神弓 -KAMIYUMI- (2011) 韓国

[860]丙子胡乱(へいしこらん)を下敷きにした史劇の向こうに「恨」を見た?
★★★★★★

画像


2011年の年間興行成績第1位だったという史劇アクション。
うん、面白かったよ。

フィクションだが、
1636~37年に起きた清国の朝鮮への侵略事件…、
「丙子胡乱(へいしこらん)」を下敷きにしている。

画像
画像

丙子胡乱
17世紀はじめ、
中国全土を支配していた明が衰えを見せ、後金が台頭してきた。
1636年、後金のホンタイジ(皇太極、太宗)は皇帝に即位し、
国号を清と改め、朝鮮に対して臣従するよう要求した。
しかし朝鮮の朝廷では斥和論(主戦論)が大勢を占めたため、
仁祖は要求を拒絶し、清と戦う準備に入った。
清は朝鮮が謝罪しなければ攻撃すると脅したが、
朝鮮はこれを黙殺した。
これに激怒したホンタイジは朝鮮侵攻を決意する。

画像

経緯
1636年12月2日、
ホンタイジは自ら10万の兵力を率いて首都盛京(瀋陽)を発ち、
9日には鴨緑江を渡って朝鮮に侵入した。
義州府尹の林慶業は白馬山城を固めて清軍に備えたが、
清軍はこれを避けて漢城に向けて進撃した。
13日、朝鮮の朝廷は清軍侵入の事実を知ったが、
14日には清軍がすでに開城を通過していた。
朝鮮朝廷は急遽漢城と江華島の守備を固め、
宗室を江華島に避難させた。
14日夜には仁祖も江華島へ逃れようとするが清軍に道をふさがれ、
やむなく1万3000人の将兵と共に南漢山城に逃れたが、
城を包囲され、40日余りの篭城の末に降伏、和議が結ばれた。
(三田渡の盟約)

画像

1637年1月30日、
仁祖は城を出て、漢江南岸の三田渡にある清軍陣営に出向き、
清に対する降伏の礼を行わされた。
仁祖は朝鮮王の正服から平民の着る粗末な衣服に着替え、
受降壇の最上段に座るホンタイジに向かって
最下壇から三跪九叩頭の礼による臣下の礼を行い、
許しを乞うたという。
(ウィキペディアより)




画像

ナミ、チャイン兄妹の父親は逆賊として殺害され、
その後、キム・ムソン家で育てられる。

画像

10数年後、
キム・ムソンの息子ソグンは、妹チャインを嫁にもらい、
祝言を挙げる。

その祝言を見届けたナミは肩の荷を降ろし、
世話になったキム・ムソン家を辞そうとする。

画像

と、その時、
清国の王子トルゴンが侵入してきて、村を全滅させ、
チャイン、ソグン、村人らを清国・満州へと連れ去る。

画像

兄ナミは驚き、
父親の形見の「神弓」を手にひとり清軍を追い、
チャインらを救出するというストーリーである。

画像

ナミの妹、チャイン…、ムン・チェウォン。

画像

チャインと祝言を挙げるキム・ムソンの息子、ソグン…、キム・ムヨル。

画像

ソグンの父親で、ナミ、チャイン兄妹の養父でもある
キム・ムソン…、イ・ギョンヨン。
襲撃してきた清軍に妻とともにその場で殺害される。

画像

チャイン兄ナミ…、パク・ヘイル。
朝鮮の神弓という異名をとる弓の名手。

画像

清軍の大将チュシンタ…、おらがリュ・スンニョン。

ナミ同様、凄じい破壊力を持つ弓の名手で、
後半は、チャインを救出して逃げるナミと、
それを追うこのチュシンタとの弓対決といった様相になっている。

画像

左、清国の王子トルゴン…、パク・キウン。右、チャイン。

パク・キウン、
「後悔なんてしない」(2006)にちょい役で出てたけど、
めちゃ魅力的ないい俳優になったよねえ。

画像

鴨緑江(?)まで連行された朝鮮の村人たちは、
ソグンと、追ってきた神弓ナミの先導のもと
清軍に反乱を起こす。

画像

ナミとソグンは、王子トルゴンのもとからチャインを救出し、
脱出逃走する。

画像

ナミは王子トルゴンを火だるまにして殺し、
先に逃がしたチャイン・ソグンのあとを追う。

画像

後方にいた清国大将チュシンタが王子に追いつくと、
清軍は全滅していた。
すぐに逃げた朝鮮人を追跡しはじめる。

画像

ナミは逃走中に、
やはり逃げる途中だったキム・ムソン家の使用人2人に遭遇する。
中央はその使用人カビョン…、おらがイ・ハヌィ。
相変わらずいい味を出しているよ~。

画像

が、3人は
追手のチュシンタに渓谷に追いつめられる。

使用人カビョンとカンドゥ(キム・グテク)はナミを逃がすため、
追手の前に立ち塞がり、命を落とす。(泣)

画像

絶対絶命に追い込まれたナミは、渓谷の対岸に向かって跳ぶ。
うそだあ、50mはあるぜ~!

画像
画像

チュシンタと家来どもも、ナミを追って渓谷を飛び越える。

画像

オレもうそだけど、あいつらもうそだろう!
と岩場でかれらを見つめているナミ。(笑)
その額にはびっちりと冷や汗が流れている…。

画像

ナミは行き止まりの崖に追いつめられる。
もはやこれまでかと思われたその時…、

画像

突如現われた虎に窮地を救われる。

すっかり忘れていたなあ。
子供のころ、「朝鮮虎」の話をよく聞いたんだけど、
いやあ、その朝鮮虎にはじめて出会った感じだったよ。

朝鮮虎
アムールトラ (Panthera tigris altaica) は、ネコ科に属するトラの一亜種。
altaicaとは、ロシアの西シベリアのアルタイ地方の意味。
和名はチョウセントラ、シベリアトラなどとすることもある。
主な生息域は、ロシアと中国東北部の国境を流れるアムール川や
ウスリー川(アムール川の支流)周辺のタイガである。
また、北朝鮮での生息も確認されている。
北朝鮮での生息状況の詳細は不明だが、
白頭山周辺が本種の生息地域として紹介されることが多い。


画像
画像
画像

追われながらもナミは
神の弓と、神の矢「赤子の矢」を使い、
次々と清の武将たちを倒していく。

神の弓はすごいよお。
障害物をググッと避けながら飛んでいくんだよ。

画像

チャインとソグンは追手をかわし、
ナミと約束した落ち合う場所へやってくる。

画像

そこへナミと、追ってきたチュシンタが現われ、
弓の戦いになるのだが、
最後、ソグンがチュシンタに捕われる。

画像

ナミは最後のチカラをふりしぼり、神の弓を引く。

画像

赤い矢はソグンの首筋を通り抜け
みごとにチュシンタの首を射抜くのだが…。


監督は
「極楽島殺人事件」(2007)を撮ったキム・ハンミンだが、
カメラと音楽が圧倒的にいい。




この音楽は、
父親が逆賊として殺害され、
少年のナミ、チャイン兄妹が逃走するトップシーンなのだが、
全編がこのテンポとリズムである。

カメラも手持ちカメラを主体に、
ドキュメント・タッチでこのテンポとリズムで貫かれているから、
いやあ、私なんかノリノリだよねえ。

ちなみに音楽もカメラマンのキム・テソンなんだよ。

しかし前回紹介した「珈琲(カビ)」もそうだったけど、
ここ数年の韓国映画を観ていると、
現代劇より史劇が圧倒的に面白いなあ。

2000年前後から
韓国の大衆は映画で自分たちが生きている場所を表現しはじめた
というのが私の見方なんだけど、それもひと段落して、

ここ数年あたりから、
自分たちのやってきた歴史を見つめ直しはじめたのかも
しれない。

韓国映画を観始めたころの史劇は
どっちかというと愚にもつかぬほどつまらなかったが(笑)、
いまやダントツに面白くなったのは、
そのせいかも…。

もうひとつ。
この映画を見てると、
とてもいまの日本の俳優にはこんなパワーはないよなあ
と痛切に感じたよ。

こんなふうに野山を駆け回ったりオクションしたりする
体力もエネルギーも、そして魂ももうないよね(笑)。

いま韓国人と戦争やったら
日本人は30分ももたないんじゃないの?(笑)
あ、私は戦争断固反対のひとだからね。

画像

これは清国の武将ノガミをやっている大谷亮平。
聴覚障害を持っていて手話で会話する役なんだけど、
うん、よかった!

日本の俳優はみんな彼を見習って
韓国で修行してくるといいと思う。
これ、マジだよ。(笑) 

画像

刀で舞う妓女…、ユ・ソヌ。
1シーンなんだけど、彼女の舞いにも感動したよ。
もしかしてほんとに舞踏家なのかな…?

これもスクリーンさんに頂いた作品。
スクリーンさん、いい作品、お礼の申し上げようもありません。
ほんとにありがとうございました。

■122分 韓国 アクション/歴史劇
監督:キム・ハンミン
脚本:キム・ハンミン
撮影:キム・テソン
音楽:キム・テソン
出演
パク・ヘイル  ナミ 神弓
リュ・スンニョン  チュシンタ 清国の大将
キム・ムヨル  ソグン チャインの婚約者 キム・ムソンの息子
ムン・チェウォン  チャイン ナミの妹
イ・ハヌィ  カビョン キム・ムソン家の使用人
キム・グテク  カンドゥ キム・ムソン家の使用人
イ・ギョンヨン  キム・ムソン ナミとチャインの養父
パク・キウン  トルゴン 清国の王子
イ・スンジュン  ワナン 清国の武将
イ・ジェグ  フマン 清国の武将
パク・ノシク  チャンスン 通訳 ウニの父
イ・デビッド  ナミ 子役
チョン・ミンソ  チャイン 子役
大谷亮平  ノガミ 清国の武将 聴覚障害

特別出演
ユン・ドンファン  チェ・ピョンニャン ナミの父
パク・ミョンシン  キム・ムソンの妻
ユ・ソヌ  刀の舞い妓女

武術指導 キム・サンヨン
武術支援 キム・ウォンジン パク・チンス
武術チーム キム・ビョンオ

受賞
2011 第48回 大鐘賞映画祭
男優主演賞(パク・ヘイル)
映像技術賞(ハン・ヨンウ)
音響技術賞(チェ・テヨン)
新人女優賞(ムン・チェウォン)
2011 第32回 青龍映画賞
男優主演賞(パク・ヘイル)
男優助演賞(リュ・スンニョン)
新人女優賞(ムン・チェウォン)
技術賞(オ・セヨン)
韓国映画最多観客賞

韓国で2011年の年間興行成績第1位に輝いた歴史アクション大作。戦乱の17世紀を舞台に、清国に捕らえられた妹を取り戻すため、伝説の<神弓>を手にたった一人で10万の軍勢に戦いを挑む主人公の活躍を、弓による多彩かつ迫力の戦闘アクション満載に描き出す。主演は「黒く濁る村」のパク・ヘイル。監督は「極楽島殺人事件」のキム・ハンミン。
清の捕虜となった妹を取り戻すために独りで大陸と戦う朝鮮の神弓ナミと,その神妙な弓から王子と兄弟を守らなければならない大陸の名弓チュシンタの闘いを描く。
1636年,50万の捕虜が引きずられて行ったピョンジャホラン(丙子胡乱)。激しかった戦争の中心に,歴史が記録することができない偉大な神弓があった。逆賊の子孫であり,朝鮮最高の神弓ナミは,唯一の血縁の妹チャインの幸福だけを望んで生きている。やっと迎えたチャインの婚姻日,一番幸せな瞬間に,清国の精鋭部隊ニルの襲撃で,チャインと新郎ソグンは捕虜に捕えられてしまう。
ナミは,父が残した弓に頼って清軍の心臓部へよどみなく前進する。鬼神のような手並みで清国の精鋭部隊ニルを一人二人と処置するナミは,一発一発清軍の本拠地へ接近して行く。ナミの神妙な弓の腕前を知った清国の名将チュシンタは,王子トルゴンと部下たちを守るためにナミを追撃し始める。飛んでくる方向を予測できない曲射を使うナミと,凄じい破壊力を持ったユクリャンシ(六兩矢)を使うチュシンタは,最も大切なものを守るための史上最大の弓の戦争を始める。

 

ブログランキング・にほんブログ村へ 



この記事へのコメント

2020年05月03日 05:04
俳優がいくら動き回っても戦争には勝てんよwwwww
多分2時間で日本が勝つだろね

この記事へのトラックバック

  • パク・ヘイル 最新情報 - これ好き! KoreaFan

    Excerpt: パク・ヘイル の最新情報が一目でわかる!ニュース、ブログ、オークション、人気ランキング、画像、動画、テレビ番組、Twitterなど Weblog: これ好き! KoreaFan racked: 2012-12-14 05:15