ある会社員 (2012) 韓国

[992]ソ・ジソブとイ・ミヨンのおとなの演技に痺れるよ! ★★★★★☆

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「ある会社員」だと?

なんだ、このタイトルはっ!
めったに映画なんかには出ない、ジソプ主演だぞ。
なにも仕事なんかしてないじゃないか。
おまえ、会社首だあ~、解雇だあ~!

…なんて言いたくなっちゃうよなタイトルだよね。
せめて「退職願い」くらいにしろよ、そういう映画なんだから。
あ、似たようなもんか(笑)。

ちなみに私の舞台のタイトルは…、
「テツさん、ほんとタイトルのつけ方うまいわねえ、いいわねえ」
と、緑魔子さんに褒められたことあんだぞお(笑)。

でも凝りはじめたのは30代に入ってから。
20代の頃は好きな映画のタイトルをまんま戴いてた。
剽窃魔だったぜい(笑)。

たとえばどんな映画か?
お知りになりたいひとは自分で調べよう。
あ、誰もいないわ(笑)。

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ソ・ジソプ…、いいねえ。
いまやハ・ジョンウかソ・ジソプか、と言ってもいいくらいかもよ。
なにより映画ズレしてないのがいい、感動しちゃうよ。

会社員、名はヒョンド。朝の出勤風景。
会社は日本相手の「NCM(新大陸金属)」、営業2部の課長さん。

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その営業2部の「慰労会」風景。場所は韓国の熱海(笑)。
左、営業部代表…、ベテランのチョン・ググァンさん。
右、企画理事のジョンテ。社長の息子。
尊敬されないもんだから社員をいじめる嫌なやつ(笑)。
こいつがいなかったらヒョンドも退職を願い出さなかったかも。

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ここは営業2部の床下に設けられた仕事部屋。
なんでこんなに暗くて汚いのか?
営業2部とは一般社員には極秘の「殺人請負部」だから。

韓国は怖~い、と初めて思っちゃったよねえ(笑)。

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かれはある日、アルバイト生のフンと組み、仕事に出かける。
仕事とはむろん殺人請負。
しかも仕事が終わったら、フンを処理しろとの指示。

これまで会社一途に生きてきたヒョンドは、
はじめて代表と理事の命令にそむく。
フンを処理したようにみせかけ、ひそかに匿ったのである。
可愛がっていたから。

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ヒョンドは、フンに頼まれて、フンの母親を訪ねる、
フンのお金を母親に届けるために。

フン一家は「月の村」に住んでる。

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フンの母親のユ・ミヨン…、
「純愛中毒」や「黒水仙」「タイフーン」などでお馴染みのイ・ミヨン。

お、久しぶりだねえ、ミヨン!元気かっ!?
と見た瞬間、私は思わず声かけちゃったよ

ジソプのヒョンドはめちゃ驚いた、
オラの声が海峡を越えて届いたらしく(笑)。

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ごめん。
ミヨンが、自分が若いころによく聴いていた歌手だったからだ。
彼女は若くして引退、
子どもを二人産み、工場などで働きながら育てていたのだ。

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壁のポスターは20年前の、歌手だったころのミヨン。
「タイフーン」や「黒水仙」を思い出すよ~。

あ、照国さんのコメントによるとさ、
中国のひとたちはミヨンのことを
韓国の中で一番美しい瞳をもった女優と呼んでいるんだって。
さすが、中国人の眼力は素晴らしいぜい!

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フンはいまどこに? と聞かれると、
ヒョンドは、優秀なので海外出張に、と誤魔化す。

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が、アホだから海外で首を捻挫しちゃいました、と
フンをすぐに実家に戻す。
ひとえにミヨン会いたさの口実だ。
オラにはヒョンドの気持ちがよくわかる(笑)。

前左はフンの妹。
「復讐者に憐れみを」で
社長の娘をやってたハン・ボベちゃんなんだって。大きゅうなって!

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フンが戻り、家族三人に明るさが…。
ミヨンはヒョンドに感謝する。

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ヒョンドは会社から、かれの上司にあたる部長を始末しろ
と仕事を命じられる。
息子を事故で失くしたあと、
その部長が会社に出勤してこなくなったからだ。

ヒョンドは部長も始末できず、逃がそうとする。
サラリーマン人生を信じてきたが、
家族を省みることも許さない会社に疑問を持ちはじめたのだ。

が、この不始末は会社にバレ、
代表と企画理事ジョンテの目の前で
部長を処理(殺害)せざるえない事態に追い込まれる。

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サラリーマンとしての優秀さを買われ、部長に昇進。
が、かれは会社をやめて、
ミヨンと初デートした湖のほとりでカフェをやりたいと思うようになる。
ここで彼女にもう一度歌ってほしい、と…。

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かれは辞表を書くが、直後、部下たちに命を狙われる。
アルバイト生フンを処理せず匿っていたことがバレたのだ。

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会社の遣り口を知り尽くしているヒョンドは、
ミヨン一家を連れて逃亡、
元上司でいまは引退した海岸で料理屋をやっているジフンに預ける。

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ビョンドは普通の会社員だと思っていたミヨンは、
はじめて真実を知り、驚く。

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こっちは、ビョンドが父のように慕ってきた元部長のジフン…、
おなじみのオラがイ・ギョンヨン。悪玉の王(笑)。
ビョンド、そいつは口先だけの男だ、信用するな!
と私は叫んだのだが…(笑)。

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案の定、徹頭徹尾会社人間であるきゃつの裏切りに会い、
殺し合いになる。

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ミヨンは、烈しい銃撃戦の中で流れ弾を喰らい、命を落とす。

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翌朝、ビョンドは白いワイシャツを着、ネクタイを締め、
会社に向かう。

いつもと違うのは、
ワイシャツの下に防弾チョッキを着込んだことだった…、
というお話。

ハリウッドに倣い、デコレーションケーキみたいな映画作りに
向かいはじめた韓国映画界にあって、
これもじつに貴重な映画だよね(笑)。

クライム・アクションで、アクションシーンもけっこうあるんだけど、
「ウンギョ」同様、手作り感を大事にしてるもん。

それにソ・ジソブとイ・ミヨンがとにかく素晴らしいのよ。
おとな。おとなの映画。

生きることの苦しさも、悲しみも、喜びも、
言葉に発してしまうとつまんなくなるよね。
ダセー科白になってしまう(笑)。

でも科白なしに表現しようとすると、
それもまたけっこう臭くなったりしがち(笑)。

そこがこの二人は全然違う訳よ。

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さりげないんだけど、科白なしに
生きてあることの悲しみや喜びが見てる側にスーッと入ってくる、
ほんと、深~い芝居ができる。
すごいよねえ、いいよねえ、嬉しくなっちゃう。

ジソブの魅力について一言触れておくと、
かれがどこかしら外部にたいして強い「異和」を抱えているから
かもしれない。
その異和がかれを無口にするのかもしれない、と思う。

あまり笑わないのも、
あるいは笑うのが苦手なのも、たぶんそのせい…。
もちろん私はそこに惹かれる訳だけどね。

おすすめの一本だよ!


●sinoさん
え、ジソプ、「遠い路」に出てましたっけ?
記憶にないなあ。
私がはじめて見たのは、チョン・ドヨンとのTV単発ドラマ
「あなたを忘れられない~せつないラブストーリー~」だと思ってました。
ほとんど二人だけの、淡い初恋を描いたもので、
ドヨンの濃さにちょっと押され気味でしたが(笑) 、
そのころから「静かさ」が際立っていました。
この作品でもほんとユ・ジテに輪をかけて「静か」で、美しいです(笑)。
韓国の俳優の99%は「うるさいやつら」なので、
ジソプが映画にあまり出ないのは、「うるさいやつら」と
遭遇したくないからではないのかと疑ごうとります(笑)。

ありがとうございました。


■96分 韓国 アクション/ドラマ/犯罪
監督: イム・サンユン
脚本: イム・サンユン
撮影: イ・ヒョンドク
音楽: モグ
出演
ソ・ジソブ チ・ヒョンド
イ・ミヨン ユ・ミヨン
クァク・ドウォン クォン・ジョンテ
イ・ギョンヨン バン
キム・ドンジュン フン
オ・ジェム

「映画は映画だ」「ただ君だけ」のソ・ジソブ主演のクライム・アクション。普通の商社を装った殺人請負会社を舞台に、そこでサラリーマンとして働くヒットマンの主人公が、ある出会いをきっかけに人としての幸せを求めて葛藤するさまを、繊細な人間ドラマと臨場感あふれる格闘アクションで描き出す。
一見ごく普通の会社員ヒョンドが勤めているのは、どこにでもありそうな普通の貿易商社。唯一普通と違うのは、業務内容が“殺人”という点だった。ヒョンドはそんな会社に忠実な真面目な暗殺者。ある日、新人のフンと一緒に仕事をすることに。ところが会社からはフンの殺害も命じられていた。初めて躊躇いを感じたヒョンドは、殺人を偽装しフンを匿ってしまう。やがてフンに頼まれ、彼の実家を訪れたヒョンドは、フンの母親がかつてヒョンドが憧れた元アイドル歌手のミヨンであることを知る。やがてヒョンドはミヨンとの新たな人生を願い、会社を辞めようと決意するが…。

 



この記事へのコメント

sino
2014年03月02日 15:03
いい顔ですね~。
甘さが無い。韓国の俳優さんも余り知らない私ですが、なぜかソ・ジソプは知ってます。「遠い路」またしてもビョンホンで申し訳ないのですが、彼女役を振る嫌なお坊ちゃん役で出てました。その時は「なんて嫌な奴なんだ。顔もいけ好かないし」と思ったので記憶に残っていだんです。私のあてにならない審美眼よ。・・・(笑)いや、私も、ちょっとは、成熟したって事なのか~。失礼しました。

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