GOGO70s (2008)__前

[524]韓国の伝説のロック・バンド「デビルス」を描いた傑作
★★★★★☆

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70年代韓国の伝説的なロック・バント
「デビルス」を描いた伝記映画、というか青春グラフティ…。

といっても、韓国音楽について無知な私が
「デビルス」なんてバンド知るわけがない。
観終えたあと、この映画の資料を探して知ったこと…(笑)。

ロック・バンドではなくて、日本同様、
韓国でもそのころは「グループサウンズ」と呼ばれてたことも…。
懐かしい…!

で、映画が始まったころから、
私はもう涙、涙、涙のオンパレード…。

映画とは言っても、これ、なんと半分以上が
演奏して、歌って、踊ってのステージ・シーン、ライブ・シーンなのよ。
私は演奏も歌もできない自称音楽音痴なんだけど、
聞くのだけはもう大好き。センスもある! つもり…(笑)。

しかも、「デビルス」の演奏と曲がめちゃ好き!
たぶん国は違えど、音楽的には同世代だからかもしれないけど、
初めて聞くバンドのような気がしなくて、

演奏シーンになると、その演奏聞くだけで、歌聞くだけで、
感激して、痺れて、涙でボロボロになっちゃった…、
というわけ。

いかん。まだ興奮してる、ひとりで喋ってる、例によって…(笑)。

60年末から70年代はじめの記録映像から始まるの。

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そのひとつで、たぶんベトナム戦争に派遣される韓国兵士たち。

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一方で、グループサウンズに熱狂する若者たち。

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で、舞台の始まりがこの大邸(テグ)にある米軍基地村…。
この瞬間、私はもう涙…(笑)。

キム・ギドクの「受取人不明」を観たときから、
じつはずっと在韓米軍基地村の話を描いた作品を期待してた。
サブ・カルチャーをはじめ、アメリカが
韓国に与えた影響、傷は絶対大きいはずだから…。

でも、そういう映画は「受取人不明」以外ほとんどない。
私の観たものでは、ない。孤児の移出みたいな話はあるけどね。
で、「受取人…」以来、やっと出会えた…?

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基地村クラブで3人グループがアメリカン・カントリーを演奏してる。
中央で歌ってるのはサンギュ(チョ・スンウ)。

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ソウル・ミュージックを演奏する3人グループ。
こっちのほうがもう断然カッコいい(笑)。

米軍黒人兵が、クラブの韓国の女の子にチョッカイだして、
この3人のうちの1人が
演奏やめてケンカ始めちゃったものだから…、

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サンギョ・グループが演奏の助太刀に入って、
待ってました、「デビルス」の初ライブ…!

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「デビルス」にはじつはもうひとり女の子がいる。
サンギュを追っかけまわしてるミミ(シン・ミナ)。

黒人兵たちからソウルを学び、ツイストを体得する。
ついでにサンギョと一緒に、将校の家からレコードを盗む(笑)。

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そのミミから、ソウルで
ロック大会(プレイボーイ杯)が開かれてるという話を聞いて、
「デビルス」6人+1人は賞金100万を稼ぎにソウルへ…!

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ソウル全景…、こういう写真もちょっと珍しくない?
「デビルス」は会場の、ロックの殿堂(?)市民会館へ…。

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そして「デビルス」の演奏が始まった!
衣装は、「とにかく目立とう!」というミミのアイデア(笑)。
ギェーッ、カッコいい! 痺れるぅ~!(感涙)

と、ノリまくって大騒ぎしてるのは私だけ?
ソウルの若者と審査員はシラー…。え~っ、なんでえ…?(驚)
あ、ひとりだけいた。見て、一番下の列の
メガネかけて白いスーツ着たおじさん(笑)。

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このおじさんのおかげで
特別賞と商品・小麦粉1ケ月分を獲得(笑)。
でも、なかった。
彼、じつは「週刊ソウル」の芸能記者で、
カリスマ的な音楽評論家イ・ビョンウクだった。
彼との出会いで「デビルス」はのちに超人気グループに…!

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宿にもありついた。
会場に来ていたロック・ファンの姉弟の家が
ホテルをやっていて、7人は屋根裏部屋を獲得。
嬉しいよねえ、いいよねえ、サクセス・ストーリーまっしぐら…(涙)。

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でも朴正熙軍事政権下。
ベトナム戦争派遣、戒厳令公布(72年)などで
サブ・カルチャーも苦難の時代…。
ソウルのロックの殿堂・市民会館も謎の出火…。

ミミが記者イ・ビョンウクに泣きついて
ようやくもらった仕事が民謡の伴奏(笑)。

しかし演奏中、その民謡も突然ロック調に…!
それがよくて私はまた涙…(笑)。

そのレコードを聞いて私同様に感涙したイ・ビョンウクが、
ついに立ち上がった。
夜間禁止令を逆利用。
営業が赦されている外国人専用クラブで、
その時間帯に職を失ったロック・グループ連中と、
行き場を失った若者たちのためにライブをやろうと…。

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かれは「デビルス」ら、ロック連中を集めてアジった。
店名は「ニルバーナ(涅槃)」だ。
恍惚の境地(エクスタシー)を作り出せ、と…。

カッコいい。ロックと仏教をみごとに合体させちゃったよ…!(笑)

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が、ライブがスタートしても「デビルス」危うし。
なんと人気はダントツの最下位…(笑)。

ホールの片隅でいつも見守っていたミミはない頭を絞った。
そしてある夜、考案した衣装を身につけて、
演奏中の「デビルス」の前に乱入し、ツイストを踊りはじめた…!

そう。故郷テグの、
あの米軍基地村で身につけたソウルを爆発させたのだ。
「デビルス」も演奏をツイストに…。

客が騒然となった。
そして我先に椅子から立ち上がり、演奏とミミに乗った(泣)。

当たり前だよねえ。
上の写真よ~く見て。
ロックのライブなのにさ、聞いてる連中、みんな椅子に座ってんだよ。
私もどうもヘンだぞ、この連中と思ってたんだけどさ…(笑)。

ま、このあとわかったんだけどね。
店側は、入場料を取らずに酒代だけでやろうとしてたのね。
そりゃ椅子とテーブルいるわ。
この演奏を機に店はテーブルと椅子を撤去した…。

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カリスマ音楽評論家イ・ビョンウクもミミの才能に敬意を表し、
「デビルス&ゴーゴー」を発案した。
そう、あのゴーゴー・ダンスだ、懐かしの…!(泣)

イ・ビョンウクはミミを踊らせ、シャッターを切り、
ゴーゴー・ダンスのパンフレットを創った(笑)。

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「デビルス&ゴーゴー」はたちまち頂点に上りつめた。
ミミも待望の歌手の仲間入りを果たした…。

これやってるといつ終わるかわからないので、
あとは駆け足…。

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しかしグループはそのあと、
音楽か金かでもとの二つのグループへと分裂状態に…。

ギターリスト・マンシク(チャ・スンウ)のグループのドンスが、
演奏中に、店の出火で焼死…。
74年11月のことで、88人が死亡、負傷者多数…。

ドンスの家へ遺骨を届けたあと、
リーダーのサンギュがグループの解散を宣言…。

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金大中事件、民青学連事件、文世光事件と
打ち続く政情不安定の中で、
軍事政権は、風紀を取り乱す若者たちを強制的に取り締まり、
「デビルス」のメンバーたちも逮捕される…。

お前らのまわりで大麻を吸ってる有名人の名前を言え、
と拷問されて、サンギュが、
自分の傾倒してる音楽家の名前をあげたとき、
私は泣き笑いしたけどね。

誰だとおもう?
ジミヘン(ジミ・ヘンドリックス)…!

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当時の映像…?
上) ギターを肩に歩く若者。
下) 長髪の若者は見つかるとこうやって街中で髪を切られた。

でも、こうした権力の発動はいつも裏目に出る。
人間の心まで取り締まることはできないからだ。

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誰かが言う。
「日本にでも行くか」
誰かが答える。
「やめとけ。歌手は名目だけ。
実際はオバサン相手に体を売るんだ」(笑)
誰かが言う。
「刑務所へ行くよりましだ」…。

みんな、仲間を売って心が重く沈む…。

サンギュが言う。
どうした。暗い心に灯をともすのがデビルスだ。
もう一度ニルバーナでコンサートをやろうぜ…。
消沈していたメンバーが雄叫びをあげる。
そうだ、ロックンロールだっ…!

この項目(後)へ続く。

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■118分 韓国 青春/ドラマ
監督: チェ・ホ
脚本: チェ・ホ
撮影: シン・ギョンマン
音楽: パン・ジュンソク
出演
チョ・スンウ
シン・ミナ
チャ・スンウ
イ・ソンミン

大邸(テグ)の倭館(ウェグァン)の基地村クラブで、気に入らないカウボーイ・ハットを被り、気が向かないカントリー音楽を演奏しながら日々を送るサンギュ(チョ・スンウ)は、久しぶりに耳を疑うような強烈なギターサウンドを耳にする。
そのギターの主は、「ブラックミュージック」と呼ばれるソウルミュージックにハマっている基地村きってのマンシク(チャ・スンウ)。
二人は意気投合し、6人組バンド<デビルス>を結成する。
サンギュのシャウトと、マンシクのビートが利いたギターサウンドの絶妙な調和、そして情熱溢れるステップで、基地村のステージを立ち回るデビルス。もっと大きなステージを夢見たサンギュは、入隊通知書(赤紙)を破り捨て、<デビルス>と、サンギュに憧れる歌手志望生ミミ(シン・ミナ)を連れ、何も考えずに上京する。
ソウルでの初めてのステージは、「プレイボーイカップ グループサウンド競演大会」。<デビルス>は、彼ら独自のステージで、音楽業界を牛耳る音楽評論家イ・ビョンウクの目に留まる。
上京して1ヶ月。ロックを演奏する場所だった市民会館火災事件と、退廃風潮強力取締りのため、彼らが立つステージを探すことは容易ではない。グループサウンド競演大会で貰った小麦粉1袋で持ちこたえた<デビルス>は、夜間通行禁止令をくぐり抜け、大韓民国初のゴーゴークラブ<ニルヴァーナ>をオープンさせたイ・ビョンウクによって、電撃スカウトされ、いよいよステージへと立つことになる。
まもなく<デビルス>は、パワー溢れるソウルと、個性的なパフォーマンスで、「大韓民国最初のソウルバンド」と呼ばれながら、爆発的な人気を得るようになる。そしてミミも、<ミミとワイルドガールズ>を結成し、ゴーゴーダンスと、ゴーゴーファッションで流行を先導しながら、トレンド・リーダーとして、禁止された「夜の文化」の中心に立つようになる。


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