはちょっと少ないような気もしましたが(笑)、
村の女たちにすっかり溶け込んでるのがもう見事でした。
ジョンジェとウナが、夜、海岸で密会し、ジョンジェがのしかかる
シーンなんかも、もう最高でした(笑)。
それに、山の頂で、亡き友を偲ぶシーンが2度ありましたが、
あそこも私には忘れがたいシーンです…。
しかし不思議でしようがないんですが、どうしてこんなに
すばらしい映画が日本ではDVD発売されないんでしょう?
「火の鳥」もそうだし、「太陽がない」とかも…。
悔しくて泣きたくなっちゃいますよねえ…!(泣)

●ひらいさん
ひらいさんにも神様から夏のプレゼントが!
おめでとうございます。こりゃひらいさんにこっそりコピーして
送らなきゃ怒られるかなと思ってたくらいなんです…(笑)。
こういう映画観てると、ほんと、ああ、このひとたち、
ほんと映画好きで作ってるんだよあと思って感動します。
日本の買い付け屋さんたち、どこまでもマーケット主義
なんですかねえ。なんか哀しいです。
ひらいさん、一緒に買い付けに行きませんか…!(笑)

●たまねぎさん
はい、NO1だと思います。
ただし私がこれまで観た韓国映画の中ではということです(笑)。
イルグクのドラマ、観たいのは山々なんですが…。

ありがとうございました。

クリッとしていただけると嬉しいです
TVショッピング大人気商品!立花みどり開発!姿勢ウォーカー
着けるとベルトのサイズが小さくなるかも?!おなかスリマー


にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村


ブログん家


■100分 韓国 ドラマ

原作 ヒョン・ギヨン
脚色 パク・クァンス,オ・スンウク,ト・ソンヒ,シム・ジェヒョン
監督 パク・クァンス
撮影 キム・ヒョング

出演
イ・ジョンジェ→イ・ジェス
シム・ウナ→オム・スクファ
ミョン・ゲナム→チェ・グソク
フレデリック・アンデロ→ク天主教神父
セバティアン・タベル→ムン神父
カン・シニル→マ・チャンサム

1901年,済州島にも天主教(カトリック)が入って来た。しかし,一部の腐敗した信徒と結託した悪辣な封税官たちの横暴によって苦痛を受けた済州民たちは,憤怒が極に達し,どうせ餓えて死ぬならと争って死ぬ覚悟をする。
平民のイ・ジェス(李在守)は,乱が終わればすべての責任をとり,首を差し出すことが民乱の状頭の運命であることを覚悟し,愛するスクファを残して,民党のリーダーとして民衆の先頭に立って指揮をとる。
イ・ジェスは,神父と教会信者らが隠れている済州城を包囲し,官僚の腐敗と教堂の横暴の是正を要求する。
イ・ジェスと民党たちに向けて鉄砲玉が飛ぶ戦闘が続くが,ついに済州城を陥落させて城内に進入する。しかし,フランス艦隊は,既に済州島に向かっていた。

この記事へのコメント

tenchan
2010年08月21日 21:18
こんばんわ~
難解な字幕も何のその この猛暑より熱い山崎さんの評に嬉しく暑さも吹っ飛びました
リアルな描写に目を背けたくなることもありますが スクファの凛とした美しさに惹かれますね
ぜひ 山崎さんの字幕で観たいです
この年はもう一つシム・ウナさんとの「インタビュー」も撮ってるんですね 

ひらい
2010年08月24日 10:22
こんにちは
ご無沙汰しております。この夏、私にも天より素敵なプレゼントが届きました!本当に感謝しております。
『イ・ジェスの乱』でのジョンジェ、作品後半につれて顔つきが完全に変わってきてますよね?山崎さん言葉をお貸し頂けるなら、まさにジョンジェがイ・ジェスという人物に憑依しているからでしょうか。
この作品を観ていてATG系の映画を観ているような懐かしさを感じたのですが・・・・・。
しかし、山崎さんも嘆いておられますが韓国映画に対する日本での評価はマーケットでの市場価値に比例した状況になっているのではないでしょうか。
哀しいし寂しいですね(涙)
『アドリブナイト』のコメントでも触れましたが、カンヌ女優のチョン・ドヨンとジョンジェの『下女』も日本での公開はなさそうですね。せめてDVDの発売だけでもお願いしたいところです。

失礼しました。
たまねぎ
2010年08月26日 03:43
@@史劇では№1なんですか~!そりゃー私も観てみたいです。ジョンジェ作品、ドラマでしか観たことないのですが、史劇ではありませんでした。史劇では断然、イルグクだと思ってる私です^^;「美しい彼女」もドラマでした。どうか一度だけでもイルグクの史劇ドラマ観ていただきたいです!

この記事へのトラックバック

  • イ・ジョンジェ 最新情報 - これ好き! KoreaFan

    Excerpt: イ・ジョンジェ の最新情報が一目でわかる!ニュース、ブログ、オークション、人気ランキング、画像、動画、テレビ番組、Twitterなど Weblog: これ好き! KoreaFan racked: 2010-08-26 04:32