アウトレイジ (2010) 日本

[969]結が先にあって物語を後付けすると碌なことにならない? ★★★★☆☆

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以前、一度観た作品。
すこし書いておこうと、もう一度観た。

いずれ3度目また観るのかな?
たぶん観ないだろうね(笑)。

関東一円を仕切る巨大暴力団組織「山王会」の
いわば内部抗争を描いた、
たけしお得意のバイオレンスもの。

最初に殺害シーンのイメージがあり、ストーリーは後付けした。
みたいなことを言っていたような気がするが、
まあ、その程度の作品かな?

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結論が動かしがたいものとして先にあって、
そこへ向かってストーリーを作るというのは、
物書きがやることではない。
いや、やっちゃいけないことだ、と私は思っている。

言葉は、書き手の予想を裏切ってつきすすむことがある。
なので、当初、予想もしなかった展開になったりする。
言葉を書き繋ぐことで、新しい発見があったりする。

そうしたことがあるから書くのであって、
あらかじめ結論の出ているものを書いたってしょうがないからだ。

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また、そんな場合、その結論はじつはたいてい
作り手にとってだけでなく、
観る側、読む側にとって既知である場合がほとんどである。

実際、この作品もそうなってる。
たけしらしい映画だとはおもうが、ここには予想を裏切るものは
なにもない。

最初にあったといういくつかの殺害シーンも、
わざわざ作って観せてくれなくとも私はもう知ってるよ
という感じ。

ま、それがちょっと致命的かな?

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知ってても、そこに新鮮さが感じられれば
それはそれでものすごいことなのだが、
残念ながらそれは最初からもうまったく期待できない。

だって、たけし、名のある俳優ばっかり、
プロの俳優ばっかり使ってるんだもん(笑)。

初期のたけし映画が圧倒的にすごいのは、
芝居なんてほとんどやったことのない、
素人同然のひとたちを使ってたからなんだって(笑)。

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余談だけど、
お世話になってる「映画データベース allcinema」に
データを取りに行ったら、

「たけしは演技がめちゃめちゃ下手。
ほかの俳優はちゃんとやってるのに」というコメントがあって
笑ってしまった。

おい、逆だぜ。たけしが一番うまいんだよ。
アキ・カウリスマキに聞いてごらん。
うん、そうだよねって言うから(笑)。

君が「うまい」っていうプロの俳優はクソ芝居ばっかり。
「うそ」ばっかりやってるじゃん(笑)。

ウソのほうが真実を表現できるからウソをやってもいい訳だけどさ、
真実や核心を衝いてくるウソだったら。

でもねえ、どこまで行ってもウソで終わるウソはだめよ、
観ててもクソ面白くもないよ(笑)。

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実際、たけしもあらかじめ
有名俳優たちの演技=ウソは想定内にあった。

なので「全員悪人」、
どうしようもねえヤクザたちが内部抗争=内ゲバを起こし、
みっともねえ死に方でドバドバと死んでいく…、

という、ハチャメチャなストーリーにしたのだ、
と私は確信してるんだけどね(笑)。

もう少し言うと、
いまの日本、日本人なんてこんなもんだろ。
アホ臭、みんな死んじまえばいいんだよ、
という、たけしお得意のハルマゲドンなんだよね、コレ。(笑)

終末なんだから、この世の終わりなんだから、
たけしも未来に向かって
なにか新しいものを構築しようという意志は毛頭ない?

人間の死に様をひたすら無様な死に様にしようとしてる?
そのことに命を削ってる?

一言でいうと、そんな感じだよね。

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とボロクソ言いながら、
一方ではちょっと感動もしてるんだよ。

プロの俳優さんたち、
カリスマたけしのやりたいことがそれなりにちゃんとわかってて、
その要請に一生懸命応えようとしてるからさ。

いま時、こんなに素直に一生懸命演技しようとしてる俳優さんたち
なかなかいないよ、日本には(笑)。
いいじゃん! やればできるじゃん!と拍手したよ(笑)。

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特に、三浦友和と椎名桔平。
長年のお芝居癖が完全に壊れるという訳にはなかなかいかないが、
たけしと仕事して一皮も二皮も剥けたんじゃないかなあ。

監督が凄いと、俳優も変る。
そのあたりがまた、おらがたけしの凄いとこさね。

しかし、なんで初期みたいに、
そのへんにいるド素人を起用しなくなったのか、
やっぱりちょっと疑問だよね。

有名どころを使って客入れたいのかなあ。
有名どころを使わないと資金集めがやっぱり大変なのかなあ。
使うとろくでもないクソ芝居をやることは
誰よりも先刻ご承知のはずなのにさ。

それとも、ド素人でも
昨今の若いひとたちとやれる自信なくなったのかなあ。

きっと悩み尽きないんだろうなあって
たけしファンの私は一緒に悩んでしまうのだった。(笑)


■109分 日本 犯罪/ドラマ/任侠・ヤクザ
監督: 北野武
プロデューサー: 森昌行 吉田多喜男
脚本: 北野武
撮影: 柳島克己
美術: 磯田典宏
衣装: 山本耀司 (大友組組長衣装)
衣装デザイン: 黒澤和子
編集: 北野武 太田義則
音楽: 鈴木慶一
出演
ビートたけし 山王会大友組組長 大友
椎名桔平 山王会大友組若頭 水野
加瀬亮 山王会大友組組員 石原
小日向文世 刑事 片岡
北村総一朗 山王会本家会長 関内
塚本高史 村瀬組組員 飯塚
板谷由夏
中野英雄 村瀬組若頭 木村
杉本哲太 山王会池元組若頭 小沢
石橋蓮司 村瀬組組長 村瀬
國村隼 山王会池元組組長 池元
三浦友和 山王会本家若頭 加藤

「BROTHER」「アキレスと亀」の北野武監督が、欲望と裏切り渦巻くヤクザ社会を舞台に豪華キャストの競演で描く任侠サバイバル・バイオレンス群像劇。生き残りを懸けた下克上と報復の連鎖の中で繰り広げられる血で血を洗う潰し合いの内部抗争劇の行方を、壮絶なバイオレンス描写とともに描き出す。
関東一円を仕切る巨大暴力団組織、山王会。その若頭である加藤は、傘下の池元組と弱小ヤクザ、村瀬組の接近を警戒し、組長の池元に村瀬組を締めるよう命じる。そこで池元は、配下の大友組にそれをそのまま丸投げ。弱小組織ながらも武闘派の大友組は、毎度、池元からやっかい仕事ばかりを押しつけられていた。さっそく村瀬組を締め上げにかかる大友組だったが…。

  

この記事へのコメント

c
2018年08月01日 15:34
11またもやナルシ馬場ちゃん安い

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