クロッシング (2008)

[632]主題の積極性に凭れてしまうとロクな映画にはならない
★★★☆☆☆

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久しぶりにレンタル屋さん行ったら、新作がいくつか並んでいた。
これもそのひとつ。

お、脱北者を描いてんのか。
しかも実際にあったケースを下敷きに?
フーンと思って借りてきたんだけどさ、

案の定つまんなかった、全然面白くなかったでえ…(笑)。

モデルになったのは北朝鮮サッカー・チームの元選手。
かれは妻、息子との三人暮らし…。

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妻が病気なのだが、自国ではクスリが手に入らない。

このおかあさん、
キーマンなはずなのに、出てるだけだったなあ…(笑)。

で、豆満江を渡り中国に越境。
違法労働しながらお金を貯めてクスリを手に入れようとするのだが、
集団脱北する連中に押されるようにして、
自分もいつのまにかソウルへと来てしまう…?

う~ん、このあたりの事情や脱北経路、さっぱりわからんわ。
んなのあり? ひどいよ~…(泣)。

そうこうしてる間に、妻は病死。
ひとり残された息子も父に会いたい一心で中国へ渡り、
モンゴル経由で南鮮を目指す。

が、鉄条網の敷かれた国境を超えモンゴルに入国したものの、
行けども行けども砂漠で、結局、行き倒れてしまう。
送られてきたその遺体にすがりつき、かれは慟哭する、
というストーリー…。

でも、ここには見事に何もない。
あるのは作家(監督)のひとりよがりな詠嘆だけ。
ひどいよねえ、可愛そうだよねえという…(笑)。

はっきり言うけどさ、監督、
あなた、脱北者たちにたいしてものすごく失礼だと思うよ。

だって、脱北者たちの苦労のね、
万分の一の苦労もしないでこの映画撮ってるんだもん。

描かれてるの、もう全部わたしらの知ってることじゃん。
想像の範囲まったく出てないし、
垂れ流されるマスコミの情報そのまんまじゃん…。

苦労した人間を撮ろうと思ったら、
その10倍は苦労して撮らないと、そのひとたちを描くことはできないし、
そうでなきゃまた描いちゃいけないの、メっ!(笑)

だいたいなにアレ!?
あ、コレ…、こういう映像…。

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こういうキレイキレイした写真が多いんだけど、
監督、あんたね、週刊誌の風景グラビアじゃないんだからさ…(笑)

最悪だよお。

生死を賭けて脱北しようとしてるひとたちに、
周囲が…、自分の目に見える風景が、
こういうふうにキレイキレイに見えてる訳ないでしょう(笑)。

写真撮るんだったら、
彼らに見える風景を撮ってくれないと、
彼らの思い、見てる側に伝わってこないでしょ?

映像のイロハがわかってないよお~(泣)。
…ということで、はい、おしまい。

積極的な主題を撮ろうとすると、
ひとはしばしばその積極性に甘えてな~んにもしない。
思考を停止し、批評を停止し、物語作りを停止する。
ばかになってしまう。

うん、その見本みたいな映画だった。

みんな、気をつけなきゃだめだよ…(笑)。

■107分 韓国 ドラマ
監督: キム・テギュン
脚本: イ・ユジン
撮影: チョン・ハンチョル
音楽: キム・テソン
出演
チャ・インピョ キム・ヨンス
シン・ミョンチョル キム・ジュニ
チョン・インギ サンチョル
ソ・ヨンファ キム・ヨンハ
チュ・ダヨン
2007年北朝鮮。中国との国境に近い咸鏡(ハムギョン)南道にある炭鉱村コウォンの3人家族... 父ヨンス(チャ・インピョ)、母ヨンファ(ソ・ヨンファ)、そして11歳の息子ジュン(シン・ミンチョル)は、豊かでない人生だが、一緒にいられるだけで幸せだ。
ある日母が倒れ、肺結核という事実が明らかになり、簡単な風邪薬さえ手に入らない北朝鮮の現状に、父ヨンスは中国行を決心する。
やっとの思いで中国に到着したヨンスは、材木伐採場で働きながら、金を貯めるが、不法就労が発覚し、貯めた金を全て失い警察に追われる身となる。
一方、ヨンスが出かけて2月余りが過ぎ、妻ヨンファの病状はますます悪化し、ついには亡くなってしまう。たった一人残された11歳のジュンは、あてもなく父を探しに旅立つ。
韓国に到着したヨンスは、ブローカーを通じてジュンの行方を知り、不可能と思われる再会を試みる。しかし、父ヨンスと息子ジュンの切実な約束は、もどかしくも行き違ってしまう。

●tenchanさん
涙もろいはずの私も泣けませんでした(笑)。
ひとえに作り手の想像力の貧困さ、苦労しなさに尽きる!
ということで良いような気がするのですが…(笑)。
確かに子供たちだけが救いなんですけど、
でも、あの子たちが作り手の大人たちにいいように利用されてる
ように見えることもあって、複雑な気分になるというか…。

ありがとうございました。

 

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この記事へのコメント

tenchan
2011年02月27日 22:17
申し訳ないのですが 涙もろい私も泣けませんでした
きれい事になりすぎているかな~と思いました
あんなに簡単に脱北できるのだろうか?という疑問も まず湧きました(映画だからそんなにリアルでなくてもいいのかは分かりませんが)
ただ子役の子たちが可愛くて 救いかなと思いましたが・・・
tenchan
2011年02月27日 22:33
すみません 追記です
この監督は 重い題材をわざとサラッと描くことで 悲惨な実態を描き出そうとしたのでしょうか?
ただ観てる側に伝わらないのでは 失敗なんでしょうね

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