ヘンゼルとグレーテル (2007) 韓国

[931]孤児たちの心が切なくて哀しい、お薦めのホラー・ファンタジー。
★★★★★☆

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グリム童話「ヘンゼルとグレーテル」を下敷きにした
ホラー・ファンタジー。

いかにも韓国映画らしい味付けがしてあって
けっこう乗って楽しめた。

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ウンスはある夜、車でひとり
幼いときに生き別れた危篤状態の母親に会いに向かう。

途中、恋人のヘヨンから妊娠したという電話を受け、口論になる。
そして事故…、気がつくと彼は深い森の中に投げ出されていた。

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出口を求めてさ迷い歩いていると、
森の中に住むヨンヒという少女に出会い、家に案内される。

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家というより屋敷。いかにもグリム童話風といった感じ。
しかも表札に「楽しい子供たちの家」とある。

おっ、ここはアレかな?
と、いつのまにか韓国映画通になったおらは一瞬にして思うよね(笑)。
ま、予想はめでたくあたってアレだった訳だけどさ。

屋敷の中は子供たちの家に相応しく、おもちゃやお菓子でいっぱい。
そして絵に描いたような仲睦まじき幸せ家族五人が。

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12歳のヨンヒ、末っ子ジョンスン7歳、長男マンボク13歳。
若くてきれいなママとパパ。
ママをやっているのは私のお気に入りのチャン・ヨンナムだよ。

ウンスが電話を貸してくれと頼むと、
パパはただいま修理中となぜか冷や汗を流し、

母とはあまり仲がよくなくてと言うと、
長男マンボクは「ママは世界で最高のものだ!」と
なぜか激怒する。

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触らぬ神に祟りなしとばかりに、
ウンスは翌朝、この家を辞して森を抜けようとするのだが、

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行けど歩けど森を抜けられず、
結局「楽しい子供たちの家」に戻り、
また一晩厄介になることに。

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そしてその夜、隣室での夫婦喧嘩を耳にする。
「一生こんな家にいろって言うの?」
「おれにどうしろってんだ!」
「?」と思い、翌朝目を覚ましてみると、

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夫婦は「急用ができた。出かけてきます。子供たちをよろしく」
という置手紙を一枚残して姿を消している。
ウンスが、
森を出て町のひとたちを寄こそうと、また屋敷を出ると、
その背中で子供たちは、

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「いい人だわね」
「まあ、いまのところはな」とほくそ笑んでいた。

ウンスは案の定、森を出られない。
おまけに森の中には誰かいるような気がする。
引き返した屋敷の中にも…。

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3日目、ウンスは、長男マンボクが描いてくれた
「森を出る地図」を手に森を出ようとする。

途中、マンボクに案内されて屋敷へと向かう
一組の男女に遭遇する。
「引き返したほうがいい」と忠告して森を出ようとする。

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と、今度はうさぎ(?)のぬいぐるみを被って
木にぶら下げられている死体に出会った。
どうやらあの「パパ」のようである。

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もしかしてコレはあの子供たちの仕業ではないかと思い、
ウンスは屋敷に引き返し、
「なぜ行かせてくれないんだ」とマンボクに迫る。
末っ子ジョンスンが怖がって泣きはじめる。

ウンスは森に落ちていたと言って、
そのジョンスンに彼女のヘアピンを渡す。
そのヘアピンはじつは
あの「パパ」の遺体のそばに落ちていたのだ。

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雪の中で出会った男は、ピョン執事だと名乗り、
あなたが無事にここへ帰ってこれたのも
「尊く偉大なあの方のおかげだ」となぜかご機嫌である。

「あの方」という言葉を聞く至っておらは、
うん、間違いなくこの子供たちはアレで、
ここは間違いなくアレだよな、と確信する。(笑)

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4日目。子供たちの異様に気づいたウンスは
そろそろと探索をはじめる。

テレビでは同じ番組がずっと流れている。
アニメ童話と、クリスマスを知らせる番組だ。
テレビのコードを手繰っていくと、コードのコンセントは外れている。
なのにテレビは流れている。

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絵本が隠されているのを発見する。
手にするとグリム童話の「ヘンゼルとグレーテル」である。

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そのウンスを見てマンボクが怒る。
「ぼくのものに触るな」と。

その態度にあたまに来て
ウンスがマンボクの腕を取って怒ると、
ゲッ! マンボクの腕が異様に熱くなってそこから煙が!

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そして人の気配がする屋根裏を調べると、
そこにはあのママが震えながら蹲っていた。
「私はあの子たちのママじゃないの。
あの子たちに気づかれたら大変」と言い…。

子供たち三人の正体は?
そしてこのママと、あの一組の男女の運命は?
ピョン執事は何者なのか?
はたしてウンスは無事にこの森を抜け出せるのか?
みたいな映画…。

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結論は…、結論言うのか?
うん、言っちゃうよ。
でないとこの映画の面白さ言えないんだもん(笑)。

韓国映画を見慣れているひとたちはもうわかるだろうが、
この三人の子供たちは、
孤児院に預けられた、孤児たちなんだよね。

しかもマンボクは1959年生まれ。
ヨンヒは1960年、ジョンスンは1965年生まれ。

にもかかわらずいまだ子供なのは、
親をはじめ、孤児院の園長ら、おとなたちに酷いめにあわされ、
おとなになることを拒んだから。

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ある日、かれらは、孤児院にやってきたサンタさんに
絵本「ヘンゼルとグレーテル」をプレゼントされ、秘密を教わる。
心から願えば、想像するだけでその願いは叶うようになる、と。

で、三人は、
園長らおとなたちが孤児院からいなくなることを心から願う。
つまり念力でもって殺害し、自分たちだけで暮らしはじめた。
それがこの元孤児院の
「楽しい子供たちの家」だったという訳。

この三人の子供たちはいまもそれを繰り返している。
森に迷い込んできたおとなたちを開発した念力で、
超能力でもって殺害している。
若きパパとママが殺害されるのもそのせい。

ほんとうは、
この屋敷に残って自分たちをお世話してくれる
優しいパパママになってくれることを望んでいるのだが、
みんな自分たち子供を残して森を出て行こうとする。
だから殺してしまうんだよね、
おとなたちは勝手だと思って。

ピョン執事と連れの女は、
かつての孤児院の園長と、園の母親。

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三人はこの二人を殺害するんだけど、
それはそのまま三人の過去(孤児院時代)が
再現されるかたちになっている。

私はピョン執事が「あの方」を連発するから、
孤児院は教会の施設だったんだろうなあと想像した。
でもそうじゃなくてある新興教団の「あの方」で
若干違ったんだけど、
そのあたり構成がすごく凝っていて上手いんだよね。

ま、よくある手だと言えばそうなんだが、
物語の時間軸の作りかたは間違いなく上手い。

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これは、屋敷に現れたばかりのピョン執事。
どう見たって生首が晒されてる姿だよなあ(笑)。
と思っていたら、このひと、
子供たちに殺害された園長先生だった訳だよねえ(笑)。

で、いまその姿が蘇ってるわけ。

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これはウンスが
若きパパの遺体のそばで拾ったジョンスンのヘアピンを
彼女に渡すシーン。

このヘアピンを姉ヨンヒは以前探し歩いていた。
いつか?
じつは事故に遭ったウンスに出会い、屋敷に案内した夜。

ということは、
あの若きパパはもうその時殺されていたということなんだけど、
ウンスが屋敷を訪れるとまだ生きてることになっている。
生きて姿を表わしている。

そんな過去と現在が同居する時間の構成の仕方というか、
そのあたりがじつに絶妙なんだよね。

絶妙なぶんだけ、
ウンスが見たのは現実なのか夢なのか
最後までよくわからないという仕掛けになってる。

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物語の大枠作りもうまい。
結局、ウンスひとり森を抜け出すことができた。
それはウンスが子供たちには信頼できるおとなだったからだが、

子を産むかどうか迷っていたかれは、
森を脱出したあと、ヘヨンとわが子を産み育てる。

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そして二人の部屋には、
幼いウンスを抱いた母親の遺影まで飾られている。

母親は幼いウンスを捨てた。
そのためウンスは母親を許すことができなかったのだが、
この森の中に三人の子供たちに出会うことで
かれは変わることができたんだよね。
よかったね、ウンス。
という大枠になってるんだよね。

韓国は「孤児社会」だというのが私の見方だが、
その孤児社会の心の一端をじつに的確に表現してるよね。

しかしまあいつものことながら、
この三人の子供たちの演技がほんと素晴らしい。
大拍手。


●misunaさん
チョン・ジョンミョン、2時間くらいしか魅力が持たないのか?
には思わず大笑いしてしまいました(笑)。
「青い塩」のチョン・ジョンミョンには、わたし惚れたんですけどねえ。
顔がちょっとのっぺりお坊ちゃん顔だから、
「青い塩」のときみたいに薄汚い顔にすると
魅力を発揮するのかもしれませんねえ(笑)。
韓国の子どもたち、みんなほんとうまいですよね。
日本の子役は妙にお芝居をしようとしてしまいますが、
韓国の子どもたちはみんな物語の中に入って素直にやります。
だからいいんだと思いますが、
韓国のおとなの俳優たちもみんなちゃんとそうやってますよね。
だから子どもたちもそれを真似て素直にやれるんだろうなあ
とも思います。
私は舞台演出をしてますが、韓国の俳優たちが
子供も大人もうらやましくてたまらんです(笑)。

ありがとうございました。


■116分 韓国 ホラー/ファンタジー
監督:イム・ピルソン
エグゼクティブプロデューサー:ミッキー・リー
原案:キム・ミンスク
脚本:イム・ピルソン キム・ミンスク
撮影:キム・ジヨン
音楽:イ・ビョンウ
出演
チョン・ジョンミョン
ウン・ウォンジェ
シム・ウンギョン
チン・ジヒ
パク・ヒスン

ウンスは,幼い時に生き別れたお母さんに会いに行く途中,事故で気を失う。深い夜,森で目を開いた彼の前に突然現れた少女。ウンスは,惹かれるように彼女についていき,三人の子供が住んでいる<楽しい子供たちの家>に向かう。
絵本から抜け出たような家は,おもちゃと菓子でぎっしり埋まった子供たちの天国だ。しかし,電話は不通で,森はいくらさ迷っても出口を探せない。外側との往来がないのにいつも豊かな食卓,中二階から流れ出る奇異な泣き声,子供たちが教えたとおり行ってみても,迷路のように元の場所に戻る森。
ウンスは,説明できない出来事の中に,子供たちの秘密があることを感知する。子供たちを恐れたお母さんとお父さんは,弱り目にたたり目,メモ一枚を残したまま消え,子供たちは,釈然としない弁解だけをならべる。何日か後,あたかも子供たちの計画であるかのように,また他の道に迷った大人たちが子供たちの家を訪ねてきて,ウンスの不安と疑問は,より一層深まる。

 

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この記事へのコメント

misuna
2013年05月20日 00:45
ほんと!子役上手い!
チョン・ジョンミンはドラマではパッとしないけど
「青い塩」とかこれとか映画では結構イイ感じ。
もしかしたら2時間くらいしか魅力が持たないのか?彼は

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