2001年宇宙の旅 (1968) アメリカ イギリス

[777]偉大なる地球外生命体キューブリック様は私には測りしれん(喜)
★★★★★★

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あの感動よ再び…、と、たま~に観てる映画。

観るたびに
「拝啓、偉大なる地球外生命体キューブリック様」
と、お手紙を差し上げたくなるような映画…。

でも好き嫌いで言うと、
私は「博士の異常な愛情」のほうが好きかも、
と、キューブリックに文句をつけたくなるような映画…(笑)。

物語は3つの章から成り立っている。

プロローグ、「宇宙のはじまり」…、
ただし、これは私が勝手につけたもの。

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最初、スクリーンは真っ暗、闇。
やがて「ツァラトゥストラはかく語りき」が流れはじめ、
こうやって地球が太陽を背に現れる。

初めて観たとき「お~!」と全身が震えたよなあ。
そうだ、「ツァラトゥストラはかく語りき」はこういう世界なんだ、
宇宙の叙事詩なんだ!!!
と、訳もなく思ってさ…(笑)。

第1章、「人類の夜明け」。

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砂漠のオアシスに集う原人類(ヒトザル)…、オラたちの祖先。

撮影場所はアフリカ…、とっても合成写真だが。
ま、当然だよね、オラたちの祖先の…、人類の発祥の地だもの。

でもキューブリックは実際にはアフリカには足を運んでいない。
飛行機は原爆を運ぶための武器輸送機だと思ったので。

と言いたいが、実際は、飛行機恐怖症だったため。
だよね、監督、どっちにしろあんなものは信じられん…、
と、飛行機恐怖症の私(笑)。

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原人類の間に突如現れた謎の物体・モノリス。
このモノリスに触れることで原人類は、現人類へと進化する。

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進化の契機…、
動物の骨が「殺し」の武器になることに気づいたのだ!
きゃつらはその武器で動物を殺し、肉を食らい…、

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オアシス(水飲み場)をめぐって争う原人類を殺した。
戦いの、戦争のはじまり…。
さすがキューブリック、ブラックだよね。

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戦争武器を手に入れたときの原人類の雄たけび…。

初めてこれ観たときは「お~、すげえ!」と感動したが、
この作品のあとの「博士の異常なる愛情」観たとき、
「わっ、こっちのほうがすげえ!」と思ったものだ。

いま思うと、
こいつらをもっと狂喜(狂気)させたかったよね、監督(笑)。

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こいつが、
ひとを殺したその骨=武器を雄たけびとともに空に放ると…、

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そいつは…、武器は一瞬にして美しい宇宙船に変わった!

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400万年後の、人類が宇宙に進出した時代。
地球が青いのがいま観てもなぜか新鮮…。

ガガーリンが初めて宇宙へ旅行に行き、
「地球は青かった」と感想を述べたのが1961年。
キューブリックもガガーリンの言葉に感動したのかも、
当時、子どもだったワタシらと同じように…。

とにかく美しい、地球も、宇宙も、輸送船も。
感動しちゃいかん、これは原爆を運ぶ船なんだ
と、一生懸命思うとするのだが…(笑)。

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船が宇宙を行くと、音楽が
ヨハン・シュトラウス2世の円舞曲「美しく青きドナウ」に変わる。

そうだ、「美しく青きドナウ」はまさにこんな世界だ!
と訳もわからず、私はめちゃルンルン気分になって踊りたくなる。
ならないかね、諸君…?(笑)

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アメリカ合衆国宇宙評議会の密命をうけたフロイド博士が、
月へ向かう。

その船の中…、バスの車掌さん(笑)が
こうやってお客さんたちにお食事を運ぶ。

な、なんなんだよ、いきなり手品なんか始めるな!
と思うのだが、身震いするほど彼女に感動してる私…(笑)。

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博士が月へ来たのは、
基地で発見された謎の物体・モノリスを調査するためだ。

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博士は手で触れることでそれがなにか解明しようとする。
人間は宇宙へ出かけるほど進化したが、
このあたりは400年前のヒトザルとなにも変わっとらん(笑)。

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合衆国の科学調査員一行は
モノリスの前で記念写真を撮ろうとする。

こら、日本人オノボリさんみたいなことするな!
と思うのだが、
キューブリックはただ自分の出番を増やしたかったのかも…。

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カメラを持った男、あれ、キューブリックなんだよ、
と、昔、誰かが言っていたので…。

私は真偽を知らない。
ね、誰か教えて。
この男、ほんとにキューブリックなのかよ?(笑)

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写真を撮ろうとすると、突然、
モノリスがキーンと耳が壊れそうな音(信号)を発した、
遥か彼方の木星に向けて…。

第2章、「木星使節(ジュピター・ミッション)」。

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18ケ月後、その木星へ宇宙船ディスカバリー号。
乗組員は5名+1名。

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船長デビッド・ボーマン(右)、飛行士フランク・プール(左)、
と、科学者3名。
ただしこの科学者3名は、出発のときから人工冬眠中。

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で、これが+1名。
最高の知能と、人間的な感情をもったコンピューター、
「HAL(ハル)」…!

途中、このHALがボーマン船長に
こんどの任務はどうも解せないと言い始める。
任務内容が極秘にされているためだ。

そして、
AE-35ユニットが不調だ、72時間後に故障する、とも…。

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じゃあ、いまのうちに交換しようとボーマンが取り替え、
古いやつを調べるのだが、どこにも異常がない。

古いAE-35を元に戻して様子を見ようということになるのだが、
ボーマンとプールは秘かに密談する、
HALが狂ったのかもしれない、
いざとなったら高等中枢機能は断ち切ってしまおう、と。

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古いAE-35を戻しに船外に出たプールは、
HALに殺され、宇宙の塵になる。
じつはHALが二人の謀議に気づいたんだよね。

ボーマンがポッドに乗って遺体を回収するんだけど、
その間、HALは科学者3人をも殺し、
そのボーマンも船内に入れない。

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で、ボーマンが非常用ハッチを使って船内に戻り、
HALの中枢機能を切断する。

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と、突然、出発前に録画された映像が流れはじめ、
任務の内容が明らかにされる。

18ケ月前、月で、
地球外にも知的生命体が存在する証拠が発見された。
400万年前の石碑(モノリス)で、
木星に向け強力な電波を発していた、と。

なのでそれを調査しろってことなんだろうね。

もうひとつ、
この任務内容は極秘にHALだけに知らされていたという…。

てことは、アレ?
HALは、自分の中枢機能を断ち切らせて、
ボーマンに任務内容を教えようと
わざと「叛乱」を起こしたってことなのかな…?

じつはここで私、いつもひっかかってる。

HALがなんで突然叛乱を起こすのか、
なんでプールを殺し、科学者3人を殺すのか、
ようわかっとらんのだ(笑)。

ストーリーの流れからいくと、
ボーマンに極秘の任務内容を教えようとした、
あるいは、木星に行くのはやめなさい、危ないから、
と叛乱を起こしてとめようとした…、
ということになるような気がするんだけど、

でもそれだったらみんなを殺すかなあ?
とも思うしさ。

「過ちを犯すのはいつも人間のほうだ」
というHALの言葉もすごくひっかかるよね。

ね、ボーマン、あんたほんとに新しいAE-35と交換してきたの?
そのまま新しいのを持って帰ってきたので
どこも故障していなってことになったんじゃないの?

HALは予測を誤った、
狂ったってことにしたかったんじゃないの?って気もしてくるよね。

HALにずっと監視されてる状態でたまらんわけだし、
ボーマン船長、なに考えてんだかよくわからん人だし…(笑)。

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第3章、「木星 そして無限の宇宙の彼方へ」

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ボーマン船長は木星に近づくと、
異次元の世界へと吸い込まれていく。

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彼が降り立ったのは、白い部屋。
そしてそこで彼が見たのは…、

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自分が乗ってきたはずのポッドと、

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ひとりで食事をしている男。

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その男は…、

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紛れもなく、自分…。

臨死の視線…、このあたり超好き(笑)。

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ボーマンは、モノリスのある、時間の止まったその白い部屋で、
しかし確実に老い、

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やがて胎児として生まれ変わった…。

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わ~~~、訳わからん!!!
でも、お、お、お、面白~~~い!!!
というのが私の正直な感想なんだよな(笑)。

物語的には訳わからん。が、めちゃ面白い。
で、「偉大なる地球外生命体キューブリック様」
と言いたくなっちゃうわけ。

400万年前、原人類の前にモノリスを置いたのは
「神」だと仮定する。

そのモノリスに触れることでヒトザルは知恵を得てヒトに進化した。
ヒトは他を征服する武器を開発することで科学を進歩させてきた。
そうして20世紀、ヒトはその征服を宇宙にまで広げ始めた。
現人類は月を征服した…。

その月にも神はモノリスを置いてて…、
ここまで来たんだったら木星まで来れるだろう、
地球外生命体は木星にいるよ、
木星を征服しにおいでよ、とヒトを誘った。

とりあえずヒト代表のボーマンが木星へ行くと、
そこは異なる世界で、
「神」はボーマンを胎児にしたってことになる…?

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ヒト代表のボーマンからすると、
こうやって手を伸ばし、部屋にあるモノリスに触れることで、
現人類から更なる新人類へと進化したってことになる…?

実際、そう受け取るひとが多いんだけど…、
え~? キューブリックは進化論やりたかったの?
じゃ武器の話はどこ行っちゃったのよ、
と、私は首をひねってる?

そうじゃなくて…、
ヒトザルはモノリスという甘いりんごを齧って武器を得た。
ヒトはその武器を進化させてついに宇宙征服に乗り出した。
結果、神は罰としてヒトを胎児の世界に閉じ込めて、
宇宙に放り出した…、永遠の孤独者として…、
ということなんじゃないの?

いや、待てよ。
物語的にはこれは破綻してて、
あ~、オレにも訳わかんなくなってきた、
でも宇宙を描きたい、オレが夢に見た宇宙を…、オレの脳内を!

ということだけでこの映画を作ったのかも知れんぞ、
わが偉大なる地球外生命体キューブリック様は…。

ま、どっちでもいいか。
なに考えてんだかよくわからんのが人間なんだよ、
と言ってるのが、
偉大なるわが地球外生命体キューブリック様なんだから…(笑)。

言えることはただひとつ、
宇宙もキューブリックも人智では測りしれんのだ!

ということにして私はいつも思考を停止させる、
この映画の場合…(笑)。

しかし、まあ、ほんとに美しい。
美しくて美しくて全身が痙攣しそう。映像も音楽も…!

ああ、人間って凄いなあ、
こういうの作っちゃうんだもんなあって感動する。

しかもさあ、これ、
いまみたいなコンピューターグラッフィクがまだなかったころに…、
1968年に作られたんだよねえ。

でも偉大なるキューブリック様、
私はどっちかってえと、
あの愚劣で地上的な「博士の異常な愛情」のほうが…(笑)。


■139分 アメリカ/イギリス SF
監督:スタンリー・キューブリック
製作:スタンリー・キューブリック
原作:アーサー・C・クラーク
脚本:スタンリー・キューブリック アーサー・C・クラーク
撮影:ジェフリー・アンスワース ジョン・オルコット
特撮:ダグラス・トランブル
編集:レイ・ラヴジョイ
出演
ケア・デュリア デヴィッド・ボウマン
ゲイリー・ロックウッド フランク・プール
ウィリアム・シルヴェスター ヘイウッド・R・フロイド
ダニエル・リクター 月を見るもの
レナード・ロシター アンドレイ・スミスロフ
マーガレット・タイザック エレーナ
ロバート・ビーティ ラルフ・ハルヴォーセン
ショーン・サリヴァン ビル・マイケルズ
アラン・ギフォード プールの父
アン・ギリス プールの母
エド・ビショップ
ケヴィン・スコット ミラー
声の出演:ダグラス・レイン HAL9000の声

公開当時は賛否両論を呼んだものの、今や映画史上のベストテンに必ず入る、殿堂入りの名作SF。人類の夜明けから月面、そして木星への旅を通し、謎の石版“モノリス”と知的生命体の接触を描く。一応のストーリーはあるが、映画はその物語性を放棄し、徹底した映像体験で構築されている。猿人の眼前に屹立するモノリス、それに触れた猿人が骨を武器として用い他の猿人を打ち殺し、空高く放り投げられた骨は一瞬にして宇宙船へと変わる--その、史上最も時空を超えたジャンプ・カットを後に、舞台は宇宙へ移行する。『美しき青きドナウ』や『ツァラトゥストラはかく語りき』といったクラシックをBGMに、悠々と描き出される未来のイメージ。そして、木星探査船ディスカバリー号での淡々とした日常業務。やがてコンピュータHAL9000に異変が起こり、ボウマン船長は光り渦巻くスターゲイトをくぐり抜けスター・チャイルドとして転生する……。訳知り顔で、作品の根底に眠る意味を解く必要はない。座して体験せよ、そういうフィルムなのだ。

  

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