巴里の屋根の下 (1930)

[512]巴里の街や人や恋を情景として映し出した詩人のルネ・クレール…?
★★★★★★

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ルネ・クレールのトーキー初作品。
観るのは数十年ぶり…?
いい映画だよなあ…。

でも冒頭、こんなだったっけ…?
ま、いいか、憶えてないし…(笑)。

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クレジットが映し出される。
懐かしいなあ…(笑)。
むかしのは絵見てるみたいでいいなあ。

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巴里の空の下の屋根がいくつか映し出される。
パリはやっぱりこの「巴里」でないとね。
昭和モダン…?(笑)

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カメラはある屋根の下の路上を捉え、降りていく。

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路上にその屋根の下で暮らす人々が集っている。

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本編の主人公のひとりである、
路上歌手・アルベールが歌っている。

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集うひとたちの中に、
本編のもうひとりの主人公であるポーラがいて、
みんなと一緒に歌っている。

  年は20歳 花咲き乱れる春
  愛し合うには 最高の時…
  イヤと言いつつ身をゆだねるニニ…

恋をするニニという若い女の物語をうたった歌である。

この時点で、
この物語のモチーフはすでに述べられている。
あとはただ、ニニの恋物語に沿って、
アルベールとポーラの恋物語が紡がれるだけ…?

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ポーラに恋する男がいる。
街の与太者のフレド(右の男)である。
与太者だって恋をする、巴里は恋の街なのだから…。
ポーラはそのフレドに誘われて酒場へ行く。

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酒場に現れたポーラを口説いてみようかと
軽口をたたいている男がいる。
アルベールと、その無二の親友ルイ(右の男)である。
ふたりはサイコロを振る、声をかける順番を決めようと…。
しかしポーラを口説いているフレドを見て諦める。

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ポーラはひとり酒場を走って出て、涙にくれる。
イヤと言いつつ身をまかせてもいいかと思ってはいたが(?)
フレドにはちゃんと女がいるとわかったからだ…。
その姿をアルベールが見かけて声をかけ、
ポーラをアパートへ送っていく。

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が、ポーラはフレドに部屋のカギを取られたことを思い出し、
部屋に入れない。

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仕方なくアルベールはポーラを連れて、
夜の巴里をあちこちコツコツと…。
まあ、このシーンの石畳の影のなんと美しいことか…。

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夜更けてポーラはついにアルベールの部屋へ…。
しかし巴里の屋根の下の独身男のベッドはひとつ。
アルベール、ポーラにひとりでベッドを使えと言ってはみたものの、
オトコが疼いて隣に潜りこもうとすると、
ポーラ、イヤよイヤイヤとつっぱね、朝までケンカ…?

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朝、怒ったアルベールは帰れと追い出すのだが、
ポーラはドアの外で動けない。
アパートにフレドが押しかけてくるのではないかと恐いだ。
しかたなくアルベールは言う、
自分の部屋だと思ってここにいな…。
ポーラ、ゆうべはあれほどいやがっていたのに、
喜んでアルベールに抱きついてキスをした…。

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始まる巴里の屋根の下の恋暮らし…。

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昨夜、ポーラの部屋で待ちぼうけを食らわされたフレド。
こういうことだったのかと、遠巻きに威嚇し、
数日後、ついにアルベールに走り書き…、
「おれの女から手を引け。さもないと」…(笑)。

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が、そのころアルベール、
掏りのダチ公から預かったバッグのせいで、
警察にしょっ引かれてしまう。
アパートを引き払ってアルベールのもとへやってきたポーラ、
それを偶然目撃して車を追うが…。

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ポーラ、どうしようとアルベールの親友ルイに相談するうちに、
いつのまにかアルベールのことなど忘れてこうなった…。
なんだ、巴里の女も東京の女と同じだぜ…(笑)。

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アルベール、掏りのダチ公が捕まり、嫌疑が晴れて釈放。
ポーラが待っている思いアパートへ帰るが、
待ってた気配すらない…。
酒場へ行くと、ポーラが近づいて来たが、そ知らぬふり…。

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お、出てきたか、色男。
おれの女に手を出すなって忠告したはずだぜ。
表へ出ろ。ナイフを取れ…!

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ついに始まったよ、女をめぐるナイトどもの決闘が…。
さすが与太者、アルベール危うし。
と、次の瞬間、銃声一発…、ルイが助けに駆けつけた。
その銃声を聞いて警官たちが駆けつけて、
逃げるフレドとその仲間を一網打尽…。
一方、アルベールとルイは…、

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こうやって酒場の従業員になりすまして難を逃れた…?
しかし酔った客の老紳士さん、もう絶品だよねえ…。

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ともあれ、これで一件落着。
ポーラ、おれは命を賭けておまえを守ったよ。
と、アルベールが抱きしめてキスをしようとすると…。

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え、なに? なんだよ、ローラ…?
そうか、そういうことだったのか…!
いや、誤解だよ、アルベール。おれはだな、べつに…。

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なんて野郎だ、ルイ、おまえって野郎は。
おれが臭い飯を食わされてる間に、てめえ…。
見損なうな、アルベール。おれをそんな男だと思ってんのか。
これはだな、ローラが…。
いや…、いいか、あのとき振ったサイコロ、いまだから言うが、
おれが勝ってたんだ。てことは当然おれに…。

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おい、待てよ、アルベール。帰るな。おまえ、本気だったのかよ。
もういい。考えてみりゃ、おれよりおまえのほうがお似合いだ。
だったらおれが身を引く…。
ばか野郎。ローラはお人形さんじゃないんだ。幸せにしてやれ。
おい…。
おれをフレドと思うなよ。ローラ、幸せにしてやるんだ。
あばよ…、と、巴里の寅さんは去った(笑)。

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翌日、あの路地の広場にまたアルベールの歌声が…。
で、カメラはゆっくりと上って、また巴里の屋根々々を…。


と、書いたところで、
ほかのかたのホームページをちょっと覗いていたら、
寺田寅彦がこの映画について語ってるという記事を発見…。

 『巴里の屋根の下』にはたいしたドラマはない。
 ちょっとしたロマンスはあるが、
 それはシャボン玉のようなロマンスである。
 ちょっとしたけんかはあるがそれもシャボン玉のようなけんかである。
 ピストルも一発だけ申し訳にぶっ放すが結果は街燈をひとつ
 シャボン玉のように壊すだけである…。
 全巻を通じて流れている美しい時間的律動とその調節の上に現れた
 この監督の鋭敏なきめの細かい感覚である。換言すれば
 映画芸術の要素としての律動的要素の優秀なるできばえである…。

なんだ、もうわたしの言うことないじゃん(笑)。
はい、おしまい…、という訳にもいかないので、
同じことをわたしなりの言葉で言おう…(笑)。

ルネ・クレールは
ここでアベールとローラの…、
男と女の恋のドラマを描こうとしてるんじゃないんだよね。
そうやって観てしまうと、
なんだこのローナって女、ひでえな、これがヒロインかよ
ってことになってしまう…(笑)。

クレールが描こうとしているのはあくまで、
巴里の屋根の下で繰り広げられている恋の「香り」なのね。
恋ではなくて、あくまで恋の「香り」…。

そういう意味でいうと、
ローラも恋をしようとしてる、恋をしている、というより
恋の「香り」を楽しもうとしてる…?
まだおとなじゃないのよ。少女…(笑)。

すこし言いかえると、クレールは、
巴里の街を、巴里の屋根の下で暮らす人々を、
男たちや女たちの繰り広げる恋を、
巴里の街の屋根の下の「情景」として描こうとしてる…?

ローラがお人形さんみたいなメークをしてるのもそのせい。
物語が、描かれる人間が「類型」化しているのもせい。

すべてを「情景」にしたいのだから、
生臭いこと、生臭いものは、いっさい厳禁! タブー…!

クレールはチャップリン同様、
映画のトーキー化をものすごく嫌った監督なんだけど、
それもそのせい?

すべてを情景として映し出したい、
「写真」として撮りたいという気持ちがあったからだとおもうの。

写真に人間の声なんか入ってないじゃん(笑)。
「声」を入れてしまうと生臭くなっちゃうじゃん。
情景にならなくなっちゃうじゃん。
だから…(笑)。

この映画、オール・セットなんだけど、
オール・セットにしたのもたぶんそのせい…?
実写で撮ると、どうしても巴里の街の生臭さが入ってくるから…。

クレールが撮りたいのはあくまで実際の巴里の街ではなくて、
巴里の「香り」の部分だけだから…。

で、寺田寅彦が言うように、
すべてが「シャボン玉」のようになってしまうんだとおもうの…。

この映画、実際にはトーキー(セリフが入るところ)と、
無声映画の融合みたいな感じで撮ってるんだけど、
私の好み(?)で言うと、
音楽は使っても、全編「無声」のほうがよかったかも
って気がしないでもないんだけどね。

でも、ほんと素晴らしい映画だよねえ。
うっとりして観ちゃう…(笑)。

観たことのない若いひとには、一度はぜひ観てほしい作品…!


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■75分 フランス ロマンス/ドラマ

監督: ルネ・クレール
脚本: ルネ・クレール
撮影: ジョルジュ・ペリナール ジョルジュ・ローレ
音楽: ラウル・モレッティ アルマン・ベルナール

出演
アルベール・プレジャン
ポーラ・イルリ
ガストン・モドー
エドモン・T・グレヴィル

クレール最初のトーキーで、その音の使用には目をみはる(?)ものがある(鉄道のガード下の決闘などその効果を最大限に発揮)人情喜劇だ。そして素晴らしいセット(パリの実景は一つも出てこない)。リアルだが、おとぎ話の中の町のように親しみやすい“どこにもない”場所で展開される、男女の素朴な物語……。有名な主題歌はタイトルでは流れず、まず題名通り、雨で濡れるパリの屋根屋根を捉えたカメラが、路地で雨宿りをする若者アルベールとルイを映し出す。その二人の間をレインコートの娘ポーラが通り抜ける暗示的な開幕。彼女を見る二人の視線の交わしようで彼らの関係が如実に分かる。舗道の向かい側で娘を野次る与太者フレドを見せ、さっと最初のシークェンスで主要な登場人物を出し、台詞らしい言葉は喋らせないのは、クレールがトーキーの真意をよく理解している証拠だ。さて、翌日。屋根から降りたカメラが街角の人だかりを捉え、次第に歌声も届く。例のシャンソンが演歌師のアルベールによって披露されているのだ。ポーラの姿もそこにあった。その夜、悪漢フレドに部屋の鍵を奪われたポーラは、夜更けの街で再会したアルベールの部屋に転がり込む。こうして二人は一緒に暮らすようになったが、トラブルに巻き込まれたアルベールは逮捕されてしまう。そしてポーラは、彼が留置所で過ごすうちに、親友ルイと恋に落ちてしまった……。



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