僕がいない場所 (2005) ヨーロッパ

[775]ポーランドの街からひとが消えた、人間が消えた?
★★★★★☆

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ポーランドの映画。

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ポーランドの街並み…、好きなんだよねえ、わたし。

なんで好きなのかと聞かれても言葉にできないが、
ひとがいない…、人間がいない…。
人間の住んでる気配がない。

この絵(映像)、わたしが一番気に入った絵なんだけど、
映画もそういう映画だと言っていいかもね。
ポーランドの街からひとが…、人間が消えた、という…。

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冒頭で主人公の少年クンデルが詩を朗読する。
子供たちや先生たちの前で…。

 小さきパンくずを拾う 懐かしき祖国
 神の恩恵を尊ぶ国 懐かしき我が祖国
 コウノトリの巣を壊すことが 罪である国よ
 懐かしき我が祖国
 変わらぬ言葉でキリストを崇める
 懐かしき祖国よ
 我らが主を称えよと 祖国に我を待つ人はない
 だが変わらぬ友情の念よ 
 懐かしき我が祖国…。 

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でも誰も聞いてない、先生たちも子供たちも。
クンデルのたどたどしさをただ笑ってるだけ…。

子供たちが笑ってるのは、もう
そんな祖国がないことを知ってるからかもしれないが…。

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クンデルは孤児院に預けられているが、
子供たちにも院にもなじめず、
ある日、列車に乗り、故郷の母親のもとへ戻る。

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と、母親は刺青のある知らない男とベッドで寝ていた。

その母親、クンデルが慌てて家を飛び出ると、
追っかけてきて…、
わたしは誰かに愛されていないとだめなの!
と、ゲラゲラ笑って息子の前でこんなことをする女。

最初は病気なのかよと思ったんだけど、そうでもない。
クンデルは誰からも愛されてないわけだけど、
結局、この母親も同じなんだよね。

愛されたことがない。
それで愛されたいと思い、
息子クンデルを孤児院に預け、男たち相手に遊びまくってる?

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クンデルは孤児院には戻らず、
湖に廃船を見つけ、そこでひとり暮らし始める。

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食い扶持はカンカン拾い。
クズ屋のおやじさんが買ってくれるんだよね。

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街の子供たちが通りすがりの男にタバコをねだるシーン。
この子たちは、クンデルが帰ってきたぞと言って、
追っかけまわしていじめる子たちなんだけど、
この子たちも孤児なのかな?

少なくとも実質的には孤児って感じだよね。

しかしカンカン拾いといい、タバコねだりといい、
戦争直後のイメージがどこなく強い。
べつに戦後が舞台になってるわけじゃないのだが…。

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ある夜、突然、女の子がねぐらにおしかけてくる。
クレツズカという子で、酒で酔っ払ってる。

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この子、じつは廃船の向かいの家に住んでる子。
家はお金持ちで不自由はしないんだけど、
両親に愛された記憶のない娘。

おまけに姉がいるんだけど、
その姉が美人なもんだからコンプレックスが強く、
不美人の私は結婚できないと思ってる?

で、子供のくせに、はやくも酒に溺れちゃってるんだよね(笑)。

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こっちはそのクレツズカの姉…、たしかに美人(笑)。
じつは、クンデルはこの姉が好きで、
いつもこっそり覗き見してたんだよね(笑)。

姉が好きなのはたぶん、
どこか母親に似てるからなんだと思うけど…。

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クレッズカはそのことも知ってるんだけど、
クンデルに自分と同じ☆印を見たんだろうね、
ちょくちょく押しかけて、キスまで迫ったりするようになる。
堪忍してあげて、酔っ払ってるもんだからさ…(笑)。

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そうしてパンを持ってきてあげたり、
電池を持ってきてあげたり、
ある時は、自宅の風呂にこっそり入れてあげたり…。

クンデルも彼女の愛情とやさしさに気づいて、
クレッズカを好きになっていく。

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ここはクンデルが塀の上から
校庭にいるクレッズカを眺めているシーン。

彼女もクンデルに気づいて、
ずっと見つめながら小さく手を振るんだけど、
二人見てるだけで泣けちゃうよ。

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クンデルはまた母親を訪ねるが、
約束したのに男が来ないと荒れ、
クンデルに二度と訪ねてこないでと言う。
おまえがいるからかあさんは不幸なんだと言わぬばかりに…。

ちなみにクンデルが手にしてるのは、
母との思い出が詰まったオルゴール(?)…。

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かれは死にたくなり、木の上から湖に飛び込むが、
死ねない。

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それを知ったクレッズカは、
クンデルに「二人でこの街を出よう。遠くへ行こう」と言う。

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が、妹の異変に気づいた姉が警察に電話をし、
クンデルは警察に拘留される。
クレッズカからも引き離される…。

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姉はずっと家の窓から向かいの廃船を覗いてた。
そして妹に嫉妬した…、のかもしれないね。


とにかくこんな感じ、最初の…。

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街に誰もいない、ひとが…。
クンデルが「お~い」と叫んでも、ひとが消えて静まり返ってる?

クンデルとクレッズカのいるところだけが、
ふわっとほの明るい…?

クズ屋のおじさんとかレストランのお姉さんとか、
すこしひとらしいひとがいる感じはあるんだけど、あとはいない。

ひとがいない、街から消えた、
ポーランドから消えたって感じ…。
SFでも見てるかのように怖い。淋しい。

監督は女性らしいんだけど、
これが監督の見たいまのポーランドなのかなあ。
ちょっとわたしはショックだったよ。

100点をあげたいんだけど、ただ音楽がねえ(笑)。
センスなし。
映像と全然合ってねえじゃん。

無理やり盛り上げようとしたり、
感動させようなんてしてるじゃん…(笑)。

そんなことしたらスタティックに撮られてる絵(映像)が
死ぬでしょうが…。

皆さん、私の好きな東欧の映画、
たまには観てくだしゃんせ…!(笑)


■98分 ポーランド ドラマ
監督:ドロタ・ケンジェジャフスカ
製作:アルトゥル・ラインハルト
脚本:ドロタ・ケンジェジャフスカ
撮影:アルトゥル・ラインハルト
編集:ドロタ・ケンジェジャフスカ
アルトゥル・ラインハルト
音楽:マイケル・ナイマン
出演
ピョトル・ヤギェルスキ クンデル
アグニェシカ・ナゴジツカ クレツズカ
バジア・シュカルバ クレツズカの姉
エディタ・ユゴフスカ クンデルの母
パヴェウ・ヴィルチャック クレツズカの父

愛する母親の庇護も受けられず一人で生きていく決意をした年端もいかぬ少年の気高き生き様と、同じように孤独を抱えた少女との心の交流を悲しくも繊細に綴る衝撃のドラマ。監督はポーランドの女性監督ドロタ・ケンジェルザヴスカ。
詩人を夢見る多感な少年クンデルは、わけあって孤児院に預けられる。しかし彼は、他の子供たちと交わろうとせず、やがてそこを抜け出し母のもとへと向かう。ところが、母親は町の男たちと自由奔放な生活を送っており、クンデルはついに一人で生きていくことを決意し家を出る。町はずれの川べりに捨てられた艀舟に住みつき、集めた空き缶や屑鉄を売って生活するクンデル。そんなある日、艀舟に一人の少女が姿を見せる。少女はなんとお酒で酔っぱらっていた。彼女は近くに住む裕福な家の子、クレツズカ。美しく賢い姉に劣等感を抱き、傷ついた心を酒で紛らわそうとしていたのだった。そんな2人は次第に絆を深めていくのだったが…。

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