サラの鍵_2 (2010) フランス

[949]ジュリアは希望としての「サラの鍵」を手に入れた
★★★★★★


ジュリアは病院へ行く。
お腹の子を中絶することに決めたのである。

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理由はサラの以降の手がかりが消えたから。
手を尽くしてデュフォール夫妻の行方を追ったが、
見つけることができなかったからである。

弟ミシェルは遺体となって発見され、
サラもデュフォール夫妻とともに消えた。
彼女は自分の希望を失ったような気持ちに襲われたのだ。

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が、事態は携帯に吹き込まれていた留守電で一変する。
留守電の主は、ナタリー・デュフォール。
デュフォール夫妻の孫娘だった。
ジュリアは手術を止め、ナタリーに会いに急いで病院を出る。

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ジュリアは一瞬、また挫けてしまいそうになった。
ナタリー・デュフォールに、
サラは50年前にデュフォール家を出て消息が途絶えた、
祖父はあなたからサラの消息が聞けると喜んでいる
と伝えられたのである。

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サラは夫妻に「赦して。愛しています」と書置きし、
ひとり夫妻の家を出た。

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夫妻はその姿を目撃したが引き止めることができなかった。
彼女はいつか出て行くだろうと以前から覚悟していたからである。
パリを、フランスを離れてどこか遠くへ行きたい
というサラの気持ちが痛いほどわかったからである。

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だが一つだけ手がかりが残されていた。
1955年、サラは結婚したことを知らせたかったのか、
「サラ&リチャード・レインズファード」というカードを
デュフォール夫妻に送っていたのである。

そこには「ブルックリン」にてとあった。

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ジュリアはすぐに故国アメリカへ帰り、実姉を訪ねる。

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ブルックリンに居住しているリチャード・レインズファードというひとを
探してほしいと姉に頼んでいたからである。
姉はネットで5件のレインズファード名を探し出していた。

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彼女はその5名の中からついに
件のリチャード・レインズファードを探し当てる。

だが病気療養中だというリチャードの妻はサラではなかった。
イタリア人の後妻で、彼女はパリから訪ねてきたジュリアに
サラはすでに事故で死んだことを告げたのである。

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1966年、トラックと衝突して…、原因はたぶんタイヤの破裂…。
私が夫に会ったのはその2年後なんです。
彼女の息子はいまイタリアにいる、と…。

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ジュリアは一瞬驚く。
サラの子供のことなどこれまで一度も考えたことなど
なかったからである。

名はウィリアム、当時9歳。
かれは義母にイタリアのことをいろいろと教えられたことで、
その後イタリアへ渡り、いまは義母の村の娘と結婚し、
フィレンツェにいると知る。

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ジュリアは、サラの息子のウィリアムへ会いにフィレンツェを訪れる。

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彼女はウィリアムに会うと言う。

私は、あなたの母サラが住んでいたパリのアパートに
縁あって住んでいた者で、じつは
私の義父があなたの叔父様の遺体をそこで発見しました、と。

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ウィリアムスは答える。

母に兄弟はいない。私には叔父はいない。
アパートの話も初耳だ。
母の名はたしかにサラだが、姓はレインズファード。
レインズファードの前は、デュフォールだ。

スタルジンスキ姓など聞いたこともない。
残念だが私はあなたの探しているひとではないようだ、と。

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ジュリアはサラの写真を見せる。
ウィリアムスは一瞬驚くが、すこし怒って否定する。
たしかに似ているが母ではない。母はユダヤ人ではない、と。
(サラの胸の「☆」マークはユダヤ人を意味する)

ジュリアが話を聞いてと言うと、
かれはこの話はしたくない、聞きたくもないと、去る…。

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ウィリアムスは帰国し、病床の父を見舞う。

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父はジャーナリストの彼女に会い、
母親のことを、サラのことを知りたいのだろうと察し、
息子にいままで話さずに来た妻サラのことを話す。

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私がおかあさんに出会ったのは、
マッハッタンのダンスホールだった。

かあさんは私が人生で出会った中でもっとも美しい女性だった。
しかし、かあさんの微笑みの底には何かが隠されていた。

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とても楽しかった。
だがとうさんにはわかったよ、
かあさんが周囲に馴染めないでいることが。

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かあさんの死は事故ではない。
かあさんは、最後の数年は鬱に陥り、
薬を飲み、アルコールを飲み、そして最後にはとうとう…。

おまえが生まれたとき大喧嘩をした。
かあさんはおまえを産むとすぐに病院から連れ出し、
洗礼を受けさせた。
おまえがユダヤ人では危ないと言って。

かあさんは私が人生の中で出会ったもっとも悲しい女性だった…。

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そう言って父親は、サラが書き残した日記を息子に渡した。
ウィリアムスが日記を開くと、「サラの鍵」が出てきた。
かれは日記を読み、母の過去を知り、その母を受け入れた。
そして母の子である自分を…。

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2年後、ジュリアは子を産み、
14歳になる留学中の娘とニューヨークで暮らしていた。

サラはユダヤ人迫害、両親の死、そして弟の死という
過酷な運命に翻弄され、心に深い傷を負ったが、
それでもひとを愛し、子を産み、育て、短い生涯を終えた。

そんなサラの生涯はジュリアに希望を与えてくれた。
彼女は「サラの鍵」で自分の納戸(胎内)を開けたのである。

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パリの夫から、
ウィリアムスという男性から電話があったぞと知らせを受け、
彼女はかれと再会する。

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ウィリアムスは、ジュリアの子に名前を聞いた。
彼女は笑って「ルーシー」と答えた。

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ウィリアムスは、
母サラの残したものをすべてジュリアに見せた。
ジュリアが出すぎたことをしたと謝ると、
ウィリアムスはほんとうの母を知ることができて感謝していると
返した。

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これからのことを聞くと、ジュリアは、
ニューヨークに住み、
私の中のパリは思ったより大きかったとわかったので
たぶんパリに帰るわと笑った。

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ウィリアムスは窓辺のルーシーを見て笑い、言った。
「かわいい娘さんだな、ルーシーは」と。

ジュリアは笑った。
「ルーシーは(あの子の抱いている)キリンの名前よ」と。

「なら、彼女の名前は」とウィリアムスが聞くと、
彼女は言った。

「サラよ」…。

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ウィリアムスは堪えきれずに泣いた。
礼を言った、「ありがとう」と。

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幼いサラは、
あのサラが好きだったというニューヨークの夜景を
眺め下ろしていた。

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フランス映画としては珍しく理知よりも情感に訴える作りをした
作品である。

ジュリアと夫ベルトランとの関係の描き方が弱いし、
構成的にも難がないとは言えないような気もするが、
迫害を受けた少女サラの姿は、迫害を声高に非難する映画などより
はるかに見るものの胸を深く抉りとってくる。

しかしまあ、少女時代のサラを演じている
子役メリュジーヌ・マヤンスちゃんがほんとに凄い。
成長したサラを演じている女優もステキだが、

おいおい、メリュジーヌちゃん、もうすこし手加減してくれないかなあ。
でないと天下のクリスティン・スコット・トーマスも、
ほかのおとなの俳優もまったくカタナシだよ。
と、いやあ、私まで土下座してお願いしたくなっちゃった(笑)。

詩人の谷川雁さんは私の顔を見るたびに、
山崎さん、子供は3歳まではみんな天才だよねえ
と、おっしゃっていたが、

雁さん、最近はどうも3歳までじゃなく、10歳くらいまで
みんな天才じゃないかと思えるような映画が多いんですが、
と、天に向かって報告したくなったなあ(笑)。

ほんと叶わないよねえ、子供には…。

おすすめの作品です。


■111分 フランス ドラマ
監督: ジル・パケ=ブランネール
製作: ステファーヌ・マルシル
製作総指揮: ガエタン・ルソー
原作: タチアナ・ド・ロネ
脚本: ジル・パケ=ブランネール セルジュ・ジョンクール
撮影: パスカル・リダオ
美術: フランソワーズ・デュペルテュイ
衣装: エリック・ペロン
編集: エルヴェ・シュネイ
音楽: マックス・リヒター
出演
クリスティン・スコット・トーマス ジュリア・ジャーモンド
メリュジーヌ・マヤンス サラ・スタルジンスキ
ニエル・アレストリュプ ジュール・デ・ユフォール
エイダン・クイン ウィリアム・レインズファード
フレデリック・ピエロ ベルトラン・テザック
ミシェル・デュショーソワ
ドミニク・フロ
ナターシャ・マスケヴィッチ
ジゼル・カサデサス

タチアナ・ド・ロネによる世界的ベストセラーを「イングリッシュ・ペイシェント」のクリスティン・スコット・トーマス主演で映画化した衝撃と感動のヒューマン・ドラマ。ナチス占領下のフランスで起きたユダヤ人迫害事件を背景に、一人の少女が辿る過酷な運命を、事件の真相を追う現代のアメリカ人女性ジャーナリストの取材の過程を通して描き出していく。共演にメリュジーヌ・マヤンス。監督は「マルセイユ・ヴァイス」のジル・パケ=ブランネール。
夫と娘とともにパリに暮らすアメリカ人ジャーナリストのジュリア。ある日、自分たちのアパートのかつての住人が、1942年にフランス当局によるユダヤ人迫害事件によってアウシュビッツに送られたユダヤ人家族だったことを知る。フランス警察による一斉検挙の朝、10歳の長女サラは、弟を守るため納戸にかくまい鍵をかける。すぐに戻れると思っていたサラだったが、他の多数のユダヤ人たちとともにすし詰めの競輪場に隔離された末、収容所へと送られてしまう。弟のことが心配でならないサラは、ついに収容所からの脱走を決意するが…。

  

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