日本春歌考 (1967)

[557]あめのしょぽしょぽふるぱんに。一生忘れられない私の春歌です
★★★★★★

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「青春残酷物語」とともに、私の大好きな大島渚監督作品…。

公開時、私はまだ学生で、
「なんじゃ、これ?」ってよくわかんないくせに、いたく感動したのよ。
で、そのころとしては珍しくなんどか映画館に通った…。

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惹かれた理由はただひとつ…?

 あめのしょぽしょぽふるぱんに
 からすのまとからのそいてる
 まてつのきぽたんぱかやろう

 さわるはこちせんみるはたた
 さんえんこちせんくれたなら
 かしわのなくまてつきあうわ

これこれ、吉田日出子さんがうたうこの歌に痺れてさあ。
あれで私のいまの思想的態度は決まったようなもの…?
ほんとだよ(笑)。

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しかしいま観てもほんといい作品だよねえ。
映像も含めて驚嘆する。

しかも観ても観ても隅々までよくわかった気がしない?
わかるのよそうってもう諦めたところもあるんだけどさ。
だって、監督自身、隅々までわかって創ってる作品とは思えないし…(笑)。

じつはこの映画、紀元節が戦後初めて法制化されて、
「建国記念日」が生まれた2月11日前後に創られたのね。
それも映画としてはすごく短時間で…。
しかも紀元節復活に断固反対と、「運動」として創られた映画…。

始まってしばらくすると、
日の丸の赤いところを黒く塗りつぶした国旗をもって、
まるでお葬式みたいに粛々とデモする一団が出てくるんだけど、
あれ、この映画の製作者さんたちのデモなのね。

正真正銘、ほのもののデモ…、
紀元節日本に死をというお葬式デモ。
過激なんてもんじゃないよね、監督さんたち…。

それがわかってると、
難解に見えるこの作品も案外わかりやすいかもね。

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でも隅々までわかりにくいのは結局、
この映画が大島監督の映画じゃなくて、
運動に参加したひとたちの…、
製作者全員の映画として撮られてるからじゃないかと思うのよ。

ちょっと図式化すると、
脚本に田村孟 、田島敏男、佐々木守、大島渚と、
4人の名前が連ねてある。

田村、佐々木は大島一家のライターだけど、
この4人が集まって、大筋のストーリーを創って、
あと細かいところはその個人の恣意性に任せながら撮った…?
そういう創り方をしてるから、
とことん細部まで詰めて、統一性をもたせて創ってるわけじゃない?
時間もないし…。

で、その4人は、あの、
荒木一郎、岩淵孝次、串田和美、佐藤博の、
田舎からやってきた受験高校生4人として表されている…?
空想による「469」の…、田島和子の犯した方として…?

どうも、そういう創り方をしてるから…、
運動としての映画の創り方をしてるから、
普通の映画のわかりかたみたいなわかりかたができない?
たとえば「青春残酷物語」みたいなわかりかたができない?

そう思って私は諦めてる、わかろうっていうの…?

で、一方で、この映画が
いまなお独特の魅力と輝きを放ってるのも、
そういう「運動」として撮られた映画だからだと思ってるのね。

で…、うん、まだ「で」があるのよ(笑)。
で、この数年後、あの新宿騒乱事件が発生するんだけど、
あの事件が生まれたのはどう考えても、
この「日本春歌考」のせいじゃないかって私は疑ってるんだよねえ。

「性と政治」という大島的、
あるいは大江健三郎的主題を前面に打ち出してるわけじゃないけど、
あの、ごく自然発生的な混沌の作り出し方は、
まさにこの映画が作り出そうとしたものと同じなんだもの…。

若い世代を中心に、いろんな階層のひとたちが、
この映画に無意識に反応し、引っ張られて、あの新宿騒乱を
作り出そうとした…?

もっと言うと、
あの新宿騒乱事件は、高石ともやの
「受験生ブルース」に煽動されちゃってるところがあるんだけど、
あの「受験生」はどう考えても、
この映画に登場する受験生を踏まえてるでしょう!ってこと…?
詞を作った中川五郎にも聞いてみないとわからないけどさ。

まあ、少なくとも、私、個人のことで言えば
どう考えてもこの映画のせいだよ、おれのせいじゃないよ、
とはなっちゃうんだけどね…(笑)。

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ところで作品のもつイデオロギーは…、懐かしい言葉だなあ(笑)。
まあ、イデオロギーという言葉で語るのがいちばんいい
と思うからあえて使ってるんだけどさ。

政治にたいして政治で向かうな、性で向かえってことだよね。
吉本隆明さんに倣えば、
政(共同幻想)と性(対幻想)を倒立させよ、逆立させよってこと…。

それが春歌と軍歌・反戦歌の激突して繰り返されていく…?

田島和子に率いられた(?)反戦歌グループが、
われらがデコちゃん(吉田日出子)を輪姦するのは、
反戦歌連中は政治にたいして政治で向かってる、という喩なんだよね。

それじゃ紀元節日本を葬り去ることはできん!
と、この映画の製作者グループは言ってるわけ…。

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で、そのお返しとして、春歌グループ精鋭の荒木一郎が、
ラスト、反戦歌グループのリーダー・田島和子を殺す。
性による反乱=革命を起こす、行動を起こす…。
政としての紀元節復活を抹殺する…。
というふうに描いてるんじゃないかと思うんだよね。

田島和子の「469」もじつはそのことがわかってる。
そうしなくちゃだめなんだ、反戦歌じゃだめなんだって…。
だから自分を犯してくれ、殺してくれって言ってる?
「真実」を実現してくれ、革命やれってけしかけてる…?

学習院が、学習院を潰せって言ってるようなもん…(笑)。

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そう考えると、
荒木一郎はなぜ伊丹一三の先生を見殺しにしたのか、
という理由がよくわかるような気がするんだよね。

あの時点では、
荒木本人にもじつはなぜ見殺しにしたのか、
ガス管の元を閉めて助けようとしなかったのか、
よくわかっていないんだと思うのよ。

ただ、なんとなくそうしなかった。
そうしたくなかったから、そうしなかっただけ…?

でも、それじゃだめだ。
先生を超えるために自分はそうしなかったんだ。
先生を超えるために、政としての田島和子を…、
反戦歌グループを自分の意思のもとに殺す…?

そういう図式を描くために製作者グループは、
総意のもとにあの時点で
荒木に先生を助けようとさせなかった、というか…。
でないと、あの荒木の行動の謎がようわからんのだ…(笑)。

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で、その意志を築く契機になったのは、
小山明子さんと荒木一郎が「469」のもとへ向かう途中の、あの話。
小山さんの話す「春歌」由来の話…。

あの話を聞いて荒木は、
自分の中に突き上げてくる性衝動がなんなのかわかったというか、
やみくもな性衝動に方向を与えた、というかね…。

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あ、あんまり信用しないでね、私はいい加減なタイプなんだから(笑)。
私が勝手にそういうふうに理解してるだけなんだから…。

しかし、ラスト、
荒木ら男子高校生が田島和子を現実に犯そうと試みる教室で…、
あの学習院大学の教室で小山さんがアジる、
天皇および現日本人の騎馬民族説はいいよねえ。
ゾクゾクする…!(笑)

一世を風靡した騎馬民族説も
いまはどこか行っちゃった感じするけど、
私はいまだに信じてるよ(笑)。

時期的に、江上波夫が説いた時期かどうかはわからないけど、
韓半島のほうから「現日本人」がやってきて、
南のほうから海上の道をたどってやってきた
もともとの「原日本人」を北と南に追いやったり、
あるいは融和したりしてやってきたのは間違いないと思ってる…。

だからあのデコちゃんが歌う春歌が、
私の中でよりいっそう痛切に響いてるんだとおもう。

ちなみにあの歌、「満鉄小唄」といって、
「討匪行」という軍歌の替え歌なんだよね、朝鮮の女性たちの…。

軍歌(政)を春歌(性)に替える。転倒する。
そうすることで生き抜こうとする自分たち「大衆」の姿を、
この映画は語ってみせてくれてるんだよね。
吉本さんの言う「大衆の原像」を映し出そうとしている。
それだけわかりゃもう十分…?(笑)

し、しかし、いま思うと、
学習院、よ、よくこの映画の撮影をきょ、許可してくれたよねえ(笑)。
さすがに教室は違うみたいだけど…。

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これも戦後日本が生んだ映画の大傑作です…。

■103分 松竹 ドラマ
監督: 大島渚
製作: 中島正幸
脚本: 田村孟 田島敏男 佐々木守 大島渚
撮影: 高田昭
美術: 戸田重昌
音楽: 林光
出演
荒木一郎
岩淵孝次
串田和美
佐藤博
田島和子
伊丹一三
小山明子
宮本信子
益田ひろ子
吉田日出子

添田知道が性に関する俗歌を収集した「日本春歌考」(カッパブックス)に題名を借りて、「白昼の通り魔」の田村孟、「忍者武芸帳」の佐々木守と大島渚、それに十九歳の新人田島敏男が共同でシナリオを執筆、大島渚が監督した異色の風俗ドラマ。撮影はやはり「忍者武芸帳」の高田昭。

豊秋は広井や丸山たちと共に大学受験のため上京してきた地方の高校生である。
彼は試験場で見た女の印象から“チャタレイ夫人”を想い浮べ、性欲を感じた。女生徒の名は藤原眉子といい、ベトナム戦争反対の署名を集めていた。
試験の終った後、街へ出た豊秋たちはなんとなく建国記念日反対のデモに加わったがそこで、かつて彼らの教師で、いま大学のドクターコースに学んでいる大竹と彼の恋人高子を認めた。
豊秋たちは高子の白い脚を見ていっそう性欲を刺激され、デパートで助けた万引女をホテルに誘ったが失敗した。翌日、クラスメートの女生徒早苗や幸子と会った彼らは、大竹を訪ねたが、大竹は居酒屋で豊秋たちの性的欲求不満を見てとるとやおら春歌を歌い始めた。そして男生徒は一層性欲的になったのだが、女生徒は意味も分らず、無邪気に唱和していた。
その夜、忘れ物を取りに大竹を訪ねた豊秋は、ガス管を蹴とばして寝ている大竹を見たが、助ける気にならなかった。春歌を歌って眉子を犯す場面を想像していたのである。
翌朝大竹の死体が発見され、女生徒は泣いて悲しんだ。だが、豊秋は“泣いている女は性欲的存在である”という哲学的命題を立て、高子を訪ねた。そして大竹を助けなかったことを告白し、一番から十番まで春歌を歌うと十一番目に高子を抱いたのだが、初めてのことでうまくいかなかった。
事件は過失ということになったがその後、豊秋たちはプロテストソング大会で眉子に会い、空想で彼女を犯したと告げたが、意外にも眉子は空想を実現して欲しいと言う。彼らはある教室の中でそれを実行したのだった。彼らの行動は抑圧された性欲に根ざしていたが、現代の社会で抑圧されているものは若者の性欲ばかりではなかった。

●てっせんさん
てっせんさんは宮本信子が襲われるシーンを…!(笑)
よ、よかったあ。私はラスト、田島和子ではちょっと物足りなくて、
あの教壇に小山明子さんを横たえて、荒木一郎が…、ではなくて、
じつは私が犯すという空想を重ねながら観ていました、当時…(笑)。
大島監督もなんでそうしなかったんだろうと、ストーリーそっちのけで
なぜかいまだに引っかかっているところがあります。
ああいう理屈をこねてる女をやった方が、全然刺激的だと
どうしても思っちゃって…(笑)。あるいは消えていただくか…(笑)。
しかし、てっせんさんのおかげで謎がひとつ解けました。
ラストシーンなんですが、なんで映像的にも急に中途半端に
なっちゃったんだろうとずっと腑に落ちなかったんです。
でも、そうなんですね。
大島監督はじつはああやることで観客にバトンタッチをした、
観客をアジった。そう考えると、ほんとすんなりきますねえ…!(喜)
新宿騒乱のころ、私は広島にいたんですが、
よく東京に遊びに来まして、西口地下で騒いでいました。
もう毎日がお祭りみたいで楽しかったです…(笑)。
てっせんさんはいいですねえ、ずっと東京で。羨ましいです…(笑)。
ちなみに私が東京で暮らしはじめた時に最高に嬉しかったのは、
映画館がいっぱいあったこと、12チャンネルが毎日昼間から
映画をやってくれたことでした…(笑)。
韓国映画、吉田日出子さんの歌うあの歌のイメージが
重なるような映画に出会うことがありますねえ。
「膝と膝の間」「LIES/嘘」「悪い男」「愛人 もうひとりのわたし」
「秘蜜」「国幼性伝 いちぢく」「水の上の一夜」「イエローヘア」etc.…。
まあ、私が勝手に重ねて観てしまってるんだと思いますが、
そういう時がどうもいちばん私はイキやすくできてるようで…(笑)。

●てっせんさん
学生時代、私もごたぶんに洩れず、バリケードで封鎖した
大学内で生活しておりました(笑)。といっても、いま思い返しても、
みんなでマージャンをしていたことしか思い出せないのですが(笑)、
中には、この映画にアジられて、寝泊りしている女性をやったり、
やられることを望んだりしている女性がいたりしましたねえ。
それもけっこう数いたりして…(笑)。
私は「は? そういうことなの…?」という感じで連中をただ
眺めてるばかりでしたが…(笑)。
たけしはアジられたひとりだろうなあとは思っていましたが、
三島も入るとはまったく意外というか、新鮮な驚きでした(笑)。
かれが当時の時代の波に動かされて行動したのは間違いない
と思っていましたが、「日本春歌考」にまで遡れるのでは、
と考えてみたことがなかったんです。
でも考えるとたしかに、盾の会自体がそもそも春歌的ですね。
「反春歌」的と言ったほうがいいのかもしれませんが…(笑)。
それは冗談にしても、ラストシーンの教室の場面…、
背後の壁に日の丸と、黒い日の丸が並べて飾られていますが、
てっせんさんに言われると、たしかにあの黒い日の丸の前に、
三島の立っている姿が見えてきます(笑)。
本人は赤い日の丸の前に立ってるつもりかもしれませんが、
私の目では黒い日の丸の前です、恐ろしいことに…(笑)。
かれの行動は過激すぎた結果、黒い日の丸派に反転した、
としか私に思えないからでしょうか…?(笑)
そう言えば、あの自決した日、私はたまたま渋谷の小さい劇場で
GPをやっていたんですが、突然飛び込んできたニュースに
呆然とし、そのあとトイレでひとりなぜか泣いておりました(笑)。
思想的にはまったく相容れないものを感じていたのに、
どうしていまさら三島の死がこんなに哀しいのかと、
自分でも訳がわからなかったのを憶えています…(笑)。
学生時代の私の一番の親友が強烈な三島信奉者で、
「え? 鏡子の家? 面白くねえじゃん。あれ、
女、全然書けてないじゃん」と、喧々諤々やったことも
じつに鮮明に憶えています…(笑)。
私も脱線ばかりしておりますね。なんとも嬉しい脱線ですが…(笑)。

●てっせんさん
三島、「あ~あ、とうとうやっちまったか」…。そうですか。
よくわかりますねえ。でもそれは、
じつは醒めてもいないし、投げやりだとも思いませんが…(笑)。
舞台は学習院です、ラストの教室も…。
そこですぐ三島もと来るのが東京育ちのてっせんさんですよね。
田舎者の私は、三島が学習院だと知ってても、
学習院自体にもうひとつピンと来ないところがあるものだから、
哀しいことにすぐに三島を結びつけられなかったんです…(笑)。
デモ隊が歩いてる場所、外堀か内堀しか考えられないですよね。
でも、それも東京育ちでない私の貧しさで、どのあたりなのか…(笑)。
DVD版、たぶんカットされてるシーンがあると思います。
私も渡辺文雄や戸浦六宏ら、大島組の連中が喋ってたシーン、
たしかに記憶にありますので…。
てっせんさん、宮本信子がお好きなのか下着がお好きなのか…(笑)。
キューブリックの「時計仕掛けのオレンジ」はこの作品のパクリ?
いやあ、これも意外でした。
私も「時計仕掛け…」忘れてるので観直してみます。

●ランドルト環さん
お知らせ、ありがとうございました。早速、拝見しました。
この映画が公開されたときまだ生まれてなかったという
ランドルト環さんに、こんな資料館をつくっていただいて!
と、大感激しました。
私と芝居をやっている20代半ばの女の子も、大島渚と
この映画が大好きです。
早速、彼女にもランドルト環さんのページを知らせます。
監督も向こうですごく喜んでると思います!

ありがとうございました。

 
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この記事へのコメント

てっせん
2010年09月28日 22:01
今晩は。
ご批評、心待ちにしておりました・・・(笑)。
しかし、すごい偶然で、嬉しいですねえ。昔、学生時代の親友と紀伊国屋で出くわし、「誰それの何々が急に読みたくなってさ・・・」「何だよ、オレもだよ」「おおっ」と笑いあったときのウレシサに似ていますねえ・・・(笑)。

では・・・とりあえず、ラストシーンについてちょっと・・・。
「ラスト、反戦歌グループのリーダー・田島和子を殺す。性による反乱=革命を起こす、行動を起こす…。政としての紀元節復活を抹殺する…。
というふうに描いてるんじゃないかと思う」
私もほぼ同じように感じましたが、ただ、あの絞め方では気絶させるのさえ怪しいんじゃないのかなあと思いました。なぜ荒木一郎は手を緩めて、その手が画面から消え、女の首だけが大きく映し出されていたのか・・・。多分、大島監督は観客にバトンタッチをしたんじゃないのかなと。あとは君たちがやれ、劇場を出たら、行動に移れ・・・と。つまり、監督はアジっていたんですねえ・・・(笑)。で、アジられた若者たちが核となって、山崎さんが看破されたように、後にあの新宿騒乱事件を起こした・・・というふうになるんじゃないかと・・・(笑)。
今回この映画を何十年かぶりで鑑賞して一番ジーンときたのは、これも山崎さんご推奨の、吉田日出子が春歌を歌うシーンでした。あのシーンは、理屈ぬきで、キチャイますねえ。私も学生時代、この映画を初めて観たんですが、当時は宮本信子が空想で襲われるシーンに気持ちが奪われてしまい、吉田日出子についてはまるっきり記憶に残らなかったんですよねえ。ここらへんが、山崎さんとの大いなる違いで、なんとも忸怩たる思いです・・・(笑)
まだまだ書きたいことがあるのですが、続きは次回にさせていただきます・・・。
てっせん
2010年09月29日 22:03
今晩は。

「じつは私が犯すという空想を重ねながら観ていました、当時…(笑)。」

やっぱり、山崎さんもこの映画にアジられていたんですねえ・・・(笑)。
いや、冗談ではなく、当時この作品を観た多くの人が、その後の人生において何らかのかたちで、この映画のアジに乗ってしまったことがあるんじゃないかという気がします。
三島由紀夫が市ヶ谷の自衛隊に突入したのも、あるいは北野武が浅草のストリップ小屋という性のどまんなかの環境に飛び込みエレベータ係として働いたのも、この映画にアジられた結果だというふうに考えると、なんだか楽しいような怖ろしいような・・・。極めて危険な、過激な映画ですねえ。もしかしたら、さすが元全学連委員長が作っただけあって、日本が世界に誇るべきアジテーション映画の大傑作なのかも、・・・(笑)。
あっ・・・そういえば、三島に率いられた盾の会のメンバーの数も四人でしたし、バルコニーでの三島の演説が全く自衛隊員に響かなかった、動かせなかったシーンも、この映画の中で小山明子が滔々と弁じたてる騎馬民族説が、荒木一郎らに黙殺された姿と妙に重なりますねえ・・・。
同時代を生きた表現者ということもあるんでしょうが、どうも大島と三島、いろいろつながりといいますか、共通性といいますか、なにかあるような気がしますねえ。
そういえば当時、彼ら二人による対談を何かで読んだことを思い出しました。三島が自作の「鏡子の家」が文壇に全く無視されたといって無念がっていたのに対して、大島が「三島さんの作品の中で一番好きだ」というところから、三島には珍しく、相手に対して心が開いた対談が実現していたような記憶があります。

どうも、脱線ばかりしてしまって・・・。本当に書きたいことは他にあったのでした・・・(笑)。
また、明晩にでもお邪魔させていただきます。失礼しました。
てっせん
2010年09月30日 23:39
今晩は。
三島の自決は自宅のテレビで知りました。当時私はノンポリの浪人生でして、学生運動を遠く眺めつつ、かと言って受験勉強に身も入らずで、内心は焦燥しながらも、日々、ぷらぷらしていましたねえ・・・(笑)。そういう宙ぶらりんの状態でしたので、三島事件をテレビで観つつも、「あ~あ、とうとうやっちまったか」という、醒めたような投げやりなような感じ方しかできなかったと記憶しています。

話が跳びますが、この映画のロケは学習院でしたね。学習院といえば、やはり、どうしても三島ですよねえ・・・(笑)。それと、小山明子の泊まっていたホテルとかデモ隊が歩いたお堀端の通り・・・どうも、市ヶ谷の近辺だったような気がするんですが・・・(笑)。

さて、今回この映画についてちょと思いついたこと・・・。
かのキューブリックの傑作「時計仕掛けのオレンジ」と「日本春歌考」、なんだか似ているなあと。もっと言えば、キューブリック先生、大島御大の作品をパクッちまったんじゃないかと・・・(笑)。もっとも、「時計仕掛けの」の方には、バージェスの原作があるにはあるんですけれども。私も、この映画をもう一度見直そうと思っているんですが・・・。

最後にもうひとつ・・・。DVD版は、かなりカットされたシーンがあるんじゃないでしょうか。映画の始めの方で四人が雪のグラウンドを歩くシーン、DVDではロングショットばかりなんですが、私の記憶では、四人の顔のアップもあったはずなんですね。さらに、渡辺文雄や戸浦六宏など、大島映画でおなじみの面々が酒場で議論を戦わせているシーンも消えていましたし、かの宮本信子が襲われるシーン、たしか、白い下穿きが見えていて、未熟者の私はそれに心奪われ、肝心の吉田日出子の春歌が消し飛んでしまった・・・しかしこれだけは、若かりし日の私の妄想による思い込みかもしれません・・・(笑)。

2013年02月05日 07:04
初めまして。私は『日本春歌考』公開時はまだ生まれておりませんでしたが、この映画が大好きで、この度、この映画について色々調べたことをまとめたサイトを作ってみましたので、宜しければご笑覧下さい。

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