その男の本198ページ (2008) 

[549]死者を通して生まれる愛の描き方は捨てがたい
★★★☆☆☆

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お、なかなか小粋なタイトルじゃないか、
と手に取って観たら、
うん、タイトル通りなかなか小粋な映画だったよ…、

と言えればいいんだけど、
小粋を狙ってちょっと小粋に失敗したような作品。
でも、それなりに面白くていい映画なんだけどね…(笑)。

監督は、
「天国からの手紙」を撮ったキム・ジョングォン。
このひと、懲りすぎ。
懲りすぎて失敗するタイプ…(笑)。

「天国からの手紙」は、
キーワードをてんこもり盛って、
最後は自分でも収集つかなくなって失敗。

この作品は、
ストリーリーを謎解きふうにしようとして、
つまんない枝葉をいっぱいくっつけて失敗…?

でも、なんとかみんなに面白い映画を、いい映画を、
みたいな心根が透けて見えてけっこう好きだけどね、
私、このひと…(笑)。

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毎日、図書館にやって来て、
本の198ページを破っていく変な男がいる。
女性職員のウンスが警官を呼んでとっ捕まえる。

でも性懲りもなく毎日やってきて
図書館の本の198ページをコピーしてる。

で、ウンスが事情を聞くと、じつはあるひとに、
「あなたに言いたいことが198ページに書いてある」と言われ、
本の198ページを読んで、その言葉を捜してるのだ
ということがわかる…。

お、なかなか小粋な話じゃないかとは思うんだけど、
でも、どう考えてもこいつは病気だぜい…(笑)。

だって、図書館の本なんだから破いちゃいけない
ってことがわからないのが変だし、
どうしても欲しいんならコピーすればいいじゃん
ってことがわからないのも変じゃん…。

青年なんだよ。もういい大人なんだよ。
韓国のひとは大人になってもそんなことがわからないわけ?
そんなわけないでしょう、ねえ…?(笑)

なのにウンス、この青年は…、
ジュノは病気じゃないって思ってるんだよ。
最初はちょっと疑うんだけどさ…。

と、ねえ、
ひょっとしたらウンスもちょっとおかしいのかな?
なんて思っちゃうじゃないの、私…(笑)。

実際、このジュノ青年、病気なんだよね。
愛する女性を助手席に乗せて、彼女の故郷へ向かう途中、
事故に遭ったんだよね。

で、自分は助かるんだけど彼女は死んでしまった。
そのショックで彼女のことを忘れちゃうんだよね。

といっても、
事故に遭う前までのことは憶えてるもんだから、
彼女は突然自分のそばから消えた、立ち去ったと思ってる?
で、彼女の「198ページ」云々の言葉を手がかりに、
彼女の行方を追ってるという話なんだけどさ。

お、なかなか小粋な話じゃないかとは思うんだけどさ、
その記憶の程度がまた辻褄合わないっていうか…(笑)。

ある日、ヤクザに呼び止められる。
でもジュノはその男のことを憶えてない。
でもでも、ある夜、そのヤクザの座敷に呼ばれるシーンになると、
え、憶えてたの?みたいになっちゃうのよ…(笑)。

だいたいなんでヤクザが出てくるの?
ウンスに、かれ、ヤクザ…? って勘違いさせるため?
話を面白くするため?

それとも日本料理屋の板前はヤクザと関わらせないと、
リアリティーがないと思うわけ、韓国の観客…?
ジュノ、じつは包丁人という設定なんだけどさ、日本料理の。
ねえ、監督さん、どういうこつ…?
ヤクザを出す必要全然ないと思うんだけどさ、私ゃ…(笑)。

ラストなんかもっとすごいのよ。

ウンスがジュノをあるお寺に連れて行く。
ジュノは以前そのお寺に来たことを憶えてない。
でも、そこに
愛する彼女の霊に自分が奉げた札(霊歌)があるのを見て、
突然すべてを思い出す…。

ま、それはいいんだけどさ、
でも、ウンスはそのお寺にそういうのがあることいつ知ったわけ?
誰に聞いたの?
ジュノの親父代わりの男(キ・ジュボン)に聞いたわけ?
じゃ、ジュノはその札、いつ書いたの…?

みたいに、ほんと私には謎だらけなんだよね。
一見、小粋な話に仕立ててあるように見えて、
なんか全部ご都合よくお進みになってらっしゃるような…(笑)。

でも一方でちょっと疑ってるところもあるのよ。
字幕で観てるんだけどさ、
翻訳者がいい加減なんじゃないの?
わかって、ちゃんと字幕やってないんじゃないの、という…?(笑)
でないと、いくらなんでも穴だらけなもんだからさ…。

と、まあ、いろいろあるんだけど、
それでも私は「天国からの手紙」同様、許しちゃうんだよねえ。
けっこういい映画じゃないのよって…。

なにがいいのかって…?

ジュノが事故のショックで愛するひとの記憶を失い、
愛するひとを探し出そうとする。
それをウンスが手伝う。

そういう過程でジュノの心が次第に回復し、
ウンス自身の心も回復していく…、というお話だから…。

もうすこし言うと、
「死者」を通して二人に愛が芽生えていくという物語だから…。

うん、ストーリー的に懲りすぎて
うまく行ってないところはあるけど、
なかなか粋な話でいいなあと思うよ…。

ただねえ、音楽がうるさいわ。
音楽で盛り上げようなんて魂胆はだめよ。
選曲も下手…(笑)。

キム・ジョングォンさん、物語はできるだけ単純に…。
その代わり俳優の息遣いや微妙な心をもっと大切に…。
そうすると、あなた、
もっといい映画が撮れるような気がするんだけど、私ゃ…。

生意気言ってごめんね。

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ちなみに私が好きだったシーンはここ…。
二人で彼女の故郷を訪ねるところ。
会話もなかなかいいんだけど、
こういう列車の旅、私もまたしたいなあって。
チャンスあるのかなあ…(笑)。

あ、私の大好きなキ・ジュボン、
「アバンチュールはパリで」よりもう全然よかったよ。
さすがだね…!


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■97分 韓国 ロマンス/ドラマ

監督: キム・ジョングォン
原作: ユン・ソンヒ
脚本: ナ・ヒョン パク・ウニョン

出演
イ・ドンウク
ユジン
チョ・アラ
キ・ジュボン
ユ・ダイン

毎日のように図書館にやって来ては,手にとった本の198ページを破っていく,ちょっと変な男と愛に陥った図書館職員の物語。
通報もなく去っていった過去の恋人を探そうと,毎日図書館を訪ねては198ページの手がかりを探すけれど,たやすく彼女が残していった意味を探せない,ベールに包まれた,その男ジュノ。
毎日熱心に生きているが,失恋以後,人生がむなしく感じられたその時,図書館で198ページだけを探す男を発見して,その男の事情が気になり始めた,その女ウンス。
ウンスは,身分が曖昧な,その男ジュノが切なく探す<198ページの秘密>を明らかにするために,彼を助けてあげることにする。
<198ページの秘密>を探せば探すほど浮び上がる,自分たちの過ぎ去った愛の瞬間をつらく感じる二人。そして一緒にいる時間が流れるほど,ジュノとウンスは,胸の中に新しい感情を発見するようになる。果たして,記憶のページをめくれば,愛にまた会えるだろうか。

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