短い記憶 (2010) 韓国

[962]ラスト、心の疵を負った若い二人の再生を思わず祈ったよ
★★★★★☆

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いかにも韓国らしい青春映画。

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動物病院で働いている主人公のヘファ…、ユ・ダイン。

彼女がある家に犬を貰いに行くシーンから始まるのだが、
おっ、ぺ・ドゥナ、久しぶりだな。
しばらく会わない間に顔がずいぶんふっくらしちゃったじゃないか、
と、一瞬、私は勘違いしてしまったよ(笑)。

この女優さん、そのくらい、表情から立ち居振る舞いまで、
ぺ・ドゥナによく似てるんだよねえ。

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彼女は犬たちと暮らしている(笑)。
捨てられている犬を、とくに子犬を見ていると
可愛そうになってつい拾ってきてしまうからである。

そのウラには心の疵が隠されていた。

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18歳、高校生のころ、
ハンス(ユ・ヨンソク)という子と愛し合い、妊娠した。
産み、結婚しようと誓いあった。

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母にもそう伝えた。
が、かれは出産が近づくと、突然、消えた。

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母と一緒にハンスの家を訪ねると、ハンスの母親は言った。

ハンスに恋人がいるとは知らなかった。もちろん妊娠のことも。
ハンスはカナダに留学した。私たちもカナダへ行く。
子供は養子に出すなり、ご随意になさってください。
私たちも従います。ハンスのことは諦めてください、と。

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出産の日、ヘファは、陣痛の苦しみに恐怖した。
ベッドで目を覚まし、母に子供のことを尋ねると、
もともと心臓が悪かったらしく、
おまえが眠っている間に逝ってしまったと聞かされた。

5年経ったいまも、
ヘファはその心の疵から立ち直れないでいるのである。

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そんなヘファの前にある日突然、
カナダから一時帰国したとハンスが現れ、言った。
ぼくたちの子は生きている。
養子縁組をして、養子に出された、と。
そうしてその縁組書と、生まれたばかりの子供の写真も見せられた。

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それだけではない。ハンスはヘファを、
養子縁組に出された自分たちの子が通っている幼稚園に案内し、

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あの子だ、あのうさぎの面を被っている子だ、
と指さして教えたのである。

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ヘファは、激しく動揺した。
そして身分を偽り、ひとり幼稚園へ行き、自分の産んだ娘
ナヨンに会う。

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さらに夜、部屋へ帰ると、そのナヨンがいた。
ハンスが彼女を騙し、連れてきたのだ。
むかし夢に描いた、家族三人の暮らしを一夜だけでも叶えたくて。

ヘファはハンスの行動に驚き、彼女を家へ戻そうとするが、
自分の気持ちに抗えなくて、
結局、三人で一夜をともにしてしまう。

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翌朝、案の定、警察に知れ、ヘファは連行されるのだが、

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ナヨンを引き取りにきたナヨンの両親と祖母を見て、
彼女は驚いた…、

というお話。

ちなみに左の女性は、すでに紹介したハンスの母親だよね。
ということは、右のナヨンの両親は…、ということになるよね。

え? そこまで誘導しといて隠すな?
いやあ、知りたかったらぜひ観るといいんじゃないかなあ。
意外な顛末が隠されていたりするし。

隠すのが上手になった?
またあ、褒められてもその手には乗らないよ(笑)。

物語の創り方に多少強引さを感じないでもないけど、
若いころの自分たちの失敗を取り戻そうとする二人の姿を
寡黙さと静謐さの中で描いたインディーズ系の佳作。

ヘファの心の疵を、
野良犬にたいする感情として表わそうとしているところが
私はけっこう好き。

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お尻にソーセージ(脱腸)をぶら下げた野良犬。
つまり、ヘファ自身。

この犬を見ると彼女は思わず自分の股間に手を当ててしまう。
そう言ってよければ、
元気な子を埋めなかった自分の子宮は、
あの出産で
この野良犬の脱腸のように飛び出てしまったかのような
気持ちに襲われてしまっているんだろうね。

心の痛みが肉体的な疵、痛みとして表れている?

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彼女が自己投影しているその野良犬を捕まえてしまった
「犬殺し」屋さん。

この作品の中ではかなりインパクトあるよ(笑)。

じつは私が子供だったころ、昭和20年代、
こういう「犬殺し」屋が日本にもまだいたんだよねえ。
そのひとたちを見ると、私もなんだかひどく怖かった。

だからヘファがこの犬殺し屋を見かけたときの怖さが
私にはかなり実感的にわかる?

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これはその犬が
犬殺し屋に連れ去られたあとのヘファの姿。

ヘファとハンスの心の痛み、悲しみの底に見えてくるのは、
結局、韓国の孤児社会の問題なんだよね。
自分たちもまた孤児を産んでしまったのではないかという。

ハンスなんかその自己処罰として
自分で自分を「孤児」化させてしまったかのように思える。


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■107分 韓国 ドラマ
監督: ミン・ヨングン
脚本: ミン・ヨングン
出演
ユ・ダイン
ユ・ヨンソク
パク・ヒョックォン

18歳で体験した痛みを胸に刻んで生きている20代の男女の愛と成長,そして傷の治癒を描いた作品。
18歳の高校生,ヘファとハンスは,互いに愛する仲だったが,ヘファが妊娠すると,ハンスは突然に消えてしまった。
5年が過ぎたある日,彼女の前にハンスが現れる。彼は,ヘファに許しを請い,死んだと思っていた自分たちの子供が生きているという便りを伝える。
過去の傷がいえなかったヘファは,初めは彼を信じることができないが,子供が養子縁組されたという事実を知って,彼女の心は手のほどこしようもなく揺れる。

 

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