ゴーストライター (2010) ヨーロッパ

[815]ポランスキーの「中間的」な映像には、ポランスキーの原体験が横たわっている?
★★★★★☆

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ポランスキーがユアン・マクレガー主演で撮った作品。

公開当時、すこし話題になったので楽しみに観たんだけど、
うん、まあまあだったかな…?

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そのマクレガー(中央)…、職業ゴーストライター。

右の友人が仕事を持ってくる、
元英国首相ラングの自伝をゴーストしろよ、と。

じつはマカラというゴーストライターがそれをやっていたんだけど、
途中で海で死んじゃったらしいのね、
プレッシャーのあまり酒を飲みすぎて…?

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その遺体…。
お~、なにかあるぞ~って感じだよねえ、ポランスキーだもん(笑)。

ゴースト・マクレガーは気乗りしないんだけど、
結局金に惹かれ引き受ける。
つうか、引き受けないと映画にならんわけだよね(笑)。

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と、出発間際、ニュースが流れてくる。

元英国首相ラングは在任中、
英国特殊部隊を極秘に使い、アルカイダの容疑者4人を逮捕、
CIAに引き渡したらしいという「疑惑」ニュースだ。

お、CIA絡みのミステリーだな、と当然思うよね。
オラがポランスキーだもん…(笑)。

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ゴーストは飛行機、船と乗り継いで、
ラングが滞在してるアメリカ東海岸の孤島に向かう。

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ラングは留守で、
秘書のアメリアに前任者マカラが書いた原稿を渡され、目を通す。
ま、結局、謎はすべてこの原稿の中にあるわけだけどさ(笑)。

しかし相変わらずいいよねえ。
まだ前半なんだけど、
いかにもポランスキーらしい映像に満ちててゾクッとする。

一言でいうと、とにかく「中間的」なんだよね、絵が。
遠すぎもぜず、かといってけして近くには絶対寄らない?
その距離をずっと一定に保っていく…。

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色彩的に言うと、寒色系…。

いつもいいなあってゾクッとするんだけど、
でもけして入っていけないんだよね、観てるほうは。
絶対に超えさせない一線をそこに引いてる?

つうのが私にとってのポランスキー映画…。
物語的にどうのこうの言うより、
私はいつもそこを観てる感じ、ポランスキーの場合。

私がかれを
「ユダヤ人狩り」に遭った人間だと思ってるからなのか、

自分たち家族が「ユダヤ人狩り」に遭ったことが
かれの心と世界観を作り上げてるからそういう絵になるのか…?

うん、あんまり考えたくないわ(笑)。

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ラングの妻…、ルース…、美人。

前任者マカラからあなたの書いた本をすすめられた、
素晴らしかった。
イギリスに帰りたい。
私は、まるで孤島のナポレオンの妻のようだ…、と、のたまう。

夫とうまく行ってないってこと言ってるんだけど、
こんな美人にそんなこと言われたら、
そら、ゴーストの気持ちはこの女に傾いちゃうわな。
罠とも知らず…(笑)。

なんの罠か?
それ言ったら話おわっちゃうじゃん(笑)。

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そして夜、ラングが自家用機で帰宅。
ルースを軽く抱きしめ、女秘書アメリアに声をかける。
これで役者は揃った。

あ、アメリアさん、忘れとったよ。

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この女性…、美人、残念ながら既婚者(笑)。
妻ルースに言わせると、
夫ラングについては自分より詳しいのだそうだ。

んなこと書いたからって引っかからないでね、
私じゃなくて妻ルースがそう言ってるだけなんだからさ…(笑)。

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で、翌日からゴーストの伝記を書くための取材が始まる。

政治に関心を持った理由についてラングが語る。

23歳の時、
選挙運動のため部屋を訪ねてきた女性ルースに一目惚れした。
それまで政治には関心がなかったが、
彼女に会いたくて入党した、と…。

おっ、いい話ですね。
それをトップに持ってきましょう、ベストセラー間違いなしですよ!
とゴーストは喜ぶのだが…。

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一方、ラングへの疑惑に国際裁判所が動きはじめる。
マスコミが島へ押し寄せ、通りではラングへの抗議デモも…、
と不穏な空気が漂いはじめる。

ホテルに泊まっていたゴーストの室内も何者かに荒らされ、
結局、ゴーストは、
ラング邸の部屋に宿泊することになる。

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と、貸し与えられたその部屋はなんと、
あの海辺で死んだ前任者マカラが使っていた部屋だった。

大好きだった淀川長治さん調にいうと…、

嫌ですねえ、怖いですねえ、秘書のアメリアが
サ~ッとカーテンを引くと、荒れた海が見えてきますね、
マカラが死んだ海が…、殺された海が。
後継者ゴーストがだんだん…、一歩一歩、
あのマカラが歩いた道を歩かされてることがよ~くわかりますよね!

というふうになるのかな…?(笑)

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ラング本人も次第に身辺に危機を感じはじめる。
米政府筋も
ウラからさりげなくラングに救助の手を差し伸べようとする。

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ラング批判の先頭に立つのは、
ラングの古い友人であるはずの英国前外相ライカートである。

ラングもまた、まあよくこんな時に自伝を書こうなんて、
と言っちゃだめだよ、映画にならなくなるから…(笑)。

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そんな中、ゴーストは、
前任者マカラの住んでいた部屋で、
かれが遺していた資料らしきものを発見する。

ひとつは古い新聞。
そこにはラングが入党した年が記載されていたが、
その年はランクが自分で語った年と違っていた。

つまり、23歳の時、マーサに出会って入党したというのは、
「ウソ」ということになる…?

もうひとつは電話番号らしき数字で、
試しに電話をしてみると、相手は「ライカート」を名乗った。
ゲツ、前外相の「ライカート」?
前任者マカラは前外相ライカートと通じていた…?

そして最後に、大学時代、演劇部に籍を置いていたラングが
部員たちと撮った写真…。

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ゴーストの血が騒ぎ始める。
やめといたほうが無難なのにね(笑)。

前任者マカラの遺体が発見された浜辺に行ってみる。
と、浜近くの小屋に住んでいた老人が言う、
フェリーから落ちたとしてもこの浜に流れつくなんてありえんべ、
潮の流れが違うべ、と…。

ああ、なんで私は「べ」なんてすぐに使いたがるんだろ?(笑)

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そして浜ではなぜかひとりの女が待っていた。
ルースだ。

彼女は言う。
私もじつはマカラの死に不審を抱いている。
夫とは離婚することにした。
私は捨てられたのよ。
あのひとの面倒はアメリアがみるはずよ、と…。

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マカラは死ぬ前夜、夫と激しく口論していた。
私も殺されるのかも…、怖い…、と言い、
結局、ゴーストはこうやって美しき未亡人を…、
まだ未亡人じゃないけど、抱きしめることに…(笑)。

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ゴーストもさすがに
クライアントとこんな関係になっちゃいかんと反省。
翌朝、町のホテルへ戻ろうと、邸の車を黙って拝借する。

と…、なんと車は勝手に
ゴーストをニューヨークのある森へと案内した。
カーナビが勝手に喋りはじた、案内しはじめたってことだべ(笑)。

車のキーがシートに置いてあったことも、
カーナビが目的地を設定してあったてことも変だと思わないのかね、
ゴーストさん?(笑)

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案内された森の中の屋敷にはなんと、
ラングが部員たちと撮った写真の中に一緒にいた
ポール・エメット教授がいた…!

ゴーストは取材のフリをして教授に会い、こう言う。
私の前任者マカラはあなたと会ったあとに死んだ、と。

と、案の定、帰途、彼も教授の車に尾行されるのだが、
なんとか必死に逃れる。

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宿をとったゴーストは
すぐにPCでポール・エメット教授について調べる。
と…、お~、かれはなんとCIAだったよ!

で、ゴーストは推理する。
ラングはポール・エメット教授に出会ったあと入党し、
CIAの強力を得て英国首相にまで上りつめたのだ、と…。

とりあえず難を逃れたゴーストは、
あの前外相「ライカート」に救助を求める。

家来とこっそり駆けつけたライカートは言う。
家来とは言わないか…、ボディガード(笑)。

前任者マカラは、じつは私の指示で動いていた。
ラングはアメリカに利益になることばかりやっていた。
そのため「正義」を通そうとする私は退けられた。
君も私の下で働かないか、と。

ゴーストは言う。
どうでもいい、私は政治には一切興味ない、と…。

私は叫ぶ。
そうだそうだ!
カッコいいねえ、まるでポランスキーの映画みたいだよ~!

あ、ポランスキーの映画だった、コレ…(笑)。

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そのあとゴーストは、
帰宅途中のラングの自家用飛行機に拾われる。

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ゴーストは、これまで自分が調べてきたこと、
推理したことをすべて正直に話す。

と、ラングは一笑にふす。
この私がCIAの手先(連絡員)だと?
私は甘っちょろい人道主義が嫌いなだけだ、
私は徹底してテロリズムと戦ってきただけだ、と…。

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そして島に着陸。
ラングはタラップを降りたあと、
出迎えたルースの目の前でテロリストの銃弾を浴び、斃れる。

そのテロリストは、
ラングのせいで息子が殺されたと思っているひとりの市民…、
父親だった。

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夫の死後、
ようやく出来上がったラングの伝記出版パーティで
いまは亡き夫の思い出を語る未亡人ルース…。

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このとき会場にいたゴーストは、
元秘書アメリアの一言で大ドンデン返しの「真実」に気づかされる。
その「真実」とは…、ジャン!

というお話…(笑)。

うん、我ながらよく出来たお話だぜと思う。
あ、原作者ロバート・ハリスとポランスキーが作ったお話だった。

でもその複雑なストーリー作りには感心するんだけど、
う~ん、またCIA陰謀の話かあという思いも拭えなくて、
「まあまあ」だったかな、みたいな感想になっちゃうんだよね…。(笑)

ま、それはそうなんだけど、物語の裏麺に、
政治にたいするポランスキーの不信感、絶望、憎悪、
そして政治の容赦ない暴力が貼り付いてて、

ポランスキーだよなあ、
やっぱりいいなあ、って感動しちゃうんだよねえ…(笑)。

ということで、
私としては必見の映画にしたいですね…。


■128分 フランス/ドイツ/イギリス サスペンス/ミステリー
監督:ロマン・ポランスキー
製作:ロマン・ポランスキー ロベール・ベンムッサ アラン・サルド
製作総指揮:ヘニング・モルフェンター
原作:ロバート・ハリス『ゴーストライター』((講談社文庫刊)
脚本:ロバート・ハリス ロマン・ポランスキー
撮影:パヴェル・エデルマン
音楽:アレクサンドル・デスプラ
出演
ユアン・マクレガー ゴースト
ピアース・ブロスナン アダム・ラング
キム・キャトラル アメリア・ブライ
オリヴィア・ウィリアムズ ルース・ラング
トム・ウィルキンソン ポール・エメット
ティモシー・ハットン シドニー・クロール
ジョン・バーンサル リック・リカルデッリ
デヴィッド・リントール ストレンジャー
ロバート・パフ リチャード・ライカールト
ジェームズ・ベルーシ ジョン・マドックス
イーライ・ウォラック 老人

「チャイナタウン」「戦場のピアニスト」の名匠ロマン・ポランスキー監督が、ロバート・ハリスの同名ベストセラーを「トレインスポッティング」「ムーラン・ルージュ」のユアン・マクレガー主演で映画化したサスペンス・ミステリー。自叙伝を発表する元英国首相にゴーストライターとして雇われた主人公が、国家を揺るがす危険な秘密に迫ったばかりに、恐るべき陰謀に巻き込まれていくさまを、円熟のサスペンス演出でスリリングに描き出す。共演はピアース・ブロスナン、キム・キャトラル、オリヴィア・ウィリアムズ。
英国の元首相アダム・ラングの自叙伝執筆を依頼された一人のゴーストライター。政治に興味のない彼は気乗りしないままに、ラングが滞在するアメリカ東海岸の孤島へと向かう。そこでラングへの取材をしながら、フェリーから転落死したという前任者の仕事を引き継ぎ、原稿を書き進めていく。しかし次第に、ラングの過去に対する疑問がわき上がってくる。そして、いつしか真相に迫ろうと深追いしてしまうゴーストライターだったが…。

  

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