テルマ&ルイーズ (1991)

[631]ハリウッドもそろそろ映画を非映画的に撮らないとダメになっちゃわない?
★★★★☆☆

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これ、オギワラ君がみんなで観ようって持ってきた作品。

そうか、よく持ってきた、偉い!って観はじめたんだけど、
みんな静かだったなあ…(笑)。

おい、オギワラ、おまえ、もちょっと映画勉強しろ、
と言ったら、
「変だなあ。前観たときは面白かったんですけどねえ」だって…(笑)。

しょうがないからさ…、
おー、そうかそうか。
テレビサイズの画面で観ると面白いって思っちゃうかもな、
と慰めてあげたよ(笑)。

あとで調べたら、かの巨匠リドリー・スコットの作品だった。
スコットだったら、まあ、このくらいには仕上げてくるよな、
とは思ったんだけどね。

でも、観てもなんか空しいんだよねえ。
久しぶりに「空虚」なんて言葉を思い出しちゃったわ…(笑)。

タイトルそのままに、テルマとルイーズのお話。
テルマは主婦、ルイーズはウェイトレス。

ある日、二人は車で旅行にでかけた。
途中、酒場に寄ると、テルマが男にレイプされそうになって、
見かけたルイーズが男を射殺してしまう。

で、逃避せざるをえなくなるのだが、
お金がないことから結局強盗を働いたり、警官を襲撃したりと、
犯罪を重ねざるをえなくなる。

が、そんな逃避行を続けるうちに、
二人はむしろ
日常生活の中に埋もれてしまってる自分を取り戻していく。

そして最後、
砂漠で警官たちに包囲されてしまった二人は、
望んで車こど崖下へと突っ込んでいく…、みたいな映画。

引用した解説にもあるように、
アメリカン・ニュー・シネマの90年代女性版って感じ。
そ。「俺たちに明日はない」みたいなロードムービー…。

でも較べちゃダメ、「俺たちに…」に失礼しちゃうよ(笑)。

巨匠スコットだから、
ストーリー的にも映像的にもひじょうにソツなく撮ってる。
でも、このソツのなさがじつは曲者でさ。
中身がな~んにもないから
ソツのなさで誤魔化そうとしてるわけだよね…(笑)。

ソツなく撮ってるからテレビみたいな小さな画面で観ると、
映像にそれとなく何かが詰まってるように見える。

でも100インチに拡大すると、
じつはこの映画にはなにも詰まってないことが
バレバレになっちゃうんだよね(笑)。

ソツなく撮ってみせてる分だけ、なにもないことが…、
「空虚」さが際立ってくる。
そうなってるわけだよね…(笑)。

「俺たちに明日はない」と何が違うのか?
大きな理由はたぶん1個だよね。

「俺たち…」の場合、
ボニーとクライドにどうしようもなく重くのしかかってくる現実があった。
でもこの「テルマ&ルイーズ」には、
逃避行すべき現実がなにもないんだよね。

その違い…。

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二人は逃避行の中で自分を取り戻すかのように描かれてるけど、
二人にあるのは、
ボニー&クライドのような重い現実じゃなくて、なにもない現実…、
それこそ「空虚」というしかない現実なんだよね。

テルマの夫は浮気性でとか、
ルイーズもかつてレイプされたことがあってとか、
男を射殺したり銀行強盗やったりしてとか…、

一見、大変な現実をしょってるかに見えながら、
じつは大変な現実でもなんでもない。
二人にとって大変な現実なんだと感じさせられるようには
まったく撮れてないんだよね。

にもかかわらず口先では大変だ大変だみたいに騒ぐから、
観てる側としては騒げば騒ぐほどシラケてしまう…?

そんなとこかな?(笑)
「息もできない」がいまなお隣の家の出来事だという
韓国のひとたちが見たら、
「いいなあ、ノー天気で」と笑っちゃうかもね…(笑)。

ねえ、スコットさん…、なんて巨匠に失礼だけど、
テルマとルイーズが抱えてる主題はもともと「空虚」なんだから、
重い大変な現実を描こうとするんじゃなくて、
徹底して「空虚」を主題にすべきだったんじゃないのかなあ。

私だったらそうしたと思う…。、

あ、オギワラ君が言ってたんだけど、この映画、
あのシャーリーズ・セロンの大傑作「モンスター」と同じ事件を
扱ってるんだって。
で、あっちの方が事件に忠実なんだって…?

偉い! オギワラはよく勉強してる…!(笑)

実際の事件に忠実かどうかはともかく、
「モンスター」には強烈にのしかかってくる重い現実が
きちんと描かれてたよね。

スコットさん、最後に一言ちょっと。

私の偏愛する作家古井由吉さんが以前こんなことを言ってました。

現実のほうが、あるいは素人のほうが、
より小説らしい小説を書くようになったので、
小説家の私は、より非小説的に小説を書くしかない、と…。

もう40年近い前のことです。

映画監督も、ソツなく映画を撮るようになると、
映像処理がうまくなってしまうと、
ドンドンだめになってしまうような気がするのですが…。

どうぞ下手な韓国映画を一度ごらんくださいな…(笑)。

■128分 アメリカ ドラマ
監督: リドリー・スコット
製作: リドリー・スコット ミミ・ポーク
脚本: カーリー・クーリ
撮影: エイドリアン・ビドル
音楽: ハンス・ジマー
出演
スーザン・サランドン ルイーズ
ジーナ・デイヴィス テルマ
マイケル・マドセン ジミー
ブラッド・ピット J.D.
クリストファー・マクドナルド
スティーヴン・トボロウスキー
ティモシー・カーハート
ハーヴェイ・カイテル

平凡な主婦テルマが、友人のウェイトレス、ルイーズと共にドライブに出かけた。途中のドライブインで、テルマが見知らぬ男たちにレイプされそうになった時、ルイーズは男たちを射殺してしまう。二人はそのまま銀行強盗をして逃避行に移るが……。二人の女性の日常から転落していく様を描いたバイオレンス。さながらアメリカン・ニュー・シネマの90年代女性版といった趣の脚本(カーリー・クォーリ)はアカデミー・オリジナル脚本賞を受賞した。S・サランドン、G・デイヴィス共にハマリ役。傍を固める男優陣も個性的で良い。

●ひらいさん
そうですか、このころ、まだ
女性の自立の問題が幅をきかせてたんですか。
しょうもないですねえ…(笑)。
このころのハリウッド…、といっても今もですが、ひどかったので、
これがそれなりに評価されたのはわかるような…(笑)。
ひらいさんの韓国映画界への評、まったく同感です!
江川です、江川卓でなくちゃあ!(笑)
山本浩二に、これでもかこれでもかと、同じところへストレートを
放って、最後、スコーンとレフトスタンドに持ってかれたんですよね、
この私の目の前で…! いたく感動しました(笑)。
映画もかくありたいですよね(笑)。

ありがとうございました。

  

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この記事へのコメント

ひらい
2011年02月27日 20:19
こんばんは

公開当時、なぜかこの作品の評価が女性の自立を描いたロードムービーという扱いを受けていたので表立って“はあ~!?”とは言いにくい感じだったのではないでしょうか。当時のキネマ旬報などの映画雑誌にもわりと高い評価だったと記憶しております。
当時、女の子と観に行ってちっとも面白くなかったのにその女の子が感動してるのを見て、“うんうん、良かった”と(笑)
山崎さんが小手先だけの作品にうんざりするのはわかるような気がします(勝手に私がそう思ってるだけですが・・・・笑)
私はもう変化球ピッチャーに目が慣れてしまって・・・・。
無茶苦茶なフォームでとんでもないノーコン。それでもたまに凄いストレートを投げるピッチャーの方が愛着がわくというか(笑)勝負球は高めのストレート。打たれるか空振りか(笑)
そんな作品を作ってしまう監督や俳優が韓国にはゴロゴロいると思って期待してしまう(笑)

失礼しました。

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