風の伝説 (2004)

[655]幼稚園の園庭を一瞬に宮殿の社交広間にしてしまう魔術に大拍手
★★★★☆☆

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ずっと二の足を踏んでいた作品。
なんでか? うん、イ・ソンジェ主演だったから…(笑)。

イ・ソンジェのを初めて観たのはたしか「氷雨」だったと思うんだけど、
アレ、私には相当印象悪かったんだろうなあ(笑)。

でも最近観た「シンソッキ・ブルース」が面白かったもんだからさ、
よし、アレ観るぞ、絶対観るぞお!って気になったのよ。
人間ってホントいい加減だよね。
え、私だけ…?(笑)

どうだったか? う~~~ん、惜しい!って感じだったかな?
前半はめちゃくちゃ面白かったんだけど、
残念ながら後半ちょっとテンポ落ちて、失速しちゃうんだよね。
笑えなくなるし、かといって泣けるわけでもないし…。

ちょっと真面目になりすぎたんじゃないかと思う。
うん、やっぱり妙に真面目になっちゃいかんよ、芸能は。
いや、真面目になってもいいんだけど、不真面目に真面目になるように(笑)。
とくに日本人は気をつけんとあかんよね…。

30歳前半(?)にして人生に倦んでいるプンシク(イ・ソンジェ)に、
ある日突然、命の恍惚が蘇ってくる。
高校時代の友人で、自称ジゴロのマンスに
たまたまダンスの手ほどきを受けてステップを踏んだ瞬間、
ビュビューン!と、電流のような風が全身を貫いたのだ。

かくてプンシクはダンスを極めるべく、
妻子を残し、師を求めて全国流浪の修行へ出る。
と、オーッ! ダンスの達人たちは意外な場所で意外な暮らしをしていた…!

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日本へ行ってダンスを極めた「バカヤロウ」先生。
労咳かつアル中ですでに全身ヨロヨロ。
が、ダンスになると突如不死鳥のごとく蘇る…(笑)。

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いやあ、このバカヤロウ先生、最高におかしかったわ、大拍手!

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かつての栄光は見る影もなく、灯台下暮らし(野宿)の達人。

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ここもいいシーンだったなあ。

雨の日も、雪の日も、風の日も、こうやって
いいトシこいた男が二人で社交ダンスしてるのよ、堤防で…(笑)。

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なに食って生きてんだろ、この二人って思うよね(笑)。

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可愛そうにこの先生、最後は海にわが身を投げちゃうの。
やっぱりなにも食ってなかったんだよね、きっと…(泣)。

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野外城のグリーン・フロアで師とダンス修行に励むプンシク…。

そんなこんなの師匠について5年の修行を積み、わが家へ。
が、踊れる場所はないし、妻からはロクデナシ男とボロクソに言われるし、
そこで仕方なく社交ダンス界となっているキャバレーに足を踏み入れた…。

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そこで出会ったのがこの署長夫人…。

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夫に構われず、身も心も空白と化していた夫人は、
日夜パートナーとして踊っているうちにすっかりプンシクの虜に…。

で、ある日、一夜の旅行に誘い、とうとうプンシクを犯してしまった…(笑)。

これにはプンシクも参った。
彼女、ダンスのパートナーとしてはもう最高。
上手だし、きれいだし、優しいし、色気あるし…、でも人妻。署長夫人。

こんなことをしていてはいけない!
こんなことをしているとオレはただのジゴロになってしまう。
オレはジゴロじゃない、ジゴロじゃない、ジゴロじゃないジゴロじゃない!
ダンスの、舞踏の、立派な、超一流の芸術家なのだあ!(笑)

と、思い悩んだ末に?
やっている事業が倒産寸前で踊っていられなくなった、
と大ウソをついて署長夫人のもとを去ろうとする。

と、その時、オーッ! なんと署長夫人が、
「これを使って。使ってもらえると私はうれしいの」と
3000万ウォンを差し出してきた。

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プンシク、驚き、金を前に、
「う~ん、受け取ってはだめだ、う~ん、ジゴロになってしまう」と
約10秒ほど苦悩したあと、
「でも受け取ることが彼女の心を受け入れることだとしたら」
と、サッと金を懐にいれ、ドロンと署長夫人の前から姿を消す。

一匹のジゴロ、完成(笑)。

姿を消したのは、「結果的に騙した、申し訳ない」(笑)と
思ったからなんだろうけど、後日、幼稚園…、いや、もう小学校かな?
に通ってる息子の学芸会(?)へ行き、署長夫人に再会するのね。

と、夫人はなにも言わず、ただ
「最後にもう一曲だけ踊ってください」とブンシクにお願いするの。
ブンシクも申し入れに応じて二人して踊る。
こうやって…、

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学校のグランドをホールに…、
子供たちが教室で歌う「エーデルワイス」を音楽に…。

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よし! うまい! さすが韓国映画、イエーイ!
って私しゃ思わず立ち上がって拍手しちゃったなあ。
あ、勘違いしないでね、ダンスが特別うまいってわけじゃないのよ(笑)。

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上に紹介したダンスのシーンなんかもそうなんだけど、
こうやってダンスの好きな二人が踊りだした瞬間に、
学校のグランドが宮廷のホールに…、社交場の大広間に、
そして子供たちのうたう歌がオーケストラに変わる。

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現実の空間が劇の背景に…、虚構の空間に一瞬のうちに変貌する。
作る側はそうすることで、自分たちの言いたい何事かを伝える。
そうしたほうが何事かを的確に伝えることができる…?

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よく考えて。
こういうやり方ってさ、近代的リアリズムじゃできないのよ。
わかるよね? めちゃくちゃはっきりわかるよね?(笑)

ここがいい加減な韓国映画のすごいとこなの(笑)。
いい加減でないと、こういう無謀な、
とんでもなく素晴らしきことはできないの(笑)。

まあ、「学芸会」って私が言ってるところでもあるんだけど、
ホント言うと、これ、60年代~70年代にかけて
日本のアングラ(小劇場)がさかんにやってたことなんだよね。

それまでの演劇は、近代的リアリズムは、
日常的な時間や空間を構築することに必死になってた。
そうすることで演劇をひじょうに狭い世界に閉じ込めてしまった。

それに息苦しさを感じて、
初期アングラの世代のひとたち(唐十郎、鈴木忠志、寺山修司)は、
歌舞伎や能がやっていたような大きな世界の描き方のほうへ
戻ろうとした。

それがわかりやすく言うと日本のアングラ…、
ひいてはいまの現代演劇の始まりなんだけど、
韓国映画、じつはそれと同じことをやってるんだよね、映画で。

一見、単純な、笑いと涙の映画ばっかりやってるように見えるんだけど、
じつはすごいことやってるのよ、この映画もそうだけど。
だから観てる私らも心揺り動かされちゃうの…。

なんだか「400本記念祭」みたくになってきたね(笑)。
というより実は、あそこで書かないでこの映画のレビューで書こう、
と取っておいたんだけどさ。あの時点ではもうコレ観てたもんだから…(笑)。

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このシーンなんかもそう。
ブンシクが入院してる病院のお庭が突如、大舞踏場と化して、
老いも若きもなぜか踊ってたりする。
オー、ノー、素晴らしい!ってなっちゃうよねえ(笑)。

でもこの映画、
この素晴らしき手法をこのあたりまでで散々やっちゃったもんだから、
後半失速してしまう…、と言ってもいいのね。
もちろん後半にも同じ手法を使うんだけど、
繰り返すだけじゃ、ただの二番煎じになっちゃうよね。

ホント、惜しかった…。

あ、お話の続きね。

署長夫人は踊り終えたあと、
「ありがとうございました。これでもう思い残すことはありません」
と去っていく。

で、ブンシクは気づく。
自分の踊りが救われないひとの心を救っていることに…。
自分は踊るのが好きだ。好きだから踊っている。
と、パートナーは救われていく。
そのお礼として、自然に懐にお金が入ってくる。
自分はお金がほしいわけじゃない。
お金は勝手に向こうから、自然と向こうから入ってくるのだ…!

こうなるともうブンシクはジゴロなのか、
芸術家で、彼女たちはブンシクの芸術に惚れたパトロンなのか、
ほとんど判然としなくなっちゃうよね(笑)。

で、それをいいことに社交界へ出向き、踊り、
自然と懐を潤わせていくのだが、
みたいなお話…。

といっても、こっちはじつはサブ・ストーリー?
引用した解説にもあるように、

署長夫人がキャバレー界のつばめに金を騙し取られた、
ということで警察が捜査を始める。
で、女刑事ヨンファ(パク・ソルミ)を、
たまたまケガで入院しているブンシクのもとへ送り内偵させる。

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ヨンファがお近づきになったブンシクから、
かれのこれまでの人生の物語を聞く。
聞いて、ヨンファもダンスのステップを踏んだ瞬間、「風」に見舞われ、
次第にダンスとブンシクの虜になってしまう。
というのがお話の大枠なんだけどね…。

後半、たしかにちょっとだれるんだけど、でも、ホント面白いよ。
これ、チャ・テヒョンで撮ったら大傑作になったんじゃないかなあ。

あ、ごめんね、イ・ソンジェ 。
イ・ソンジェはどう見てもジゴロ・タイプじゃないよなあと思って…(笑)。

■132分 韓国 ロマンス
監督: パク・チョンウ
脚本: パク・チョンウ
音楽: イ・サンホ
出演
イ・ソンジェ
パク・ソルミ
キム・スロ

1999年に出版されたソン・ソクチェの原作を土台に,社交ダンス界の伝説的な男を捜査するために偽装潜伏した女性刑事が,踊りの世界に魅了されるという話。
義理の兄が営む総販売代理店で総務を受け持っている管理社員パク・プンシク。主婦たちの販売実績をチェックして,割賦金の入金を督促するのが主な日課である彼は,日々がうんざりの30代の家長。屋台で偶然に会った高校の同窓マンスを通じて知るようになった社交ダンスは,真っ暗な彼の人生に1筋の救援の光を照らしてくれる。万事に意欲喪失だったプンシクは,ダンスのステップを踏み,ますますダンスの真の魅力に陥り,人生の活力を取り戻していく。
しかし,しばらく味わった日常の幸福もマンスのつばめ行脚で風飛雹散の境地に達してしまう。友人の背信で自暴自棄の心情だったプンシクは,その時初めてダンサーとしての使命感を感じ,大韓民国一のダンサーになるために,一人長い旅行に出かける。
踊りの髙手を探す旅行で,ジャイブの大家パク老人に会い,ダンスの哲学と精神について基本から徹底的に練磨する。パク老人を始め,乞食からはワルツを,ある農夫からはルンバを,野菜商からはクイックステップを,工事現場の職人からはパソドブレを。ダンスの髙手を探し,全国隅々を巡ったプンシクは,5年という歳月の間に,プロフェッショナルな真のダンサーへと華麗な変身を遂げていた。
長い旅行を終えて妻と息子の元へ帰るプンシク。蝶々のさなぎが殻を脱いできらびやかな羽ばたきをしようとする瞬間だった。たった数か月で大韓民国社交界の「至尊」に登りつめたプンシクは,アマチュアダンサーたちの偶像,大物奥様たちの標的になり,日々その名声は高まるばかり。
一方,ソウル警察署では,ダンスに夢中の署長夫人が,キャバレーつばめに数千万ウォンを捧げたという事件が持ち上がっていた。事件の解決は,美貌の女刑事ヨンファに任される。
偽装潜伏専門のベテラン刑事であるヨンファは,プンシクが入院している病院に偽患者になって潜入し,プンシクの率直な過去の歴史まで知るようになる。あげくの果てに,彼からダンスを習って,プンシクの人間的な面と彼の人生ストーリーに知らないうちにはまってしまう。

 

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