レスラー (2008) アメリカ

[711]ミッキー・ロークで往年のアメリカン・ニューシネマが蘇った!
★★★★★☆

画像


座員のオギちゃん(オギワラ)が例によって
「みんなでコレ観ましょう!」と持参してきた映画。
オギは偉い!こんど主役あげる、私ウソつかない…!(爆)

久しぶりにミッキー・ロークの映画。
嬉しいねえ…!

ひとりの老レスラーのお話…。

画像

ランディ(ミッキー・ローク)は
マジソン・スクエア・ガーデンを超満員にするほどの
人気レスラーだった。

画像

が、20年後のいまは、
地方の小さな会場で細々と現役を続ける老レスラーである。

画像

平日の昼間はスーパーでアルバイトをし、
週末にだけ、リングに上がっている。
住まいも、トレーラーハウスで、ひとり暮らし…。

画像

リング以外の楽しみといえば、
行きつけのバーで飲むことくらい。
といっても、べつに飲むのが好きなわけじゃない。
ダンサーのキャシディ(マリサ・トメイ)に会いに行くのだ。

画像

キャシディはすでに中年。
とうぜん(?)若い男たちは相手にしてくれない。
毎夜、チップは少ない…。

画像

そんなランディだが、
会場へ行くとレスラーたちはみな暖かく迎えてくれる。
かれらはランディの家族だ。
老いても、ランディを敬愛している…。

控え室で試合のストーリーの打ち合わせをすませ、
リングにあがる。
ひとはそれを八百長と言うかもしれないが、
ひとたびリングに上がると、八百長でも本気だ(笑)。

画像

隠し持ったカミソリで自分の額を傷つけ、血を流し、闘う。
そうやって観客の期待と欲望に応える。
まったく正気の沙汰じゃないよね、ランディ…。

でも観客の歓声がかれの喜び。
この喜びは何にも代えがたい。
それでこの歳までずっとリングに上がり続けてきた…。

画像

過酷な試合が終わったある日、かれの心臓はついに悲鳴をあげた。
仲間に運ばれ、入院、そして手術…。
長い間、闘うためにステロイドを服用してきたツケだった。
医者に、過酷な運動はやめるようにと言われる。

ランディは苦笑して言う、
「先生、オレはレスラーなんだぜ」と…。

退院して、キャシディに心臓を手術したことを伝えると、
彼女は言った、あなたに必要なものは家族だ、と…。

画像

ランディは意を決して、
ひとり娘のステファニーに会いに行くのだが、
彼女はニベもなかった。

今頃なにしに来たの、
あたしのことなど一度もかまってくれたことなんて
なかったのに、と…。

画像

ランディは、娘にプレゼントしたいと思い、
キャシディに買物につきあってもらう。

帰りにビールを飲みに行き、
それとなく愛を告白するのだが、彼女は言った。
あなたは私のお客、店の決まりで一線は超えられない、
それにわたしには子供がいるのだ、と…。

画像

そう。彼女は子供二人を養うため
からだを張りながら働いてたんだよね。

プレゼントに効果があったのか、
ステファニーは父親を許し、
幼いころ、父と歩いたことのある海岸を歩く…。

それを機にランディは引退を決意し、
スーパーで週末も働きはじめた。

キャシディにも会って再度愛を伝えるが、
やはり一線は超えられないと断られる。

画像

ランディはヤケになってよその店で飲み、
行き擦りの女と寝てしまう。
そして、ステファニーと食事の約束をしていたのだが、
それをすっぽかすことになってしまった。
詫びにいくと、娘は「もう二度と私の前に現れないで」と…。

スーパーでの肉売りの仕事も、
客のわがままや好奇心に耐えられなくなり、
キレテ止めた。

画像

ランディにはやっとわかった。
こっちの世界には、どこにもオレの居場所などないのだ、と…。

で、プロモーターに伝えた。
中東の獣アヤトッラーとの20年ぶりの再戦(イベント試合)、
やろうじゃないか、と…。
この試合の話は、じつは入院する前から持ち上がってたんだけどね。

画像

朝、キャシディはランディのトレーラーハウスを訪れ、謝った。
あんな言い方をしたけど本心じゃない、
あなたは私にとって特別なひと、
でも一線はやっぱり超えられない、と…。

画像

ランディは「わかってる、いいんだ」と言い、
試合会場に向かった。

画像

夜…、
キャシディも突然踊りをやめ、会場にクルマを走らせた。

画像

そしてランディに会い、頼んだ、
「試合をやめてほしい、心臓痛いんでしょ」と。

画像

ランディは答えた。
「俺にとって痛いのは外の現実のほうだ。
もう誰もいない」
「いる、私がいる。それでも…?」

アナウンスと観客の歓声が聞こえてきた。
ランディは「ほら、あそこが俺の居場所だ」と言って、
リングに向かった。

画像

リングの上で死ぬために…。


ネットで調べたら、この映画…、
プロデューサーは最初、ニコラス・ケイジ主演で撮ろうとした。
が、監督のダーレン・アロノフスキーが、
ミッキー・ロークを主演にしたいと主張して譲らなかったらしいの。

で、結果、制作費は600万ドルに削られ、
公開日に封切りした映画館もたったの4館…!
いやあ、ミッキー・ローク、そんなに堕ちたんだ!と思うよねえ(笑)。

まあ、気に食わないやつは蹴落とせっていう輩は、
アメリカにもワンサカいるってことだろうけどさ(笑)。

ところが第65回ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞。
アメリカ国内だけで制作費の4倍以上もの興行収入を叩き出した!
っていうんだよね。

ざまあみろって私は思わず快哉をあげたぜい…(笑)。

画像

お話自体はよくある話なんだろうけど、
老レスラーと、二人の子供を抱えた中年の「小さな話」にしたのが
成功してるよね。
片田舎の、小さな小さなお話。
情報化社会の網の目からも零れてしまいそうな、お話。

しかも徹底して肉体を晒して生きるしかない、
老レスラーと、盛りを過ぎた中年女の話。
それも素人カメラマンが撮るような下手な絵(映像)にして、
手作りの感覚を出してる…?

結果、こっちは観てて、
いま目の前に確かに人間がいる、人間が息づいてるって
鮮烈に感じちゃうんだよね。

うまい!さすがハリウッド!(笑)
こういうことを本気でやらせたら凄いよなあ、
って思っちゃうよね(笑)。

ま、盛りのニコラス・ケイジでやったらこうならなかったろうな。
ケイジの顔が前に出てきて「情報映画」になっちゃった…?(笑)

しかしミッキー・ロークとマリサ・トメイ、ほんといいわ。
虚飾一切ナシ、全部さらけ出す、内臓までさらけ出す!
って感じだもんね(笑)。
日本の俳優は逆立ちしてもこれはもうできない…。

もう1個…、エンディングの主題歌!

 自由に駆け回るしか芸のないポニーを
 見たことがあるならそれが俺
 通りを這って進む足1本きりの犬を
 見たことがあるならそれが俺…

ギター1本のフォーク!
歌ってるのは、あのブルース・スプリングスティーン、
ウッディ・ガスリーの後継者と言われてる…。
ボブ・ディランともに私の大好きなシンガーソングライター!

ブルース・スプリングスティーンが
友人のミッキー・ロークのために作ったらしいんだけど、
コレ流れてきたときは、
わたしゃもう堪え切れなかったなあ…(笑)。

うん、この歌、まさにミッキー・ロークのことだよね。
ニコラス・ケイジだとこういう詞にはならない…(笑)。

往年のアメリカン・ニューシネマを彷彿させる素晴らしい映画。
まだ観てない方がいたらどうぞ。

ありがとね、オギちゃん、いいもの持ってきてくれたよ。
君が主役…!(笑)


●zebraさん
はじめまして。コメントありがとうございます。
そうですか。同じローク主演で
アメリカ各地を渡り歩く流れ者ボクサーを描いた
「ホームボーイ」という映画があるんですか。
ロークは少年時代にボクシングをやっていたみたいなので、
時間ができたら探してぜひ観てみたいですねえ。
この映画の監督がローク起用にこだわったのも、
もしかしらその「ホームボーイ」のロークが
気に入ってたからかもしれませんね…。
この映画のランディみたいな男、時々いますよね。
私はこういう男に弱くて、
見てるとどうも一緒にいてやりたくなっちゃいます…(笑)。

ありがとうございました。

■109分 アメリカ ドラマ
監督:ダーレン・アロノフスキー
製作:スコット・フランクリン
ダーレン・アロノフスキー
製作総指揮:ヴァンサン・マラヴァル
アニエス・メントレ
ジェニファー・ロス
脚本:ロバート・シーゲル
撮影:マリス・アルベルチ
編集:アンドリュー・ワイスブラム
音楽:クリント・マンセル
音楽監修:ジム・ブラック
ゲイブ・ヒルファー
主題歌:ブルース・スプリングスティーン
出演
ミッキー・ローク ランディ・ロビンソン
マリサ・トメイ キャシディ
エヴァン・レイチェル・ウッド ステファニー
マーク・マーゴリス
トッド・バリー
ワス・スティーヴンス
ジュダ・フリードランダー
アーネスト・ミラー
ディラン・サマーズ

ミッキー・ロークが、かつて栄光のスポットライトを浴びた人気プロレスラーの孤独な後半生を、自らの波瀾万丈の俳優人生と重ね合わせて哀愁いっぱいに熱演し賞賛された感動の人生ドラマ。共演にマリサ・トメイ、エヴァン・レイチェル・ウッド。監督は「レクイエム・フォー・ドリーム」「ファウンテン 永遠につづく愛」のダーレン・アロノフスキー。
ランディ・ロビンソンは80年代に大活躍したプロレスラー。しかしそんな栄光も今は昔、それでも彼は老体に鞭打ちながら小さな地方興行に出場して細々と現役を続ける不器用な男。ひとたびリングを降りれば、トレーラーハウスに一人で住み、スーパーマーケットのアルバイトで糊口を凌ぐ孤独な日々。そんなある日、長年のステロイド常用がたたって心臓発作で倒れたランディは、ついに引退を余儀なくされる。急に戸惑いと不安で心細くなったランディは、馴染みの年増ストリッパー、キャシディに心の安らぎを求めたり、長らく疎遠となっていた娘ステファニーとも連絡を取り修復を図ろうとするのだが…。

 

1分間に1個売れてる!あの有名人が11kgヤセたダイエットサプリ!

ノエル

ブログランキング・にほんブログ村へ  ブログん家

この記事へのコメント

zebra
2011年11月13日 06:51
おはようございます はじめまして
DVDでみました

 80年代は絶大な人気があり、栄光に包まれた花形レスラー ランディも今は人気がなくなり、すっかり落ちぶれた。
>ステファニーと食事の約束をしていたのだが、
それをすっぽかすことになってしまった。
 せっかく親子関係が修復しかけたのに、娘さんとの約束をすっぽかすのは さすがに まずいよ~(>へ<)

 マリサ演じる子持ちストリッパー キャシディ 踊る姿とってもキレイでしたが、ランディとは客以上の仲になってはいけないと・・・・こうなるのは 当ぜんなのに

 ランディは悲しいほど不器用な男でした。

そうでした '88年に「ホームボーイ」という映画がありましたが 同じくロークが主演で アメリカ各地を渡り歩く流れ者のボクサー "ジョニー"

 ジョニーなレスラーのランディとはまた違った不器用さがあった男でした。

 「レスラー」のランディと「ホームボーイ」のジョニー。
ロークが演じた ふたつの作品のふたとおりの不器用な男 比べてみるのも悪くないですよ

 


この記事へのトラックバック