おばあちゃん ありがとう (2010) 韓国

[872]おばあちゃんは、孫のジュンでもないのにその娘をジュンと呼び、愛した

画像


お、ナ・ムニの主演映画だ!
とパッと手に取って、パッと借りてきて、パッと観たら、
なんだ、テレビドラマだあ(笑)。

紛らわしいよなあ、ほんとに。
映画とドラマのDVD一緒の棚に置くなって言ってるだろ。
何遍言えばわかるのよ、コンビニじゃあるまいし。

ま、いいけどさ、ナ・ムニ、たっぷり観れたから…。

画像

遺書を書いている1人住まいのおばあちゃん…、ナ・ムニ。
末期ガンを宣告されたからである。

画像

と、そこへほとんど使用済みに等しい電話が鳴った。
出ると、若い女の子の声だった。

「私だよ」
「誰だい?」
「おばあちゃん、私が誰だかわからない?」
「イライラする、名前を言え」
「声を聞いてもわからない? おばあちゃんの孫よ」

おばあちゃんは驚いて聞く。
「ひょっとしてジュンかい?」
「そう。ジュンだよ、おばあちゃん」
「ジュンなの?」
「そうだよ」

孫ジュンは言う。
悪いけど10万ウォン送ってほしいの、と。

画像

やりとりからわかるように、
コレ、じつは振込詐欺のドラマである。

おばあちゃんに孫はいない。

いや、ほんとうは息子の子供がひとりいた。
その息子が死んでしまったので引き取ったが、
その孫ジュンも、火事を出し、幼くして亡くしてしまった。

でもおばあちゃんは詐欺だと知りながらも、
相手の口座にお金を振り込んだ。
誰だか知らないが、電話をくれただけでうれしかったのだ。
電話をくれる者などもう誰もいなかったので…。

画像

その女の子からまた電話があった。
自転車にぶつかって病院にいるが、
治療費20万ウォンが必要なので振り込んでほしいという。

おばあちゃんは怒った。
「うそつき。ろくでなし。お金を何に使うのよ。
こんなことしていいと思っているのか。
年寄りを騙して楽しいか」

女の子はギャク切れした(笑)。
「自転車事故はうそよ。
お金を何に使うか?
学校で必要なの。給食費、補充費、運営支援費。
お金を払わずに学校に行ける?
行けるんだったらその方法を教えてよ、ガチャン」

画像

断っておくと、
振込詐欺だとわかるのはドラマの後半である。
このあたりはまだわかっていない。
孫のジュンが火事で死んだことも…。

ナ・ムニおばあちゃんは、
ほんとに孫ジュンから電話があって、
その孫ジュンとやりしりしてるかのようなのである。

1回目の電話で
私はすでに「ん?詐欺?」と疑っていたのだが、
2回目の電話ではむしろ、

おばあちゃんと女の子のやりとりに
「祖母・孫」の真実の姿を垣間見るような気がして、
半分、詐欺説が吹っ飛んでしまっていたなあ。

画像

話題の詐欺師・ジュン(笑)…、ナム・ジヒョン。
真実は、女子高生ウナ。

彼女の話は半分ほんとうである。
学校に払うお金がないのである。

周囲の女子高生たちは「援助交際」で稼いでいるが、
ウナは援交だけはだめだ。できない。

画像

彼女は孤児で、
貰ってくれた叔母さんと二人で暮らしている。
その叔母さんはカラオケ店で、男たちを相手に働いている。

「叔母さん」と言うのは、
彼女がまだ叔母さんを「ママ」と言えないからだ。

愛されているとも思っていないので、
お金のことも切り出せない。
で、仕方なく降込詐欺をはじめたのだ。

彼女が援交だけはいやだと思っているのも、
この叔母さんの働く姿を見ているからだ。

画像

ウナ=ジュンが通帳記入に行くと、
2度目のお金が振り込まれていた。
それも20万と言ったのに、30万ウォン…。

画像

ウナ=ジュンはおばあちゃんにお礼の電話をする。
「おばあちゃん、元気?
20万って言ったのに、おばあちゃん、
間違えて10万余計に振り込んじゃってるよ」(笑)。

おばあちゃんの声が聞こえた。

「間違えたんじゃないよ。
孫にお小遣いをあげたんだ。
好きなものを買いなさい。
忘れたのかい、明日はおまえの誕生日だろ」

「よかったらおばあちゃんとこにおいで。
祝ってあげるよ。
おまえ、おばあちゃんのワカメスープが好きだったろ」

画像

ウナは、ジュンだと偽り、おばあちゃんを騙している。
おばあちゃんも騙されたふりをして、
「おばあちゃん-孫ジョン」を演じている。
騙されたふりをして、ウナを騙している。

演劇的に言えば二人はまったくの同罪だ。

これも先に言っておくと、ドラマは
振込詐欺だということをあらかじめ隠して始めるのだが、
視聴者はそれが冒頭からわかっていたほうが、
このドラマを…、

おばあちゃんとウナ=ジュンの
スリリングにして絶妙なるやりとりを堪能できたんじゃないか
と、いちおう演出家の私は思う(笑)。

画像

叔母さん=母親は、ウナの貯金通帳を見て驚く。
この金はどうしたのよ、
あんた、まさか援助交際してるんじゃないでしょうね、
と激しく問い詰め、平手で殴る。

ウナは
「きょうで叔母さんとも最後ね」と言い、家を出る。

画像

だが、どこにも行くところがない。
深夜、ウナはおばあちゃんに電話をする。

画像

おばあちゃんは、
電話の向こうで黙っている孫のジュンが
泣いているような気がして聞く。

孫ジュンの声が聞こえる。

「誰かと話したいのに、話す相手がいないの。
これが最後の言葉だと言っても、
聞いてくれるひとがどこにもいない」

「おばあちゃん、生きれば生きるほど、
目の前が真っ暗になる気分わかる?
生まれた時から私は思い通りに生きたことがないの。
最後だけは思う通りにしたいの」

ウナ=ジュンは死のうと思っているのだ。
おばあちゃんは怒る。

「このバカ娘。
人生をお遊びだと思ってるのかい。
自分だけが悲しくてつらいと思ってるんだろ。
お前みたいな子は叩かないとわからない。
いますぐにおいで。私が血が出るほど叩いてやるよ」

画像

突然、おばあちゃんの声が途切れた。
呼びかけても返事がない。

じつは怒鳴りすぎて血圧が上り、倒れたのだが、

ウナ=ジュンは友だちのウニに電話をして
おばあちゃんの住所を教えてもらい、
急いでおばあちゃんの家に駆けつける。

このウニという友だちが振込詐欺と、
相手のおばあちゃんのことを教えたようだ。

画像

ウナ=ジュンが家を探しあて、
「おばあちゃん、大丈夫? おばあちゃん」
と門を叩いていると、
おばあちゃんが犬の散歩から帰ってきた。

大事には至らなかったのである。

ウナ=ジュンは思わず聞いた。
「おばあちゃん?」

おばあちゃんも確かめた。
「ジュン?」

ウナ=ジュンが慌てて引き返そうとすると、
おばあちゃんが言った。
「バスもないのにどこへ行くの。
せっかく来たんだから中に入りなさい」

画像

その夜、ウナ=ジュンは
おばあちゃんの寝巻きを借り、
同じ部屋でおばあちゃんとフトンを並べて寝た。

画像

そして翌朝、おばあちゃんの得意なワカメスープを飲むと、
ちょっと塩辛かったが、美味しかった。
おばあちゃんの味がした。

画像

おばあちゃんの爪も切ってやった。

画像

おばあちゃんは嬉しそうに言った。
「孫がいるといいね、爪も切ってもらえて」

画像

それからおばあちゃんは街へ行き、
誕生日祝いだと言って孫に流行の服と、
携帯を持っていないようなので携帯を買ってやった。

画像

ウナ=ジュンは
その携帯でさっそくおばあちゃんと写真を撮った。

画像

ところが家の門前で、
おばあちゃんの大事なバッグを持ち去ろうとする
おばあちゃんの甥っ子に遭遇。

ウナ=ジュンもおばあちゃんの加勢をして
なんとかそのバッグを取り戻すのだが、
その時ちょっとゲガをした。

おばあちゃんはウナ=ジュンを家に置いて
クスリを買いに薬局へ行く。

画像

が、クスリを手に帰ると、
孫の姿は大事なバッグと一緒に消えていた。

画像

バッグの中には、
おばあちゃんが最近下ろした全財産が…、
5000万ウォンが入っていた。

ウナ=ジュンはバッグの中身に気づき、
盗んでしまったのである。

画像

叔母さんと暮らしているアパートへ戻り、
お金を自分のバッグへ移し変えようとすると、
中からおばあちゃんの書いた「遺書」が出てきた。

ウナ=ジュンは驚いてその遺書を読む。

画像

遺書には、
自分の愚かさで
愛する孫ジュンを焼死させてしまったことが書いてあった。

愛されず、誕生日も祝福されない子が多いはず。
そういう子のためにこのお金を使ってください、と。

画像

ウナはおばあちゃんの遺書を読み、
はじめておばあちゃんの気持ちがわかった。

孫のジュンでもない自分に、
詐欺を働いている自分に、
おばあちゃんがどうしてお金を振り込んでくれたのか。
どうしてあんなに優しくしてくれたのか。

死のうと思ったとき、
どうしてあんなに怒ってくれたのか。
そうとも知らずに私は…。

「おばあちゃん…」

ウナ=ジュンはすぐに
おばあちゃんにお金を返しに行こうと思い、
アパートを出ようとするのだが…。

はい、あとは自分の目で確かめましょう。

画像

こういう写真を見せられると、
どうやったって観たくなるでしょう。

70分の短いドラマだけど、
「孤児社会」韓国の断面が鋭く、そして優しく描かれた秀作だよ。

ナ・ムニのおばあちゃんと、
ナム・ジヒョンのウナに泣かされちゃうよ。
素晴らしいよ、二人の演技。

ナ・ムニ、
このドラマでなにか賞をもらったみたい。

しかし映画に限らず、
韓国、ドラマでもほんとにいいドラマ創るよねえ。
嬉しくなっちゃうなあ…。


●たまねぎさん
おめでとうございます。
ほんと、いいドラマですよねえ。
日本は若者文化だから、
ナ・ムニみたいなベテラン女優、なかなか生まれないですよね。
それも残念というか悔しいというか…。

ありがとうございました。


■70分 韓国 ドラマ
演出:チョン・デユン
企画:パク・ソンス
脚本:チョン・ヘリ
出演
ナ・ムニ
ナム・ジヒョン
イ・アヒョン
ジョ・ヒボン

「私の名前はキム・サムスン 」「グッバイ・ソロ」などおばあちゃん役でお馴染みのナ・ムニ。
「善徳女王」「クリスマスに雪は降るの?」「ジャイアント」など、こちらも数々のドラマで子役を務めるナム・ジヒョン。
幼い孫を失った祖母と、給食費も満足に払えない家庭環境にいるウナ。ウナがかけた一本の電話が二人を繋ぐ絆に変わる。まるで1本の映画を観ているような作品。

 

クリックしていただけると助かります。
イベントが会社を楽しくする!br>イベント用品レンタルのサークランド  NTTPCのレンタルサーバー


ブログランキングに参加しています。ぜひポチっと(喜)
 にほんブログ村 映画ブログへ  



この記事へのコメント

たまねぎ
2012年12月29日 01:38
このドラマは観ています^^
ほんとに心温まるいい作品でしたね~

この記事へのトラックバック